モラルに反する研究の容認傾向を阻止する
採決の結果は決まっている。我々は病気であることより健康であることを望み、その多くが人々を苦しめる疾病の治療方法を模索している。分かりきったことだと言われるかもしれないが、国際的なメディアについてはこの限りではないようだ。胚性幹細胞に関する研究は、あらゆる重病を治癒に導くかもしれない有望な研究の支持者と自分の(非合理的な)信念を譲るくらいなら人々が病気に苦しむのも仕方ないと考える反対者との対立という形で報道されることが多々ある。CNNの報道からその一例を挙げよう。2001年7月17日のCNNヘッドラインでは、胚性幹細胞の研究に異議が唱える人々に「研究活動の敵」というレッテルが貼られた(1)。異なる研究が各々に支持されている理由は提示されなかった。いや、胚性幹細胞の研究に反対する者は、研究全般の敵として描かれているのが実情である。この報道では、他の研究は全く紹介されなかった。
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