IV 不当な差別的取り扱いとは p20〜p25
● 障害者差別解消法では障害を理由とする「不当な差別的取り扱い」を禁止し
います
● 企業や店舗などの事業者や、国・都道府県・市町村などの行政機関等においては、例えば「障害がある」という理由だけで財・サービス、各種機会の提供を拒否したり、それらを提供するに当たって場所・時間帯等を制限したりするなど、「障害のない人と異なる取扱い」をすることにより障害のある人を不利に扱うことのないようにしなければなりません。
● 具体的には、
① 行政機関等や事業者が、
② その事務又は事業を行うに当たり、
③ 障害を理由として、
④ 障害者でない者と比較して、
⑤ 不当な(正当な理由のない)差別的取扱いをすること等により、障害のある人の権利利益を侵害することが禁止されています。
不当な差別的取り扱いの具体例 p21
保護者や介助者がいなければ一律に入店を断る
障害のある人向けの物件はないと言って対応しない
障害があることを理由として、障害のある人に対して一律に接遇の質を下げる
正当な理由がある場合 p21
● 障害のある人に対する障害を理由とした異なる取扱いに「正当な理由がある」 場合、すなわち当該行為が
① 客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、
② その目的に照らしてやむを得ないと言える場合 は「不当な差別的取扱い」にはなりません。
●「 正当な理由」に相当するか否かについては、個別の事案ごとに、
・障害者、事業者、第三者の権利利益
(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止等)
・行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等の観点から、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断する必要があります。
☆例えば次のような例は正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられます。
● 実習を伴う講座において、実習に必要な作業の遂行上具体的な危険の発生が見込まれる障害特性のある障害者に対し、当該実習とは別の実習を設定すること。(障害者本人の安全確保の観点)
※上記はあくまでも考え方の一例であり、実際には個別に判断する必要があります。
● 正当な理由があると判断した場合は、障害のある人にその理由を丁寧に説明し、理解を得るよう努めることが望まれます。
「もし何かあったら… 」は正当な理由になりません!
~「正当な理由」は個別に判断しましょう~ p23
●「 正当な理由がある場合」の判断は、個別のケースごとに行うことが重要です。
●「 過去に同じようなことがあったから」「世間一般にはそう思われているから」といった理由で、一律に判断を行うことは、「正当な理由がある場合」には該当しません。個別の事案ごとに、具体的場面や状況に応じて、判断をすることが必要です。
● また、そのためには、障害のある人に対し、個別の事情や、配慮が必要か等の確認を行うことが有効です。
※障害者、事業者、第三者の権利利益等の観点を判断するためや、合理的配慮の提供のために必要な範囲で、プライバシーに配慮しながら、障害のある人に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには該当しません。
例:ペースメーカー利用者がスポーツジムの入会を希望している p23
ペースメーカーを利用されてる方からスポーツジムへの入会申込みがありました。
プログラムに参加することで身体に負担がかかり体調不良になってしまわないか不安です。
障害のある人の安全の確保のためには、入会をお断りした方がよいと思うのですが、このような場合も、「不当な差別的取扱い」に当たるのでしょうか?
対応のポイント p24
● ペースメーカーを利用されている方について、一律に判断をせず、個別事情をよく聞いた上で判断することが大切です。
● この例では、「ペースメーカーを利用している方は全て、ジムで運動することで体調不良になる可能性が高い。したがって、一律ジムへの入会はお断りした方が良いのではないか」と判断しており、問題があります。
● 例えば、「普段はどのような運動をしていますか」「主治医に参加可能なプログラムについてご相談いただけますか」などの対話を行って、利用者の健康状態や普段の運動への取組状況等を具体的に確認してみましょう。その上で、個別の事情を踏まえて、その方の安全確保上、制限が必要と判断された場合にのみ、必要な限度で、プログラムへの参加を制限するといった対応を行うことが必要です。
☆ 上記の例を始め、このリーフレットで紹介した例など、ケースごとの考え方など詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
不当な差別的取扱い・合理的配慮の提供に係るケーススタディ集
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/case-study.html
(続く)
Yasuo Yoshikawa (ヨシカワ ヤスオ)
吉川 康夫
出典 内閣府政策統括官(制作調整担当)付 障害者施策担当
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo2/daikatsuji_print.pdf
Copyright © 2025年4月13日
2025年4月13日掲載許可