日本 プロライフ ムーブメント

失業中の父親

男性たちが時々苦情を言うように、主婦であった多くの女性たちが労働力として社会進出するなど、過去50- 60年の間に、女性と母性に影響を及ぼすさまざまな変化があったなかで、男性たちのことが見落とされる傾向にあります 。しかし、変化する経済の中で男性たちの失業率が高まっていることにより、最近、人類の「男性」 が再び注目されるようになっています。安定した仕事に就けず、結婚出来ない男性たちについて、しきりに語られています 。 

行われた研究から分かった1つのことは、労働者階級の男性たちが、家庭生活における平等のモデルをなかなか受容できず 、家族を養う役割を失うと苦しむということです。米国の父親たちの間のうつ病を調査した新しい研究は、 このことを立証しているようです。その研究によると、失業状態が、父親たちのうつ症状の、 群を抜いて最も強い予測因子であり、母親がうつ状態であることの影響よりも強い因子となっています。 

他の多くの、家族や子どもたちの特徴とともに、父母の年齢、人種、婚姻状況、学歴、および子どもの年齢といった、父親 、母親そして子どもの身体的および精神的健康を測る、以前から広く使われた因子を用いながら、これらのデータは、 次の諸要素がそれぞれ個別に父親の抑うつ症状の増加率に関連があることを示しています:生活の貧しさ( 貧しくない生活の1.5倍)、健康上特別なケアを必要とする子どもがいること(そうでない場合の1.4倍)、 母親がうつ症状(そうでない場合の5.75倍)、父親が健康上の問題を抱えている(そうでない場合の3.31倍) そして父親の失業(そうでない場合の6.50倍)。 

研究者たちは、これを「殊のほか高い失業率のこの時期に、子どもたちの健康と成長に深い意味を持つ、全く新しい、 ユニークな発見」と呼んでいます。彼らは、以下のことを付け加えて言います。 「父親たちは、子どもと家族の生活に深く重要な役割を果たしているが、子どもたちを支援する我々の努力において、 あまりにも頻繁に忘れられています。これらの新しい発見が、非常に多くのうつ病の父親たちを特定し、 治療する方法を開発するため、非常に必要とされる働きに役立つことを私たちは願っています。」 予防ができれば、それもすばらしいことでしょう。男性たちの精神衛生の維持と向上、家庭を力づけることを視野に、 職を失った男性たちを再教育するための特別な支援努力を求めるのは、それほど政治的に間違った考えなのでしょうか? 

Moynihan,Carolyn (モイニハン・キャロリン) 
2012年3月1日 
翻訳者 佐倉 泉/大岡 滋子 
英語原文 
Mercator Net 
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