日本 プロライフ ムーブメント

【vol.478 近すぎる親・遠すぎる親】親の距離感がつくる生きづらさ

親の距離感と子供の生きづらさ

子供の頃、普通の家庭で育ち、虐待などの大きな問題があったというわけではないけれど、大人になって人間関係がうまくいかないとか、自分に自信がもてないという悩みを抱えている方は少なくありません。

今日は親の心理的距離が、子供に与える影響を考えてみたいと思います。

子供の生きづらさをつくってしまう親には、子供との心理的距離が近すぎる親と遠すぎる親の二つのタイプがあります。

子供を守りすぎ-近すぎる親

心理的距離が近すぎる親の場合、親は心理的に子供と一体化していて、適切な距離がありません。

でも子供のためなら努力を惜しまないため、愛情深い親だと認識されることも多いようです。

近すぎる親の問題は、親の中にある不安感です。

その不安を排除しようとして、子供が将来遭遇するかもしれない障害を問題を先回りして取り除こうとするんです。

確かに親は、子供を大きなけがなどしないようにあらかじめ様々なことを予想して守ってあげることが必要ですよね。

でも子供は失敗を小さな繰り返しながら、それを乗り越えることで自分への自信を培っていきます。

先回りしすぎる親は結果的に、「あなたにはできない。」という不信感を子供に伝えています。

親に自分を信じてもらえないなら、子供はどうして自分を信じられるようになるんでしょうか。

自分を信じることができなければ、未知のものに立ち向かっていく勇気は湧きません。

子供が親に求めるもの、それは安心感です。

特に男の子は、「あなたならできる!大丈夫!」と信頼されることが必要なんです。

子供の成功を自分の手柄だと考えるー遠すぎる親

もう一つのタイプは、遠すぎる親です。

このタイプの親は、常に自分の気持ちを優先して、子供の気持ちについて顧みることはほとんどありません。

例えば子どもが一流大学に合格したという時、それを子供が頑張った成果と捉えるより、むしろ自分のおかげ、自分の手柄だと考えます。

子供の合格を通して、親として自分の素晴らしさが証明されたと捉えるんです。

このタイプは子供を自分の一部、もしくは自分の持ち物のようにとらえているので、子供にも人格があり、気持ちがあるということに理解がいたらないんです。

子供が失敗や挫折した時も、世間体など自分の立場にばかり目が行き、子供のつらさに思いをはせたり、寄り添おうとする事はあまりありません。

不登校や引きこもり、摂食障害など子供の問題で相談に来られる場合も、「厄介事が舞い込んだ。」というような雰囲気がどこかあり、子供の苦しみ寄り添おうとする姿はほとんど見られません。

このタイプの親が何かに不満を感じている場合、特に女の子はカウンセラー役を担う事になります。

親が子供の話を聞おてあげるのではなく、子供が親を思いやり話を聞くという親子逆転現象が起こります。

このタイプの親に育てられた人は、大人になっても常に周りの人を優先し、自分の気持ちを大切にすることが難しくなります。

これが生きづらさをつくります。

自己主張することは悪いことだと学んできたため、問題があるたびに自分さえ我慢すれば、自分が悪かったのだと考えてしまいます。

その結果自己中心でわがままな人を周りに集めやすくなってしまうのです。

悩みはあなたと家族がもっと幸せになるための贈り物!

今日の話、皆さんはどう思いましたか?

こんな風に自分の生きづらさの原因に気づくことは、辛い作業ですよね。

親の愛情だと信じていたものが、エゴだったということを受けいれるのはたやすい事ではありません。

でも気が付いていくところから、あなたの新しい人生が開けていきます。

次回は近すぎる親、遠すぎる親の影響を乗り越える方法についてお話しします。

悩みはあなたと家族がもっと幸せになるための贈り物!

大丈夫!あなたにもできます!

Kanau Miho(カナウ ミホ)
叶 美保
心理カウンセラー/講演家
出典 グレイスカウンセリング
Copyright 2022年5月13日
2022年5月20日掲載許可取得