日本 プロライフ ムーブメント

神よ、ネタニヤフ氏にアドバイスを

少々突飛な響きがするかもしれないが、ネタニヤフ首相の悩みを解決するためには「神のアドバイスが不可欠だ」という結論に達したので、今回のコラムのタイトルとなった。 奇妙なことだが、ネタニヤフ首相はロシアのプーチン大統領以上に欧州では嫌われ者になっている感がある。理由はガザのパレスチナの人々の惨状がここにきて度を越してきたからだ。連日,飢餓に苦しむパレスチナの人々が食糧配布所に鍋を持参して殺到する姿がニュースで放映されている。それを見るだけでも辛い。そしてその非人道的な状況を生み出したのはイスラエルのネタニヤフ首相の頑迷な「ハマス壊滅」政策にあるということから、同首相は国内外から批判され、糾弾されている。

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「合理的配慮」義務化(2)

II  合理的配慮の提供とは   p6〜p12 ● 日常生活・社会生活において提供されている設備やサービス等については、障害のない人は簡単に利用できても、障害のある人にとっては利用が難しく、結果として障害のある人の活動などが制限されてしまう場合があります。 ● このような場合には、障害のある人の活動などを制限しているバリアを取り除く必要があります。このため、障害者差別解消法では、行政機関等や事業者に対して、障害のある人に対する「合理的配慮」の提供を求めています。

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「低い自己肯定感、不幸でなくても不利で不便(3)」

〈最も自己肯定感の低い職業は?〉  今日で最終回。師によれば、最も自己肯定感の低い職業は看護師とのこと。その理由は「完璧で当然だから」。つまり、完璧が当然で、そうでないと患者から責められるからです。100点が当然で、そうでなければ、まるで0点かのような評価も。それは、保育士も同様で、100点に満たない減点分は、保護者からのクレームとなって、返ってきます。

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「法律の骨格と骨粗鬆症」

憲法記念日にちなんで 五月三日は憲法記念日、昭和二十二年同日の日本国憲法施行を記念し国の成長を期する祝日とされている。 日本における憲法という名称は、古くは日本書紀に十七条憲法がある。十七条憲法は西暦六〇四年に制定されたとされ、一二一五年のマグナカルタよりも古い。マグナカルタは日本国憲法のような成文憲法ではないが、英国では現在も有効のようだ。十七条憲法は「以和為貴」で始まる。第二条に「篤敬三寳」とあり仏法を尊重している。主に貴族や官僚に対して道徳的な規範を示したもので、現代的な意味の憲法とは異なっている。国の基本法で古いものとしては七〇一年の大宝律令がある。この方が日本書紀編纂よりも古い。また「聖徳太子が十七条憲法を制定した」ということは最近一部疑問視もされている。

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巨大なきっかけ 

Monmo 2011年初夏号 巻頭メッセージ ふとしたことから、人は大きく変化することがある。たとえば誰かの死。これは一番大きい。我々僧侶としては、それだけでなく、年忌の法事なども大きなきっかけになると信じている。竹が節からしか枝を出さないように、新たな枝は新たな節目から出るはずである。

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キリストの復活の意味と力

「キリストは、聖書にしるされているとおり、わたしたちの罪のために死んだ。また聖書にしるされているとおり、葬られ、三日目に復活した。ケファに現れ、次に十二使徒に現れた」(1コリント15,3b-5)。 教会は使徒信条において、「主は、死んで三日目に死者のうちから復活した」宣言している。そして、『カトリック教会のカテキズム』は、この「イエスの復活は、キリストにおけるわたしたちの信仰の頂点である」(n.638)と明言し、「救済史における主の復活の意味と効力」について次のように教えている。

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「自己実現」と「神実現」

  1. 自己実現の道 最近、大学同期の仲間から、日本経済新聞に連載された記事をまとめた「私の履歴書」という本が贈られてきた。彼とは同じ法律クラブに所属していたこともあり、卒業後も個人的に親しくしてきた間柄である。同期の中でも特に優秀であり、人柄も誠実、円満で、誰からも好感を持たれていた。官界、政界、財界で用いられ、日本国に大いに貢献してきた。若い頃から歴代の首相にかわいがられて重宝された存在でもある。

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2050年の日本は?

人間学を学ぶ月刊誌「致知」2月号のテーマは「2050年の未来を考える」だ。哲学者森信三師(1896~1992)の「2025年日本は再び蘇る兆しを見せるであろう。2050年、列強は日本の底力を認めざるを得なくなるであろう」との言葉を受けての特集だ。今の十代の世代が社会の中枢を担う年に、日本を森信三師の言うような大国にするためには、今社会の中枢を担っている我々は何をしなければならないのか?各界の方々が論を貼っておられるが、今2025年、25年後の2050年日本は蘇るとの確信と言うよりも今の日本の課題を述べられている。総じて皆さんは、日本の美質、若手の能力、食料自給率、国土強靭化、AIなど技術力、安全保障などの問題について指摘されながら、それぞれの問題が2050年までに世界から尊敬され、リードする日本に回帰できるまでに回復できるかに関しては明言されてはいない。

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人間の尊厳と影のある権力者たち

簡単に言えば、「政治」とは国の統治のあり方を指し、「政治家」とは人間社会を適切に管理するために選ばれた人々のことを指します。しかし、今日ほど政治や政治家が否定的に見られている時代はかつてありませんでした。多くの人々は、現在世界で起こっているあらゆる問題の責任が政治家にあると考えています。こうした否定的な見方のため、多くの人々は政治に関わりたがらなくなっています。テレビのニュースを見たり新聞を読んだりすることを避けるのも、その内容があまりにネガティブで憂鬱だからです。特に若者の間ではこの傾向が顕著で、投票に対してさえ冷ややかな態度をとる人が増えています。

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「低い自己肯定感、不幸でなくても不利で不便(2)~伴侶選択」

〈伴侶選択に影響〉  特に日本のクリスチャン女性は悲しい程、自己肯定感が低いです。真面目さが完璧主義につながり、マイナスに作用している面もあるように感じています。伴侶選択を見ていると、二極化しているように観察します。

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様々な筋目の年が重なった「復活祭」

4月20日はキリスト教会の最大の祝日、イエスが十字架上で亡くなって3日後に蘇ったことを祝う復活祭(イースター)だった。先月23日に退院したばかりで、健康状態が依然回復していないフランシスコ教皇(88)が復活祭で主礼を果たすか否かは20日の朝まで分からなかった。バチカンニュースによると、フランシスコ教皇は20日早朝(現地時間)、ローマ訪問中のバンス米副大統領(カトリック信者)と会見している。

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「信仰による自己肯定感低下(1)~原因としての認知の歪み」

〈認知の歪みが原因〉  タイトルは工藤信夫先生の名著「信仰による人間疎外」に倣ったもの。このシリーズでは、先週オンラインでお会いした「自己肯定感のプロ」として尊敬している牧師から学んだことをお分かちし、私なりの考察を記します。

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「祈り」は宇宙のエネルギーと接続する業

ローマ・カトリック教会の最高指導者、フランシスコ教皇は先月14日以来、ローマのジェメッリ総合病院に入院中だ。88歳のフランシスコ教皇の病状は、入院当初は気管支炎といわれたが、その後、両肺に炎症が広がっていることが分かった。教皇の容体が悪化し、一時期、持続性喘息性呼吸危機の症状となり、酸素呼吸が行われ、血液検査で血小板減少症と診断され、輸血が必要となった。その後容体は少し改善、呼吸困難は治まったが、その後、病状が再び悪化するなど、入院して20日間が過ぎたが、教皇の容体は依然、重篤に分類されるという。

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司教の手紙 ㉛ 家族の中の夫婦愛

教区の皆さまお元気でしょうか。今回は家族の中の夫婦愛についてお話します。申すまでもなく、家族は結婚した一組の男女によって誕生します。つまり夫婦は家族の屋台骨であります。夫婦は一心同体が理想とされ、仲の良い夫婦は人々の称賛を浴びます。そして、夫婦円満の秘訣を知りたがります。

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【意見】 染色体差別を危惧する

読者の皆様は令和7年度 母子保健対策関係予算概算要求の概要に出生前検査を進める予算が組み込まれていることをご存知でしょうか。これは2023年度から予算化されて「ダウン症の生命の選別排除を目的とした出生前診断」を全妊婦に周知させるという政策です。具体的には妊婦が母子手帳をもらいに保健所や保健センターに来た際に、保健師の方が母子に関する情報提供を行う一環で、胎児の障害や奇形などに関するパンフレットを渡して出生前検査のことを説明しています。このパンフレットを見てホームページに誘導するQRコードなどもありますが、妊婦が不安を増大することになります。

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日本の悲しい顔

高齢化が急速に進む日本ですが、今年「敬老の日」を前に総務省が人口動態調査を発表した。それによると、日本の高齢者数は2023年9月から2万人急増し、3625万人となった!その主な理由は過疎化だと言われます。 1億2800万人をピークに1億2500万人まで減少した日本の人口は、さらに減少する可能性があると思います。この傾向の背景には少子化があり、おそらく日本が今直面している最大の危機であります。政府はこの問題に取り組むための対策を講じたかもしれないが、より多くの若者が独身を選んだり、たとえ結婚したとしても、仕事の見通しが立たない、生活費がかかる、社会通念などから子供を持つことに消極的になっていると思います。若い世代は自立したライフスタイルを好み、一人でいることを好むようだが、これは、伝統的に集団志向の強いこの国にとって大きな変化であります。

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金子みすずの世界

昨夜のNHK総合夜10時からの「歴史秘話ヒストリア」を見ました。例の「こだまでしょうか」の詩の作者「金子みすず(1903~1930)」がテーマでした。 小さい頃からの苦労の連続にもかかわらず、ある時は「魚」の気持ちになって、ある時は「雪」の気持ちになって、素直にいろんな視点で詠った言霊に、西条八十(青い山脈など作詞家)も天才と称賛!当時は「童謡詩人会」には与謝野晶子と金子みすずの二人だけしか女性はいなかったそうで、東京に出て行けば、もっと活躍の場があり、もっと有名な詩人になっていたと思われるが、故郷(山口県仙崎)に留まったそうだ。弟の熱意もあって、やっと昭和の最後(1984)になって全集が発行され瞬く間に「金子みすず」の名が広まった。この番組でもいろんな詩が紹介されましたが、「こだまでしょうか」の詩は、仕事を失い、遊郭で遊びまくる夫との確執で、離婚寸前の状態の中で生まれた詩だったとか。夫を変えたい、いつか変ってくれると信じて我慢していた頃、夫の厳しい言葉に、厳しい言葉で返さず、優しい言葉で返せば、いつかは優しい言葉が返ってくると思ったのでしょう。その心情が

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教会における信徒の品位と使命

第2バチカン公会議(1962-65)は教会憲章第4章において、教会を構成する「信徒」の地位と役割の見直しを行なって、聖職者や修道者に比べて「信徒は二流の信者である」という誤解を解き、信徒本来のあるべき姿を浮き彫りにした。 その中から、ここでは「信徒の品位」、「信徒固有の使徒職」、そして「信徒の共通祭司職」の三点に絞って簡潔に述べてみたい。

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戦争がウクライナ国民から奪ったもの

ロシアのプーチン大統領が隣国ウクライナに軍事侵攻を開始して24日で丸3年が終わる。トランプ米大統領がホワイトハウスに復帰して以来、ウクライナの停戦問題がこれまで以上に現実味を帯びてきた。同時に、米ロ両国の対話が進む一方、米国とウクライナの関係が険悪化する様相を帯びてきた。また、米欧間でも隙間風が吹いてきた。

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司教の手紙 ㉚ 平和の源としての兄弟愛

教区の皆さま、お元気でしょうか。前回、家族の中の親子関係について考察しましたので、今回は兄弟関係についてお話したいと思います。 兄弟関係とは、基本的には血縁による繋がりです。しかし平等ではありません。同じ親から生まれた間柄ですが、年齢差、能力差、健康・不健康の差などを見るとそう言えます。それでも、両親はいろんな意味で不平等な子供たちをできるだけ公平に愛そうと努めます。

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【ブログ】いまあらためて「なぜ有機農業」?

自宅近くに一画を借りている市民農園。 手前は菌ちゃん農法の畝。始めたばかりの昨冬は大豊作でしたが夏は猛暑のせいか不作、今年の冬も今一つです。 昨年9月の講演会の際に、吉田俊道さんに猛暑の影響について伺った際は特にないとのことでしたので、まだまだ技術が足らないということなのでしょう。 ところで毎年、正月までに実が無くなってしまう庭の南天ですが、年末にネットを掛けておいたおかげで元旦には見事な赤い実を楽しめました。 ところが気が付くと、ヒヨドリさん達のお陰ですっかり丸坊主に。

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『忙しさ』は『時間貧乏』に拍車をかける

あなたは「お元気ですか?」と尋ねられて、「忙しいです」と答える人々のうちの一人ですか。もしそうならあなたは一人だけではありません。実際、最近の調査では、この質問に対して70%の人が「忙しいです」と答えました。自分自身に問いかけてみてください。「私は時間貧乏でしょうか?」「本当にそんなに忙しくする必要があるのでしょうか?」「忙しさに追われることで、もっと重要な問題を避けているのではないでしょうか?」そしてもう一つ、「神様のための時間を確保しているでしょうか?」聖書では、イエスがマルタに、マリアがしていることは人生にとって非常に重要だと言っています。実際、イエスは「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことに気を取られ、心配しているが、必要なことは一つだけです」と述べています。言っている意味は明瞭です。イエスはマルタに尋ねています。「私をどれだけ本当に愛していますか?忙しいスケジュールの中で私とともに過ごせますか?」

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祈りに込められた「教会一致」への思い

前回は、「キリスト教一致祈祷週間」とその背景について述べたが、それに続いて、カトリック教会が典礼の中で祈っている「教会一致を願う祈り」について二つの例を取り上げて見たい。聖金曜日・主の受難の典礼の中の祈祷と、毎日のミサにおける「教会一致を求める祈り」である。 前者については、第2バチカン公会議の『エクメニズムに関する教令』を解説したP.ネメシェギ神父の言葉が適切なので、少々長いがそれを引用しておこう。

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免疫学者ファウチ博士の予防恩赦に反対

 バイデン米大統領は20日、退任直前にトランプ現大統領の政敵と見られる人物に対して予防的恩赦を与えた。恩赦を受けた人物は、免疫学者アンソニー・ファウチ博士、トランプ氏の元統合参謀本部議長マーク・ミリー氏のほか、議会襲撃事件の調査委員会の全メンバーが含まれていた(その中には、リズ・チェイニー元下院議員やアダム・シフ元下院議員が入っている)。調査委員会は、米議会議事堂が襲撃された事件の背景や責任者の役割を調査するために設置されもので、トランプ氏の事件との関与などが調査された。

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お昼の放送【贈り物】

皆さんが東星学園の中高に入学する前から,私は学校説明会なので,「あなたが入学する学校,そこがあなたにとって一番の学校です」とお伝えしてきました。  ところで,最近はもう一つ,学校説明会で必ずお伝えしている言葉があります。それは「未来のあなたに会いに行こう」という言葉です。この言葉の意味は,未来のあなたに会いに行くことができるのはあなた一人であり,未来のあなたは,今ここにいるあなただけを待っているという意味なのです。

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恐れることなく、イエスの招きにこたえよう

(ルカ5:1-11) 今週の「漁師を弟子にする」という物語は、中田神父にとって非常に慰めになります。私が小学生の頃、漁師は「危険で、きつい仕事」の代表格でした。同時に、中学を卒業して手っ取り早くお金を稼ぐのに「もってこい」の仕事でした。それは裏を返すと、「勉強ができない人が行き着く仕事」というイメージでした。

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