日本 プロライフ ムーブメント

こんにちは赤ちゃん

自然の恵みビリングス・メソッド

『ビリングスメソッド排卵法』とは、子宮頸管から分泌される粘液の観察によって女性の生理周期を把握する受胎調節法である。

実際の観察記録の方法を学ぶ前に、ジョーン.ビリングス博士がこの排卵法の特長、効果などを語ってくれた

「この『自然に基づくビリングス排卵法』は世界100か国で実践されており、特に発展途上国において効果を上げています。文字のわからない地域の人びとも、喜んで私たちのメッセージに耳を傾けてくれます。神様は全世界のすべての女性の中に、自然に基づく受胎調節の仕組みを造ってくださいました。人間は尊厳をもって扱われなけれぱなりません。それは受精においても同じことがいえます

現在、人口問題に関して非常に愚かしいことが世界中で行われています。貧しい発展途上国では、どうにかして人間が増えないようにという産児調節が試みられていますが、そのような運動は富んだ国の組織によって行われています。つまりその目的というのが、自分の国がいつまでも富み続けるために、貧しい国の人びとが増えないようにするという利己的な理由からなのです。   どの国にとってもいちばん大事なのは人間そのものであって、資源や産業などは二次的なものです。人口抑制を強いられる貧しい国は大きな問題を抱えることになります。年をとった人と若い人とのバランス、また男性の数と女性の数のバランスが崩れてしまうのです。特に赤ちゃんの男女比率が人工的に狂わされてきています。この現象はこれから大きな問題になってくるでしょう。

人口を抑制するという考え方は、富んだ国の中にも広がっています。どの国でも自分たちの産み育てる子どもの数を制限しなければならないのは当然でしょう。でも、子どもを何人産みなさい、ということを政府や国連といった公的機関が指導するのは間違っています。それは夫と妻が相談して決めることであり、その決定がいちばん良い決定ではないでしょうか。

私たちの仕事は、世界中を回ってそれぞれの家庭が何人子どもを産むかを自分たちで決めることができるようにお手伝いするとです。子どもの数を決める時、この方法はたいへん効果的です。」

今、地球上の人口増加に伴う食料危機が懸念されている。受講者の中から、この問題をどのように捕らえたらよいかという質問があった。

「排卵法の普及のために世界中を回っていて、地球上には食料を産出できるのに放置されたままになっている地域がまだまだ多いことに気づきました。耕作されていたとしても、非常に原始的な方法である場合が多いのです。また、アメリカのように農産物の取引価格の関係で、食料を増産しないように抑えている国もあります。

そもそも発展途上国で産児制限をしようとするのは、途上国が強くなって豊かな国を脅かさないようにという理由であることに気づいてほしいと思います。」

こんなに違う「ビリングス排卵法」と「避妊」

ビリングズ排卵法を「自然に基づく避妊」と言う人たちもいるようである。避妊だけを目的にしようとすればそれも可能であるが、この方法は避妊が目的で開発されたのだろうか。

「ビリングス排卵法は避妊などではありません。英語で避妊のことをcontraceptionと言います。これは妊娠に反対する、赤ちゃんに反対するという意味ですが、私たちは赤ちゃんに反対するどころか大賛成です。ビリングス排卵法と避妊がいかに違うか説明いたしましょう。

避妊するときに、薬や器具を使ったり手術を施したりします。その結果、きまざまな病気が誘発されます、ビリンクス排卵法は、膣口で観察される粘液の変化仁よって受胎可能期と不妊期を識別する方法であり、薬も手術も必要ありません。ですから体調に影響を与えることも、病気になることもないのです。

世界中を見回すと、子どもか欲しくてもできない夫婦がいかに多いかがわかります。そして、不妊はますます増加する傾向にあります。ビリングス排卵法は、まさに不妊の問題を解決するためのものに他なりません。いろいろな避妊法がありますが、それらには子どもを産ませないことはできても産ませることはできません。ここに排卵法と避妊の大きな違いがあるのです。

それ以外にも、もっと多くの違いがあります。ビリングス排卵法の運用は夫婦のコミュニケーションを豊かにします。それによって夫と妻が深く愛し合い、堅実な家庭を築きあげることができます。キリスト教徒であろうと、イスラム教、仏教、また宗教を持たない人であろうと、この方法を実行する夫婦は、幸せと安定、互いの忠実を得ることができるのです。その結果、子どもはお父さんとお母さんが深く愛し合っている家庭に生まれてくることになります。すべての子どもには、互いに愛し合う父と母を持つ権利があります。家庭が強ければ社会全体も幸せな社会になるのです。

夫と妻が互いに忠実であれば、性病などが入り込む余地はありません。エイズは今や世界中に蔓延し、その影響を受けていない国はないほどてす。どこの国でも自国のエイズ患者数・HIV感染者数を低く見積もろうとしますから、実際に苦しんでいる人は発表されている数よりももっと多いのが実情てしょう。

感染を広げない唯一の方法は、夫婦の忠実に他なりません。結婚前の純潔、結婚してからの忠実ほど間違いないものはありません。一人ひとりがこのことに気づくまで、エイズは地球上に増え続けることでしょう。

コンドームが感染防止になるというのは嘘です。いろいろな団体がコンドームを盛んに勧めていますが、コンドームを使っているにもかかわらずHIVに感染した例は、世界中に掃いて捨てるほどあります。

セックスは結婚生活の中でのみ行われるものです。結婚していない人たちのセックスを考えてみてください。性交があれば子どもが生まれないことはないのに、彼らはそれを理解せず、責任を持つことができないのです。現代社会は性欲を刺激しようとする傾向にあります。その結果、若い女性が望まない妊娠をして中絶に走るなど、若い男女の性的に乱れた関係がさまざまな悲劇を引き起こしています。そうした間違いのために幸せな結婚ができない人たちがたくさんいるのです。」

現在、世界中の国々で人工妊娠中絶や人工授精、性犯罪の低年齢化といった問題が起きている。日本でも中絶がごく昔通に行われている。また、”援助交際〃の名称で罪悪感薄い売買春が横行するなど命と性に対する認識の低さが目立っている。ビリングス排卵法は単なる受胎調節法ではなく、人間の生命と尊厳を教えているのである。

神様が与えてくださった賜物

「私たち人間にはすばらしい賜物が神様からたくさん与えられています。『生命』、これは本当にすぱらい賜物です。信仰を持っている人は、この世の生命が終わってから先も永遠の生命が続いていることを知っています。また私たちは神様から『知性』を与えられています。知識を持ち、知恵を働かせて物事を判断することができます。そして『自由意思』で生活することができます。『愛』これも賜物です。女性も男性も人は愛されることだけではなく愛すことも望みます。愛は人びとが分ち合うことのできるすぱらしい賜物です。

次に私が話したいのは、『受胎能力』についてです。子どもを産むというのは、私たち以外の人間を創造する手伝いをすることです。キリスト教を信じている人であれば、新しい人間を創造するのはこの世のことだけではなく、この世が終わったあとも、永遠まで及んでいくこと、自分たちが創造を助けた子どもたちといっしょに永遠に限りなく幸せになることを知っています。

結婚のとき、男女は互いに自分のすべてを相手に与え尽くし、相手のすべてを受け入れます。二人はもはや二つの別々の命ではなく、一つの命を生きるということです。それは相手の受胎能力をも受け入れるということです。結婚した二人が互いに与え合う贈り物の中で、これほど尊いものはありません。

避妊や不妊手術といった行為は、その尊い贈り物を奪うことです。『私の受胎能力をあなたには与えません。私はあなたの受胎能力を必要としません。』これが避妊、不妊手術の正体ではないでしょうか。

結婚生活の中で、ある時期はしぱらく受胎を避けなけれぱならないこともあるでしょう。神様は人間を創造されたとき、そうしたことも予見していらっしゃいました。ですから自然に基づく方法で子どもの数や出産の時期を計画することができるよう、それなりの仕組みをちゃんと備えてくださったのです。たとえば民族紛争や内戦のために難民として逃げなければならない場合など、妊娠を避けた方がいいことがあります。そうしたとき、受胎可能期に夫が禁欲するというのは、妻を愛していることの証しとなります。

ビリングス排卵法は、女性がこんなにすばらしい体を持っていることを知るためにも役立ちます。女の子が大人の女性になるとはどういうことか、それを理解するのは本当に大事なことです。多くの国で女性はふさわしい尊敬を受けておりません。この方法を学ぶことにより、女性は自分自身を尊敬することを学び、夫も妻を尊敬し始めるようになります。

私たちが年をとっても世界中を走り回っているのは、この方法によって人びとが幸せになり自分の尊厳に目覚めていくのを見ることができるからです。私たち夫婦は二人とも医者ですから、人びとの中に愛、尊敬、忠実、幸せ、健康などの良いものが広がっていくことを望んでいます。ビリングス排卵法がそれらをもたらすことができると確信しています。」

科学者が自然科学の謎を解き明かしていくうちに、その不思議さゆえに神の存在を固く信じるようになる、という話がある。

ビリングス排卵法で受胎の仕組みを学ぶことで、女性が尊厳をもって扱われるようになり、夫婦の絆が強くなるというのは、それと同じ理由なのかもしれない。残念ながら、日本におけるビリングス排卵法の普及率はまだまだ低いようである。神様から与えられた命と性を大切にするために、多くの人びとにこの方法を知ってほしいと思う。

観察記録

ホルモンの関係で、周期の間に粘液の状態が変化します。その日に観察された粘液の状態を毎晩記録用紙に記入します。粘液がまったく見られず、膣口が乾いた状態の日もあります。

観察といっても、何も難しいことをするわけではありません。お手洗いに入った時や日中の活動の中でおりものの感触があった時などに、膣口で見られる粘液の状態(感触、色、量、粘度、濃さなど)を調べるのです。

毎日記録をつけることにより、不妊の日、受胎の可能性がある日、受胎の可能性が最大の日を識別することができます。

観察記録

** http://www.japan-lifeissues.net/writers/bil/b_m/index.html

** http://www.japan-lifeissues.net/writers/bil/natural_way/nw00-01.html

ビリングス・メソッドの解説書

(1. ) 
ナチュラル・ウェイービリングス メソッド
大切にしたい性といのちを正しく学ぶために
  アンナ・カペラ著
  ファミリーセンター刊 — 定価1000円

(2.)
ピリンングス・メソッド教本
粘液観察と女性生理周期の
生理学的事象との相関関係
エペリン・ビリングス著
  ファミリ一センター刊 — 定価550円

(3.)
ビリングス・メソッド
自然な受胎調節(排卵法)解説書
エペリン・ビリングス, アン・ウエストモア著
佐藤肇監訳/寺尾総一郎訳
  サンパウロ刊 — 定価1600円

(4.)
図説排卵法
エペリン・ビリングス、ジョーン・ビリングス、モーリス・カタリニッチ著
佐藤肇監訳/寺尾総一郎訳
サンパウロ発行 — 定価1200円

命と性について考える本

(1.)
愛と性と結婚生活
産婦人科医の説く実態
H. P. ダン著
サンパウロ刊 — 定価1500円

ビリングス・メソッドに関する問い合わせ

ファミリ一センター
〒815 福岡市南区血山4-14-27
電話:092-541-6207
Fax: 092-552-5022

ビリングス・エベリン博士
ビリングス・ジョーン博士
2002.9.5.許可を得て複製