日本 プロライフ ムーブメント

HPVワクチンの男性への接種拡大は拙速かつ不合理

HPVワクチン薬害訴訟でHPVワクチン接種と被害者の症状との因果関係について争われてる最中まだその結論が出ていないにも関わらず、2022年4月より国でしれっとHPVワクチンの積極的接種が再開の方針となっています。 この動き自体も非常におかしいし、こんなものサラッと聞いただけだと誰もが「HPVワクチンの安全性は確認されたんだ」と感じてしかるべきだと思います。 そしてその感覚をさらに強めてしまう、もう一つの国のHPVワクチンにまつわるおかしな動きとして、「男性へのHPVワクチン接種を急速に拡大しようとしている」というものがあります。 そもそもHPVワクチンはもともと「子宮頸がん(予防)ワクチン」という通称でよく呼ばれていました。 その名前だと「子宮頸がん」を予防するワクチンというイメージしか伝わらず、「子宮」を持たない男性にとっては無関係だと普通は考えると思います。 だからなのかわかりませんが、2017年12月に国は「子宮頸がん(予防)ワクチン」の呼称を「HPVワクチン」に変更しています。

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許可という罪

言葉の裏に何か意図が隠されているのでは?と感じることがあります。ずる賢い人たちは、言葉を巧みに使って真意を隠そうとします。コロラド州選出の73歳の上院議員、ジョン・ヒッケンルーパーもその一例でしょう。報道によると、彼は「ストップ・コムストック法」の提案者であり、これは1873年に制定された、わいせつまたは不道徳な文書の郵送を禁止する法律を撤廃しようとするものです。

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保守派聖職者からレオ14世への警告

2025年はカトリック教会では「聖年」だ。「聖年(Holy Year)」とは、カトリック教会において特別な霊的恩恵を受ける年を意味し、ローマ教皇によって宣言される。「聖年」は、罪の赦し(免償)を得たり、信仰を深めたりするために設定される特別な年で、カトリック教会の伝統だ。多くの信者がバチカンや他の指定された聖地を訪れ、赦しを求めるために懺悔をし、祈りや慈善活動を通じて、信仰を再確認する機会という。

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教養と実学は教育の両輪

高校における必修科目の未履修問題はさまざまな波紋を呼び、さまざまな議論を巻き起した。その中の一つは「教養教育」の問題であった。多くの人が一般教養の低下を嘆き、その再生を強調していたが、中には、実学の刷新と強化を訴えるものもあった。たとえば、教育再生会議のメンバーでもある川勝平太氏は述べる。「美しい国づくりの基礎は、実践的な学問でなければならないであろう。すなわち「新しい実学」がいるのである」(中央公論1月号『日本社会の目標喪失が教育を壊した』)。 そこで、わたしなりに、「教養と実学」について整理しておきたいと思う。

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山のあなた

 以前私は、人が住む場所によって物の見方にどんな影響があるのか興味を持ち、『四雁川流景』という短編集を書いたことがある。水の豊かな架空の町で、湿地帯や盆地の中央部、坂の途中や丘の上、あるいは古代の墓地跡に建てられた高層ビルなど、主人公の設定次第で住む場所も自然に選ばれ、土地の力(地霊)によって物語が動きだしたような記憶がある。  その際、特に重視したのは、その家の窓からどんな景色が見えるのか、ということだ。不穏な気分も楽観的な見方も、なぜか日常的に眺める風景が呼び寄せるような気がする。「四雁(シカリ)」とはアイヌ語で「うねうねと流れる水」で「イシカリ(石狩)」にも共有されるが、その川と山々がどう見えているのか、全体の地図まで描いてそれぞれの物語を書き進めたのである。

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