日本 プロライフ ムーブメント

世界代表司教会議(シノドス)第3回臨時総会 準備文書への日本司教団回答

臨時シノドス事務局への回答 日本カトリック司教協議会としては、時間が限られていたので、臨時シノドス事務局からの準備文書を司教たちと男女修道会・宣教会の上長に送付して回答を求めた。その回答結果をさらに数名の有識者(司祭、信徒)に送りコメントを求めた。司教、修道者たちは現代の家庭の問題にかかわってきており、精通しているといえるので、彼らの回答は今の日本の家庭の状況を十分に反映していると思われる。

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2013年「世界平和の日」メッセージ

「平和を実現する人々は幸いである」 これらすべてのことから、わたしは、イエス・キリストの次のことばから霊感を受けて今年の「世界平和の日」メッセージを書くことにしました。「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5・9)。 1 新年を迎えるたびに、わたしたちは世界がよりよいものとなることを願います。そのためわたしは、人類の父である神に、わたしたちに一致と平和を与えてくださるよう祈ります。どうかすべての人が抱く、幸福で豊かな生活への望みがかなえられますように。

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教会が中絶経験者に語る

1. いのちの福音#99 わたしはここで、人工妊娠中絶を経験した女性の皆さんにとくに申し上げます。教会は、皆さんの決心に影響を及ぼしたと思われる多くの要因があることを知っています。また教会は、多くの場合、それは苦渋に満ちた、身を裂かれるような決断であったであろうことを疑いません。皆さんの心の傷は、いまだにいやされていないかもしれません。確かに、現実に起こったことは大きな過ちでしたし、今なお過ちとして残っています。けれども、落胆のうちに沈み込まないでください。望みを失ってはなりません。むしろ、起こったことをよく理解し、それに誠実に向き合うようにしてください。まだ悔い改めていないなら、謙遜と信頼をもって悔い改めに身をゆだねてください。いつくしみ深い父はゆるしの秘跡によって、そのゆるしと平和をあなたに与えようと待っています。決定的にすべてが失われたのではないことが、やがて分かるでしょう。そして、今は主のもとで生きるあなたの子どもに、ゆるしを求めることもできるでしょう。他の人々からの友情に満ちた、専門的な援助と助言によって、さらに皆さん自身が味わった痛ましい経験の結果、皆さんは、すべての人がいのちの権利を持つことのもっとも雄弁な擁護者となりうるのです。これから子どもたちの誕生を受け入れることによって、あるいは自分の身近にいてくれる人を必要とする多くの人々を迎え入れ、世話をすることによって、いのちとかかわることをとおして、皆さんは人間のいのちに対する新しい見方を推進する人となるでしょう。

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いのちへのまなざし (21世記への司教団メッセージ)

キリスト降誕二〇〇〇年の大聖年は、全世界のカトリック教会にとって、とても大きな意味を持つ一年でした。いうまでもなく、神の子・キリストの誕生は、わたしたち信仰を生きる者にとっては土台です。わたしたちはそこに、わたしたちのために尊い御ひとり子を惜しみなく与えられる神の極みない愛を見ます。神がそれほどまでにわたしたちを愛し、大事にしてくださっているという事実は、わたしたちには揺らぐことのない希望と喜びを与えます。

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殺してはならない

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、おはようございます。  今日の講話は「殺してはならない」という五番目のことばについてです。第五のおきては、「殺してはならない」です。 わたしたちはすでに隣人とのかかわりに関する、十戒の後半に入りました。このおきては、簡潔で絶対的な表現を用いて、 人間関係における基本的な価値を守る壁のようにそびえ立っています。 それでは人間関係における基本的な価値とは何でしょうか。それはいのちの価値です『注』。だからこそ、「 殺してはならない」のです。 

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高見三明大司教、日本カトリック司教団による「いつくしみの特別聖年」ミサ説教

2015年度「臨時司教総会」開催中の2016年2月17日夕、東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂で、日本カトリック司教団による「いつくしみの特別聖年」ミサが行われました。以下は、高見三明大司教(長崎教区)による、当日の説教です。  

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日本弁護士連合会シンポジウム「安全保障法制の問題点を考える」ーリレートークでの岡田武夫大司教によるスピーチ

岡田でございます。今日、このような機会を与えてくださったことを心から感謝申し上げます。  今日、強行採決が行われた。大変残念に思い、また強い不安を感じております。日本国民として、 またキリスト者としてわたくしは日本国憲法、その平和主義、9条、そして前文を大変、 誇りとして今まで歩んで参りました。カトリック教会は全世界ネットワーク、 いろいろな機会に他の国のかたがたとお会いします。もちろん、アジアの隣国、韓国、フィリピン、中国、 そして遠い国々の人たち、そしていろいろな機会に「日本の平和主義、日本は戦争をしない国、 戦争をしないことを憲法でうたっている。素晴らしい」。それが今、戦争をする国、 戦争をしてもいい国になってよいでしょうか。絶対、それはいけないことであります。 

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平和を実現する人は幸い~今こそ武力によらない平和を戦後70年司教団メッセージ

キリストにおける兄弟姉妹、ならびに平和を願うすべての方々へ  日本カトリック司教団はこれまで、1995年に『平和への決意 戦後五十年にあたって』、また2005年には『「 非暴力による平和への道」~今こそ預言者としての役割を』というメッセージを発表してきました。 戦後70年を迎える今年、ここに改めて平和への決意を表明することにいたします。 

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海をはさんで皆ひとつの家族

今年の4月2日、チリ沖で大きな地震がありました。翌日、チリからこの日本にも津波が到達しました。 このことはチリと日本が実に15,000キロ以上も離れているにもかかわらず、 海をはさんで隣の国であることを知らされた出来事でもありました。一方、 東日本大震災で発生した津波によって海に流れ出た瓦礫(がれき)や放射能は、 太平洋をはさんでアメリカ西海岸に到達しており、今、大きな問題になっています。このように考えると、 世界のほとんどの国が海をはさんでつながっていることが実感されます。

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過去を振り返りながら将来にむけて平和を実現する者になりましょう

2014年の平和旬間にあたり全国の信者の皆さんに挨拶をおくります。 1981年広島を訪れたヨハネ・パウロ二世は言われました。  「戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です。この広島の町、この平和記念堂ほど強烈に、この真理を世界に訴えている場所はほかにありません。」(「広島平和アピール」) この教皇の声は33年を経てなお強くわたしたちの心に響いています。戦争ほど悲惨で愚かな所業はありません。わたしたち人類はどんなことがあっても戦争の過ちを繰り返してはならないのです。「過去をふり返ることは将来に対する責任を担うことです。」 教皇が繰り返し言われたこの言葉を今また思い起こしましょう。 

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信仰と愛 「わたしたちも兄弟のためにいのちを捨てるべきです」(一ヨハネ3・16)

  親愛なる兄弟姉妹の皆様 1. 第22回世界病者の日にあたり、わたしは病気で苦しんでいる人々と、彼らを助け、 気づかう人々にとりわけ目を向けます。今年のテーマは、「信仰と愛 『 わたしたちも兄弟のためにいのちを捨てるべきです』(一ヨハネ3・16)」です。教会は、病者の皆様の中に、 苦しんでいるキリストの姿をとりわけ見いだします。そうです。わたしたちの苦しみのかたわらには、 そしてまさにそのただ中には、苦しんでいるキリストがおられます。 キリストはわたしたちとともに苦しみという重荷を背負い、その意味を明らかにしてくださいます。 神の子は十字架につけられたとき、苦しみに伴う孤独を打ち破り、その闇を照らしました。それゆえに、わたしたちは、 自分たちのために行われた神の愛の神秘に向き合うことができます。その神秘はわたしたちに希望と勇気をもたらします。 希望。神の愛のご計画の中では、苦しみの夜も復活の光に屈するから希望がもたらされるのです。そして勇気。 勇気があるからこそ、わたしたちはあらゆる苦境にもキリストとともに、キリストと一つになって向き合うことができます 。

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平和への道と基盤としての兄弟愛

1 このわたしの最初の「『世界平和の日』メッセージ」により、個人と諸国民を含めたすべての皆様に、 喜びと希望に満ちたいのちが与えられるよう、お祈り申し上げます。実際、 すべての人の心のうちには完全ないのちへのあこがれが宿っています。 このあこがれには兄弟愛への抑えがたい望みも含まれます。兄弟愛はわたしたちを他者との交わりへと駆り立てます。 こうしてわたしたちは、他者を敵や競争相手としてではなく、受け入れ抱き合う兄弟姉妹として見いだすのです。

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教皇ベネディクト十六世の347回目の一般謁見演説

2月13日(水)午前10時30分から、パウロ六世ホールで、教皇ベネディクト十六世の347回目の一般謁見が行われました。この謁見の中で、教皇はまず、11日(月) に表明した辞任についてあらためて述べました。 パウロ六世ホールを埋め尽くした会衆から何度も拍手が送られました。この後、教皇は、この日(灰の水曜日) から四旬節が始まるにあたり「イエスの誘惑と天 の国のための回心」について解説しました。以下はその全訳です(原文イタリア語)。

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教皇ベネディクト十六世の346回目の一般謁見演説

2月6日(水)午前10時30分から、パウロ六世ホールで、教 皇ベネディクト十六世の346回目の一般謁見が行われました。この謁見の中で、教皇は、 2012年10月17日から開始した「信仰」に関する新しい連続講 話の13回目として、「天地の創造主である神」について解説しました。以下はその全訳です(原文イタリア語)。 

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「平和への道は命を尊び大切にする道」

今年も「日本カトリック平和旬間」が巡ってきました。1981年2月、教皇ヨハネ・パウロ二世は広島平和記念公園で「 戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死そのものです」で始まる「平和アピール」 を発表されました。これは核兵器の廃止と核戦争の拒否、 そして平和に対する責任をになうべきであることを全世界の人に向けて訴えたアピールでした。 これに応えて日本のカトリック教会は、8月6日から15日までを「日本カトリック平和旬間」と定め、 平和に対する責任を思い、平和について学び、平和のために祈り、平和を求めて行動する特別な期間としたのです。 

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障害の重荷をともに担える日をめざして

1996年に出版された、「障害の重荷をともに担える日をめざして」の全文です。 障害の重荷を担い合うキリストの共同体となるために、「障害」のキリスト教的意味を考え、どうすれば障害のある人の叫びに誠実に応じ、障害のある人とない人が支え合い、ともに生きることができるのか探ります。 

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ヒト胚作成指針案に関する意見

解説 2010年7月9日付で文部科学省と厚生労働省が実施した「生殖補助医療研究目的でのヒト受精胚の作成・利用に関する倫理指針の整備に関する意見募集(パブリックコメント)」(注1参照)に対して、日本カトリック司教協議会常任司教委員会(委員長:池長 潤 カトリック大阪大司教)は、8月3日、意見公募に応じ、意見表明を行いました(注2参照)。 

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世界青年の日

2004年は、来年ケルンで開催される第20回世界青年の日国際大会に備える最後の年です。そこで、第19回青年の日のテーマとしてわたしが選んだことば「イエスにお目にかかりたいのです」(ヨハネ12・21)を深めながら、皆さんが霊的準備にいっそう励んでくださるようお招きします。 

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ヒトクローニングに対する聖座の見解 – 国際連合へのバチカン使節団

聖座は、いかなる技術が使われ、いかなる目的のためであろうとも、ヒトクローニングに対する世界的で全面的な禁止を強く支援します。その見解は(1)クローニング過程の生物学的分析及び(2)人類学的、社会的、倫理的、法的考察により、ヒトクローニングが生命や人類の尊厳、権利に与える否定的影響に基づいています。

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安楽死についての声明

最近の安楽死を合法化しようという取り組みが、私たちの社会を重大な危機にさらしています。これらの動きには、自殺の方法を紹介する新しい出版物があったり、末期症状にある患者を家族や医師が殺したり、その患者の自殺を手助けしたりすることが広く話題になっているため、大勢の注意をひいています。 ヘムロックソサエティが第一線で導いている、太平洋岸北西部にあるような目的は 、殺人や自殺幇助に反対する州の法律を変え、医師が末期的症状にある患者に、過剰量の薬や致命的注射を与えることができるようにしようとするものです。 

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いわゆる『経口避妊薬』に関する言明

最近、いわゆる『(事後服用の)経口避妊薬』の販売がイタリアの薬局で始まった。これは有名な化学製品(ホルモンタイプ)で、頻繁に多くの分野で、マスコミを通じて単なる避妊薬として、あるいはもっと正確に言うと『緊急時の避妊薬』として紹介され続けて来た。妊娠の可能性が生じるような性行為を行ったものの、妊娠を望まず、その継続を阻止したいと考えた場合、行為の直後に服用するというものである。この製品がいかに作用するかについては大いなる疑問、すなわち、これは単なる『避妊薬』ではなくて『人工妊娠中絶薬』ではないかという批判的な反応は避けられなかったが、それに対してこの経口避妊薬は『着床を阻止する』効力がある点を強調し、暗に中絶と遮断(子宮壁に受精卵、つまりは胎児が着床するのを阻止する)事の間に明確な線引きをしており、深刻な懸念は全く根拠のないものであるという安直な答えを出したのである。

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クローニングに対する声明書

「クローン」という言葉は、思考においても実験の実践においても、異なった目的、専門的な手順という意味において、違う意味をもつようになった。  その言葉は本質的に、生じた元の実在物と遺伝子的に一致する生物の再生を意味する。ギリシャ語の’klon’ という言葉は、肥えた土に植えられた植物が、自身が取られた植物を再生できる、小枝を思い起こさせてくれる。 

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ヒト胚性幹細胞の生産と科学的及び治療上の使用に関する宣言

この文書は、現在、科学や倫理の文献の中で、また世論の中で行なわれている、胚性幹細胞の生産と使用についての議論に寄与しようとしているものである。このような細胞の生産と使用の制限や合法についての討論がより関連づけられているので、現在ある倫理的意味についての考察が緊急を要している。 

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