日本 プロライフ ムーブメント

結婚・生命と愛の共同体 ー ビクターガレオネ司教の司牧書簡

主において兄弟姉妹の皆さん、 1。 現在、いくつか州議会では、結婚というものを性別にかかわらない2人の成人の結合として、再定義しようとする法案が審議されています。そのような法律が制定されれば、伝統的な結婚と同性カップルの結合が等しいものになります。そのうえ、離婚件数は増加し続けて、オンラインで$50から$300の手数料を支払えば、今では正式な離婚さえ成立する状況にまでなっています。 こういった最近進行している事柄は、より深刻な無秩序の単なる症状に過ぎません。この無秩序の根本的原因が解決されるまで、失敗に終わる結婚は急増し続け、また社会のあらゆる面において性行動がさらに乱れ続けるだろうと憂慮しています。 この無秩序とは、避妊のことです。避妊はたいへん広く行われており、既婚カップルの90% が結婚生活のどこかで避妊を実践しています。どのキリスト教派の信者でも同じです。司教の最も重要な役割は教えることですので、私はこの分野におけるカトリック教会の見解と、より重要なこととして、その理由を皆様に再検討していただきたいと思います。 

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《生きることの意味》を問い直す

ある二人部屋の病室を訪問したときの話です。一人は、80歳代の女性で、もう一人は60歳代後半の婦人でした。 両者を仕切っているカーテンは開かれており、後者の女性はベットの上に正座して考え事をしているようでした。 私がお見舞いに伺ったと言って病室に入ると、彼女の方から話しかけてきました。 

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私の病気体験から

今から15年前、釜ケ崎で病気に倒れ、大阪の公立病院で入院したときの出来事です。 病気のいろいろな症状で苦しんでいました。ある夜、9時頃だったと思います。 寝る前の検温のため若い看護師が私のところに来ました。そのとき、 私がある意味で耐えられないような表情をしていたのだと思います。その看護師は、そんな私を見て、「 私はクリスチャンではありませんが、聖書は読むのです。聖書の言葉に励まされますよね。‘ あなたがたを耐えられない試練に遭わせられることはない(1コリント10-13)’という言葉、あれ、私、 あの言葉が大好きです。」と言うのです。何か、そのとき、「神父であれば、 そのような言葉に支えられるはずではないのですか」と遠回しに説教を受けているように感じました。しかし、 その言葉を投げかけられても心に入ってこないのです。言葉が返せないのです。かえって心が重くなるのです。 

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今も無視されている中絶と乳癌の関連 ー 医学論文の4件のうち3件は重大な因果関係を指摘している

1957年以降発表された35の論文のうちの27の論文で、中絶が乳癌に関与することが指摘されているにもかかわらず、『家族計画連盟』などの中絶賛成団体はそのような関連性が存在することを否定し続け、中絶手術を受けようと考えている人にその論文のことを知らせることを拒否しています。  カレン・マレックをリーダーとする、「ABC(Abortion-Breast Cancer:中絶:乳癌)連合」は、中絶提供者が概してその関連性について人々に知らせないので、そのことを人々に知らせる取り組みをしています。「科学者は、この関連性を44年間研究し続けています。にもかかわらず女性たちがこれらの研究の存在を今まで知らされてこなかったことに私たちは大変驚いています。なぜ女性たちは自分たちの健康管理に関する議論から除外されているのでしょうか?私たちはこの重大な不公正を正すつもりです。」と彼女は話しました。  シカゴの「ABC連合」のボランティアは先月、中絶と乳癌の関連性についての研究のことを読者に知らせる冊子を配布しました。マレックは、中絶と乳癌の関連性を証明するほぼ半世紀にわたる研究にもかかわらず、「女性たちが依然として自分たちの健康管理に関する議論に加えられないでいること」に彼女のグループは驚いていると言っています。「このような情報が今まで女性たちに隠されてきたということには、弁解の余地はありません。」と彼女は話しました。  「7件のうち5件の研究で携帯電話と脳腫瘍の関連性が指摘されたとき、そのことが人々に知らされたにもかかわらず、なぜ女性たちは、20数件もの研究がこのいのちに関わる病気の危険要因としての中絶の関連性を指摘しているという情報を知る権利を与えられていないのでしょうか?悲惨なことに、この危険要因に対する、危険だと判断される基準が上げられたので、100人に1人は中絶による乳癌で死亡することになるでしょう。」とマレックは主張しました。  乳癌は生殖ホルモン、特にエストロゲンと関連があります。何が乳癌を引き起こすかはまだ科学によって特定されてはいませんが、女性が第一子を産むのが早いほど、乳癌発症の危険性は低くなるということは異議を唱えようのないことです。『乳癌予防協会』の会長であり、いわゆる『ABCリンク(中絶と乳癌の関連性)』の研究の第一人者であるジョエル・ブリンド博土によると、女性のエストロゲンの値は妊娠するとすぐ通常の何百倍に増加し、妊娠した女性の身体の最初の変化のひとつが乳房に起こります。ホルモンの急増は、母体が生まれてくる赤ん坊のために母乳を作り出す準備をするために、乳房に「未分化」細胞を増加させることになります。未分化細胞は傷つきやすいのです。  妊娠の最終週には、それらの細胞はまだほとんど解明されていない過程を経て「最終的に分化」し、母乳を出す準備が整うのです。分化細胞は発癌物質の影響を受けません。しかしながら、もし万一妊娠が細胞の分化よりも早く終わってしまえば、女性の身体は未分化の細胞の数が異常に多い状態のままとなり乳癌の発症の危険性が増加することになるのです。  危険性増大の割合は、女性が思春期に達する年令と、最初の妊娠の年令と、中絶前の妊娠期間の長さに左右されます。ほとんどの研究で30%から100%まで、あるいはそれ以上危険性が増大することが明らかになっています。  ブリンド博土によると、自然発生的な中絶つまり流産は、一般的にはまずエストロゲンの不足によって起こるので、危険性の増加とは普通関係がありません。  ほとんどの避妊用ピルは、妊娠したときに起こるホルモン作用と同じホルモン作用を発生させることによって効果を発するので、ABCリンクの研究においてそれもまた乳癌の原因だとして疑われています。  『英国王立産科婦人科大学』は中絶提供者に向けて、ABCリンク研究を「無視することはできない」と警告するガイドラインを昨年の2000年3月13日に発表しました。その大学はブリンド博士によって1996年に行なわれた、世界中の研究の再調査を検証し、博士の研究は、「注意深く行われ」、「研究方法に重大な欠点はない」と発表しました。  そして今年の初めに、閉経後の女性に行なわれるエストロゲン補充療法薬(ERT)が発癌物質の全国リストに加えられました。ERTは、妊娠の際に女性の卵巣で自然に作られるエストロゲンとほぼ同じ化学物質です。乳癌の危険因子として知られているものの大多数は、エストロゲンの影響を過度に受けることと関連があります。  世界の最も有力な医学雑誌、『ニューイングランド医学ジャーナル』でさえ、密かにABCリンクについての姿勢を変え始めています。3年前、『ニューイングランド医学ジャーナル』は、中絶と乳癌の関連性を否定するデンマークの論文を発表しました。それはメルビー論文として知られていますが、その研究者たちは、「人工中絶が乳癌の危険性全体に与える影響は全くない」と結論づけました。また、女性が中絶を考えるとき、「乳癌の危険性を心配する必要はない。」と断言する国立癌協会の疫学者による論説も、『ニューイングランド医学ジャーナル』に掲載されました。  しかし、ペンシルバニア医科大学のカトリーナ・アームストロングを中心とする研究者たちによる『乳癌の危険性の査定』と題した咋年の記事の中で、次のような見解が述べられました。それは、「ダイエットや経口避妊薬の使用、授乳、中絶といった他の危険因子は、乳癌との関連性における一貫性が少ない」というものでした。大々的な宣言では決してありませんが、その発表は、その雑誌が以前とっていた姿勢からの大きな転換を表しています。  しかし、中絶や避妊薬の使用が乳癌を引き起こす危険性があるという明白な証拠があるにもかかわらず、収益性の高い中絶産業はいかなる関連性も存在しないと否定し続けています。ブリンド博士や他の研究者が行なった研究の信頼性を攻撃して、中絶擁護団体はその問題に関して科学者の見解は一致していないと主張し、患者たちは乳癌の危険はないと教えられているのです。  『家族計画連盟ロサンゼルス支部』の代表、ナンシー・L・ササキは次のように述べています。「『家族計画連盟』の見解は、中絶によって健康にもたらされる実証された危険はないというものです。人工中絶と乳癌の関連性は、その安全性にもかかわらず中絶に反対している人々が唱えている理論なのです。その理論は研究によって生み出されたものではありません。『家族計画連盟』は、女性は病気の危険性に影響するすべての要因についての情報を手に入れることができるべきだと信じていますが、『家族計画連盟ロサンゼルス支部』はまた、女性には医学的に実証され、政治的な問題に染まっていない情報を受ける価値があると信じているのです。研究者たちが、乳癌と中絶に関して一致した見解を持つには至っていないので、『家族計画連盟』は、その要因(中絶)だけが原因だと断定できるだけの現在実証済みの健康への危険性はないと、妊娠を終わらせようと考えている女性たちにアドバイスしているのです。」  中絶と乳癌の関連性を女性たちに教えることに関わっているマレックや他の人々は、中絶支持者には女性たちに知らせないでおく政治的な動機があると言います。もしABCリンクについての情報が広く認識されれば、『安全な』中絶という神話が修復できないほどダメージを被るかもしれないのです。  「我々の組織は、女性のために中絶反対の立場をとっています。残念ながら、この政治的に間違った情報のこととなると、誰もが女性の健康を第一には考えているわけではないのです。」とマレックは断言しました。  Foster, Julie (フォスター・ジュリー)Copyright © 2004 .7.2.許可を得て複製  

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妊娠中絶とクローニング:新しいはぐらかし

私はこれから、今までいろいろな主要な場で話されてきた公演を振り返ってみようと思います。つまり、母親の希望でおなかの中の子どもが殺されることをよしとする確立された政策のもっともらしい説明や、未確立ではあるけれども新しく出てきた政策で、体の一部を他人に提供するためだけに生まれてこさせられた子どもたちの現状についてです。これから私が振り返る公演や議論のほとんどは、選択や行動を覆い隠そうとするはぐらかしに他ならないのです。これが私の話の題目です。

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バース・コントロールと妊娠中絶 ー 仏教とキリスト教はどう考えるか

A。バース・コントロール バース・コントロールとは、子どもを持つ時期を当事者自らが決定することです。そのためには、性交の回数そのものをコントロールするのが一番であることは明らかです。しかし、愛し合っている二人の間では、お互いに強い性的魅力を感じているのが普通であり、性交の回数をコントロールすることは、二人の関係にストレスが生じ、結果として精神的な苦痛をもたらすことになります。 

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「すべてのいのちを守るための月間」をみのりあるものに。

「すべてのいのちを守るための月間」が設置されました。 教皇フランシスコの蒔かれた福音の種がゆたかなみのりをもたらすようにと、 日本の教会が立ち上がったことに心から敬意を表します。この画期的な新事業に参加協力できることは、 わたしたち信者にとって大きな喜びです。今年はコロナ禍で具体的な取り組みにまで至るのは困難だったかと思われますが 、今後じっくり時間をかけて、たとえば10年後の2030年に成果があらわれていることを一つの目標に、 年々育ちつづける手応えのある「月間」として継続発展していくことを期待します。そこで、 東京教区宣教司牧方針策定のための課題の2「継続信仰養成の整備と充実」および9「教区全体の『愛の奉仕』 の見直しと連携の強化」に関わるものとして、「すべてのいのちを守るための月間」 をみのりあるものとしていくための提言をおこないたいと思います。 

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法王文書「愛の喜び」の理想と現実

 ローマ法王フランシスコの婚姻と家庭に関する法王文書「愛の喜び」(原題 Amoris laetitia)が8日、公表された。256頁に及ぶ同文書はバチカンが2014年10月、昨年10月、 2回の世界代表司教会議(シノドス)で協議して きた内容を土台に法王が家庭牧会のためにまとめた文書だ。“現代の家庭生活”についてのフランシスコ法王の指針だ。 

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「私は知らなかった」からの別れ

日本では甘利明経済再生担当相が辞任した。甘利氏は、千葉県の建設業者側から2度にわたって献金を受け取った件を認めたうえで、秘書に「適正に処理」するよう指示したと語ったが、 秘書が受領した500万円のうち、 200万円は適切に会計処理したが残りの300万円は秘書が個人的に使用した点が疑惑を呼んでいる。  今、書こうとしているテーマは甘利氏辞任劇とは直接関係がない。「私は知らなかった」という弁明について、 一種の哲学的な思考を巡らせてみただけだ。お付き合いを願う。  前日のコラムで紹介した元ナチス幹部のアドルフ・アイヒマンの公判での発言が気になった。「 私はユダヤ人虐殺の件は知らなかった」「私は上からの命令を受けてそれを従順に履行しただけだ」と述べたという。 この発言は死刑を逃れるためのアイヒマンの弁明だったのかもしれないし、ひょっとしたら、事実かもしれない(「 アドルフ・アイヒマンの恩赦請願」2016年1月30日参考)。  この発言を読んだ時、当方はナチス・ ドイツ軍の戦争犯罪容疑で国際社会から激しいバッシングを受けたオーストリアの元大統領、クルト・ワルトハイム氏( 1918~2007年)の事を思い出した。ワルトハイム氏もアイヒマンと同様、「 私は通訳将校としてバルカン戦線に参加していたが、ナチス・ドイツ軍のユダヤ人虐殺の件は知らなかったし、 知れる立場でもなかった」と当時、説明していた。両者の発言は酷似している。  両者の「その後」は少し異なった。アイヒマンは「人道への罪、戦争犯罪」で絞首刑を受け、 ワルトハイム氏は世界ユダヤ人協会を含む国際社会から激しいバッシングを受け、 現職中はオーストリアを訪問する国家元首はなく、淋しい王様と呼ばれ、最終的には再選出馬を断念せざるを得なかった。 ちなみに、大統領職を降りたワルトハイム氏は後日、「私の返答」という著書を出版して、自身の潔白を重ねて主張したが 、アイヒマンにはその時間は与えられず、絞首台に消えた。  「私は知らなかった」は、ある意味で容疑を受けた者の常套句だ。知らなかったから、「私は潔白だ」という論理だ。 もちろん、知らないのにその責任を追及されれば、堪ったものではない。誰かが悪事を犯した。その悪事を行った者の上司 、同僚だった、という理由で共犯扱いされたら、これまた大変だ。  一方、甘利氏の辞任が明らかになると、安倍晋三首相は、「私には任命者としての責任がある」と述べ、 閣僚の不祥事に謝罪を表明した。同じことが会社の不祥事でも社員の責任に社長が辞任に追い込まれるケースは少なくない 。ある意味で、共同体の連帯責任だろう。不祥事を知らなかったことは即、監督不行き届きという責任論が出てくる。  それでは、その連帯責任はどこまで該当するのだろうか。会社の場合、社員の不祥事に対して社長だけではなく、 その社員の直接上司の課長、部長が責任を負うケースもある。不祥事の内容でケース・バイ・ ケースというべきかもしれない。  ところで、人類の始祖アダムとエバの失楽園の話を思い出してほしい。旧約聖書「創世記」によれば、 エバは蛇の誘惑を受けて神の戒め、取って食べてはならないを破り、食べた。その直後、 エバは神の教えを破ったという良心の痛みから逃れるためにアダムを誘惑して彼も同じように食べた。 神がアダムとエバを追及する。アダムは「あなたが与えてくれたエバが食べるようにいいました」と述べ、 エバの責任を強調。一方、エバは「蛇が……」と弁明し、失楽園の深刻な結果 について、「私は知らなかった」と言い逃れた。  私たちは不祥事が生じる度に「私は知らなかった」と直ぐに口から飛び出す。驚きに値しない。「私は知らなかった」

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マザー・テレサが願っていたこと

修道女マザー・テレサ(1910~97年)は来年9月にも列聖(聖人)されることになった。テレサは1979年、修道会「神の愛の宣教者会」を創設し、貧者救済に一生を捧げた。 その功績が認められ1979年のノーベル平和賞(1979 年)を受賞し、死後は、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の願いで2003年年10月19日に列聖の前段階の列福(福者)されたことは良く知られている。そのテレサが今度は列聖されることになった。 

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私たちが失ったもの

当方は最近、2冊の小説を読んだ。1つは村上春樹著「海辺のカフカ」、もう1つは小川洋子著「博士の愛した数式」だ。 いずれも一気に読めた。「海辺のカフカ」では幼少時代の記憶を失う一方、猫と会話できる「ナカタさん」に、「 博士の愛した数式」では、交通事故で記憶が80分しか保たなくなった主人公の数学者の言動に、非常に感動を覚えた。「 ナカタさん」も「数学者」も社会から取り残された環境下で生きている。物語では、行方不明となった猫を探す「 ナカタさん」や、一日中、数式を考え、数学の懸賞金問題の解明に耽る「老数学者」の生き方、 その言動に他の登場人物が次第に惹かれていく様子が巧みに描かれている。 

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難民と人々の出会いのスケッチ

オーストリア最大の難民収容所トライスキルヒェに入ったアフガニスタンの青年は、「難民が多くて、 テント生活を強いられているが、3度の食を与えられ、薬ももらえる。オーストリア政府には感謝している。 なんといってもここは安全だからね」(オーストリア国営放送ニュース番組で)と答えていた。 

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君は「多様性」の果てに何を見るか

南米3カ国訪問中のローマ法王フランシスコは11日、パラグアイの首都アスンシオンの市民集会で、「 社会の発展には多様性が不可欠だ」という趣旨の話をしたという。同集会には同性愛者グループが招かれていた。   フランシスコ法王の「多様性」は同性愛者を支持する意味で使用されたのではないという。だから、法王の発言を取って、 カトリック教会が同性愛者を承認したとは受け取れない。しかし、 フランシスコ法王は同性愛者が招かれていることを知ったうえで、「社会の多様性」 という言葉を意識的に選んだことは間違いないだろう。 

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“美しい貧困者”はどこにいるのか

資本家に搾取されている労働者の解放を標榜し、資本主義に挑戦した共産主義は“赤い貴族”を生み出し、 独裁政権を構築した後、自壊していったが、貧しさ、貧困の解放を標榜する思想や運動が生まれる時、革命を迎える。「 貧困は時限爆弾だ」と評した社会学者がいたが、その爆弾を抱えながら登場したのがローマ法王フランシスコだ。 南米出身のローマ法王は前法王べネディクト16世ら歴代のローマ法王とはその出自が違っていた。「貧者の聖人」、 アッシジの聖人、フランチェスコ(1182~1226年)を法王の名前に選び、奢侈な生活を戒め、 バチカン法王庁の改革を訴えている。 

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聖トーマスに学ぶ「疑い」の哲学

聖トーマスをご存知だろうか。キリスト教会ではイエスの使徒の一人、 トーマスは疑い深い人間のシンボルのように受け取られてきた。「ヨハネによる福音書」によると、 トーマスは復活したイエスに出会った時、イエスが本物かを先ず確認しようとした。 イエスのわき腹の傷に自分の手を差し込んで、その身体を確かめている。イエスはトーマスの求めに応じたが、「 見ないで信じる者は、さいわいである」と述べている。だから、教会で疑い深い信者がいたら、「 君は聖トーマスのようだね」といってからかう。 

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焼香を拒む韓国人の“病んだ情”

“隠れキリシタン”という表現に倣うとすれば、当方は“隠れ韓国ファン”だ。 日本の多くの文化遺産が朝鮮半島経由で日本に入ってきたことを知っている。 朝鮮民族と日本民族には同一性と相違点があることも学んできた。それでも「これはどうしたことか」 と思わざるを得ない出来事が16日、韓国メディアで報じられていたのだ。その話をする。 

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「どの人生にも『意味』がある」

オーストリアの精神科医、心理学者、ヴィクトール・フランクル( Viktor Emil Frankl,1905~1997年)が生まれて今月26日で110年目を迎えた。ジークムンド・フロイト(1856 ~1939年)、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)に次いで“第3ウィーン学派”と呼ばれ、ナチスの強制収容所の体験をもとに書いた著書「 夜と霧」は日本を含む世界で翻訳さ れ、世界的ベストセラーとなった。独自の実存的心理分析( Existential Analysis )に基づく「ロゴセラピー」は世界的に大きな影響を与えている。 その心理学者の功績と生き方を紹介した世界初の博物館が26日、フランクルが戦後長く住ん でいたウィーンの住居でオープンされた。 

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「祈る人」が直面する試練

イスラエルの3人の青年が拉致され、後日、死体で発見されたというニュースが報じられた。 イスラム過激派組織ハマス側は関与を否定したが、イスラエル側は「ハマスの仕業」として報復を宣言した。その直後、 今度は1人のパレスチナ人の青年の死体が見つかった。イスラエル側は「パレスチナ人青年殺害とは関係ない、 ハマスの軍事拠点を中心に軍事攻撃をしたが、民間人を衝撃の対象としていない」と弁明したが、パレスチナ側は「 イスラエル側の報復」と確信し、イスラエルへの批判を強めている。 パレスチナ側とイスラエルの紛争はここにきて暴発する危険性を高めてきた。 

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韓国とユダヤ民族はここが違う

「ユダヤ民族は非常に知恵ある」ということを最近痛感させられた。ユダヤ民族はナチス・ドイツ軍によって数百万人の同胞を失った。大戦終了後、ナチス・ハ ンターと呼ばれたサイモン・ヴィーゼンタール氏(1908~2005年)は同胞を殺害した元ナチス責任者を世界の隅々まで探し回り、司法の場に引っ張っていった。その執念は想像を絶する。 その一方、毎年1月27日の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」 (International Holocaust Remembrance Day)には、民族を救済してくれた「ユダヤ民族の救済者」を称えるイベントを開き、感謝を表明している。 

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