「福島原発のトリチウム―何が問題か」
名古屋教区正義と平和委員会定例会が6月11日に福信館で行われ、講師の河田昌東(かわた まさはる 分子生物学)さんから、福島のトリチウム汚染水海洋放出の問題について話を聞いた。
Continue reading重要な問題について明確に考える
名古屋教区正義と平和委員会定例会が6月11日に福信館で行われ、講師の河田昌東(かわた まさはる 分子生物学)さんから、福島のトリチウム汚染水海洋放出の問題について話を聞いた。
Continue reading「このような(天国)の希望は、近代になってますます厳しい批判にさらされるようになりました」。婦人たちの読書会で今読んでいるベネディクト16世の回勅『希望による救い』(カトリック中央協議会訳)の一節(13)である。この批判とは一体なにを意味するのだろうか。教皇が強調するからにはやはり今日的な理由があるに違いない。
Continue reading「木には希望がある。木は切られても、また新芽を吹き、若枝の絶えることはない」と聖書のヨブ記14:7に書いています。確かに木というのは秋になると葉っぱが枯れ落ち、冬にはまる裸になります。しかし、一見枯れてしまったように見えても、また春には新しい芽を吹き出します。これは希望の象徴です。
Continue reading前に死の四重奏について書いたが、ここに喫煙が加わるとさらに危険で「死の五重 奏」と呼ばれている。一九六四年にアメリカ公衆衛生総監諮問委員会は「喫煙には肺 がんとの因果関係があり、喫煙の影響は他の因子よりもはるかに大きい」と報告し た。俳優ウィリアム・タルマンはアメリカ政府が喫煙の危険を知らせたテレビCMの 最初の出演者だった。人気のテレビ番組弁護士ペリーメイスンで好敵手パーカー検事 役を演じていた彼の言葉に多くの喫煙者が耳を傾けた。広大な敷地を抜けて大邸宅に 帰った彼を家族が迎える場面で彼は言う、「私は名声や財産その他いわゆるアメリカ ンドリームを達成した。家族にも恵まれ私の人生たった一つのことを除いて成功だっ た。喫煙のために肺癌になって私の命はあとわずかです。皆さんタバコは止めましょ う」と。そして一九六八年八月三十日に死亡した。一九七〇年にアメリカではタバコ の箱に「警告:米国公衆衛生総監は喫煙があなたの健康に害を及ぼすと判断した」と いう情報の記載が義務づけられた。世界保健機関(WHO)によると、タバコは九秒 間に一人、一年に世界中で三百五十万人の人命を奪っている。
Continue reading日経朝刊の1面でこんな衝撃的な記事が掲載された(8月23日)。その後、「人口と世界~成長神話の先に~」と題したコラムが続いた(7回)。テーマは 「人類の爆発的な膨張が終わり、人口が初めて下り坂に入る。経済発展や女性の社会的進出で、世界が低出生社会に転換しつつある。産業革命を経て人口増を追い風に経済を伸ばし続けた黄金期は過ぎた。人類は新たな繁栄の方程式を模索する。」ということ。
Continue reading持続可能な開発目標SDGsは、国連がそのマニフェストの中で「誰一人取り残さない」と宣言したように、人類が一つの家族になることを目指す壮大な取組みです。17個の色とりどりのシンボルマークは、それぞれの分野で「誰一人取り残さない」を実現するための具体的な目標を示します。一人残らず家族みんなが、家族みんなに関わる大切なことがらが、ぜんぶそこに描かれているんですね。なるほどSDGsってすごいんだね!って感心しながらうちの家族みんなで17のピクトが並んだ図を眺めていたら、すみっこの空いているスペースに、もうひとつ「18番目」を置いてみたくなりました。だって、一人足りないんじゃないの? お腹の赤ちゃんも家族だよね? 上の息子の指摘にこたえ、下の娘が妊娠12週のときのエコー画像をモデルに、勝手に18番目のシンボルを作ってみました。SDGsを推進するみなさん、どうでしょう。こうしたらもっとおさまりがよくなる気がしませんか。だって、この子たちも誰一人取り残したくないよね?
Continue reading神は、その英知において、「父として」ご自分を私たちに啓示することを選んだ。神の啓示のうちにそう示されたのである。神学者たちは神の本質と属性についてこの神秘が明らかにすることを探求しながら、神の父性について広い範囲で考え巡らせてきた。
Continue reading参加していた聖書研究会の祈りの時間に、あるコンゴ人ファミリーのための祈りが祈られるようになって、その祈りの内容は月を追うごとに深刻になっていた。8歳と11歳(当時)の小学生のいる家族から、母親だけが突然品川の入国管理局に収監されて、子どもたちは家に取り残された。父親は食べるためのわずかな仕事のためにほとんど家にいない。
Continue reading「力ある方が、わたしに偉大なことなさいました」とマリアさまは、イエスさまを宿された喜びに満ちて主を賛美されました。赤ちゃんを宿したすべてのお母さんが、マリアさまと同じように喜びに満ちて主を賛美できるような社会になればと願います。
Continue reading今年、一人のカトリック修道士が亡くなりました。「アウシュビッツの聖者」と呼ばれたコルベ神父を生涯慕い続けた小崎登明さん。93歳でその生涯を閉じる直前まで被爆体験を語り続けた彼は、手記にこう書き残しました。
Continue reading広島市は毎年8月6日に、原爆死没者への追悼とともに核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願って平和記念式典を行い、広島市長が「平和宣言」を世界に向けて発表しています。広島・長崎の悲惨な体験を再び世界の人々が経験することのないよう、核兵器をこの地球上からなくし、いつまでも続く平和な世界を確立しようと、これからも平和宣言は訴え続けていきます。
Continue reading新約聖書のなかには、イエスに癒された多くの人々が登場します。その中でも、次の物語に、婦人科医として深い関心を持ち続けてきました。
Continue reading昨日の午後は上野の東京国立博物館に行き、法然と親鸞展に行きました。今年は法然上人八百回忌・親鸞上人七百五十回忌という年で、日本を代表する二人の宗教家は現代人に何を語っているのか?耳を澄ます気持で館内に入りました。
Continue reading教皇ヨハネ・パウロ2世は1993年、「ルルドの聖母の記念日」である2月11日を「世界病者の日」と定めた。聖母マリアは、救い主キリストの母として、十字架のもとに立って御子の苦しみに深くあずかり、同時に、信じる人々の母として彼らの苦しみをともにしながら、人類の救いのためにとりなしておられる。だから、聖母の記念日に病者を記念することはふさわしいと思う。
Continue readingMarch for LIFE 2021 7月22日 うみ(産み)の日 集合 4時15分PM 出発 4時30分集合場所 中央区立常盤公園東京都中央区日本橋本石町4-4-3日本橋から銀座を通って日比谷公園まで、約1時間行進します。詳細はこちらをクリック
Continue reading人工授精の最新技術は、導入された時から様々な倫理上の難題を呈してきたが、中でもひときわ切迫した問題はヒト胚の低温保存に関するものである。それがきわめて深刻かつ許容できない状況になってきたため、1996年5月24日、教皇はヒト胚の生産および冷凍を中止すべきであると断固として訴えた(1996年5月29日付L’Osservatore Romano 英語版、12ページ)。
Continue reading地面でつまずいてころんだならば、またその地面で起ち上がることができます。倒れたままでいれば、それきりですが、人はまたそこから手をついて足を踏ん張り、起ち上がることができるのです。
Continue reading臨時シノドス事務局への回答 日本カトリック司教協議会としては、時間が限られていたので、臨時シノドス事務局からの準備文書を司教たちと男女修道会・宣教会の上長に送付して回答を求めた。その回答結果をさらに数名の有識者(司祭、信徒)に送りコメントを求めた。司教、修道者たちは現代の家庭の問題にかかわってきており、精通しているといえるので、彼らの回答は今の日本の家庭の状況を十分に反映していると思われる。
Continue reading「平和を実現する人々は幸いである」 これらすべてのことから、わたしは、イエス・キリストの次のことばから霊感を受けて今年の「世界平和の日」メッセージを書くことにしました。「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5・9)。 1 新年を迎えるたびに、わたしたちは世界がよりよいものとなることを願います。そのためわたしは、人類の父である神に、わたしたちに一致と平和を与えてくださるよう祈ります。どうかすべての人が抱く、幸福で豊かな生活への望みがかなえられますように。
Continue readingオバマ大統領は27日午後(日本時間)、米大統領として初めて被爆地広島の平和記念公園を訪問し、安倍晋三首相と共に原爆資料館を見学した後、原爆死没者慰霊碑に献花した。
Continue reading自然は、沈黙した。うす気味悪い。 鳥たちはどこへ行ってしまったのか。 春が来たが、沈黙の春だった。 これはレイチェル・カーソンの『沈黙の春』の有名な一節ですが、今年の春はそれに加えて人間も社会も、すべてが沈黙した春でした。
Continue reading2020年に中絶で亡くなった人間の数は、他の死因よりも多くなっています。ワールドメーター社がまとめた統計によると、この1年、世界で4,260万件以上の中絶が行われたという驚くべき心臓に悪い事実が判明しました。中絶は、他のすべての死因を合わせた数よりも多いのです。48年前のRoe v Wade以来、アメリカでは6,200万人の貴重な赤ちゃんが中絶によって残酷に破壊されており、これはすべての戦争で死亡した軍人の数をはるかに上回っています。昨年の中絶件数は、コロナで亡くなった50万人の約2倍でした。この恐ろしいホロコーストは増え続けています。なぜならば、悲しいことに、多くの人がまだ胎児を人間として認識し、評価していないからです。生物学や最近の医学研究は、多くの聖典や教会の絶え間ない教えに基づいた私たちの信念を裏付けています。これらの貴重な赤ちゃんは、受精の最初の瞬間から、まさに神に似せて作られた唯一の生きた人間であり、人生のあらゆる段階で生命尊重、永遠の生命であることを私たちに呼びかけていますが、彼らは中絶によって残酷で暴力的な死を迎えます。私たちのモットーは、母と子のためにいのちを選ぶことです。
Continue reading「夜の長さにうずくまり、いらだって夜明けを待つ・・」ヨブの言葉です(7・4)。なぜこんなことが起きるのですか?コロナ感染防止のために営業を制限され、お世話になっていた店も閉店に追いやられ、わたしはホームレスになりました。昨夜の報道番組からです。思い出すのは「阪神淡路大震災」(1995年1月17日)のことです。家を失った人々は、学校の体育館、公民館、お寺や教会に身を寄せた。当時「思いやり」が町のルールとなったのです。自分を忘れて周りの人のことを気遣ったのです。「ボランティア元年」と呼ばれ、多くの若者が現地救援本部(被災した教会)に集まり、目まぐるしい救援活動をしたのです。その中で、次第に見えてきたことは、その地に住所を登録していないホームレスの方々は、避難所を追い出されたのです。また日本国の滞在期間が切れた(オーバーステイ)の外国人は、公的援助保護の対象ではなかったのです。また身動きの取れず、情報も入らない「独居老人」があちこちに見つかりました。
Continue reading読書グループの女性たちは今、ヨハネ・パウロ2世の使徒的書簡『おとめマリアのロザリオ』を読んでいるが、そろそろ後半に差し掛かってロザリオの祈りのすばらしさがいよいよ身に沁みて理解される段階に入ったようである。「ロザリオはすばらしい祈りです。その単純さと深さのゆえに」(使徒的書簡2)と教皇は言われる。単純さとは、天使祝詞(マリアへの祈り)を繰り返しながら主キリストの生涯の出来事を思い出すだけの、誰にでも祈れるからであり、深さとは、主イエスとその母マリアの生涯から20の出来事(神秘)を思い出しながら、神のうちに秘められた人類救済の偉大な神秘を、聖母とともに観想し、その恵みにあずかるからである。
Continue reading観(み)おわってしばらく、奇妙な高揚感に包まれた。 ある人々に対してこの映画は、尊厳死に関する映画だと紹介することも可能だろう。主人公のラモンは25歳のときに引き潮の海に飛び込み、海底に頭を強打して首から下が不随になってしまう。実家のベッドの上だけを住処(すみか)に、ラモンは詩を綴(つづ)り、家族の世話になって二十数年を過ごす。そんな彼がギリギリに選択したのが、自らの尊厳と自由のために死ぬことだった。
Continue reading「生命倫理を考える」第4回 “生命倫理の関わるゲノム編集” 私たちは意識しないと単に、安さや便利さにだけに目が行きがちである。しかし、安全性の確認されていない遺伝子組換え作物やゲノム編集作物を摂取していると、自己の健康を害し生命を損ねるだけでなく、将来世代や環境に負の遺産をもたらす加害者になってしまう。
Continue reading9日は「母の日」だ。世界各地で子供たちからお祝いの言葉やカーネーションなどの花を受け取る母親が多いことだろう。母親を早く亡くした人にとっては生前の母親の思い出に浸る日となるだろう。
Continue reading皆さん、今晩は。今日は休みなので朝は、これから職場で必要になるお年寄りの送迎コースの運転を練習した後、ファミレスで本を読み、詩を書いて過ごしました。詩を書く時というのは日常の中で(この事を詩に書きたいな・・・)と胸の内の酒蔵?に寝かせておいて・・・少し間を置いた頃にふっと(書こう)と思い、原稿用紙を出して裏側に初稿を書くという感じです。午後は嫁さんと赤ちゃんの周(しゅう)を車に乗せて、広い公園で降りて散歩すると通行人のおばちゃんが「あらイケメンねぇ~」と声をかけてくれて、穏やかな休日でありました。
Continue reading私はずっと、母親になる日を夢見てきました。子どものいない人生は想像できませんでした。私の最初の息子は、予想外の、信じがたい、そしてぞっとするような出来事によって身ごもりました。ある秋の夜、女性を大切にすることを知らない男性に脅され、私は妊娠しました。私は十九歳で、人生について何も知りませんでした。二か月後、事実に直面しました。私の中でいのちが育っていたのです。
Continue readingトマスについて、ヨハネ福音書の中に、ラザロのもとへ行こうとしたイエスを、殺される危険があるとして引き留めようとした弟子たちに、トマスは「わたしたちも行って、一緒に死のうではないか」と言う場面があります。死も覚悟の上で熱心にイエスに従い抜こうと、このときトマスは思っていたのでしょうか。
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