大人と子供
子供のころ、大人というのは複雑でよく解らない人々だと思っていた。酒を飲みタバコを吸う様子にも、きっと大きくならないと子供には解らない理屈があるのだろうと思っていた。小学校から中学に上がってもその感覚は変わらず、大人の行動について一々理由を訊こうなんて、ほとんど思わなかった気がする。 ところが最近の子供は、なんでも訊いてくるようだ。「どうしてタバコなんて吸うんですか?」「どうして人を殺しちゃいけないんですか?」「どうして給食費を払わなくてはならないんですか?」。 「どうして」と訊かれて真面目くさって答える大人も、昔はあまりいなかった。「当たり前だ、そんなの」で済まされたり、嗤いながらワケの解らないことを言われたり、あるいは大人どうしで笑いあったりする。そんな反応が多くはなかっただろうか。だからこそ、大人はますます複雑でよく解らない存在になっていったのである。
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