日本 プロライフ ムーブメント

世界代表司教会議(シノドス)第3回臨時総会 準備文書への日本司教団回答

臨時シノドス事務局への回答 日本カトリック司教協議会としては、時間が限られていたので、臨時シノドス事務局からの準備文書を司教たちと男女修道会・宣教会の上長に送付して回答を求めた。その回答結果をさらに数名の有識者(司祭、信徒)に送りコメントを求めた。司教、修道者たちは現代の家庭の問題にかかわってきており、精通しているといえるので、彼らの回答は今の日本の家庭の状況を十分に反映していると思われる。

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2013年「世界平和の日」メッセージ

「平和を実現する人々は幸いである」 これらすべてのことから、わたしは、イエス・キリストの次のことばから霊感を受けて今年の「世界平和の日」メッセージを書くことにしました。「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5・9)。 1 新年を迎えるたびに、わたしたちは世界がよりよいものとなることを願います。そのためわたしは、人類の父である神に、わたしたちに一致と平和を与えてくださるよう祈ります。どうかすべての人が抱く、幸福で豊かな生活への望みがかなえられますように。

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「3・11」から10年

 2011年3月11日に発生した「東日本大震災」は、巨大地震にともなう大津波、さらに原発事故が重なりあう、歴史に残る苛酷な災害でした。 あれから10年目の「3・11」がやってきます。新聞や雑誌の企画記事、関連出版物などもこれから順番に出てくるものと思います。「東日本大震災」とはいかなるものであったのか、そこから学ぶべきものは何だったのか、この10年の「復興」はどのように評価されるのか、「脱原発」への道は切り開かれたのか、など、さまざまな角度からの議論がされることでしょう。

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中絶は米国および世界の主要な死因である

2020年に中絶で亡くなった人間の数は、他の死因よりも多くなっています。ワールドメーター社がまとめた統計によると、この1年、世界で4,260万件以上の中絶が行われたという驚くべき心臓に悪い事実が判明しました。中絶は、他のすべての死因を合わせた数よりも多いのです。48年前のRoe v Wade以来、アメリカでは6,200万人の貴重な赤ちゃんが中絶によって残酷に破壊されており、これはすべての戦争で死亡した軍人の数をはるかに上回っています。昨年の中絶件数は、コロナで亡くなった50万人の約2倍でした。この恐ろしいホロコーストは増え続けています。なぜならば、悲しいことに、多くの人がまだ胎児を人間として認識し、評価していないからです。生物学や最近の医学研究は、多くの聖典や教会の絶え間ない教えに基づいた私たちの信念を裏付けています。これらの貴重な赤ちゃんは、受精の最初の瞬間から、まさに神に似せて作られた唯一の生きた人間であり、人生のあらゆる段階で生命尊重、永遠の生命であることを私たちに呼びかけていますが、彼らは中絶によって残酷で暴力的な死を迎えます。私たちのモットーは、母と子のためにいのちを選ぶことです。

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光は闇の中で輝いているーー光を探すよりも光になりなさい。

「夜の長さにうずくまり、いらだって夜明けを待つ・・」ヨブの言葉です(7・4)。なぜこんなことが起きるのですか?コロナ感染防止のために営業を制限され、お世話になっていた店も閉店に追いやられ、わたしはホームレスになりました。昨夜の報道番組からです。思い出すのは「阪神淡路大震災」(1995年1月17日)のことです。家を失った人々は、学校の体育館、公民館、お寺や教会に身を寄せた。当時「思いやり」が町のルールとなったのです。自分を忘れて周りの人のことを気遣ったのです。「ボランティア元年」と呼ばれ、多くの若者が現地救援本部(被災した教会)に集まり、目まぐるしい救援活動をしたのです。その中で、次第に見えてきたことは、その地に住所を登録していないホームレスの方々は、避難所を追い出されたのです。また日本国の滞在期間が切れた(オーバーステイ)の外国人は、公的援助保護の対象ではなかったのです。また身動きの取れず、情報も入らない「独居老人」があちこちに見つかりました。

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ラジオから流れるロザリオの祈り

読書グループの女性たちは今、ヨハネ・パウロ2世の使徒的書簡『おとめマリアのロザリオ』を読んでいるが、そろそろ後半に差し掛かってロザリオの祈りのすばらしさがいよいよ身に沁みて理解される段階に入ったようである。「ロザリオはすばらしい祈りです。その単純さと深さのゆえに」(使徒的書簡2)と教皇は言われる。単純さとは、天使祝詞(マリアへの祈り)を繰り返しながら主キリストの生涯の出来事を思い出すだけの、誰にでも祈れるからであり、深さとは、主イエスとその母マリアの生涯から20の出来事(神秘)を思い出しながら、神のうちに秘められた人類救済の偉大な神秘を、聖母とともに観想し、その恵みにあずかるからである。

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尊厳死の奥に深い人生と愛 (「海を飛ぶ夢」映画評)

 観(み)おわってしばらく、奇妙な高揚感に包まれた。  ある人々に対してこの映画は、尊厳死に関する映画だと紹介することも可能だろう。主人公のラモンは25歳のときに引き潮の海に飛び込み、海底に頭を強打して首から下が不随になってしまう。実家のベッドの上だけを住処(すみか)に、ラモンは詩を綴(つづ)り、家族の世話になって二十数年を過ごす。そんな彼がギリギリに選択したのが、自らの尊厳と自由のために死ぬことだった。

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名古屋教区正義と平和委員会学習会報告

「生命倫理を考える」第4回 “生命倫理の関わるゲノム編集”  私たちは意識しないと単に、安さや便利さにだけに目が行きがちである。しかし、安全性の確認されていない遺伝子組換え作物やゲノム編集作物を摂取していると、自己の健康を害し生命を損ねるだけでなく、将来世代や環境に負の遺産をもたらす加害者になってしまう。

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「幸福のパン」

皆さん、今晩は。今日は休みなので朝は、これから職場で必要になるお年寄りの送迎コースの運転を練習した後、ファミレスで本を読み、詩を書いて過ごしました。詩を書く時というのは日常の中で(この事を詩に書きたいな・・・)と胸の内の酒蔵?に寝かせておいて・・・少し間を置いた頃にふっと(書こう)と思い、原稿用紙を出して裏側に初稿を書くという感じです。午後は嫁さんと赤ちゃんの周(しゅう)を車に乗せて、広い公園で降りて散歩すると通行人のおばちゃんが「あらイケメンねぇ~」と声をかけてくれて、穏やかな休日でありました。

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この子のいのちに「はい」と言う

私はずっと、母親になる日を夢見てきました。子どものいない人生は想像できませんでした。私の最初の息子は、予想外の、信じがたい、そしてぞっとするような出来事によって身ごもりました。ある秋の夜、女性を大切にすることを知らない男性に脅され、私は妊娠しました。私は十九歳で、人生について何も知りませんでした。二か月後、事実に直面しました。私の中でいのちが育っていたのです。

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「もう一つの復活」

トマスについて、ヨハネ福音書の中に、ラザロのもとへ行こうとしたイエスを、殺される危険があるとして引き留めようとした弟子たちに、トマスは「わたしたちも行って、一緒に死のうではないか」と言う場面があります。死も覚悟の上で熱心にイエスに従い抜こうと、このときトマスは思っていたのでしょうか。

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クリスマスの心

毎年この時期に入ると全世界はキリストがお生まれになったことを祝います。神さまが人となってこの世に来られました。これはクリスマスです。私たちはキリストを通して神がどれほど私たちを愛しておられるかを知ることが出来ました。私たちが神から生まれるように、神が私たちからお生まれになることを望んでおられます。神さまが私たちからお生まれになる! のは、私たちの日々の思いやり、親切、小さな愛の行いをする時ではないでしょうか。ここで“クリスマスの心”について分かち合いたいと思います。

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いのちは研究より大切

幹細胞とは、私達人間の初期の構成単位である。人間が持つ210もの異なる組織はすべて、これらの基本細胞から出来上がっている。この幹細胞は、例えば脳や心臓や皮膚といったどんな組織にもなる可能性があるので、この細胞は人の臓器や身体の一部をゼロから「作り出せる」新しい時代への鍵になる、と科学者達は考えている。この新たに台頭してきた学問分野は、組織工学と呼ばれている。幹細胞は、出生後の人の身体にも、生まれる前の胚にもある。この細胞を使用するにあたって、次の2つの質問が重要になってくる。一、幹細胞を使った治療法は効果的なのか?二、胚性幹細胞の使用は倫理にかなっているのか?

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思いもよらぬ結果

私は小さな町医者の一人娘でした。16歳になり、高校卒業まで後二年を残した頃、どうして私のことを好きになってくれる男の子がいないのか神様をうらんだものです。私は大学に入学して、お酒を飲みはじめ、酔っ払っている時に処女を失くしました。その後私は、大学を留年し、ドラッグもやりはじめめました。

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出生前診断

科学が進み現在では、生まれる以前にダウン症とか遺伝性のある障害を持つ子どもが生まれるか否かが、ほとんど確実に診断できるのだそうである。その出生前診断を断った若い夫婦の話が、今日のテレビニュースで放映されているのを見た。断った理由は、夫婦で話し合い「生まれてくる子どもに障害があろうとなかろうと、 わたしたちの子どもなのだから、たとえ障害があったとしても同じように大切に育てよう」との決断の結果であると話していた。

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正義と平和委員会学習会

「生命倫理を考える」第3回 「ゲノム編集の危険性」 前回、遺伝子組み換え(外部の遺伝子を対象作物に取り入れ、突然変異を起こさせることで収穫量増や害虫に強いといった特徴を持たせる技術)作物(以下GMと略)が人体や環境への複合汚染の危険性があると指摘したが、新たな技術ゲノム編集は「原則として対象作物の遺伝子自体を改変するため、安全性が高いとされ、さらに品種改良の時間やコストを削減できる。」(日経19、3/10)からと、2019年9月19日、消費者庁はゲノム編集食品の表示を義務付けないと発表した(東京新聞)。理由は「(外部遺伝子を組み込まない食品は)…表示義務に違反する商品があっても見抜けないため」と説明(同東京新聞)。つまり、危険な食品も流通するとの政策なのだ。国民は危険なものと知らず食べさせられることになるのだ。「生命を守る」べきカトリック者として、このことを看過して良いのだろうか。9月11日に「生命倫理を考える」第3回を開き、「ゲノム編集の危険性」というテーマで講師の大沼淳一さんから話を聞いた。要旨は下記の通りである。

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名古屋教区正義と平和委員会学習会報告

「生命倫理を考える」(下) 先月号に引き続き、第2回(7月10日)の講演会の内容を掲載します 第2回 遺伝子組み換えと作物  教会は「すべての命を守る」と信者に呼びかけているが、私たちは日々の生活においてどれだけ気にかけているだろうか。安いからと、環境や人体に有害な化学汚染まみれの食品や遺伝子組み換え(GM)食品を平気で摂取していないだろうか。その危険性と防ぐ手段を学んだ。

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胎内の赤ちゃんの擁護と堕胎に関与するワクチンに反対する女性の声

堕胎は現代の幼子の大虐殺です。私たちは女性として、私たち女性の叫びが世界中で聞かれることを願っています。この宣言は、いのちの源を擁護し、死の文化と闘う私たち母親の心の奥底から来ています。ですから、私たちは心を込めて断言いたします。「私たちは、現代の聖なる幼子の大虐殺に加担することはありませんし、それゆえに堕胎された人間の胎児に由来する細胞を用いて製造されたありとあらゆるワクチンを拒絶いたします。」

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私たちは、堕胎された人間の胎児に由来する細胞から製造れたワクチンを拒絶しなければならないのでしょうか?

胎内の赤ちゃんの擁護と堕胎に関与するワクチンに反対する女性の声  堕胎は現代の幼子の大虐殺です。私たちは、堕胎された赤ちゃんに由来するワクチンを故意に使用することで、この犯罪に加担していると考えるだけで母性本能が恐怖を叫ぶ女性として、私たちの女性としての叫びが世界中で聞かれることを願っています。この宣言は、神が独特の母性本能を植え付けてくださった私たちの心の奥底から生まれたものであり、生命の大義を守り、死の文化と闘うことに専念する心です。ですから、私たちは心を込めて断言いたします。「現代の聖なる幼子の大虐殺に加担することはありませんし、それゆえに堕胎された人間の胎児に由来する細胞を用いて製造されたありとあらゆるワクチンを拒絶します。」

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教区正義と平和委員会

「生命倫理を考える」(上) 教区正義と平和委員会は今年度の定例会で、「生命倫理」について学んでいます。6月12日に催された第1回講義の内容を、11月と12月の2回に分けて掲載します。 2020年度のノーベル化学賞は「ゲノム編集」の新たな手法を開発した女性研究者二人に授与された。しかし、その二人が警告を発しているように「原子力と同様、生物兵器に使われる可能性がある」ことに耳を傾ける必要がある。

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「アルコールを禁ずる仏教」不飲酒戒

不飲酒戒  前回触れた生活習慣病に関連して、仏教には「良い習慣」という意味の言葉がある。その言葉は「戒」と漢訳された。仏道修行は戒定慧の三学であり、戒は禅 定を行う前提でもある。在家信者の五戒は不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒だ。このように仏教では五戒の五番目に不飲酒があり酒を飲むことが禁じられている。しかし仏教以外の古い禅定における五戒では不飲酒のところは不貪になっているようだ。仏教では所有欲を制御することよりも酒を飲まないことの方を重要視したのだ。ある仏弟子が酒に酔いつぶれて醜態をみせたことが飲酒を禁ずる発端となったらしい。飲酒そのものを罪悪とする説もあるが、持戒の妨げになるから悪いとする説もある。『長阿含経』に釈尊が晩年にパータリプトラ(現在のパトナ市)で五戒の一つとして不飲酒を説いた記述がある。同経の他の部分に飲酒の六失が次のように説かれている。「一には財を失い、二には病を生じ、三には闘争し、四には悪名流布し、五には恚怒暴生し、六には智慧日に損す」とある。飲酒は戒定慧の修行に有害だから禁じられたのだろう。飲酒して精神統一はできない。逆に禁酒のためには心の制御が必要だから、禅定が役に立ちそうだ。

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堕胎された人間の胎児に由来する細胞から作られたワクチン使用の倫理的違法性について

ここ数週間、通信社や様々な情報筋が報じたところによると、Covid-19緊急事態に対応して、いくつかの国では堕胎された人間の胎児からの細胞株を使ってワクチンを製造しています。他の国ではこのようなワクチンが計画されています。

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