日本 プロライフ ムーブメント

「全キリスト」とは

「全キリスト」という言葉をご存じだろうか。現在、この言葉はあまり使用されないが、「キリストと教会」の神秘、すなわち、わたしたちとキリストの一体性の神秘を表す極めて貴重な言葉であるから、その意味するところを考えてみよう。 「全キリスト」はラテン語のTotus Christusの日本語訳であって、英語ではThe  whole Christ、仏語ではLe Christ total であるが、時には「全きキリスト」とも訳される。「全キリスト」という言葉の起源は聖アウグスチヌスにあるとされ、聖教皇ヨハネ・パウロ2世は、次のように書いている。

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記念写真を撮らせない息子から気づいたこと

今日はこのブログを始めて2日目。 昨日からいつにも増して大好きな息子とのことをずっと考えてワクワクしています。(*^_^*) 家族旅行や息子と一緒にお出掛けすると、記念にみんなで写真を撮ります。 息子は、写真を撮る場所には行ってくれるのですが、なかなかカメラの方を向いてくれません。というか、いつもどこか違う方向を見ています。表情も笑顔はなく、どちらかというと変な表情です。

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終業の日メッセージ【休戦ではなく終戦を】

クリスマスは,世界中の人々にとって待ちに待った日だろうと思います。例えば,戦争をしている兵士たちもクリスマスになると一時的に戦いをやめ,クリスマス休戦に入るという歴史は,第一世界大戦の最中,1914年に起こりました。この年,イギリス・フランス軍とドイツ軍による戦いが繰り広げられていた,ベルギー南部からフランスの北東部かけての,西部戦線と呼ばれる戦闘の最前線において,敵対していたドイツ軍とイギリス軍が共にクリスマスを祝ったと伝えられています。これは『クリスマス休戦』という映画にもなっています。

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「死から命へ」    2023/11/1

◆命の賜物 私たちはみな、神様からこの命をいただいて生きています。どう生きるかは、すべて私たちに任せられています。自由気ままに生きようと、神の従って生きようと、それは全くあなたの生き方に刻まれているからです。パウロは、こんな風に言っています。「もはや、わたしが生きているのではなく、キリストがわたしの内に生きている」(ガラ2:20)と。彼はいただいたこの命をすべてキリストに託しているということです。このような命のあり方をみて、私は「命の賜物」と呼びたいのです。この命は、もはや私のものでなく、神のものなのです。

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「合理的配慮」義務化(4)

IV 不当な差別的取り扱いとは p20〜p25 ● 障害者差別解消法では障害を理由とする「不当な差別的取り扱い」を禁止し います ● 企業や店舗などの事業者や、国・都道府県・市町村などの行政機関等においては、例えば「障害がある」という理由だけで財・サービス、各種機会の提供を拒否したり、それらを提供するに当たって場所・時間帯等を制限したりするなど、「障害のない人と異なる取扱い」をすることにより障害のある人を不利に扱うことのないようにしなければなりません。

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聖霊の働きを知る

天におられる父なる神は、人類を救うために独り子と聖霊を世に遣わされた。独り子、つまり人となられた神の御子イエス・キリストについてはよく知られていると思うが、聖霊については余り知られていないのではないか。そこで、少々長くなるが、教皇ヨハネ・パウロ2世の解説を以下に引用してみよう。

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モーセと「神の娘(バト・ヤー)」の話

キリスト教最大の祝日「復活祭」(イースター)が終わった。1日は聖月曜日だったので、オーストリアなどカトリック教国では休日だった。そこで前評判の高かった3部構成のネットフリックスのシリーズ「神と交わした約束: モーセの物語」をストリーミングポータルで観た。3月27日から観ることが出来る。 エジプトから神の約束の地カナンに向かってモーセが60万人のイスラエル人を率いて「出エジプト」するスケールの大きい物語はこれまでも何度も映画化されてきた。当方も昔、名優チャールトン・ヘストン主演の映画「十戒」を観たことがある。 ネットリックスのシリーズは「神と交わした約束: モーセの物語」というタイトルが付き、第1部「預言者」、第2部「災い」、第3部「約束の地」の3部作から構成、各1時間半程度だ。テキストパネルを使って、各エピソードでは神学者や歴史家が登場し、モーセの物語についてその見解を語るから、モーセの人柄やその歴史的背景がより理解できるようになっている。

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「アンパンマンの生みの親 ― やなせたかし」

アンパンマンの作者・やなせたかし夫妻のの歩みに光をあてるNHK朝ドラ『あんぱん』。戦争体験から生まれた「正義」と「愛」の思想には、福音に通じる深いメッセージが込められています。パンを分け与えるアンパンマンの姿は、イエス・キリストの自己犠牲の愛、十字架の愛と重なるように見えます。

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中絶を選択しない「いのちの文化」を マーチフォーライフ2022

中絶反対を訴える「マーチフォーライフ(いのちの行進)」が18日、カトリック築地教会(東京都中央区)を出発点に行われた。さまざまな年齢や性別、国籍の人たちが参加し、日比谷公園までの約1時間の道のりを、「小さないのちを守ろう」「中絶やめよう」などと書かれた横断幕やプラカードなどを持って練り歩いた。

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「彼岸と免疫」般若波羅蜜

般若波羅蜜 もうすぐ春彼岸、春分の日の前後各三日間に古くから追善供養の風習がある。 春分の日は、国立天文台からの情報に基づいて、春分の時刻を含む日に決定され、前年二月の官報で公表される。法律で「自然をたたえ生物をいつくしむ日」とされているが、明治十一年からの宮中行事「春季皇霊祭」で祝日となった。

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社会は胎児の人間性を十分に認めているだろうか?

質問です。なぜ今日、突然このような悪意ある「生殖への攻撃」が起きているのでしょうか?生殖、すなわち生物学的な子どもを妊娠・出産する性的な営みが、次第に「どんな犠牲を払ってでも利益と権力を得る」という考えと同一視されつつあります。周囲を見渡せば、巨大産業がどれほど強い影響力をもって「生殖」という言葉の意味を、製造・工学・管理といった概念へと変えていっているかが分かります。たとえば、赤ちゃんは体外受精(IVF)によって「作られている」のです。

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人は誰でも「幸福」を求めている

20日は「世界幸福デー」だった。それに合わせて慣例の国連「年次世界幸福度報告書」(調査期間2021年~23年、143カ国を対象)が発表されたが、それによるとフィンランドが7年連続、世界で最も幸福な国に選ばれた。2位はデンマーク、3位アイスランド、4位スウェーデンと北欧4カ国が上位を独占した。同時に、調査を担当した学者たちによると、幸福度の国のランクでは多少の変化が見られたが、世界の幸福度の不平等は過去12年間で全ての地域と年齢層で20%以上増加した。

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