日本 プロライフ ムーブメント

世界代表司教会議(シノドス)第3回臨時総会 準備文書への日本司教団回答

臨時シノドス事務局への回答 日本カトリック司教協議会としては、時間が限られていたので、臨時シノドス事務局からの準備文書を司教たちと男女修道会・宣教会の上長に送付して回答を求めた。その回答結果をさらに数名の有識者(司祭、信徒)に送りコメントを求めた。司教、修道者たちは現代の家庭の問題にかかわってきており、精通しているといえるので、彼らの回答は今の日本の家庭の状況を十分に反映していると思われる。

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ラジオから流れるロザリオの祈り

読書グループの女性たちは今、ヨハネ・パウロ2世の使徒的書簡『おとめマリアのロザリオ』を読んでいるが、そろそろ後半に差し掛かってロザリオの祈りのすばらしさがいよいよ身に沁みて理解される段階に入ったようである。「ロザリオはすばらしい祈りです。その単純さと深さのゆえに」(使徒的書簡2)と教皇は言われる。単純さとは、天使祝詞(マリアへの祈り)を繰り返しながら主キリストの生涯の出来事を思い出すだけの、誰にでも祈れるからであり、深さとは、主イエスとその母マリアの生涯から20の出来事(神秘)を思い出しながら、神のうちに秘められた人類救済の偉大な神秘を、聖母とともに観想し、その恵みにあずかるからである。

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尊厳死の奥に深い人生と愛 (「海を飛ぶ夢」映画評)

 観(み)おわってしばらく、奇妙な高揚感に包まれた。  ある人々に対してこの映画は、尊厳死に関する映画だと紹介することも可能だろう。主人公のラモンは25歳のときに引き潮の海に飛び込み、海底に頭を強打して首から下が不随になってしまう。実家のベッドの上だけを住処(すみか)に、ラモンは詩を綴(つづ)り、家族の世話になって二十数年を過ごす。そんな彼がギリギリに選択したのが、自らの尊厳と自由のために死ぬことだった。

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名古屋教区正義と平和委員会学習会報告

「生命倫理を考える」第4回 “生命倫理の関わるゲノム編集”  私たちは意識しないと単に、安さや便利さにだけに目が行きがちである。しかし、安全性の確認されていない遺伝子組換え作物やゲノム編集作物を摂取していると、自己の健康を害し生命を損ねるだけでなく、将来世代や環境に負の遺産をもたらす加害者になってしまう。

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「幸福のパン」

皆さん、今晩は。今日は休みなので朝は、これから職場で必要になるお年寄りの送迎コースの運転を練習した後、ファミレスで本を読み、詩を書いて過ごしました。詩を書く時というのは日常の中で(この事を詩に書きたいな・・・)と胸の内の酒蔵?に寝かせておいて・・・少し間を置いた頃にふっと(書こう)と思い、原稿用紙を出して裏側に初稿を書くという感じです。午後は嫁さんと赤ちゃんの周(しゅう)を車に乗せて、広い公園で降りて散歩すると通行人のおばちゃんが「あらイケメンねぇ~」と声をかけてくれて、穏やかな休日でありました。

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この子のいのちに「はい」と言う

私はずっと、母親になる日を夢見てきました。子どものいない人生は想像できませんでした。私の最初の息子は、予想外の、信じがたい、そしてぞっとするような出来事によって身ごもりました。ある秋の夜、女性を大切にすることを知らない男性に脅され、私は妊娠しました。私は十九歳で、人生について何も知りませんでした。二か月後、事実に直面しました。私の中でいのちが育っていたのです。

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クリスマスの心

毎年この時期に入ると全世界はキリストがお生まれになったことを祝います。神さまが人となってこの世に来られました。これはクリスマスです。私たちはキリストを通して神がどれほど私たちを愛しておられるかを知ることが出来ました。私たちが神から生まれるように、神が私たちからお生まれになることを望んでおられます。神さまが私たちからお生まれになる! のは、私たちの日々の思いやり、親切、小さな愛の行いをする時ではないでしょうか。ここで“クリスマスの心”について分かち合いたいと思います。

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思いもよらぬ結果

私は小さな町医者の一人娘でした。16歳になり、高校卒業まで後二年を残した頃、どうして私のことを好きになってくれる男の子がいないのか神様をうらんだものです。私は大学に入学して、お酒を飲みはじめ、酔っ払っている時に処女を失くしました。その後私は、大学を留年し、ドラッグもやりはじめめました。

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出生前診断

科学が進み現在では、生まれる以前にダウン症とか遺伝性のある障害を持つ子どもが生まれるか否かが、ほとんど確実に診断できるのだそうである。その出生前診断を断った若い夫婦の話が、今日のテレビニュースで放映されているのを見た。断った理由は、夫婦で話し合い「生まれてくる子どもに障害があろうとなかろうと、 わたしたちの子どもなのだから、たとえ障害があったとしても同じように大切に育てよう」との決断の結果であると話していた。

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正義と平和委員会学習会

「生命倫理を考える」第3回 「ゲノム編集の危険性」 前回、遺伝子組み換え(外部の遺伝子を対象作物に取り入れ、突然変異を起こさせることで収穫量増や害虫に強いといった特徴を持たせる技術)作物(以下GMと略)が人体や環境への複合汚染の危険性があると指摘したが、新たな技術ゲノム編集は「原則として対象作物の遺伝子自体を改変するため、安全性が高いとされ、さらに品種改良の時間やコストを削減できる。」(日経19、3/10)からと、2019年9月19日、消費者庁はゲノム編集食品の表示を義務付けないと発表した(東京新聞)。理由は「(外部遺伝子を組み込まない食品は)…表示義務に違反する商品があっても見抜けないため」と説明(同東京新聞)。つまり、危険な食品も流通するとの政策なのだ。国民は危険なものと知らず食べさせられることになるのだ。「生命を守る」べきカトリック者として、このことを看過して良いのだろうか。9月11日に「生命倫理を考える」第3回を開き、「ゲノム編集の危険性」というテーマで講師の大沼淳一さんから話を聞いた。要旨は下記の通りである。

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名古屋教区正義と平和委員会学習会報告

「生命倫理を考える」(下) 先月号に引き続き、第2回(7月10日)の講演会の内容を掲載します 第2回 遺伝子組み換えと作物  教会は「すべての命を守る」と信者に呼びかけているが、私たちは日々の生活においてどれだけ気にかけているだろうか。安いからと、環境や人体に有害な化学汚染まみれの食品や遺伝子組み換え(GM)食品を平気で摂取していないだろうか。その危険性と防ぐ手段を学んだ。

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プロ・ライフの心

プロライフの皆様方へ。中絶手術件数が中絶公認の国で減少しているように見えるのは、日本の場合はまず20年前より20代の女性人口が大幅に減少している事です。米国や諸外国ではまずピル、緊急避妊ピル、RU486等の服用で見かけ上の手術による中絶数が減っているだけなのです。

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今、静かなる緊急事態がおきている

私は、婦人科臨床医として、この数年間の10代の性感染症(クラミジア、ヘルペスなど)の激増を目の当たりにし、戦慄を覚えるほどの深い危機感を持っている1。「都内山手線環内のHIV感染の罹患率はすでにアメリカを超えている」という国立国際医療センターの岡先生の報告は、私の恐れていることが現実的なものであることを示している2。 

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「値高く、貴い者」イザヤ書43章1~7節

人間の生命は貴い。日本国憲法の三大重点は主権在民、平和主義、人権尊重である。 人権尊重は人間の生命があまりにも粗末にされてきた日本の過去への猛省から来ている。1931年~1945年の軍国主義侵略戦争によって日本の300万が殺され、その日本の手によって2, 000万人ものアジア人が殺された。この人命軽視。また女性はいつも男性の下位におかれ、従わされた。 子どもは大人の道具のように人身売買された。これらへの反省から人権尊重が強調されたのである。 

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「いじめ自殺」が残した教訓 – いのちを守る家庭の再建と隣人愛を育てる教育

昨年もいじめや虐待死など、幼児・児童・生徒にまつわる悲しい事件が相次いだ。いじめは昔からあったが、その後の報道によれば、いじめの実態はかなり深刻で、全国に広がっているという。あらためて、いじめ自殺からいくつかの教訓を引き出してみたい。

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人間の受精卵は「小さな生き物」であって「小さな物」ではない

一番初めに人間が受精した細胞のことを“ザイゴート”(受精卵)と言うが、これはギリシャ語で「小さな生き物」を意味する。この受精卵には、私たちの身体のあらゆる特徴を形成する染色体や遺伝子などが含まれている。一つ一つの細胞には百科事典よりも多くの情報が盛り込まれている。受精卵、胚または胎児のことを「それ」と呼ぶことは、彼らを完全に非人間化している。(生まれてきた)子どもが「それ」などと呼ばれることがないのと同じように、(まだおなかのなかにいる)胚も決して「それ」ではない。 

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キリストの全てを受け入れなさい

キリストを受け入れるということは私達が全ての兄弟姉妹を愛することを意味します。このことはキリストが受け入れる人々が私達にとって好ましく思えない時であっても変わりありません。その人々は変わっているかも知れません。もしかすれば彼らはうるさい人々かも知れません。私達を怒らせたことのある人々かも知れません。

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貞潔教育、ザンビアのエイズの勢いをそぐ:教会によるプログラムが効果と担当者が語る

[ドイツ、ケーニヒシュタイン]-—ヌドラ教区の担当者は、教会がHIVとの闘いの形勢を変えるのを助けた、しかも伝統的な教えを堅持することによってそれに成功した、と語る。  「一方、政府の対応は無策で遅すぎました」とザンビア教区の尚書係、アリック・ムバンダ神父は語る。慈善団体Aid to the Church in Need(困窮する教会を支援する会)の本部を同神父が最近訪問した際に、インタビューに応えたもの。  ムバンダ神父は、HIVと闘うためにカトリック教会が運営するプログラムが、いかに長らく待たれていた感染者数の減少をもたらすのに決定的な貢献をしたかを説明した。  ザンビアではHIVが流行病のレベルに達している。1,100万人の人口のうち120万人が感染していると推計される。  対策 ムバンダ神父は、教会がこの危機にどのように取り組んだかを話した。教会は抗HIV薬を配布し、エイズへの意識を高めることと要理教育プログラムを組み合わせることによって、貞潔について教えることに成功した。信徒リーダーの共同体と共に、要理教育プログラムが考案されたのだ。プログラムの中では、HIVのリスク、特に安易な性行為によるリスクについて伝えた。  教会のリーダーたちは、結婚を考えている人々にはまずHIV関連の検査をするように奨励している。  ウィルスの犠牲になっている人々のためには、司教たちは、住まい、福祉支援、医療の整ったセンターとなる「農場」を計画している。  「最近、とうとう、わずかな進歩が見えるようになりました」とムバンダ神父。「HIV感染者の数は上昇しなくなり、キャンペーンのおかげで、ようやく下降しはじめています。」  ムバンダ神父は、人工的避妊法への反対と貞潔教育の固持というザンビアの司教たちの姿勢の重要性を強調した。  ムバンダ神父は、「いくつかのNGOは人々にコンドームの使用を勧めていますが、そうすると人々は安易な性行為に流れるようになり、問題です」と語った。「実際、それによって問題は大きくなります。」  ムバンダ神父はまた、信仰を行動に移すことの重要性を力説した。「私たちは、福音について語ったり、ミサについて話したりするだけで、それを生きないことがあってはなりません。私たちの時代の問題と結びつけることがなければ、福音を生き、告げることは難しくなるでしょう。」  Zenit (ニュース) Copyright ©2006.5.29.許可を得て複製 

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昔は大家族が当たり前だっだ

昔は、大家族が当たり前だった。しかし,食べ物、衣服、住居などの物価が急上昇している現代では、大家族なんて狂気の沙汰ということになりかねない。しかし、グレン・マデアとグウェン・マデア夫婦にとっては、そうでないらしい。少しばかり失礼かなと感じながら、聞かずにはいられない人々から、彼らは質問を受けることがしばしばある。「11人もの子どもを持とうと、最初から計画していたのですか。」

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スティ-ブン・ベ-カ-は見捨てられて死に至ったのでしょうか?

病人や身体の不自由な人を殺す方法はたくさんあります。食べ物と水を与えないというのも一つの方法です。スティ-ブン・ベ-カ-の脳の圧迫を和らげるため3月に行われた手術は、彼の消化力のある器官の管へチュ-ブを通して供給されている食物と水を取り除くことについて議論が巡りました。彼の生命を終了するという決断がなされる以前に、セントルイスの郊外にある聖ヨハネ慈悲医療センタ-の記録によると、この医学上の補助装置を使った食物と水の供給は、正確に言えば「心地よいケア」と呼ばれていました。現在はメディアのみならずその病院もそれを「生命の補助」と呼んでいます。 

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「性教育について」

私は看護婦なので、エイズ患者を看ることもあります。エイズ患者を看る時は、患者のいかなる体液でも自分にはねかかる危険性が少しでもあれば、必ず手袋と防水白衣とゴーグルを着用するようにと病院から命令されています。ところが世間では、エイズ感染を防止するにはコンドームが良い、とされています。もしそれが本当なら、私がエイズ患者を看るのに必要なのは、コンドームだということになります。 

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