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人間はいつから人間になるのか? -「科学的」神話と科学的事実

ある学会で人間の生命がどの時点で始まるかを議論していた際、一人の婦人科医が「中絶手術を執行するとき、あなたは子宮内の子供がもう人間になっていると信じますか?」と質問されたときのことです。彼の正直な答えは以下のようなものでした。

筆者の紹介

ある学会で人間の生命がどの時点で始まるかを議論していた際、一人の婦人科医が「中絶手術を執行するとき、あなたは子宮内の子供がもう人間になっていると信じますか?」と質問されたときのことです。彼の正直な答えは以下のようなものでした。

「もちろん、だれでもそれが人間であることぐらい分かっています。それは猫とか犬ではありません」 「では、それが人間であると分かっているのに、なぜあなたは平気で中絶手術ができるのですか?」 「それは人間ではあっても、わたしたちはまだ入国許可証を交付しているわけではありません」

「この世界に誕生する入国許可証を交付するのは神であって人間ではありません。」これが質問に対する正解です。

現代、一部の倫理学者たちは上記の医師より不正直です。彼らは母親の体内に存在し始める受精卵が二週間もしくは四週間経過するまでは人間でない、と主張します。脳が形成されるまでとか、それ以外にも、自分たちが決定するときまではまだ人間になっていないと主張することさえあります。

科学者・哲学者であるダイアンヌ・ナットウェル・アーヴィング博士は「とんでもない!」と言います。以下の論文で博士は人間が始めから、つまり受精の瞬間から人間である科学的証拠を提供します。ダイアンヌ・アーヴィング博士は Human Development Hoax: Time to Tell the Truth (人間発達の嘘・今や真実を話そう!)をヒト胎生学者ウォード・キッシャー博士と共同執筆しています。1991年、ワシントンのジョージタウン大学に提出したその博士論文のタイトルは「極初期胎芽の性質を哲学的・科学的に分析する」でした。博士は米国きっての倫理学者です。

アーヴィング博士はまた生化学研究者であり、生え抜きの生化学・生物学研究員としてメリーランド、ベセスダの国立衛生研究所、国立ガン研究所で7年にわたって奉職していました。博士はカトリックの諸神学校、大学で哲学史と医学倫理を教え、多くの医学論文を発表しています。また、しばしば倫理学に関する集まりでも講師・顧問を務めます。

博士の記事は当初 The International Journal of Sociology and Social Policy (1999, 19:3/4:22-47)Tに発表されました。短くするために最初の部分は省略してありますが、大切な部分は以下にみられるように質疑応答の形で組み入れてあり、テキストは100%博士の文章です。この研究論文を日本語に翻訳する許可をくださった博士に感謝します。

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導入

人間の肉体的・物質的次元が性的生殖のどの時点で開始するかは、厳密に科学的問題であり、回答する資格があるのは基本的にヒト胎生学者であって、哲学者、生命倫理学者、神学者、政治家、レントゲン技師、映画俳優、産科医、婦人科医ではありません。人格としての人間がどの時点で存在し始めるかは哲学者が答えるべき問題です。妊娠中絶、(クローニング、造血幹細胞研究、異種間生殖によるキメラを含む)胎芽の研究、中絶促進剤使用に関して今なされている論議は、一人一人の人間の生命がどの時点で始まるかという特定の主張を含みます。もし、これらの議論の基礎になる「科学」が間違っていれば、どんな結論も根拠を失い、無効になってしまいます。本論の目的はまず第一には、よく聞かれる「科学的」神話の実例と、これらの論議が根拠にするはずである客観的な科学の事実に焦点を当てることです。少なくとも、それはこの比較的簡単な科学的問題に関するヒト胎生学者たちの、現在、国際的にも一致している考えを明確にすることでしょう。最後の部分で「人格」についてなされる哲学的論争において多くの混乱を引き起こしたある種の「科学的」神話にも触れたいと思います。【注意・論文前半の「ヒト胎生学の基礎的事実」が省略されていますが、その主な部分は以下のテキストに含まれています。】

「科学的」神話と科学的事実

ヒト胎生学の基礎的事実を理解すれば、妊娠中絶、胎芽の研究、クローニング、造血幹細胞研究、異種間生殖によるキメラを含む)中絶促進剤使用に関する論争の中で主張されてきた多くの科学的に不正確な主張をもっと容易に見分けることができるようになります。また、なぜこのような議論が客観的な科学的事実を混迷させるかも分かりやすくなります。以下はこれら「科学的」神話のいくつかの例です。(文中の下線は異なる主張から読者を守るためのものです)。

神話1

中絶に反対する人たちは、胎芽もしくは胎児の中絶が人間の生命を破壊するから間違っていると主張するけれど、人間の精子と卵子も人間の生命です。ですから、彼らは人間の精子と卵子の破壊も中絶と同じである、と主張することになるのではないですか?それはおかしいのではないでしょうか?

事実1

科学的に言えば「人間の生命」を所有する人間の一部と、実際に「人間」である胎芽、もしくは胎児の間には根本的相違があります。中絶は人間の破壊です。人間の精子もしくは人間の卵母細胞の破壊は、どちらも人間でないのだから中絶にはなりません。問題は人間の生命がいつ始まるかでなく、むしろ一人一人の人間の存在がどの時点で始まるかです。人間の腎臓とか肝臓、人間の皮膚細胞、人間の精子もしくは卵母細胞には人間の生命が宿っています。しかし、これらは人間ではなく、人間の部分でしかありません。もし、単一の精子もしくは卵母細胞が女性の子宮に着床させられても、それは育つことなく、分解してしまいます。

神話2

受精の結果は単なる「小塊」もしくは「細胞の集まり」もしくは「母胎組織のかけら」でしかありません。

事実2

受精の際に形作られる人間の胎芽組織は人間そのものであり、単に「小塊」もしくは「細胞の集まり」などではありません。この新しい人間個人の中には父親と母親の染色体が入り交じっているので、単に「母胎組織のかけら」などではあり得ません。胎生学者のカールソン博士を以下に引用しましょう。

父親と母親の染色体の混合によって、受精卵は遺伝学的に染色体的の新しい取り合わせによって唯一無二の存在です。この事実はどの種の生存にとっても重要です。15(下線は編集者による。)

まず、配偶子形成と受精の間に科学的には非常に大事なことが起きます。つまり、単に「人間の生命」があるだけにしか過ぎない、一人の人間の単なる部分(つまり精子)と別の人間の一部分(普通、卵子とか卵と呼ばれる)卵母細胞から、新しい遺伝学的に唯一無二で、新しく存在し始める、個で、完全な生きた人間(単細胞の胎芽である受精卵)が生じるのです。つまり、受精の瞬間に人間の部分がそれ以前とは極めて異なる一人の人間に変化させられるのです。受精の過程によって精子と卵母細胞はもう精子と卵母細胞ではなくなり、新しい人間が生じるのです。

神話3

受精の直接産物は本当に存在する人間ではなく、人間になる可能性のある何かであるに過ぎません。

事実3

上に述べたように、科学的に受精の直接産物は新しく存在を始める人間以外の何者でもありません。人間の配偶子は人間です。それは人間になる可能性がある何者などではありません。もっと大きく育ち、その可能性を発展させる可能性を秘めた本当の人間です。

考慮すべき重要点は受精です。オライリーは受精を以下のように定義します。

精子が二次的卵母細胞もしくはその外層と接触で始まり、受精卵の最初の有糸分裂中期における父方と母方の染色体の融合に終わる過程(手持ちの原文で省略してあるために主語しかない)。受精卵は受精における最後の段階の特性を示しており、最初の卵割紡錘体によって見分けることができます。それが単細胞の胎児です。(下線は編集者による。)

受精時に(23の染色体がある)精子と(23の染色体がある)卵母細胞が融合すれば、その結果存在するようになるのは、人類一人一人の特徴である46の染色体を備えた生きた人間、つまり単細胞の受精卵です。以下にムーアを引用。

受精卵・この細胞は卵母細胞と精子の融合から生じます。受精卵は新しい人間(つまり胎芽)の始まりです。受精卵という表現は精子によって受精させられた二次的卵母細胞のことです。受精が完遂したとき卵母細胞は受精卵になります。10(下線は編集者による。)

受精卵は(人参とか蛙の酵素と蛋白質ではなく)新しい人間の始まりに他なりません。11 そして発生学的に自分の成長発達を方向付けます。(実に、この発生学的成長と発達は母親によって方向付けられるのでないことは証明済みです。)12 最後に、この新しい人間、つまり単細胞の受精卵は生物学的に一人の個人であり、一つの生きた有機体、人類の一員です。ラーセンを以下に引用。

発達する人間を描写するとすれば、新しい個人の初期的発達の引き金になる受精の際に融合する男女の性細胞もしくは配偶子の形成と分化ということになります。13(下線は編集者による。)

以上をまとめると、成熟した人間精子と成熟した人間卵母細胞はそれぞれに23の染色体が備わった配偶子形成の産物です。それぞれには人間に必要な染色体数の半分しかありません。ですからそれぞれがそれ以上人間に発達することはできません。それらが産出するのは「受精卵」蛋白質と酵素だけです。ですから自分自身の成長発展を方向付けることはありません。そして、言うまでもなく、それらは個人、つまり人類家族の一員ではありません。それらはそれぞれが人間の部分でしかありません。その反面、人間は受精の直接産物です。それとして、彼もしくは彼女は単細胞の胎芽的受精卵、つまり人類の一員であるために欠かすことのできない数である46の染色体を備えた有機体です。この人間はすぐに、人間としてその後の自分の成長発達を方向付ける人間特有の蛋白質と酵素を産出し始めます。つまりそれは新しい、発生学的に唯一無二、新しく存在し始めた、生きた人間個人なのです。

受精後、単細胞の胎芽は別のものに変化するわけではありません。それは8週間の間にいくつかの段階を経て発達しながら、単に細胞分裂を繰り返して、大きくなっていきます。成長しつつある胎芽のこれらの発展段階には特別の名前があります。例えば、約4日目には桑実胚、5~7日は胞胚、2週間目には二層胎芽、3週間目には三層胎芽と呼ばれます。14

神話4

単細胞の受精卵にしても胎芽にしても、人間のようには見えないから人間ではありません。

事実4

ヒト胎生学者であればだれでも知っているように、単細胞の受精卵、もしくはさらに発達した胎芽、さらに胎児は人間です。それらの発達段階ではまさにそのように見えるのが当たり前なのです。

神話5

受精後に存在するのは男でも女でもない「中性のそれ」です。

事実5

受精直後に存在するのはすでに発生学的に男か女のどちらかです。性別は卵母細胞に授精する精子の種類によって決定されています。再度、カールソン博士を以下に引用しましょう。

将来の胎芽の性別は精子の染色体的補体によって決定されます。(もし精子に22の常染色体と2Xの染色体があれば胎芽は発生学的に女であり、もし精子に22の常染色体とXとYの染色体があれば胎芽は発生学的に男です。)16

神話6

「胎芽と胎芽期」は着床時に始まります。(14日後にとか3週間後にという神話もあります。)

事実6

以上が、時として特に生命倫理学の文献にある、似非科学的記事でもっともよく繰り返される神話です。上に説明したとおり、人間である胎芽は5~7日経過した後の着床とか、14日後とか、3週間後にでなく、受精によって始まります。ですから胎芽期は受精によって始まり、胎児期が始まる8週間目の終わりに終わります。以下にオライリーを引用しましょう。

出生前の生命は便宜上胎芽期と胎児期という二つの段階に分けられています。体の諸構造が大方出現する厳密な意味での胎芽期は排卵後の8週間です。胎児期は8週間の終わりから誕生まで続きます。17(下線は編集者による。)

神話7

受精の産物は14日目までは胎芽ではなく「胎芽以前の何か」でしかないので実験に使用したり、中絶したり、贈与したりできます。

事実7

この「科学的」神話は、現代、文献でおそらくもっとも頻繁に見かけられることでしょう。「胎芽以前の何か」という言い方には長く、興味深い歴史があります。(詳細と文献を調べたかったら、キッシャー・アーヴィング共著Human Development Hoax: Time to Tell the Truth―人間発達の嘘・今や真実を話そう!―を参照。)しかし、大まかに言えば、それは少なくとも1979年にイエズス会神学者リチャード・マッコーミック神父が米国保険社会福祉省、教育科学省倫理顧問であったた頃書いた生命倫理学関係の書物に見られます。18 また、蛙の発達を研究した生物学者クリフォード・グロブシュタイン博士が、1979年にScientific American19に寄稿した記事にも、この言い方が見られます。しかし、特筆されねばならないのは彼の古典的著作Science and the Unborn: Choosing Human Futures (1988)20 でしょう。その後、米国受胎能力研究会倫理委員として、また影響力の大きい数多の生命倫理学の記事によって、マッコーミックもグロブシュタインもこの科学的神話を普及し続けました。それで生命倫理、神学、社会政策の分野でこの言い方が広まってしまい、今日に至ります。

「胎芽以前の何か」という言葉は、英国ウォーノック委員会報告(1984)でも胎芽研究を許可する口実として使用されています。21 その後、オーストラリアの著者マイケル・ロックウッド、マイケル・トゥーリー、アラン・トラウンソン、そして特に哲学者ピーター・シンガー、法学者パスカル・カシンバ、ヒト胎生学者でなく遺伝学者の方のカレン・ドーソンなどを含む、文字どおり国際的に何百人もの著者がこの言い方を採用しています。 遺伝学者でしかないカレン・ドーソンを除けば、彼らの中には一人の科学者も含まれていないことに注意して下さい。

おかしなことに、(「胎芽以前の何か」という言葉を使用していても、その「ヒト胎生学」のチャート、またはその「科学的」語彙のリストに科学的文献が欠如している)シンガー、クーゼ、バックル、ドーソン共同執筆のEmbryo Experimentation(胎芽の実験)22 は、神学者マッコーミック、蛙の発達を研究した生物学者グロブシュタインの著作と並んで、米国では国立衛生研究所の胎芽研究報告(1994)の科学的根拠として採用されたものです。23 (元々は「胎芽以前の何か」という言い方を採用していた)この報告は「着床以前の胎芽」には「減少した精神的地位」しかないと結論しました。(ウォーノック委員会報告も国立衛生研究所の研究報告も胎芽研究にとって14日の期限は恣意的であり、必要であれば変更されることができ、またそうされなければならないことを認めました。)特に、これらの文書とその他の生命倫理学者たちの著作では「胎芽以前の何か」の神話に「科学的」根拠を付与し、本論の始めで触れた諸問題を「科学的に」正当化するために不正確な科学が持ち出されるのです。これは、妊娠中絶とか(不妊症研究、クローニング、造血幹細胞研究、異種間生殖によるキメラ、その他の)胎芽研究のためになされる実験のために贈与された、もしくは「研究のために人工的に作られた」極初期胎芽の使用を含むことになるのです。

そもそも、受精の直接産物が「46」の染色体を持つ人間、胎芽、人類の一員であること、またそれが胎芽期の始まりであることは上で証明されています。しかし、マッコーミックとグローブシュタイン24 は受精の産物が発生学的には人間であっても、それはまだ「発達した個人」ではないと主張するのです。そして、この「科学的事実」が「胎芽以前の何か」についての彼らの主張の根拠になるというのです。以下に、マッコーミックを引用しましょう。

本論で、わたしは精神的地位、そして特に人格のあるなしについての議論が、(一人の個人であることの原因であることを意味する)発展的個性の取得に関係していることを、主張します。受精卵の段階で発生学的個人はまだ発育上は個でない、つまり、一人の個人として成立していないことに気づくべきです。お分かりになると思いますが、それは着床が始まる、受精後2週間目の終わり頃に単体軸椎骨が形成されるまでには起こりません。25(下線は編集者による。)

まあ、なんと科学的に聞こえることでしょう!しかし、マッコーミックの胎生学はすでに破綻を来しています。着床が起こるのは受精後5~7日目です。彼が主張する「単体脊椎」は受精後14日に起こる(胞胚の胚盤葉上層にできる)原始線条の形成ことです。マッコーミックはその著作中でしばしばこれら異なる時期について混乱しています。マッコーミックはさらに以下のように続けます。

胚盤胞と呼ばれるこの多細胞の存在には、細胞から成り立つ外壁、液体で満たされた中央腔、内部細胞塊として知られる小さな細胞集合体があります。発生学の諸研究は外壁の細胞が後で胎盤になるトロホブラスト(栄養膜)になることを示しています。究極的に、これらの細胞は分娩の際に一つ残らず廃棄されます。26(下線は編集者による。)

明確な言外の意味は、これら二つの細胞層には関係とか相互反応とかがまったく欠如しており、故にその「存在」はまだ「発達中の個体」ではないということです。しかし、ラーセンを引用すると「さて、中心にあるこれらの卵割球は内部細胞塊と呼ばれています。そして周辺部の卵割球が外部細胞塊です。これらのグループの間にはいくらかのやりとりがあります。この胚ディスク(内部細胞塊)が厳密な意味での胎芽に発達し、また胎芽の外部にある粘膜の一部になります。」27(下線は編集者による。)

同様に、分娩の後で外側のトロホブラスト層からのすべての細胞が廃棄されるというのは事実と異なります。ムーアを引用しましょう。「絨毛膜、羊膜、卵黄嚢、尿膜が胎胚膜を構成しています。それらは受精卵から発達しますが、卵黄膜と尿膜の一部を除いて、胎芽もしくは胎児形成には参与しません。卵黄膜の一部は胎芽に内臓の元基として組み込まれます。尿膜は胎児においては尿膜管、成人においては臍帯として知られる繊維状コードになります。」28(下線は編集者による。)

科学者たち自刃も、もっと易しい言葉を使用して若い人たちに「理解させよう」として、時として(科学的には不正確で誤解を招きやすいけれど)一般化した用語を使用してしまいます。それで、用心深いオライリーは「胎胚膜」という用語の使用について、彼の古典的教科書で懸念を表明しています。

普通、しかし不正確に「胎胚膜」として言及される発達段階の子宮付属器はトロホブラスト、羊膜、臍小胞(卵黄嚢)、絨毛膜、尿膜憩室、胎盤、臍帯を含みます。これらは発生学的には個人の一部であり、同じ胎芽層で成り立っています。29(下線は編集者による。)

従って、内側の細胞層だけが「厳密な意味での胎児」であると主張するのは科学的にも間違っています。内外二つの細胞層を含む胞胚全体が胎芽、人間、個人であるのです。これはヒト胎生学者が観察するところです。例えば、

ブルース・M ・カールソン、Human Embryology and Developmental Biology(ヒト胎生学と発育生物学)St. Louis, MO: Mosby, 1994: 「受精して4日後、胎芽の中に液体に満ちた空間が形成され始めます。この空間は胞胚腔として知られており、胎芽全体としては胞胚と呼ばれます」(34ページ)。ウィリアム・J・ラーセン、Human Embryology(ヒト胎生学)1997:「周辺の割球は外塊細胞と呼ばれるのに対し、中央に位置するこれらの割球は今や内塊細胞と呼ばれます。これらのグループ間にある程度のやりとりはあります。しかし、一般的に言って、内塊細胞が厳密な意味での胎芽ほぼすべてを発生させます。そこからそれは胎芽肺葉と呼ばれるのです。外塊細胞は胎盤膜の主な材料になるので栄養胚葉と呼ばれるのです」(19ページ)。

最後になりますが、マッコーミックは「胎芽以前の何か」は、分化全能であり、ふたごになる可能性がまだあるので、自分が何人の個人になるかをまだ決めていない、と主張します。彼らは、それ故に、14日目までかつ原条が形成されるまでは双子になる可能性があり、その後は双子になる可能性がない、と主張します。30 ところが、14日目以後でも双子になる可能性が実はあるのです。例えば胎児中胎児とかシャム双生児がそれに当たります。再度オライリーを引用しましょう。

初期段階での部分的双生児化と(左右相称が顕在になる)2週間目以降の双生児化の試行は(例えばシャム双生児のような)結合双生児になっていまいます。(下線は編集者による。)

カレン・ドーソンでさえもEmbryo Experimentation (胎芽の実験) に寄稿した記事中で、 これを科学的事実として認めています。

原条形成時の後で「不可逆的単一体」という考え方が、それ以後ずっと個としての人間であり続けるようになる人間生命の決め手になる目安になるのであるとすれば、それに再考慮を迫るようなその他の出来事が可能です。この考え方が適切であることに疑問を起こさせる、時としてシャム双生児として知られる結合双生児と胎児中胎児などの、二つの条件があります。結合双生児化は、原条が形成され始めた後、つまり受精後14日以上経過してから、または、卵割からの議論で言えば、不可逆的単一体が存在し始めると言われる時点が過ぎてから、始まります。このような状態は単一体を、受精後約14日経過してからは不可逆的に決定されるもの、として見る可能性を弱めるのです。そこから、道徳的立場の決定要因として発達における卵割を目安にすることの適切さについて疑問が生じます。32(下線は編集者による。)

国立衛生研究所胎芽研究委員会33 が、初期の胎芽の道徳的立場に関する勧告を出す前に、シンガーと同僚たちによる著作のこの部分に目を通さなかったのは残念なことです。

実際の世界に「胎芽以前の何か」などというものは存在しないのが科学的事実です。この言葉は完全な神話でしかありません。それは、普通であれば容認されないようないくつかの事柄を正当化することを目的としてひねり出されたものでしかありません。国際胎芽学会委員の一人であるオライリーを再度以下に引用しましょう。

不明確かつ不正確な胚板を含む「胎芽以前の何か」などという用語は、原条の出現で終わるとか、神経胚形成を含むとか言われています。しかし、この用語は本の中に使用されていません。34(下線は編集者による。)

運の悪いことに、便利ではあっても神話的な「胎芽以前の何か」なる用語は「科学的に」それ以外にもいくつかの「科学的な」神話を正当化するために利用されることでしょう。そしてそれがさらには、世界中で中絶とか胎芽研究に関する政府決定を合法化するために利用されることになるでしょう。

神話8

妊娠は胚盤胞の着床によって(つまり、受胎後5~7日してから)開始します。

事実8

「妊娠」のこの定義は、受精が母親の胎外の細菌培養皿でなされ、その後で人工的に胎芽を女性の子宮内に入れる試験管受精法導入を正当化するために、作り出されました。明らかに、もし胎芽が女性の体内になければ、彼女はその用語の文字通りの、伝統的意味では「妊娠」していません。しかし、この人工的状態が女性の体内にある卵管で起こり、引き続いて卵管から子宮内に降りてきて着床する「正常な妊娠」の再定義を正当化できるわけではありません。普通の状態であれば妊娠は、着床でなく、受精の時点で始まります。以下にカールソンを引用しましょう。

ヒトの妊娠は卵子と精子の融合で開始します。しかし、この出来事に先立って膨大な準備がなされます。まず、男女の性細胞は、それらを遺伝的、表現型的に変化させて、受精過程に参加できる成熟した配偶子にする一連の長い配偶子生成の過程を経なければなりません。次に、配偶子は生殖腺から出て、正常な受精が普通起こる卵管上部に移動しなければなりません。最後に、厳密な意味で胎芽と呼ばれる受精卵は子宮に降り、母親から養分を受けるために子宮内壁に着床します。35 (下線は編集者による。)

神話9

モーニング・アフター・ピル、RU-486、避妊リングに中絶促進作用はありません。それらは避妊の手段であるに過ぎません。

事実9

もし、受精があったとすれば、モーニング・アフター・ピル、RU-486、避妊リング(IUD)には中絶促進作用があり得ます。受精があったのであれば、それらはすでに存在している人間である胎芽、つまり胚盤胞が着床するのを妨げます。もし、発達中のヒト胚盤胞の子宮着床が妨げられると、明らかに胎芽は死んでしまいます。実際に、これらの化学的、物理的避妊法は中絶法にもなっています。以下にムーアを引用しましょう。

避妊処置なしの性行為の直後に始まる、何日かにわたる比較的大用量のエストロゲン(モーニング・アフター・ピル)投与は、普通、受精を妨げるのでなく、しばしば胚盤胞の着床を妨げます。5~6日間毎日大量に投与されるディエチルスティルベストロールも、分割しつつある受精卵の卵管通過を早める作用があるかもしれません普通、受精卵が形成され、卵割を始め、子宮に入るにつれて子宮内膜は月経周期の分泌促進状態に移ります。大量のエストロゲンは胚盤胞の着床を妨害します。胚盤胞の着床阻止を目的とする受胎後のホルモン投与は時として暴行を受けた場合とか、コンドームが破損した場合などになされます。しかし、この治療法は通常の避妊のためには禁忌とされます。「避妊ピル」であるRU- 486も、着床しようとしている受精卵のホルモン環境を乱す着床妨害によって受胎産物を破壊します膣と子宮頚管を経て子宮内に装着される避妊リング(IUD)も、普通であれば、部分的炎症を引き起こすことによって着床に支障をもたらします。(部分的炎症を起こさなくても着床に支障をもたらすことがあるとさえ言われます。・訳者)ある種の避妊リング(IUD)はプロゲステロンを少量ずつ放出して、着床が起きないために子宮内膜の発達に干渉します。36 (下線は編集者による。)

いわゆるモーニング・アフター・ピルについてムーアは以下を付け加えています。

【学生たちへの質問―2章#5】

#5妊娠しているかもしれないとと思っている若い女性が、いわゆる「モーニング・アフター・ピル」(性交後に用いる産児制限ピル)について、あなたに質問したとすれば、どう答えますか?このように早期の妊娠の中止は中絶と考えられるでしょうか?

【#5学生たちのための答え】

2章

#5性交後に用いる産児制限ピル(モーニング・アフター・ピル)は、緊急の場合(例えば性的暴行を受けた場合)には処方することが許されます。性交後72時間以内に投与される大量の卵巣ホルモン(エストロゲン)は、通常、おそらくその能動性を弱めることによって、また黄体の作用に干渉することによって、また子宮内膜の異常な変化の原因となって胚盤胞の着床を妨害します。これらのホルモンは受精でなく、着床を妨害します。従って、それらは避妊ピルと呼ばれるべきではありません。受胎はあっても、胚盤胞が着床しないのです。ですから、それらは「着床阻止ピル」と呼ばれる方がよりふさわしいということでしょう。なぜなら「中絶」という用語は妊娠を時期尚早に止めることを意味するで「中絶」という用語はこのような妊娠の早期中断に適用できるからです(532ページ)。

【学生たちへの質問―3章#2】ケース3-2

受胎可能期に性的暴行を受けた女性が、起こり得た妊娠を妨害するために、5日にわたって毎日2回大量のエストロゲンピルを投与されました。

-もし受精が起きていたとすれば、このホルモンがどのように作用したと思いますか?

-このような治療法を一般人はどのように呼ぶでしょうか?これはメディアで「中絶ピル」と呼ばれるものですか?もし、違うと思うのであれば、このホルモン療法がどのように作用するのか説明しなさい。

-妊娠が分かるのは何日目ぐらいからですか?(59ページ)

【#5学生たちのための答え】(532ページ)

ディエチルスティルベストロール(DES)は子宮内壁に作用して、エストロゲンとプロゲステロン両者間の微妙なバランスによって調節される着床を、困難にするように見えます。エストロゲンの大量投与はこのバランスを壊します。プロゲステロンは胚盤胞が着床して、養分を摂取できるように、子宮内壁を厚くし、水分を多く含ませます。一般の人たちはDESピルを「モーニング・アフター・ピル」と呼びます。メディアが避妊ピルと言うときに指すのは、普通、RU-486のことです。フランスで開発されたこの薬品は黄体によるプロゲステロン分泌を妨げることによって、胚盤胞の着床に干渉します。妊娠は高度に敏感な妊娠テストをすれば受精後2週目の終わりに分かります。ほとんどの妊娠テストは母親の血清中にある早期妊娠要因(EPF)の存在によるものです。早期の妊娠探知は超音波検査法でも可能です。

そして、内細胞層だけでなく、ヒト胚盤胞全体が受精卵状態の人間であるので、胚盤胞の外側にあるトロホブラスト層に「だけ」作用する化学的中絶剤の使用も中絶促進的になってしまいます。”[ピルの中絶促進効果については補遺を見よ・訳者]

神話10

着床まで、つまり受胎後14日経過するまで、そこにあるのは「胎芽以前の何か」「潜在的」胎芽もしくは「潜在的」人間でしかないのだから。胎芽研究、人間のクローニング、造血幹細胞研究、キメラ形成等は容認できます。本当の人間(子供)は実際には「胎芽以前の何か」が母親の子宮内で着床するまで存在し始めません。(避妊ピルにある中絶促進作用については神話15を見て下さい。―訳者)

事実10

こういう類の主張が、現在、生命倫理学者、研究に従事する科学者たち、薬品会社、その他生物工学研究を進める会社、国会議員たちによってなされています。しかし、こういうことも「科学的」神話でしかありません。

科学的に断言できるのは「胎芽以前の何か」というものなどがどこにも存在しないということです。これは事実7でも証明しています。その背景になる箇所で証明されたように、受精の直接産物は人間、胎芽、人間の子供、つまり受精卵です。受精卵は新しく存在を始めた、遺伝的に唯一無二で、遺伝的に男か女である一人の人間です。それは「潜在的」人間とか、人間になる「可能性がある」何かなどではありません。この発達中の人間は、それが人工的に母親の胎内に着床させられていてもいなくても人間、胎芽、人間の子供です。

受精とクローニングは二つの異なるプロセスですが、これらのプロセスの直接産物は同じです。クローニングの直接産物も人間の受精の産物と同じく人間でないわけがありません。それは「胎芽以前の何か」とか「潜在的」人間などではありません。造血幹細胞実験はその「造血幹細胞」を本質的には、科学的にすでに存在し始めている人間であるヒト胚盤胞である人間を破壊し、殺害することによって入手します。キメラ形成、つまり一つの種の配偶子(例えば人間卵母細胞)を別種(例えば猿)の卵母細胞で受精させると「半分だけ人間」である受精卵が生じます。この種の研究は世界のほとんどの国で禁止されています。この種の研究は本質的には受精卵の研究であり―そのための連邦基金の使用は禁止されています。

神話11

例えば先祖伝来のえらとか尾の形成期間のように、発達中の胎芽と胎児の初期段階期間があることは、それがまだ人間でなく、人間になる途上にあるこということの証明になります。それはすべての種の歴史的進化を単に繰り返しているに過ぎません。

事実11

この「科学的」神話は「潜在的」「可能性のある」「胎芽以前の何か」等の神話の焼き直しでしかありません。それは初期の胎芽に人間としての自己同一性とその人間としての存在を拒もうとする試みです。しかし、ここでもう一度オライリーを引用しましょう。

個体発達(個体発生論)の連続的段階説は進化論的降下における連続的な成人の先祖(系統発生論)に対応する(繰り返す)とする学説は19世紀にいわゆる生物発生の法則として盛んになりました。しかし、この発生反復説は「胎生学の進歩に遺憾な影響を」及ぼしています(デ・ビーアから引用)。さらに、その発達中に動物は他の動物の成熟した姿とは似ていず、むしろそれらの動物の発達初期段階に似ています。38ト 

ですから、発達中の胎芽もしくは胎児は「魚」とか「蛙」ではなく、以上証明されてきたように、無条件に人間です。

人格ははいつから始まるのか?

人格がいつから始まるかは科学的問題であるというより、哲学的問題です。ですから、わたしはこの問題に関してここで詳しく立ち入ろうとは思いません。39 しかし「個性」は人間が存在し始めるとき、つまり受精の時点で始まります。しかし、生命倫理で現代流行の「個性」の主張も神話的科学に基づいているものでしかないので、これらの哲学的(時としては神学的)主張が科学的に正確であるかどうか調べるため、簡単に触れておくのは有益でしょう。

哲学的に、いわゆる「遅れて発生する個性」、つまり「個性」は受精後しばらく経過するまで発生しないとする説、のほとんどどのような主張も、身体と精神の分割が現実世界に対応していたり、それを反映したりするという概念とか考えを受け入れるという理論的大失敗を内包します。歴史的に、この問題は単に、現実に関する間違った考え方から生まれたものでしかありませんでした。ですから、この考え方は昔からまったく擁護不可能であったし、現在でもそうであり続けます。この考え方はプラトンの時代の後に見捨てられるようになり、主張していた人々は大恥をかくことになります。(プラトン自身もパルメニデスの中でそれを否定しています。)ところが、残念なことに、例えばデカルトのMeditationes de prima philosophiaとか、現代の生命倫理で、それが時々再浮上するのです。40 そして、人間がいつ人間であり始めるかの問題のように、もしこれらの哲学的「個性」論証を根拠づけるために使われた科学が不正確であれば、(その不正確な科学に基づく)これらの論証の結論もまた不正確であり、無効であるということになります。

神話12

おそらく人間は受精の時点で始まるが、人格は双生児化が不可能になる14日までは存在し始めません。

事実12

神話12のこの特異な論証は、マッコーミックとグローブシュタイン(および彼らの多数の追随者たち)によってなされています。それは「胎芽以前の何か」は発達中の個体ではない、従って双生児化が不可能になる14日後までは人格ではない、という彼らの生物学的主張に基づいています。しかし、本論で「胎芽以前の何か」などというものが存在しない、また、胎芽は受精の瞬間に「発達中の個人」としてその存在を始めることはすでに科学的に証明済みです。それだけではありません。双生児化は14日過ぎてからでも可能です。このように、純粋に科学のレベルでこれらの生命倫理学者たちによって推進された「個人」の主張は無効になり、擁護不可能になります。

神話13

人格は思考と感情を支持するのに必要な生理学的組織である「脳の発生」、原初的神経系統形成、または皮質形成で始まります。

事実13

このような主張はすべて純粋に思考上の推測であり、科学的データに哲学的(または神学的)概念を押しつけてできた産物に過ぎず、それらを裏付ける科学的証拠に欠けています。あの高名な神経学研究者のD・ガレス・ジョーンズが簡潔に説明しているように「脳死」と「脳誕生」間の比較は科学的に無効なのです。「脳死」は漸次的もしくは急速な脳機能停止です。発達中の神経組織は脳ではありません。彼は、実に、その推定全体を疑問視し、意識不明の状態がこの点を通過すると意識可能な状態になると結論する背景には、どのような神経学的理由があるのかを問いかけます。ジョーンズはさらに、主張されている対称性は時として想定されているほどは強くなく、確固とした生物学的基盤がなければならないと続けます。41 

神話14

「人格」は(例えば思考、意志決定、選択、自意識、周辺世界への関係などの)「理性的特性」、そして/もしくは(例えば苦痛と快楽を感じることのように)「知覚」の能動的行使の点から定義されます。

事実14

再度、これらは科学的データに不法に押しつけられた哲学的用語もしくは概念です。科学的事実はと言えば「理性的特性」と「知覚」両方を生理学的に支持するはずの脳は思春期になるまでは、実際、完全には発達しないのです。ムーアを引用しましょう。

人間の発達を誕生の前後で分けるのは普通ではありますが、誕生は環境変化を伴う、発達途上の一つの劇的出来事であるに過ぎません。発達は誕生で止まるのではありません。成長に加えて(例えば歯が生えるとか、女子であれば胸が膨らむなどの)重要な変化が誕生後にあります。誕生と16歳になった時点では脳の重量は3倍に増加します。そして発達によるほとんどの変化は25歳で止まります。42 (下線は編集者による。)

もし「人格」を、実際に「理性的特性」と「知覚」の行使の点からだけ定義すれば必ず起こってくる論理的―そして現実的な―結末についても考察するべきでしょう。知能障害のある人、鬱病の老人、アルツハイマーとかパーキンソン病の患者、薬物中毒症の人、アルコール中毒症の人―そして例えば昏睡状態にある人「植物人間」、両側麻痺の患者、その他麻痺があって動きが不自由な人、糖尿病の人、または神経とか脳に障害のあるその他の患者たちのように限定された「知覚」しかない人たちにとって、これは何を意味することになるのでしょうか? このような人たちは人間ではあっても、人間ではないとも考えられるのでしょうか?このような人たちは人格であると考えられる成人した人間と同じ道徳的、法律的権利を持たないことになってしまうとでも言うのでしょうか?本当に、人間と人格の間にはこのような「分裂」があるのでしょうか?

実際、これは、例えば最近プリンストン大学ヒューマン・ヴァリュー・センター所長に任命されたオーストラリア人で、動物の権利を主張する哲学者ピーター・シンガーのような生命倫理学者の立場なのです。43 シンガーは、例えば犬、豚、類人猿、猿のような高等霊長類は人格ではあっても、正常な人間の幼児、傷害のある大人の人間は人格ではないと論じるのです。同僚である生命倫理学者のノーマン・フォストは実際に「知覚傷害のある」大人の人間は「脳死状態にある」と考えるのです。哲学者/生命倫理学者のR・G・フレイも先述のリストに含まれる多くの大人の人間は「人格」ではない、44 とその著書で主張します。さらに単純に生命を奪うことになる実験的研究では「人格」である高等霊長類の代わりにそのような人間を代用するよう提案しています。

結論

思想は、個人の生活においてのみならず、政府の政策の中にも具体的結果を伴います。そして政府による政策に一つの定義が受け入れられると、その論理的延長は、たとえそれが無効であっても、他の多くの政策に適応されます。生命倫理学でよくあるように、それらが同じ問題でなくても構わないでのです。このようにして「人間」とか「人格」の定義は中絶に関する論争の中で固定化し、それは例えば胎芽研究、クローニング、造血幹細胞研究、キメラ形成、中絶促進剤使用、そしてさらには脳死、脳誕生、臓器移植、栄養分と水分補給停止、精神病者もしくは精神障害者を実験材料として利用する研究など、他のいくつかの分野にまで広がってしまいました。しかし、個人的選択であれ、国家の政策であれ、可能な限り健全で正確な科学を取り入れなければなりません。わたしが指摘しようとしたのは現代行われているこれらの論争で、個人的選択も国家政策も客観的な科学の事実でなく「科学的」神話に基づいているという事実です。

脚注

10  Moore and Persaud, p. 2. [Back]

11  E.g., as determined in extensive numbers of transgenic mice experiments as in Kollilas et al. , “The human beta-globulin gene contains a downstream developmenta1 specific enhancer,” Nucleic Acids Research 15(14) (July, 1987), 5739-47; also slmilar work by, e.g., R.K. Humphries, A. Sclmieke. [Back]

12  Holtzer et al. , “Induction-dependent and lineage-dependent models for cell-diversification are mutually exclusive, “Progress in Clinical Biological Research” 175:3-11 (1985); also similar work by, e.g., F. Mavi1io, C. Hart. [Back]

13  Larsen, p. 1; also O’Rahilly and Müller, p. 20. [Back]

14  Larsen, p. 19, 33, 49. [Back]

15  Carlson, p. 31. [Back]

16  Carlson, p. 31. [Back]

17  O’Rahilly and Müller, p. 55; Carlson, p. 407. [Back]

18  Ethics Advisory Board, 1979, Report and Conclusions: HTW Support of Research Involving Human In Vitro Fertilization and Embryo Transfer, Washington, D.C.: United States Depahment of Health, Education and Welfare, p. 101. [Back]

19  Clifford Grobstein, ”Extemal human fertilization,” Scientific American 240:57-67. [Back]

20  Clifford Grobstein, Science and the Unborn: Choosing Human Futures (New York: Basic Books, Inc., 1988). [Back]

21  Dame Mary Warnock, Report of the Committee of lnquiry into Human Fertilization and Embryology (London.. Her Majesty’s Stationary Office, 1984), PP. 27, 63. See also the witings of, e.g., H. Tristram Engelhardt, John Robertson (in legal witings), R.M. Hare, Bedate and Cefalo, William Wallace. [Back]

22  Peter Singer, Helga Kuhse, Stephen Buckle, Karen Dawson, and Pascal Kasimba, Embryo Experimentation (Cambridge: Cambridge University Press, 1990). [Back]

23   National Institutes of Health: Report of the Human Embryo Research Panel, September 27, 1 994 (National Institutes of Health, Division of Science Policy Analysis and Development, Bethesda, MD). [Back]

24  Clifford Grobstein, ”The early development of human embryos,” Journal of Medicine and Philosophy 1985: l0:213-236; and Richard McCormick, ”Who or what is the preembryo?” Kennedy Institute of Ethics Journal l991:1:I-1 5. [Back]

25  Richard McCormick, ibid., p. 3 [Back]

26  McCormick, ibid., p. 3. [Back]

27  Larsen, p. 19, 33. [Back]

28  Moore and Persaud, p. l31. [Back]

29  O’Rahilly and Müller, p. 5 1. [Back]

30  McCormick, op. cit., p. 4. [Back]

31  O’Rahilly and Müller, p. 32. [Back]

32  Karen Dawson, “Segmentation and moral status,” in Peter Singer et al., Embryo Experimentation (Cambridge: Cambridge University Press, 1990), p. 58. See also Moore and Persaud, p. 133. [Back]

33  For extensive comments on the make-up of the NIH Human Embryo Research Panel and on its Report, see several of my articles in my book, co-authored with human embryologist C. Ward Kischer, The Human Development Hoax: Time to Tell me Truth! (Clinton Township, MI: Gold Leaf Press, l995) (lst ed.); (2nd. ed. published by authors l997; distributed by the American Life League, Stafford, VA). [Back]

34  O’Rahilly and Müller, p. 55. [Back]

35  Carlson, p. 3. [Back]

36  Moore and Persaud, p. 58. [Back]

37  But see Albert Moraczewski, ”Managing tubal pregnancies: Part I” (June l996) and.’Part II” (August l996), in Ethics and Medics (Braintree, MA: Pope Jolm Center). See also Peter A. Clark, “Methotrexate and Tubal Pregnancies Direct or Indirect Abortion?”, Linacre Quarterly (Feb. 2000), VoL 67, No. I. [Back]

38  O’Rahilly and Müller, p. 8-9. [Back]

39  The use of massive historically incorrect and theoretically indefensible philosophy in the “delayed personhood” arguments has been addressed in my doctoral dissertation, A Philosophical and Scientific Analysis of the Nature of the Early Human Embryo (Washington, D.C. : Georgetown University, Department of Philosophy, 1991); see also several of my previously published articles in my book, co-authored by C. Ward Kischer, supra, note 33, The Human Development Hoax: Time To Tell me Truth!, which gives extensive references pro and con these bioethics arguments. [Back]

40  For an excellent and easy to read analysis of the problem of a mindnody split as one of the fundamental theoretical problems in contemporary bioethics theory, see Gilbert C. Meilaender, Body, Soul, and Bioethics (Notre Dame, IN: University of Notre Dame Press, 1995); see also many of the excellent articles about this problem in bioethics theory in Raanan Gillon (ed.), Principles of Health Care Ethics (New York: John Wiley & Sons, 1994); also Edwin R. DuBose, Ronald P. Hamel and Laurence J. O’Comel1 (eds.), A Matter of Principles? Ferment in U.S. Bioethics (Valley Forge, PA: Trinity Press Intemational, 1994) “especially the ”preface” by Albert Jonsen. Even Daniel Callahan has admitted that the bioethics principles don’t work, in ”Bioethics: Private choice and common good,” in The Hastings Center Report (May/June 1994), pp. 28-31. [Back]

41  D. Gareth Jones, ”Brain birth and personal identity,” Journal of Medical Ethics 15:4, l989, p. l78. [Back]

42  Moore and Persaud, p. 2; see also Jones, p. l77. [Back]

43  Peter Singer, ”Taking life: Abortion;” in Practical Ethics (London: Cambridge University Press, 1981), p. 118; Helga Kuhse and Peter Singer, ”For sometimes letting–and helping–die,” Law, Medicine and Health Care, l986, 3 :4: l49-1 53; Kuhse and Singer, Should the Baby Live? The Problem of Handicapped Infants (Oxford: Oxford University Press, l985), p. 138; Singer and Kuhse, ”The ethics of embryo research, ” Law, Medicine and Health Care, l987, l4: l3-l4; Michael Tooley, ”Abortion and infanticide,” in Marshall Cohen (ed.) et al. , The Rights and Wrongs of Abortions, (New Jersey: Princeton University Press, 1974), pp. 59, 64; H. Tristram Engelhardt, he Foundations of BioethicsT (New York: Oxford University Press, 1986), p. 111. [Back]

44  R.G. Frey, ”The ethics of the search for beneflts: Animal experimentation in medicine,” in Raanan Gillon (ed.), Principles of Health Care Ethics (New York: John Wiley & Sons, l994), pp. 1067-l075. [Back]

補遺

(補遺は神話10を補強するために、日本からの要請に応じて、アーヴィング博士が特別に書き加えたものです。―訳者)

神話15 しかし、大用量の「緊急避妊ピル」とか「モーニング・アフター」ピルならおそらく中絶促進効果があるでしょうが、低用量避妊ピルにそんなことがあるわけありません。妊娠していないのであれば、つまり受精がないのであれば、中絶はあり得ません。それだけではなく、ピルは安全なのです。

事実15 毎日服用する低用量「避妊」ピルに避妊作用と中絶促進作用があることに、間違いはありません。女性だけでなく、低用量ピル服用中に彼女たちが妊娠した子供たちにも重大な害を与え得るのです。

低用量ピルは普通三つのことなるメカニズムの組み合わせによって作用します。(1)排卵抑制、(2)精子もしくは胎芽の運動を妨げる子宮頚管粘液の濃厚化、(3)胎芽の着床を妨害する子宮内膜の破壊。そのそもそもの目的は、究極的に妊娠を妨げることにあるのですが、異なる目的のために異なる働きをする一連の化学反応を引き起こすことにあります。一番目のメカニズムは避妊であるはずですが、もしそれに「失敗した場合」、第二のメカニズムは避妊と中絶です。そして第三のメカニズムは、もし受精が起こっているのであれば、中絶であり得るのです。これを理解するために、わたしたちはピルの作用のメカニズムがどれほど効果的であるか考察する必要があります。

(1)第一のメカニズムは排卵、従って妊娠(受精)の抑制によって作用することになっています。毎日服用する初期の高用量避妊ピル使用には、しばしば重大で致死的でさえあった副作用があったので、1970年中頃、製薬会社はこれらのひどい副作用発生を減らす目的で、特にエストロゲンを低用量にしました。しかし、不幸なことにこの処置では「すり抜け」排卵を阻止することができません。「すり抜け」排卵が実際にあることは体験的にも実証されます。(控えめに見て)ピル服用中の女性の7%は妊娠しました。明らかにこれらのケースは三つのメカニズムすべてが失敗に終わったことを示しています。排卵も受精もあり、子宮頚管粘液の濃厚化も子宮内膜の破壊も妊娠を防止することができなかったのです。

さて、7%はそれほど大きな数には見えませんが、全国的に見るとこれら「失敗した」複合メカニズムの実際の結果は生きた子供たちが何百万人も受胎したということになるのです。米国で1400万人の女性がピルを服用しているとすると、それはピル服用中に98万人の女性が妊娠したことになり、第二、第三のメカニズムにも「バックアップ」効果がなかったことになります。(控えめに見積もって)世界中で6000万人の女性がピルを服用していれば、その期間中に420万回の妊娠があり、同数の子供たちが受胎したことになります。これらの数字は、例えば発展途上国では、または女性が不注意で規則正しくピルを服用しなければ、またはピル以外の薬品を服用していたとすれば、はるかに高くなるはずです。妊娠率を低く見積もったとしても、これはピル服用中の女性に妊娠という「失敗」がかなりの数あっただけでなく、生きた本当の人間が存在を始めていたということになります。

しかし、受精があった場合、何人の女性にすり抜け排卵があって、その上で第二、第三のメカニズムが実際に作用したか(つまり、化学的に避妊したか)を正確に知るのはさらに困難です。なぜならこのような研究はほとんどなされていませんし、このような初期妊娠を現在可能なテストで探知するのは不可能であろうからです。しかし明らかに、もし少なくとも420万人の子供たちがこれらの三つの異なるメカニズムをかいくぐって生まれてくるのであれば、このようにして化学的に中絶されてしまう子供たちの数ははるかに高くなるはずです。もしそうでなければ、これらの化学物質はまったく役に立っていないということになります。自分たちが妊娠したことを知って中絶してしまう女性の数、そして(1)と(2)のバックアップのメカニズムによって中絶される子供たちの数を考慮すると、ピルには決定的に中絶促進作用があります。

(2)第二のメカニズムは、子宮頚管粘液の濃厚化によって、卵管の中にいる卵母細胞に精子が到達するのを「阻止」するはずです。しかし、それは本当に間違いなくすべての精子が卵管に達するのを「阻止」するのでしょうか?人間を対象にしてこのような調査をすることはできません。しかし、他の動物実験は動物にプロゲスチンが投与されてょる期間に、つまり明らかに受精が起こりやすい状態で、何千という精子が卵管に到達したことを少なくとも示唆はしています。上で指摘したように、ピルを服用中に文字通り何百万人もの女性が計画外なのに妊娠する事実は、このメカニズムも時には失敗することを示しています。さらに、プロゲスチンは卵母細胞を卵巣から子宮に向かって推進する卵管の推進力を弱めることが解っています。(もし受精が起こっていれば、それは胎芽の速度が落ちて、それが「成長」し過ぎた子宮に達することで、着床ができなくなり)胎芽が養分を摂取して、生存するのを妨げ、その結果妊娠は時期がこない中に終了してしまいます。繰り返しますと、第二のメカニズムは失敗して、受精が起こることがあり、胎芽は子宮に到達する前か後に死ぬことになります。故に、ピルには決定的に中絶促進作用があります。

(3)子宮内膜の菲薄化と破壊についてはもっとも明らかで、詳しい研究がなされていす。こういう状態であれば発達中の胎芽が着床するのは困難になり、普通は初期中絶になってしまいます。10 生きて発達中の胎芽が子宮に着床するのを妨げるこのメカニズムは広く知られ、受け入れられており、ほとんどすべてのピル製造会社は自分たちの説明書などに公然とそれを記しています。11 中絶に賛同する弁護士のルース・コーカーでさえも、中絶を禁止するルイジアナ州法に反対して、以下のように主張しています。「ダイヤフラムとコンドームを除くほとんどすべての産児制限器具は受胎と着床の間に作用するので条例はほとんどの避妊薬を禁止しているように見えます。」12 中絶賛同の弁護士フランク・サスマンはミズーリの中絶クリニックの代理人として、最高裁で「現今、最も多く見られる避妊法である避妊リングと低用量ピルは中絶促進剤として作用する」13 と主張しています。科学的に言って、人間が受精の瞬間に始まることにまったく疑問はありません。故に、この第三のメカニズムが試みているように、もし初期の胎芽が子宮に着床するのを妨げられると、胎芽は死にます。これは決定的に、その定義からしても、(ムーアが前に述べたように)中絶でしかありません。故にピルは決定的に中絶を促進します。

もし、受精が起こり、胎芽が子宮に到達して着床できたらどうなるのでしょうか?これらの幼い、発達中の人間が経口避妊薬を浴びせられることに危険はないのでしょうか?経口避妊薬中に含まれるこれらホルモンのあるものは、子宮にいる間にそれらにさらされた胎児に複数の遺伝的影響を及ぼします。14 

多数のピル使用者が、死、血栓、発作、肺動脈塞栓症、腎動脈血栓症、腎臓損傷、一時的もしくは永久失明、心臓発作、脳出血、高血圧、(乳、子宮頚管、子宮内膜、卵巣、肝臓、皮膚)癌、月経不順、頭痛、偏頭痛、憂鬱症、性欲減退もしくは喪失、下腹部痙攣、浮腫、肥満もしくは減量、水分うっ滞、吐き気、嘔吐、牝馬血清の諸症状、膣炎、膣感染、コンタクトレンズ着用に対する過敏さ、膀胱炎、一時的もしくは永久不妊を含む様々の副作用に苦しめられることも詳しく記録されています。15 

以上で、ピルには中絶促進作用があっただけでなく、今もあることが知られていますし、事実であります。また、ピルのすべてのメカニズムは失敗してきたし、失敗していることも知られています。もし知識がわたしたちを強めるとしても、明白にこれらの事実を認めようとしない製薬会社、これらの事実を患者に教えようとしない大方の医師と看護婦のおかげで女性たちはいつまでも弱い立場にあり続けるとわたしには思えます。もし、これら証明済みの事実が隠されたままであれば、女性はいったいどのようにして、自分たちと子供たちにとって危険と問題に満ちているピル服用で生じる危険について「情報を持つ」ことができるのでしょうか?それとも、女性はおそらく無知である方が幸せなのでしょうか?

脚注

  E.g., insert included in Ortho-McNeil Pharmaceutical, Inc. prescription packaging for their contraceptive pill;see also, Physician Desk Reference: 1998.See also note 11 infra.2 [Back]

  David A. Grimes (ed.) et al, “Evolution and resolution:The past, present and future of contraception:Part 1:History of contraception.”, in The Contraceptive Report (Feb. 2000), 10:6:15-25, p. 20;Nina Van der Vange, “Ovarian activity during low dose oral contraceptives”, in G. Chamberlain (ed.), Contemporary Obstetrics and Gynecology (London:Butterworths, 1988), pp. 315-16;Association of Rep. Health Professionals and Ortho Pharmaceutical Corp., Hippocrates (May/June 1988), p. 5.[Back]

  See Rev. Anthony Zimmerman’s interview with Dr. Lloyd J. Duplantis, Linacre Quarterly; May 1999; for the wide range of estimates, see Randy Alcorn, Does the Birth Control Pill Cause Abortions? (Gresham, OR:EPM, 1998), p. 46-47;also, L.A. Potter, “How effective are contraceptives?The determination and measurement of pregnancy rates”, Obstetrics and Gynecology (1996), 88:13S-23S. [Back]

  R.A. Hatcher, F. Stewart, J. Trussell et al, “The pill:Combined oral contraceptives”, in Contraceptive Technology (New York:Irvington Publishers, 1990), p. 228. [Back]

  S. Harlap, K. Kost, and J.D. Forrest, Preventing Pregnancy, Protecting Health (New York:The Alan Guttmacher Institute, 1991), pp. 98-99 [Back]

  Chang and Hunt, “Effects of various progestins and estrogen on the gamete transport and fertilization in the rabbit,” Fertility and Sterility (1970), 21:683-686. [Back]

  R.A. Bronson, “Oral contraception:Mechanism of action,” Clinical Obstetrics and Gynecology (Sept. 1981), 24:3:873-874. [Back]

  Leon Speroff and Philip Darney, A Clinical Guide for Contraception (Williams & Wilkins, 1992), p. 40;Stewart, Guess, Stewart and Hatcher, My Body, My Health (Clinician’s Edition, Wiley Medical Publications, 1979), pp. 169-170. [Back]

  Stephen G. Somkuti et al, “The effect of oral contraceptive pills on markers of endometrial receptivity,” Fertility and Sterility (March 1996), 65:484-488. [Back]

10   Ibid., quotingS.G. Somkuti et al:”These alterations in epithelial and stromal integrin expression suggest that impaired uterine receptivity is one mechanism whereby BCPs exert their contraceptive action”. See also, extensive scientific references and counter arguments in Chris Kahlenborn (physician), How the Pill and Other Contraceptive Work (Dayton, OH:One More Soul, 1999);in John Wilks (pharmacist), A Consumer’s Guide to the Pill (Victoria, Australia:TGB Books, 1996;American Life League, 1997, p. 3ff);in Bogomir Kuhar (pharmacist), Infant Homocides through Contraceptives (Pharmacists For Life International);in The Pill:How Does It Work?Is It Safe? (Cincinnati, OH:Couple to Couple League International, Inc., 1993); in Randy Alcorn, Does the Birth Control Pill Cause Abortions? (Gresham, OR:EPM, 1998).[Back]

11   Ortho-Cept:”Although the primary mechanism of this action is inhibition of ovulation, other alterations include changes in the cervical mucus, which increase the difficulty of sperm entry into the uterus, and changes in the endometrium which reduce the likelihood of implantation” (p. 1775);Ortho-Cyclen and Ortho Tri-Cyclen:these birth control pills cause “changes in … the endometrium (which reduce the likelihood of implantation)” (p. 1782);Suntex:”Although the primary mechanism of this action is inhibition of ovulation, other alterations include changes in the cervical mucus (which increase the difficulty of sperm entry into the uterus) and the endometrium (which may reduce the likelihood of implantation)” (p. 2461);Wyeth:”other alterations include … changes in the endometrium which reduce the likelihood of implantation”(pp. 2685, 2693, 2743);Organon:”one effect of the pill is to create “changes in the endometrium which reduce the likelihood of implantation” (p. 1744) (Physician’s Desk Reference 1995). [Back]

12   Ruth Colker, in The Dallas Morning News, February 6, 1992, 23A. [Back]

13   Frank Sussman, in the New York Times, National Edition, April 27, 1989, pp. 15, B13. [Back]

14   Keith L. Moore and T.V.N. Persaud, The Developing Human:Clinically Oriented Embryology (6th ed.) (Philadelphia:1998;pp.186-187):”Many women use contraceptive hormones — “birth control pills”.Oral contraceptives containing progestogens and estrogens, taken during the early stages of an unrecognized pregnancy, are suspected of being teratogenic agents … As a precaution, use of oral contraceptives should be stopped as soon as pregnancy is detected because of these possible teratogenic effects.”See also, A.H. Nora and J.J. Nora, “A syndrome of multiple congenital anomalies associated with teratogenic exposure”, Archives of Environmental Health (1975), 30:17; D.D. Forrest and R.R. Fordyce:Family Planning Perspectives (1988), 20:112, in C. Djerassi, “The bitter pill”, Science (1989), 245:356; H. Ulfelder, “Transplacental teratogen — and possible carcinogen”, in J.L. Sever, R.L. Brent (eds.), Teratogen Update:Environmentally Induced Birth Defect Risks (New York:Alan R. Liss, 1986); R. Mittendorf, “Teratogen update: carcinogenesis and teratogenesis associated with exposure to diethylstilbestrol (DES) in utero”, Teratology (1995), 51:435. [Back]

15   See most references supra. [Back]

Dianne N. Irving, M.A., Ph.D.
ダイアンヌ・アーヴィング医学博士
英語原文より翻訳: www.lifeissues.net
copyright February 1999