日本 プロライフ ムーブメント

いのちは研究より大切

幹細胞とは、私達人間の初期の構成単位である。人間が持つ210もの異なる組織はすべて、これらの基本細胞から出来上がっている。この幹細胞は、例えば脳や心臓や皮膚といったどんな組織にもなる可能性があるので、この細胞は人の臓器や身体の一部をゼロから「作り出せる」新しい時代への鍵になる、と科学者達は考えている。この新たに台頭してきた学問分野は、組織工学と呼ばれている。幹細胞は、出生後の人の身体にも、生まれる前の胚にもある。この細胞を使用するにあたって、次の2つの質問が重要になってくる。一、幹細胞を使った治療法は効果的なのか?二、胚性幹細胞の使用は倫理にかなっているのか?

Continue reading

名古屋教区正義と平和委員会学習会報告

「生命倫理を考える」(下) 先月号に引き続き、第2回(7月10日)の講演会の内容を掲載します 第2回 遺伝子組み換えと作物  教会は「すべての命を守る」と信者に呼びかけているが、私たちは日々の生活においてどれだけ気にかけているだろうか。安いからと、環境や人体に有害な化学汚染まみれの食品や遺伝子組み換え(GM)食品を平気で摂取していないだろうか。その危険性と防ぐ手段を学んだ。

Continue reading

教区正義と平和委員会

「生命倫理を考える」(上) 教区正義と平和委員会は今年度の定例会で、「生命倫理」について学んでいます。6月12日に催された第1回講義の内容を、11月と12月の2回に分けて掲載します。 2020年度のノーベル化学賞は「ゲノム編集」の新たな手法を開発した女性研究者二人に授与された。しかし、その二人が警告を発しているように「原子力と同様、生物兵器に使われる可能性がある」ことに耳を傾ける必要がある。

Continue reading

「胎児」の幹細胞研究反対

「幹細胞」研究について、たくさんのことが言われたり書かれたりしています。不運にも、生物学上の誤りが多数公表され続けていて、その結果としてたくさんの人々にとってもっともらしい判断がされています。識別するための第一として、倫理的には人間の組織を実験することができるけれども、人間を実験すべきではないという事実があります。それゆえに、それが人間の組織である限り、どんな種類の幹細胞研究も続行するということは完全に倫理的ですが、しかし、その研究は幹細胞を得るために生きた人間胎児を殺すことが実際に必要なので、胎児の幹細胞研究をすることは完全に非倫理的なのです。 

Continue reading

ダイアン・ブラッドさんの訴訟

死亡した夫の精子を人工的に受精させるために、裁判所から許可を得ようとしているダイアン・ブラッドさんの訴訟はかなり多くの皆様の同情を引き起こしました。夫の子どもを持ちたいというダイアン・ブラッドさんの願いは満たされるべきで、これを妨げるために法律を使うように試みることは残酷で衒学的なことだというのが大多数の見解でした。 

Continue reading

生物医学研究における協力により生ずる問題

ヒトの細胞および/または遺伝子に関する研究では、これらの研究に協力することで問題が生じる場合が多々ある。こうした問題は、我々の生活の様々な局面において、我々が誤った行為に導いたり、それを許容する態度を見せたときに発生する。問題となる行為の例として、胚芽や胎児は我々と同じく道徳心を持つ人間であるとの前提の上で行われる中絶や胚芽を使用した実験などがある。 

Continue reading

体外受精

サイモン・ジェンキンスは、タイム誌に掲載された記事で次のように述べている。「体外受精は、何百万という人々に希望をもたらしている。」「選択の自由を提供することで人々に幸福をもたらすことが科学の存在理由である。」胎児、死体、年長児から「ドナー」卵子の問題に関するレポートについて予想通り一部のM.P.から意見が寄せられているが、サイモン・ジェンキンスは、彼自身「反動主義者たちが感じている畏怖の念に当惑している」ことを認めている。 

Continue reading

ヒトクロ-ニング

ヒトクロ-ニングは、他の誰かの人間の遺伝的なコピ-を作ることです。細胞の中心部分である核には、遺伝物質のほとんどが含まれています。クロ-ニングにおいては、体細胞(たとえば皮膚の細胞)の核が、未受精卵の核に置き換えるために用いられます。活性化によって、胚が作られ、その胚は核が採取された個人のクロ-ンまたはその双子となります。その胚を私たちがどのように扱いたいかによって、クロ-ニングは「生殖目的の」とか「治療目的の」とか呼ばれます。しかしながら、クロ-ンを作るための最初の技術は同じものになるでしょう。胚性の人間のクロ-ンを作ったという主張が確かになされてはいますが、誰かがすでに作ったかどうかはまだ明らかではありません。 

Continue reading

「遺伝子診断と差別」生まれる苦しみ

河童 芥川竜之介作『河童』は昭和2年に書かれた。物語は痴呆症の主人公によって語られる。「けれどもお産をするとなると、 父親は電話でもかけるように母親の生殖器に口をつけ、お前はこの世界へ生まれて来るかどうか、 よく考えた上で返事をしろ、と大きな声で尋ねる・・・すると細君の腹の中の子は多少気兼ねでもしていると見え、 こう小声に返事をした。僕は生まれたくはありません。第一僕のお父さんの遺伝は・・・」。 

Continue reading

成人T細胞白血病(昭和51年)

昭和47年頃から、熊本大学の高月清教授は成人に特有な新しい型の白血病を何例か経験していた。 白血病は白血球がガン化する病気である。高月清が経験した白血病は、白血球増加に加え、 リンパ球細胞の核に花びらのような切れ込みがみられる点が他の白血病と違っていた。さらにこの奇妙な白血病患者は九州 、特に鹿児島出身者に多いという特徴があった。昭和52年、高月清はこの白血病を医学雑誌Bloodに記載、 成人T細胞白血病(ATL:AdultT-cellLeukemia)という新しい疾患概念を提唱した。 

Continue reading

やさしく殺して:無意味な延命治療の革命

私たちにはサービスを拒否する権利があります。よくレストランや小売店でこういう表示を目にします。しかし現在、患者のいのちに質的に治療費をかけるに値するものが欠けていると医者が判断するような場合、その患者に対して、延命治療を望まれても医者にノーと言える権利を与える「ヒュータイルケア(無意味な延命治療)」のガイドラインを支持して、病院の入り口にそれとなくそのような意味を表す掲示物を掲げている病院がいくつかあります。 

Continue reading

幹細胞研究に関して焦点をぼかすこと

公判弁護士の間では古くから次のような格言があります。それは、「もし事実を論じることができない場合は、法律を論じよ。もし事実も法律も論じることができない時は、煙にまいて焦点をぼかせ。」というものです。この諺は政治的な議論にも同様にあてはまります。 

Continue reading

研究対象としてのヒト胚に関するカトリック教会の教え

ヒト胚の研究を容認する法律に反対する中絶反対派のカトリック指導者たちは、そうした反対運動を効果的にするには体外受精を全面的に非合法化する必要があることを見落としている。彼らはクローン研究や体外胚のクローン形成にのみ言及し、体外胚そのものの形成には反対していない。例えばさまざまなタイプの遺伝子工学やクローン技術を指定して禁止することを目的としたカナダのC-6法案も実際は同じだろう。なぜか?それはこの法案が体外でのヒト胚の形成を禁止しなかったからである。方法に関わらず、人工的なヒトの生産は禁止されなければならない。体外受精はあらゆる胚研究プロジェクトの第1段階である。胚はその後の研究に必要な生物学的物質を提供する。 

Continue reading

臓器提供:困った真実

「心臓死」の宣告後、臓器移植が2006年6月にオタワ病院で初めて実施されて以来、カナダ国民は、臓器移植に賛成するメディアを利用して世論を操作しようとする雄弁な人々の絶え間ない宣伝活動にさらされてきた。下記の論評は、移植目的でヒトの臓器を提供および収集することの道徳的原理ならびに科学的事実の双方について、真実を一般大衆に知らせる目的で提供されている。医師の多くが、ヒトの臓器移植の道徳性および臓器が回収されるときに実際に何が起こっているかについて正しい情報がないという事実について、重大かつ熟慮された懸念を抱いている。 

Continue reading

クローニング正か邪か

最初のクローン動物として立証された羊のドリーは、エジンバラのイアン・ウィルナット博士によって最近公表されました。ウィルナット博士は大人の「ドナー」の羊から細胞を取り出し、その全ての遺伝子が活性化され成長して小羊になるように、その細胞に処置を施しました。彼はその細胞を、DNAを含む核を取りのぞいた雌羊の未受精卵と電気を用いて融合させました。その融合された細胞と卵は相互に作用しあい、小羊の胎児へと成長しました。雌羊のDNAは取りのぞかれてしまっていたので、胎児の中の唯一のDNAは「ドナー」のDNAでした。その胎児はそれから、「代理の母」となる羊の胎内に移植され、月が満ちて出産されることになりました。その結果がドリーで、「ドナー」の羊と遺伝的に全く同じ羊が生まれたのです。 

Continue reading

問われる胎児組織の移植医療出生管理狂信者の秘密協議事項:「人道主義の援助」、RU-486、その他の無意味な言葉

出生管理主唱者は、妊娠中絶を利用する権利を拡大することは世界の至る所で女性の地位と健康を改善するために欠くことのできないものだと主張しています。実に、このメッセージは人口増加と女性の権利を取り上げている長い一連の最近の国連会議において、ヒラリー・クリントンとアメリカ政府高官達によって、たゆみなく奨励されました。

Continue reading

体外受精:倫理的含意および代替案

胚性幹細胞を利用した科学研究への資金援助について、最近、わが国で議論が起こっているが、アメリカ人の多くがこの議論を取り巻く倫理的含意に気づいていないことが明らかになった。特に憂慮すべきは、10万個以上の生きた胚が凍結されている事実である。これらの胚は、体外受精の過程で凍結されているのだが、体外受精に対するアメリカ国民の支持率は高まっているように思われる。 

Continue reading

クローニングーインタビュー:アルバート・モラクチェフスキー師へのインビユー

  「哲学と神学の修士号だけでなく、薬理学の博士号も持っているドミニコ会の司祭であるモラクチェフスキー神父は、その経歴の大部分を、生医学の発達に関わる道徳的問題の探求に捧げてこられました。彼はヨハネ13世医学倫理研究センターの初代所長であり、現在も名誉研究員としてその組織に貢献しています。」 

Continue reading

胚の本質について

ヒトのいのちが受精の瞬間から始まるのかどうかという疑問は、厳密には哲学的な問題である。だからと言って、よく言われているように、この疑問に対する確固たる答えはなく、胚がヒトかそうでないかは見解の相違に過ぎないという意味ではない。その意図は、この問題が感覚あるいは調査によって解決するものではなく、解決には論理が必要という点にある。発達中の胚の状態について、同じデータを持つ発生学者2人が、2つの相反する結論を導き出す可能性が考えられる。双方でデータが同じなら、その結論の違いは科学的データが原因ではない。むしろ、彼らの見解の不一致は、その論法によるものと言える。にもかかわらず、哲学では、科学に頼ることで、この問題を論理的に解決しようとしている。哲学者は、ヒトの胚に関する科学的データなくして、胚の地位や生命の始まりにおける問題を解消することはできない。 

Continue reading