〜「学園」の記憶 〜戦後80年 戦争孤児に思いを馳せて
昭和20年8月15日 終戦から間もなく80年を迎えようとしています。 私が生まれた昭和26年は、未だ未だ戦争の傷跡が深く残っていました。 和歌山市塩屋の秋葉山のふもとには、戦災で親を亡くした子どもたちが暮らす「学園」と呼ばれていた施設がありました。
Continue reading重要な問題について明確に考える
昭和20年8月15日 終戦から間もなく80年を迎えようとしています。 私が生まれた昭和26年は、未だ未だ戦争の傷跡が深く残っていました。 和歌山市塩屋の秋葉山のふもとには、戦災で親を亡くした子どもたちが暮らす「学園」と呼ばれていた施設がありました。
Continue readingバチカン通信社「フィデス・サービス」によると、長崎大聖堂(浦上天主堂)に2日、2つ目の鐘が納められた。80年前の原爆投下で破壊された元の鐘に代わるもので、8月9日午前11時4分、原爆投下時刻と同時刻に初めて鳴らされる。この鐘は米国のカトリック信者から寄贈されたという。レンガ造りの双塔が印象に残る浦上天主堂は1959年、原爆禍を乗り越えて再建された。
Continue readingオリンピックもいよいよ大詰めを迎えました。コロナとの闘いの中、無観客試合がほとんどという史上まれにみる異例の大会でした。それでも、アスリートたちの活躍は感動を与えてくれるものが多く、ついつい引き込まれてしまったのではないでしょうか。数多くの印象的な試合の中で、女子ソフトのライバル米国を破っての優勝は格別でした。先発の39歳上野由岐子投手の粘投、20歳の若手リリーフ後藤希友投手の抑え、ともに見事でした。 13年ぶり連覇の立役者で優勝投手の上野由岐子さんは大のアンパンマンファンという記事が目に留まりました。彼女の部屋はアンパンマングッズで飾られているそうです。アンパンマンこそ<ソフトボールにおける大事な精神を象徴する>存在と考える彼女は、こんな発言をしています。
Continue reading愛読書の人間学を学ぶ月刊誌「致知6月号」のテーマは“”読書立国”。スマホが読書習慣を阻害し、町の本屋が減り続ける社会に対して警告を発している。 最近、当ブログで「致知」の記事の紹介が増えているが、専門家の方々の、日本国の将来に対する懸念事項に深く同意することが多いため、皆さんにも是非とも知っていただきたいとの思いからだ。 今回注目したのは、建築家安藤忠雄氏と、iPS細胞でノーベル賞受賞の山中伸弥氏の「読書は国の未来を開く」と、お茶の水大学名誉教授内田伸子氏と脳トレで有名な東北大学川島隆太氏の「AI時代に負けない生きる力を育む子育て」の記事だ。
Continue reading「全キリスト」という言葉をご存じだろうか。現在、この言葉はあまり使用されないが、「キリストと教会」の神秘、すなわち、わたしたちとキリストの一体性の神秘を表す極めて貴重な言葉であるから、その意味するところを考えてみよう。 「全キリスト」はラテン語のTotus Christusの日本語訳であって、英語ではThe whole Christ、仏語ではLe Christ total であるが、時には「全きキリスト」とも訳される。「全キリスト」という言葉の起源は聖アウグスチヌスにあるとされ、聖教皇ヨハネ・パウロ2世は、次のように書いている。
Continue reading今日はこのブログを始めて2日目。 昨日からいつにも増して大好きな息子とのことをずっと考えてワクワクしています。(*^_^*) 家族旅行や息子と一緒にお出掛けすると、記念にみんなで写真を撮ります。 息子は、写真を撮る場所には行ってくれるのですが、なかなかカメラの方を向いてくれません。というか、いつもどこか違う方向を見ています。表情も笑顔はなく、どちらかというと変な表情です。
Continue readingクリスマスは,世界中の人々にとって待ちに待った日だろうと思います。例えば,戦争をしている兵士たちもクリスマスになると一時的に戦いをやめ,クリスマス休戦に入るという歴史は,第一世界大戦の最中,1914年に起こりました。この年,イギリス・フランス軍とドイツ軍による戦いが繰り広げられていた,ベルギー南部からフランスの北東部かけての,西部戦線と呼ばれる戦闘の最前線において,敵対していたドイツ軍とイギリス軍が共にクリスマスを祝ったと伝えられています。これは『クリスマス休戦』という映画にもなっています。
Continue reading◆命の賜物 私たちはみな、神様からこの命をいただいて生きています。どう生きるかは、すべて私たちに任せられています。自由気ままに生きようと、神の従って生きようと、それは全くあなたの生き方に刻まれているからです。パウロは、こんな風に言っています。「もはや、わたしが生きているのではなく、キリストがわたしの内に生きている」(ガラ2:20)と。彼はいただいたこの命をすべてキリストに託しているということです。このような命のあり方をみて、私は「命の賜物」と呼びたいのです。この命は、もはや私のものでなく、神のものなのです。
Continue readingIV 不当な差別的取り扱いとは p20〜p25 ● 障害者差別解消法では障害を理由とする「不当な差別的取り扱い」を禁止し います ● 企業や店舗などの事業者や、国・都道府県・市町村などの行政機関等においては、例えば「障害がある」という理由だけで財・サービス、各種機会の提供を拒否したり、それらを提供するに当たって場所・時間帯等を制限したりするなど、「障害のない人と異なる取扱い」をすることにより障害のある人を不利に扱うことのないようにしなければなりません。
Continue reading天におられる父なる神は、人類を救うために独り子と聖霊を世に遣わされた。独り子、つまり人となられた神の御子イエス・キリストについてはよく知られていると思うが、聖霊については余り知られていないのではないか。そこで、少々長くなるが、教皇ヨハネ・パウロ2世の解説を以下に引用してみよう。
Continue readingキリスト教最大の祝日「復活祭」(イースター)が終わった。1日は聖月曜日だったので、オーストリアなどカトリック教国では休日だった。そこで前評判の高かった3部構成のネットフリックスのシリーズ「神と交わした約束: モーセの物語」をストリーミングポータルで観た。3月27日から観ることが出来る。 エジプトから神の約束の地カナンに向かってモーセが60万人のイスラエル人を率いて「出エジプト」するスケールの大きい物語はこれまでも何度も映画化されてきた。当方も昔、名優チャールトン・ヘストン主演の映画「十戒」を観たことがある。 ネットリックスのシリーズは「神と交わした約束: モーセの物語」というタイトルが付き、第1部「預言者」、第2部「災い」、第3部「約束の地」の3部作から構成、各1時間半程度だ。テキストパネルを使って、各エピソードでは神学者や歴史家が登場し、モーセの物語についてその見解を語るから、モーセの人柄やその歴史的背景がより理解できるようになっている。
Continue readingアンパンマンの作者・やなせたかし夫妻のの歩みに光をあてるNHK朝ドラ『あんぱん』。戦争体験から生まれた「正義」と「愛」の思想には、福音に通じる深いメッセージが込められています。パンを分け与えるアンパンマンの姿は、イエス・キリストの自己犠牲の愛、十字架の愛と重なるように見えます。
Continue reading中絶反対を訴える「マーチフォーライフ(いのちの行進)」が18日、カトリック築地教会(東京都中央区)を出発点に行われた。さまざまな年齢や性別、国籍の人たちが参加し、日比谷公園までの約1時間の道のりを、「小さないのちを守ろう」「中絶やめよう」などと書かれた横断幕やプラカードなどを持って練り歩いた。
Continue reading般若波羅蜜 もうすぐ春彼岸、春分の日の前後各三日間に古くから追善供養の風習がある。 春分の日は、国立天文台からの情報に基づいて、春分の時刻を含む日に決定され、前年二月の官報で公表される。法律で「自然をたたえ生物をいつくしむ日」とされているが、明治十一年からの宮中行事「春季皇霊祭」で祝日となった。
Continue reading質問です。なぜ今日、突然このような悪意ある「生殖への攻撃」が起きているのでしょうか?生殖、すなわち生物学的な子どもを妊娠・出産する性的な営みが、次第に「どんな犠牲を払ってでも利益と権力を得る」という考えと同一視されつつあります。周囲を見渡せば、巨大産業がどれほど強い影響力をもって「生殖」という言葉の意味を、製造・工学・管理といった概念へと変えていっているかが分かります。たとえば、赤ちゃんは体外受精(IVF)によって「作られている」のです。
Continue reading20日は「世界幸福デー」だった。それに合わせて慣例の国連「年次世界幸福度報告書」(調査期間2021年~23年、143カ国を対象)が発表されたが、それによるとフィンランドが7年連続、世界で最も幸福な国に選ばれた。2位はデンマーク、3位アイスランド、4位スウェーデンと北欧4カ国が上位を独占した。同時に、調査を担当した学者たちによると、幸福度の国のランクでは多少の変化が見られたが、世界の幸福度の不平等は過去12年間で全ての地域と年齢層で20%以上増加した。
Continue reading2025年 7月21日(月・祝) 集合時間 15:30 行進開始 16:00 集合場所 カトリック築地教会 解散場所 日比谷公園 参加申し込みは不要です。 当日集合場所にお越しください **************************
Continue reading今年の「世界平和の日」に向けた教皇フランシスコのメッセージの題は「わたしたちの負い目をゆるしてください、あなたの平和をお与えください」です。教皇は、主の祈りの中で、「イエスは私たちの罪を赦してくださるよう御父に願い求めることから始められますが、すぐに、私たちも負い目のある人を赦します(マタイ6:12参照)という難しい言葉に移られます」。私たちが主の祈りを生きる上で悩むのは、このようなところではないだろうか。 赦すことが容易でないことは承知していますが、主はキリスト者である私たちに、危害を加える者を赦すことによって和解することを期待しておられます。
Continue reading今回の震災で負った心の傷を緩和するために、どういうことばが適切か。政府や多くの企業が選んだことばは、「がんばれ」だった。崩れたものをどうにか元の形に戻し、全身から抜けた力を集めるためには、確かに、震災直後は有効だったかもしれない。だが、3ヵ月を経た現在では、空しく響くだけである。何をがんばればいいのか…。
Continue reading-中野幸次『清貧の思想』(1996年11月、文春文庫)- https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167523039 【ポイント】 著者は、「消費者」とは「人間侮蔑的な言葉」であるとし、「何が必要であって何が必要でないかを検討し社会の仕組み全体を変えねばならぬ時に来ている」としています。
Continue readingカトリック教会にいわゆる昭和戦争の責任を問えるか? 答えは否である。教会はあくまで宗教団体であって、政治団体ではないからである。「国権の発動」である戦争の全責任は国家権力にしかあり得ない。教会は戦争に協力するよう強要された被害者である。 しかし、教会の中には『カトリック教会の戦争責任』という本を書いた司祭がおり、当時の教会指導者の戦争責任を追及する者がいたりするのはなぜか。政治共同体と教会とを混同し、政教分離の大原則を知らないばかりか、当時の教会が置かれた社会的、政治的情勢を知らないからであろう。第2バチカン公会議は、「政治共同体と教会は、それぞれの分野において、互いに自主独立である」(現代世界憲章76)と教えており、古来、霊的共同体である教会は政治共同体から区別され、常に政治権力の支配下にあってプラス・マイナス両面の影響を強く受けてきたのである。
Continue reading北欧スウェ―デンに住む一人の修道女が語った言葉が心に響いた。彼女は「私の日々はここで神の前に祈りを捧げることです。少しでも世界が良くなり、平和が実現できますように祈ります。これが私の仕事です」と述べていた。下界との接触は最小限に止め、ほとんどの時間を祈りや瞑想に費やすというのだ。
Continue reading人はなぜ等しく尊いのか? 愛で正義で全知全能の神様が、神と人、人と人とが互いに愛し合うために、ご自身のかたちに似せてお創りになったからだ。クリスチャンとしてそれを信じるから、生まれてから今までしてきた良いこと悪いことの総和、財産、役に立ったかどうかに関係なく、尊いと断言できる。 イエス・キリストが良い人にも悪い人にも雨を降らせ恵みを施す神様の愛を教え、自らも生き様で実践し、最後には十字架で自分の命を与えてまで、神の愛の何たるかを見せてくださり、復活された。だからこそ、人はそこまでして愛する価値のある存在だと言える。どんな人でも、愛される価値がある。
Continue reading日本の人口の約38%が60歳以上であると推定されています。70歳以上の人々は全体の22.2%を占めています。さらに、日本には100歳以上の高齢者が過去最多で95,119人います。この数字は2050年までに44万人に達すると予測されています。また、世界的に見ると、65歳以上の人口は2050年には16億人に達する見込みです。要するに、高齢化は不可逆的な世界的傾向なのです。中でも、80歳以上の人の数はさらに急速に増えています。私自身も今年85歳になります。 私たちの世代に共通する根本的な欲求は何でしょうか?簡単に言えば、年を取るほど、「老後」はもっと先にあると考えるようになります。私たちの基本的な恐れは「死ぬこと」です。 つまり、私たちは皆、できるだけ長く生きたいのです。だからこそ、健康に気を配り、危険を避けることが重要なのです。新聞で90歳や100歳を祝う人々の記事を読むと、私たちは嬉しくなります。彼らの健康で長寿の秘訣を知りたいのです。死をできるだけ先延ばしにしたいのです。
Continue readingIII 『合理的配慮』には対話が重要です! P.13〜P.19 ● 合理的配慮の提供に当たっては、社会的なバリアを取り除くために必要な対応について、障害のある人と事業者等が対話を重ね、共に解決策を検討していくことが重要です。このような双方のやり取りを「建設的対話」と言います。 ● 障害のある人からの申出への対応が難しい場合でも、障害のある人と事業者等の双方が持っている情報や意見を伝え合い、建設的対話に努めることで、目的に応じて代わりの手段を見つけていくことができます。
Continue reading6月8日はペンテコステの日だ。キリスト教の祝祭日だ。ギリシャ語で「50番目」という意味がある。通称、「聖霊降臨祭」とか「五旬節」と呼ばれる。 ところで、新約聖書「使徒行伝」第2章には聖霊降臨(ペンテコステ)の様子が記述されている。イエスは十字架後、復活し、40日間、ばらばらになった弟子たちを探し出し、福音を伝えた後、昇天。その10日後、激しい風のような音がすると、聖霊が天からイエスの弟子たちのうえに降臨する。
Continue reading水難 六月は水無月、その語源は諸説あるが「水の月」が最もらしい。水は、一方では全ての生き物の喉の渇きを潤し、渇愛を滅盡する仏の智慧の譬喩にも用いられる。他方、大津波のように大災害をもたらすこともある。水の利益に関して前に書いたので、今回は水の災難について話題にしよう。七難という場合、経典によって七つの難に違いがあるが、水難は説かれることが多い代表格だ。法華経普門品では水難について「若為大水所漂」、その偈文では「或漂流巨海」とあり、大水および海水による溺水の災難を取り上げている。旧暦六月は真夏であり、海水浴などで水の事故も多い。「波浪不能沒」とする観音菩薩のように人々を溺水から救うには、私達はどうすれば良いだろうか。溺水に関する知識を持つことから始める必要がある。
Continue reading主の復活祭(今年は4月5日)から聖霊降臨の主日(今年は5月24日)までの50日間は、「復活節」と称して、「一つの祝日」として、また、より適切には「大いなる主日」として、主の復活とその実りについて、歓喜に満ちて祝われる。 しかし今回は、典礼季節としてばかりでなく、救済史という歴史的な観点から、聖霊降臨の出来事が何であったかを考えてみたい。それは、人となった神の子キリストによる人類救済の大事業が完了して、救済史の次の段階、すなわち「聖霊と教会の時代」の到来を意味するのではないか、ということである。
Continue readingアナバステスト運動をご存じだろうか。幼児洗礼を拒否し、成人になってからの意識的な洗礼を重視することで再洗礼派と呼ばれ、絶対平等の社会と財産の共有などを主張する。この運動はプロテスタント思想とキリスト教共同体の発展に強い影響を与えた。 【原文には、イタリア通信ANSAからのコンクラーベ参加有資格者の135人の枢機卿の顔写真あり】
Continue reading詩人ウォルサン・シャイレは、彼女の詩「家」の中で次のような一節を作り、強い共鳴を呼び起こしました。 「誰も家を離れない / もし家がサメの口でないなら。」 「国境に向かって走るのは / 街全体で走っている人々を見たときだけ。」 「誰も自分の子どもを船に乗せない / 安全な大地よりも海が安全でない限り。」 今日、私たちは世界的な難民危機に直面しています。2024年中旬、難民の数は4370万人に達しました。これに加えて、内部避難民が7210万人、亡命希望者が800万人に達し、世界中で家を追われた人々は合計で約1億2260万人に上ります。
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