日本 プロライフ ムーブメント

経口避妊薬ピルと緊急避妊ピル(MAP)

平成22年11月日本の厚生労働省医薬食品局は、性交後に服用する緊急避妊ピル(モーニングアフターピル、以下MAP)一般名「ノルレボ錠」の販売を許可する最終段階に入りました。通常の経口避妊薬ピル(以下ピル)は日本で1999年9月に解禁され、製薬メーカーの高額な援助のもと、ピルをすすめる「ラブ&ボディBOOK」が文科省を通じて、公立中学に配布されたのは記憶に新しい所です。 今経口避妊薬ピルと緊急避妊薬MAPについてもう一度学んでおきましょう。 

成分と服用方法

ピルもMAPも分解し易い天然の女性ホルモンとは異なる、非常に分解しにくくまた極めて強力な化学合成物による卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤又は黄体ホルモンのみから出来ている。(MAP1錠は低用量ピル1錠のおよそ2倍以上のホルモン量)ピルは21日間服用し7日間休薬する。MAPは性交後72時間以内に2錠服用し12時間後に再度2錠服用する。(1度のものもある) 

ピルの作用

  • 1)排卵を抑制する(約10%前後に突破排卵がある)
  • 2)精子が子宮へ進入するのを遅らせる
  • 3)子宮内膜に作用し受精卵を着床しにくくしたり、着床直後の受精卵を流産させてしまう極早期化学的中絶作用がある。
  • MAPの作用も同様だが特に3)の作用が強調されている。性交後受精すると56日で受精卵は子宮内膜に到達する。MAPを服用すると急激なホルモン量の変化により子宮内膜は3日から2週間以内に剥落し消退出血(擬似生理)という形で体外に排出される。受精卵の着床阻害のみならず着床直後の受精卵の排出も推定される。

効果について

米国のFDAによるとピル服用者の一般的妊娠率は1年以内で5%だが、10代の若者では10%以上である。MAPの効果は妊娠率が服用しなかった場合の1/4になると言われている。 

副作用

ピルによる死亡例は多数報告されている。英国で10年間に104人が血栓症で死亡したと公表されており、スウェーデンやニュージーランドでも集団訴訟が起されている。血栓症による被害は服用期間に関係無く1ヶ月以内での死亡例もある。ピルは乳ガンの大きな要因で特に10代から服用した場合はその危険が大幅に増えている。一般的には頭痛、吐き気、うつ状態、イライラからの発作的暴力、性欲減退が認められるが、MAPは12時間でピルの何倍もの量を服用するため副作用は極めて強く、頭痛の他、吐き気止めを同時に服用しても止まらない嘔吐や、だるさが何日も続くことになる。血栓症の危険も大変懸念される。 

倫理的な問題

医学研究においては一個の受精卵の扱いにおいてすら、大学や研究所の倫理検討委員会でその都度検討委員会が開かれている。通常のピルにおいてもその作用があるが、MAPは受精卵の着床を困難にしたり、極早期着床の段階で流産させてしまう作用が強調されている。日本の堕胎法で最も厳しく罰せられるのは、女性に知らせることなく、本人の承諾も無く薬物を用いて中絶した場合である。ヒトの始まりは受精した瞬間からと信じる方々は、世界では勿論日本においても宗派を問わず沢山おられる。この作用を詳しく明瞭に知らされること無く、倫理的承諾書も取らずにMAPが用いられて、後で知った場合、女性は精神的にも倫理的にも時には宗教的にも非常に苦しむ場合が出てくる。(医師だけでなく製薬会社や厚労省担当官を訴訟することも考えられる) 

ピルもMAPも環境ホルモン

両者の成分である合成女性ホルモンは天然のものとは異なり、非常に分解されにくく体外に出たものが下水に流れ込んでいる。環境ホルモンは極微量でもその女性ホルモン作用により次世代の子供の生殖器に障害を及ぼすので問題とされるが、ピルやMAPの合成女性ホルモン量は1錠でも環境ホルモン物質と比べると桁外れに強力な環境ホルモンと言える。 

ピルと性教育

中高生にも自己決定による性交をすすめるセーフセックス性教育が行われているが、市場拡大を狙った製薬メーカーの思惑と無縁ではない。インフルエンザ治療薬の副作用調査において、製薬会社から何等かの形で金銭を受け取っていた医師は除外処分となったが、今回MAP承認に携わった医師の場合、製薬会社からの金銭の受領はどのような状態なのか、厚労省は調査したのだろうか、医師が金銭の援助を受けていたならば、別の医師による再調査をすべきである。受精した時から人のいのちとして尊ぶ心や、性には相手を慈しみ生まれてくるいのちをも慈しむ心が伴なわなければならないという本来の性教育とピルやMAPは完全に相反するものである。またMAPの普及は中絶の減少にはつながらない。エジンバラの初期医療機関のグレイシア所長によると、MAPの増加にもかかわらず英国の中絶件数はむしろ増加していると報告している。 

1984年に15歳から44歳までの女性の1000人のうち11人から、2004年には1000人のうち17.8人に上昇している。スウェーデンでも同じ上昇パターンが見られる。 以上要点のみをまとめてみましたが、最後に英国で多数のピル副作用患者を診察してきたマーガレット・ホワイト博士からの日本へのメッセージをお伝えします。 「お願いです。日本の皆さん欧米の私達を見て下さい。私達は若い人達の人生をメチャメチャにしてしまいました。彼等の健康・生殖機能みんなピルの影響を受けています。ピルの影響は結婚生活にも及び離婚や私生児の出生も増えました。全てがピルで悪くなっています。どうか欧米のマネをしないで日本の文化を守って下さい。私たちの過ちを繰り返さないで下さい。お願いです。」 


厚生労働省は、この緊急避妊薬について、パブリックコメントを募集しています。 皆で、応募しましょう!! (日本プロライフムーブメント)

参考:


ビデオ「ピル先進国:英国からの警告」 
生命尊重センター TEL 03-5211-7571 
販売 日本プロ・ライフ・ムーブメント TEL 088-842-1127 
E-MAIL prolife@I-kochi.or.jp 


図書「ピルの危険な話」 
著者:武田玲子・吉田由布子 
東京書籍 TEL 03-5390-7531

Hirata, Kunio (ヒラタ・クニオ) 
Copyright ©2010.11.29許可を得て複製