混迷する世界のまっただなかで迎えるクリスマス
今年のクリスマスのあいさつは、どこか重苦しさを感じさせる世界のまっただなかでお届けすることになりました。戦争や災害、失われていくいのち、気候変動への不安、経済的な厳しさ、そして多くの人が誰にも言えずに抱えている孤独。そんな状況の一方で、街は明るい光に包まれ、やることに追われ、買い物の空気があふれています。その中で、私たちは「なぜこの季節を祝うのか」を見失ってしまいがちです。しかし実は、慌ただしさと傷つきやすさが交差するこの時代だからこそ、クリスマスの意味はより深く心に響くのではないでしょうか。 聖書では、クリスマスは「来られる神」の物語として始まります。神の子は、完全な世界ではなく、不完全で傷ついたこの世に、小さく無防備な幼子として生まれました。この誕生は、どれほど貧しく、目立たない場所であっても、希望はそこから始まることを告げています。主は「エマヌエル――神は私たちと共におられる方」として、私たちのただ中に来られました。それは、壮大な奇跡や特別な行いだけでなく、日々の小さな愛と憐れみの実践を通して、互いに寄り添い合うよう私たちを招く出来事です。物の豊かさや完璧さによって愛を量ろうとするこの季節において、主が示される真の贈り物は、時間を分かち合うこと、心を傾けること、赦し、そして差し伸べられる手なのです。
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