『新しい鳥たち』について
最近、ときどきモーセの十戒のことを考える。ISなどによるテロが身近に報じられるようになった、ここ二年くらいのことだと思う。 『旧約聖書』の舞台は、まさにISやボコ・ハラムみたいな「ならず者」たちが跋扈している荒野である。力に物を言わせて乱暴狼藉、非道のかぎりを尽くす。この者たちをなんとかしなければならない、ということで一神教の神が招来される。地上の何よりも強力な神が下す命令として「殺してはならぬ」「犯してはならぬ」「盗んではならぬ」といった戒律がある。そうやって非道を押さえ込もうとした。 その後、一神教の神は、法にかたちを変えてヨーロッパを統治する原理になっていく。近代以降は、自由・平等・友愛の民主主義というジェネリック仕様で、さらに世界に敷衍されていく。その世界が、いま行き詰まっている。
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