放射能と暮らす1 正義はとっても困る
正義感にかられた女性からの「電話」は、福島の放射能を巡る問題を象徴するものだった――。 いま、放射能のことは、福島県内には限らない世界的な問題である。私自身も、中国やフランスの国営放送、ドイツの週刊誌「シュピーゲル」、フランスの「ル・モンド」紙などの取材を受けた。あ、そういえば日本人記者ではあったが、ロイター通信の取材も受けたのだった。 小説を書いての取材ならいかにも誇らしいが、今回の場合、取材の理由は私がフクシマに住んでいることに尽きる。フクシマの人間は、どのように現状を認識し、どう感じているのか、彼らはそれが知りたいのだ。たまたまそこに適当な作家がいたということだろう。適当な、というのは、東日本大震災復興構想会議のメンバーでもあり、坊さんでもある。さまざまな視点からの意見が聞けると思われたのかもしれない。
Continue reading