日本 プロライフ ムーブメント

国が知識のない人間を騙そうとしている


前回、アメリカの子宮頸がんの発生率が15〜29歳の年齢層すべてで減少傾向を示しているとの結果を報告した2026年3月25日付けのJNCI(Journal of the National Cancer Institute)という医学雑誌に掲載された論文を紹介しました。それが有料でないと入手できないので原著の内容を確認できない状況だったのですが、とあるブログ読者の方からありがたいことにこの論文の原著データを共有して頂きました。この場を借りて有難うございます。ご迷惑をおかけしないよう、この方の名前はここでは伏せておきますし、内容も有料である以上むやみに公開するわけにはいかないのですが、この原著を読んでみて感じた私の気づきについて今回はまとめておきたいと思います。まず前回記事で、私は原著を読めない状況の中で周辺情報を確認していき、最終的に2020年以降のアメリカの子宮頸がん検診体制が変わって、検診対象年齢がそれまでの21歳から、「25歳」へと引き上げられたことによって、21〜24歳の年齢の子宮頸がんの発見率が激減して、国全体として子宮頸がん患者の総数の減少につながったのではないかという考察を披露しました。ですが、原著を確認してみますと、ここに書かれているデータが嘘偽りないという前提において、どうやら私の予想は外れていたということがわかりました。示されていた21〜24歳の子宮頸がん患者数と25〜29歳の子宮頸がん患者数の年次推移を確認しますと、どちらの年齢層でも2020年以降にそれまでの傾向(トレンド)に比して、明らかな患者数の減少傾向を認めていました。すなわち、2020年以降の子宮頸がん患者の減少傾向は、少なくとも21〜24歳の年齢層に特異的に認められた現象ではなく、少なくとも15〜29歳の年齢層全体に対して認められた現象であったということになります。そうするとこの年齢層はHPVワクチンを接種した層が多数派ですので、HPVワクチン接種により順当に子宮頸がんが予防されたと考えてしまう人もいるかもしれませんが、それだと「2020年を境に急激に減少する」という事象の説明がつかないわけです。2006年にHPVワクチンを接種した人も、2019年にHPVワクチンを接種した人も、なぜか2020年を境にHPVワクチンの効果が同じタイミングで発現するという極めて不自然なことでも起こらない限り、この奇妙な2020年以降の急激な子宮頸がん患者数の減少の理由を説明することはできません。そうなると、やはり考えなければならないのは、やはり検診のルール変更によって2020年以降に子宮頸がん患者の発見に係る何らかのレギュレーション(制約)が加わったという可能性です。



その視点でよくよく観察すると、どうやらアメリカにおける2020年以降の子宮頸がん検診体制の変更に関しては、検診対象年齢が21歳から25歳へと引き上げられた以外に、もう一つ極めて大きな変更が加わっていることがわかりました。それは従来の細胞診法からHPV検査単独法への完全移行、です。



(表はこちらのサイトより引用)

このHPV検査というのは、以前当ブログでも詳しく検証したことがありますが、少々きな臭い検査です。どういう意味できな臭いかというと、まずHPV検査というものが具体的にどういう検査なのかという検査の詳細が簡単に調べるだけでは出てきません。かなりマニアックなところまで資料を深掘りして、ようやくハイブリッドキャプチャー2(HIC2)法という方法がアメリカで広く普及しているというところまで確認できました。



で、そのハイブリッドキャプチャー2(HIC2)がどういう方法かと言えば、ハイリスク型HPV(16型や18型など)の全ウイルス塩基配列を確認する方法だそうなのですが、それがハイリスク型HPVの塩基配列であることをどうやって確認しているのかというと、遺伝関連の安全上の理由からブラックボックス(非公開)になっているというのです。つまり、一般的には感度がよく、従来の細胞診法よりも効率的に子宮頸がんを検出できると言われているのですが、本当にそうなのかを第三者的に確認することが極めて困難な設計になっているということです。



そう言えば、ここで過去のHPVワクチン推進論文に検査会社と医学論文の利益相反があったということも思い出されるわけですが、この状況だと例えばこういうことが理屈上、起こり得ます。例えば、最近HPVワクチンの有効性について疑いの声が世間から上がってきていると、なんとかしてHPVワクチンが有効であるというデータを手に入れたいと、そんな時にこのアメリカ全体で普及しているHPV検査の設定をなんらかの方法で変更し、通常よりも少なく子宮頸がんが発見されるようにできたとしたら(PCR検査におけるCtのようなもの)、本当は子宮頸がん患者が減っていなかったとしても、HPV検査の対象群においては見かけ上子宮頸がんが減少しているように見せることができてしまいます。あるいは今度はもしHPVワクチン接種を推進したくなって子宮頸がん患者が増えてほしいと思った場合であっても、何らかの検査の設定をいじることによって普段よりも多く子宮頸がん患者が検出されるように操作できるようになっているとしたら…。ここに関しては私がその証拠を掴めているというわけではありません。しかし論理的にというか、状況証拠として言えるのは2020年以降の急激な子宮頸がんの患者数の減少は、どう考えても検診体制の変更に由来するものとしか考えようがないこと、そしてその検査にはブラックボックスの要素が多く、かつ技術的には検査のやり方如何で感度を上げることも下げることも可能だということ、もっと言えば、そのようなブラックボックスが多く、批判もあるような検査に対して厚生労働省がかなり前のめりになってHPV検査単独法を導入しようとしているということです。そう言えば、「スコットランド・カナダ・イングランド・デンマークの癌統計で20代後半の子宮頸がん罹患率が激減している」と豪語しているHPVワクチン推進派の人がいました。



調べてみると、どうやらいずれの国も子宮頸がんの検診体制がHPV検査単独法へと移行しているようです。これは偶然でしょうか。ちなみに冒頭の論文では「著者に利益相反はなし」と明記されていました。でもAcknowledgements(謝辞)として「本プロジェクトは、米国エネルギー省と疾病予防管理センター(CDC)間の省庁間協定に基づき、オークリッジ 科学教育研究所(ORISE)が運営する疾病予防管理センター(CDC)の研究プログラムへの任命(SVG)によって一部支援を受けた(※機械翻訳)」と書かれていました。業界から利益相反をできるだけ隠そうとする強い意志のようなものを感じてしまいます。

どうやら正直ものが馬鹿を見る、というか正直者を躊躇なく騙す方向に世界は動いています。エイプリルフールですが、決して嘘ではありません。大変ですが一人ひとりが知識を持って、国に騙されないように強く生きていきましょう。



Shuugo・Tagashira(タガシラ シュウゴ)

田頭 秀悟

オンライン診療医

出典 たがしゅうブログ

主体的医療ダイアロジカルスクール(Proactive Med Dialogical School)

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