日本 プロライフ ムーブメント

壊れた世界で感じる基本的な恐れ

日本の人口の約38%が60歳以上であると推定されています。70歳以上の人々は全体の22.2%を占めています。さらに、日本には100歳以上の高齢者が過去最多で95,119人います。この数字は2050年までに44万人に達すると予測されています。また、世界的に見ると、65歳以上の人口は2050年には16億人に達する見込みです。要するに、高齢化は不可逆的な世界的傾向なのです。中でも、80歳以上の人の数はさらに急速に増えています。私自身も今年85歳になります。 私たちの世代に共通する根本的な欲求は何でしょうか?簡単に言えば、年を取るほど、「老後」はもっと先にあると考えるようになります。私たちの基本的な恐れは「死ぬこと」です。 つまり、私たちは皆、できるだけ長く生きたいのです。だからこそ、健康に気を配り、危険を避けることが重要なのです。新聞で90歳や100歳を祝う人々の記事を読むと、私たちは嬉しくなります。彼らの健康で長寿の秘訣を知りたいのです。死をできるだけ先延ばしにしたいのです。

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「合理的配慮」義務化(3)

III 『合理的配慮』には対話が重要です!  P.13〜P.19 ● 合理的配慮の提供に当たっては、社会的なバリアを取り除くために必要な対応について、障害のある人と事業者等が対話を重ね、共に解決策を検討していくことが重要です。このような双方のやり取りを「建設的対話」と言います。 ● 障害のある人からの申出への対応が難しい場合でも、障害のある人と事業者等の双方が持っている情報や意見を伝え合い、建設的対話に努めることで、目的に応じて代わりの手段を見つけていくことができます。

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ペンテコステと「聖霊」と「私たち」

 6月8日はペンテコステの日だ。キリスト教の祝祭日だ。ギリシャ語で「50番目」という意味がある。通称、「聖霊降臨祭」とか「五旬節」と呼ばれる。  ところで、新約聖書「使徒行伝」第2章には聖霊降臨(ペンテコステ)の様子が記述されている。イエスは十字架後、復活し、40日間、ばらばらになった弟子たちを探し出し、福音を伝えた後、昇天。その10日後、激しい風のような音がすると、聖霊が天からイエスの弟子たちのうえに降臨する。

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「水無月と溺水」

水難   六月は水無月、その語源は諸説あるが「水の月」が最もらしい。水は、一方では全ての生き物の喉の渇きを潤し、渇愛を滅盡する仏の智慧の譬喩にも用いられる。他方、大津波のように大災害をもたらすこともある。水の利益に関して前に書いたので、今回は水の災難について話題にしよう。七難という場合、経典によって七つの難に違いがあるが、水難は説かれることが多い代表格だ。法華経普門品では水難について「若為大水所漂」、その偈文では「或漂流巨海」とあり、大水および海水による溺水の災難を取り上げている。旧暦六月は真夏であり、海水浴などで水の事故も多い。「波浪不能沒」とする観音菩薩のように人々を溺水から救うには、私達はどうすれば良いだろうか。溺水に関する知識を持つことから始める必要がある。

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聖霊と教会の時代の到来

主の復活祭(今年は4月5日)から聖霊降臨の主日(今年は5月24日)までの50日間は、「復活節」と称して、「一つの祝日」として、また、より適切には「大いなる主日」として、主の復活とその実りについて、歓喜に満ちて祝われる。 しかし今回は、典礼季節としてばかりでなく、救済史という歴史的な観点から、聖霊降臨の出来事が何であったかを考えてみたい。それは、人となった神の子キリストによる人類救済の大事業が完了して、救済史の次の段階、すなわち「聖霊と教会の時代」の到来を意味するのではないか、ということである。

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アナバプテスト運動500周年を迎えて

アナバステスト運動をご存じだろうか。幼児洗礼を拒否し、成人になってからの意識的な洗礼を重視することで再洗礼派と呼ばれ、絶対平等の社会と財産の共有などを主張する。この運動はプロテスタント思想とキリスト教共同体の発展に強い影響を与えた。 【原文には、イタリア通信ANSAからのコンクラーベ参加有資格者の135人の枢機卿の顔写真あり】

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荒野で叫ぶ難民たち〜ワルサン・シャイアの詩が語る真実

詩人ウォルサン・シャイレは、彼女の詩「家」の中で次のような一節を作り、強い共鳴を呼び起こしました。 「誰も家を離れない / もし家がサメの口でないなら。」 「国境に向かって走るのは / 街全体で走っている人々を見たときだけ。」 「誰も自分の子どもを船に乗せない / 安全な大地よりも海が安全でない限り。」 今日、私たちは世界的な難民危機に直面しています。2024年中旬、難民の数は4370万人に達しました。これに加えて、内部避難民が7210万人、亡命希望者が800万人に達し、世界中で家を追われた人々は合計で約1億2260万人に上ります。

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神よ、ネタニヤフ氏にアドバイスを

少々突飛な響きがするかもしれないが、ネタニヤフ首相の悩みを解決するためには「神のアドバイスが不可欠だ」という結論に達したので、今回のコラムのタイトルとなった。 奇妙なことだが、ネタニヤフ首相はロシアのプーチン大統領以上に欧州では嫌われ者になっている感がある。理由はガザのパレスチナの人々の惨状がここにきて度を越してきたからだ。連日,飢餓に苦しむパレスチナの人々が食糧配布所に鍋を持参して殺到する姿がニュースで放映されている。それを見るだけでも辛い。そしてその非人道的な状況を生み出したのはイスラエルのネタニヤフ首相の頑迷な「ハマス壊滅」政策にあるということから、同首相は国内外から批判され、糾弾されている。

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「合理的配慮」義務化(2)

II  合理的配慮の提供とは   p6〜p12 ● 日常生活・社会生活において提供されている設備やサービス等については、障害のない人は簡単に利用できても、障害のある人にとっては利用が難しく、結果として障害のある人の活動などが制限されてしまう場合があります。 ● このような場合には、障害のある人の活動などを制限しているバリアを取り除く必要があります。このため、障害者差別解消法では、行政機関等や事業者に対して、障害のある人に対する「合理的配慮」の提供を求めています。

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「低い自己肯定感、不幸でなくても不利で不便(3)」

〈最も自己肯定感の低い職業は?〉  今日で最終回。師によれば、最も自己肯定感の低い職業は看護師とのこと。その理由は「完璧で当然だから」。つまり、完璧が当然で、そうでないと患者から責められるからです。100点が当然で、そうでなければ、まるで0点かのような評価も。それは、保育士も同様で、100点に満たない減点分は、保護者からのクレームとなって、返ってきます。

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「法律の骨格と骨粗鬆症」

憲法記念日にちなんで 五月三日は憲法記念日、昭和二十二年同日の日本国憲法施行を記念し国の成長を期する祝日とされている。 日本における憲法という名称は、古くは日本書紀に十七条憲法がある。十七条憲法は西暦六〇四年に制定されたとされ、一二一五年のマグナカルタよりも古い。マグナカルタは日本国憲法のような成文憲法ではないが、英国では現在も有効のようだ。十七条憲法は「以和為貴」で始まる。第二条に「篤敬三寳」とあり仏法を尊重している。主に貴族や官僚に対して道徳的な規範を示したもので、現代的な意味の憲法とは異なっている。国の基本法で古いものとしては七〇一年の大宝律令がある。この方が日本書紀編纂よりも古い。また「聖徳太子が十七条憲法を制定した」ということは最近一部疑問視もされている。

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巨大なきっかけ 

Monmo 2011年初夏号 巻頭メッセージ ふとしたことから、人は大きく変化することがある。たとえば誰かの死。これは一番大きい。我々僧侶としては、それだけでなく、年忌の法事なども大きなきっかけになると信じている。竹が節からしか枝を出さないように、新たな枝は新たな節目から出るはずである。

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キリストの復活の意味と力

「キリストは、聖書にしるされているとおり、わたしたちの罪のために死んだ。また聖書にしるされているとおり、葬られ、三日目に復活した。ケファに現れ、次に十二使徒に現れた」(1コリント15,3b-5)。 教会は使徒信条において、「主は、死んで三日目に死者のうちから復活した」宣言している。そして、『カトリック教会のカテキズム』は、この「イエスの復活は、キリストにおけるわたしたちの信仰の頂点である」(n.638)と明言し、「救済史における主の復活の意味と効力」について次のように教えている。

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「自己実現」と「神実現」

  1. 自己実現の道 最近、大学同期の仲間から、日本経済新聞に連載された記事をまとめた「私の履歴書」という本が贈られてきた。彼とは同じ法律クラブに所属していたこともあり、卒業後も個人的に親しくしてきた間柄である。同期の中でも特に優秀であり、人柄も誠実、円満で、誰からも好感を持たれていた。官界、政界、財界で用いられ、日本国に大いに貢献してきた。若い頃から歴代の首相にかわいがられて重宝された存在でもある。

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2050年の日本は?

人間学を学ぶ月刊誌「致知」2月号のテーマは「2050年の未来を考える」だ。哲学者森信三師(1896~1992)の「2025年日本は再び蘇る兆しを見せるであろう。2050年、列強は日本の底力を認めざるを得なくなるであろう」との言葉を受けての特集だ。今の十代の世代が社会の中枢を担う年に、日本を森信三師の言うような大国にするためには、今社会の中枢を担っている我々は何をしなければならないのか?各界の方々が論を貼っておられるが、今2025年、25年後の2050年日本は蘇るとの確信と言うよりも今の日本の課題を述べられている。総じて皆さんは、日本の美質、若手の能力、食料自給率、国土強靭化、AIなど技術力、安全保障などの問題について指摘されながら、それぞれの問題が2050年までに世界から尊敬され、リードする日本に回帰できるまでに回復できるかに関しては明言されてはいない。

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人間の尊厳と影のある権力者たち

簡単に言えば、「政治」とは国の統治のあり方を指し、「政治家」とは人間社会を適切に管理するために選ばれた人々のことを指します。しかし、今日ほど政治や政治家が否定的に見られている時代はかつてありませんでした。多くの人々は、現在世界で起こっているあらゆる問題の責任が政治家にあると考えています。こうした否定的な見方のため、多くの人々は政治に関わりたがらなくなっています。テレビのニュースを見たり新聞を読んだりすることを避けるのも、その内容があまりにネガティブで憂鬱だからです。特に若者の間ではこの傾向が顕著で、投票に対してさえ冷ややかな態度をとる人が増えています。

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「低い自己肯定感、不幸でなくても不利で不便(2)~伴侶選択」

〈伴侶選択に影響〉  特に日本のクリスチャン女性は悲しい程、自己肯定感が低いです。真面目さが完璧主義につながり、マイナスに作用している面もあるように感じています。伴侶選択を見ていると、二極化しているように観察します。

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様々な筋目の年が重なった「復活祭」

4月20日はキリスト教会の最大の祝日、イエスが十字架上で亡くなって3日後に蘇ったことを祝う復活祭(イースター)だった。先月23日に退院したばかりで、健康状態が依然回復していないフランシスコ教皇(88)が復活祭で主礼を果たすか否かは20日の朝まで分からなかった。バチカンニュースによると、フランシスコ教皇は20日早朝(現地時間)、ローマ訪問中のバンス米副大統領(カトリック信者)と会見している。

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「信仰による自己肯定感低下(1)~原因としての認知の歪み」

〈認知の歪みが原因〉  タイトルは工藤信夫先生の名著「信仰による人間疎外」に倣ったもの。このシリーズでは、先週オンラインでお会いした「自己肯定感のプロ」として尊敬している牧師から学んだことをお分かちし、私なりの考察を記します。

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「祈り」は宇宙のエネルギーと接続する業

ローマ・カトリック教会の最高指導者、フランシスコ教皇は先月14日以来、ローマのジェメッリ総合病院に入院中だ。88歳のフランシスコ教皇の病状は、入院当初は気管支炎といわれたが、その後、両肺に炎症が広がっていることが分かった。教皇の容体が悪化し、一時期、持続性喘息性呼吸危機の症状となり、酸素呼吸が行われ、血液検査で血小板減少症と診断され、輸血が必要となった。その後容体は少し改善、呼吸困難は治まったが、その後、病状が再び悪化するなど、入院して20日間が過ぎたが、教皇の容体は依然、重篤に分類されるという。

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司教の手紙 ㉛ 家族の中の夫婦愛

教区の皆さまお元気でしょうか。今回は家族の中の夫婦愛についてお話します。申すまでもなく、家族は結婚した一組の男女によって誕生します。つまり夫婦は家族の屋台骨であります。夫婦は一心同体が理想とされ、仲の良い夫婦は人々の称賛を浴びます。そして、夫婦円満の秘訣を知りたがります。

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【意見】 染色体差別を危惧する

読者の皆様は令和7年度 母子保健対策関係予算概算要求の概要に出生前検査を進める予算が組み込まれていることをご存知でしょうか。これは2023年度から予算化されて「ダウン症の生命の選別排除を目的とした出生前診断」を全妊婦に周知させるという政策です。具体的には妊婦が母子手帳をもらいに保健所や保健センターに来た際に、保健師の方が母子に関する情報提供を行う一環で、胎児の障害や奇形などに関するパンフレットを渡して出生前検査のことを説明しています。このパンフレットを見てホームページに誘導するQRコードなどもありますが、妊婦が不安を増大することになります。

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日本の悲しい顔

高齢化が急速に進む日本ですが、今年「敬老の日」を前に総務省が人口動態調査を発表した。それによると、日本の高齢者数は2023年9月から2万人急増し、3625万人となった!その主な理由は過疎化だと言われます。 1億2800万人をピークに1億2500万人まで減少した日本の人口は、さらに減少する可能性があると思います。この傾向の背景には少子化があり、おそらく日本が今直面している最大の危機であります。政府はこの問題に取り組むための対策を講じたかもしれないが、より多くの若者が独身を選んだり、たとえ結婚したとしても、仕事の見通しが立たない、生活費がかかる、社会通念などから子供を持つことに消極的になっていると思います。若い世代は自立したライフスタイルを好み、一人でいることを好むようだが、これは、伝統的に集団志向の強いこの国にとって大きな変化であります。

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金子みすずの世界

昨夜のNHK総合夜10時からの「歴史秘話ヒストリア」を見ました。例の「こだまでしょうか」の詩の作者「金子みすず(1903~1930)」がテーマでした。 小さい頃からの苦労の連続にもかかわらず、ある時は「魚」の気持ちになって、ある時は「雪」の気持ちになって、素直にいろんな視点で詠った言霊に、西条八十(青い山脈など作詞家)も天才と称賛!当時は「童謡詩人会」には与謝野晶子と金子みすずの二人だけしか女性はいなかったそうで、東京に出て行けば、もっと活躍の場があり、もっと有名な詩人になっていたと思われるが、故郷(山口県仙崎)に留まったそうだ。弟の熱意もあって、やっと昭和の最後(1984)になって全集が発行され瞬く間に「金子みすず」の名が広まった。この番組でもいろんな詩が紹介されましたが、「こだまでしょうか」の詩は、仕事を失い、遊郭で遊びまくる夫との確執で、離婚寸前の状態の中で生まれた詩だったとか。夫を変えたい、いつか変ってくれると信じて我慢していた頃、夫の厳しい言葉に、厳しい言葉で返さず、優しい言葉で返せば、いつかは優しい言葉が返ってくると思ったのでしょう。その心情が

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教会における信徒の品位と使命

第2バチカン公会議(1962-65)は教会憲章第4章において、教会を構成する「信徒」の地位と役割の見直しを行なって、聖職者や修道者に比べて「信徒は二流の信者である」という誤解を解き、信徒本来のあるべき姿を浮き彫りにした。 その中から、ここでは「信徒の品位」、「信徒固有の使徒職」、そして「信徒の共通祭司職」の三点に絞って簡潔に述べてみたい。

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戦争がウクライナ国民から奪ったもの

ロシアのプーチン大統領が隣国ウクライナに軍事侵攻を開始して24日で丸3年が終わる。トランプ米大統領がホワイトハウスに復帰して以来、ウクライナの停戦問題がこれまで以上に現実味を帯びてきた。同時に、米ロ両国の対話が進む一方、米国とウクライナの関係が険悪化する様相を帯びてきた。また、米欧間でも隙間風が吹いてきた。

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