4月20日はキリスト教会の最大の祝日、イエスが十字架上で亡くなって3日後に蘇ったことを祝う復活祭(イースター)だった。先月23日に退院したばかりで、健康状態が依然回復していないフランシスコ教皇(88)が復活祭で主礼を果たすか否かは20日の朝まで分からなかった。バチカンニュースによると、フランシスコ教皇は20日早朝(現地時間)、ローマ訪問中のバンス米副大統領(カトリック信者)と会見している。
フランシスコ教皇はサン・ピエトロ広場で行われた復活祭のミサは代理人をたて、自らは車椅子でサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を見せると、広場に集った約3万5000人の信者たちから暖かい拍手で迎えられた。教皇は「復活祭おめでとう」と皆に挨拶し、記念ミサ後、サン・ピエトロ大聖堂のロッジアから「ウルビ・エト・オルビ」の祝福の言葉を述べた。ただし、イースターのメッセージはディエゴ・ラヴェッリ儀式長が代読した。その後、フランシスコ教皇はオープンカーに乗ってサン・ピエトロ広場を通り、信者たちの歓声に応えている。
バチカンの復活祭をライブ中継していたオーストリア国営放送(ORF)の解説者は「フランシスコ教皇は復活祭の主礼として最低限だが責任を果たした」と述べていた。
ところで、今年はローマ・カトリック教会、プロテスタント教会、そして正教会で同じ日にイースターが挙行された。世界最大のキリスト教会のカトリック教会にとっては2025年は25年ぶりに到来する「聖年」だ。それだけではない。キリスト教会の教義を統一した「第1二カイア公会議」開催から1700年目の歴史的筋目に当たる。すなわち、今年の復活祭は様々な歴史的筋目が重なったわけだ。
ちなみに、ローマ・カトリック教会(およびプロテスタント教会)は通常、グレゴリオ暦を使用して復活祭の日付を決定する一方、正教会の多くはユリウス暦に基づいて復活祭の日付を計算する。そのため、正教会の復活祭はカトリック教会よりも1週間から5週間遅れることが一般的だった。カトリック教会と正教会は1054年の「大シスマ(東西教会分裂)」以来、別々の暦で復活祭を祝うことが多く、同じ日に祝うことは稀だった。
その東西キリスト教会が同じ日に復活祭の祈りを捧げるということは、その祈りが発するエネルギーは通常より大きいだろう。10人の信者が祈る時より、100人の信者が集まって祈るならば、そのエネルギー、その波動、周波数は当然パワフルだろう。
天才の発明家ニコラ・テスラは「エネルギー、周波数、波動が分かれば、世界の全てが解決できる」と語っていたことを思い出す。
宗教界では超教派運動(エキュメニカル運動)なる活動があるが、宗派の壁を越えて宗教が再統合するならば、その宗教者たちがする祈りのエネルギーは膨大だろう。そうなれば、「世界の平和実現」は決して空論ではなくなるのではないか。
繰り返すが、2025年は第1ニカイア公会議(325年)から1700年目だ。同公会議は、キリスト教の教義を統一し、復活祭の日付を決定した重要な会議だった。この節目の年に、カトリック教会と正教会が同じ日に復活祭を祝った。単なる偶然ではなく、歴史的な意味があるはずだ。「意味のある偶然の一致」といわれるシンクロ二シティではないか。
Editorial (オピニオン)
国連記者室
Copyright © 2025年04月21日
2025年4月25日許可を得て複製