子育ての意義を考えるチャンス
「子ども手当」や「高校授業料無償化」がいよいよ現実化しそうである。この際、 この画期的な企てが何を意味するかを考える機会にしなければならないと思う。なぜなら、現代の家庭は、 社会と文化の急激な変化のあおりを受けて危機に直面しているからである。
Continue reading重要な問題について明確に考える
「子ども手当」や「高校授業料無償化」がいよいよ現実化しそうである。この際、 この画期的な企てが何を意味するかを考える機会にしなければならないと思う。なぜなら、現代の家庭は、 社会と文化の急激な変化のあおりを受けて危機に直面しているからである。
Continue readingさる7月13日、参議院本会議において、臓器移植法改正案(いわゆるA 案)が可決され、成立した。これによって、わが国では脳死が一律に人の死とされ、また本人の意思が不明な場合は、 家族の書面による同意があれば、臓器移植が可能となり、15歳未満の臓器摘出と移植も容認されることになる。
Continue reading10月ともなれば、南国鹿児島にも秋が来て、わが家の庭の木々の落ち葉かきに忙しくなる。ひらひらと舞う落ち葉の一つにも人生の無常を感じ取る仏教徒ならずとも、やはり秋は人生の終末を想い、本当の幸せはいずこにと問う季節である。
Continue readingこのところ、メディアは連日、朝から晩まで自殺や殺人のニュースやその続報でもちきりである。聖書を見れば、 殺人は世の初めからあったもので珍しくもないが、文明開化の現代においてもなくならないのがむしろ問題である。 直接の理由はいろいろあると思われるが、その背景に何があるのか。
Continue reading来年5月に始まる裁判員制度を前に、わが国における死刑制度の存廃が改めて問われているが、 圧倒的多数の死刑存続論にかんがみ、仮釈放のない「終身刑」を創設する超党派の動きが加速しているという( 朝日新聞6月5日)。では、カトリック教会は死刑制度について何を指摘しているのだろうか。
Continue reading「人はすべての家畜、空の鳥、野のすべての獣のそれぞれに名をつけたが、人にふさわしい助け手は見つからなかった」( 創世記2:20)。人間のふさわしい助け手は人間しかない。しかし現在、互いが助け手となる「人間相互のかかわり」、 つまりヒューマン・エコロジー(人間環境)、ソーシャル・エコロジー(社会環境)に異変が生じている。
Continue reading旧ろう30日付の朝日新聞は、「卵子で遺伝子一括診断 数千種類の病気 精度9割以上」の見出しで新しい生殖医療を米 ・中の大学が開発したと報じた。結婚した夫婦だけに保留された“いのちの聖域”への医療技術の介入新事情である。
Continue reading「2009年10月7日のクローズアップ現代『“助けて”と言えない-いま30代に何が-』の放送後、私たち取材班を待っていたのは予想外の反響の広がりであった」。「他人事ではない」「明日はわが身」といった多くの若者からの反響のことで、単行本を出した番組取材班の言葉である。
Continue readingこのところ、所在不明高齢者の問題がにわかにクローズアップされてきた。調査が進むにつれ、 ますます深刻な事態になっている。これは、直接的には家族や役所の問題であるが、なぜこんな問題が起こったのか、 そもそもの原因を追求することも重要である。
Continue reading「命ってちょっとの間与えられているというか、誰もが借りているだけ、という気がしているんですね。だから、 いつか返す時が来る。ところが、ついこれは俺の命、って所有化しちゃうでしょう人間は。命を私物化すると「返さーん」 とこだわりがでてくる」(文芸春秋誌3月号)
Continue reading去る1月31日夜のNHK/BSテレビ番組「無縁社会」は実にショッキングなドキュメンタリーであった。 2008年には、無縁死して遺体の引き取り手がなく、無縁墓に納められるケースが年間三万二千件に上ったという。 この驚くべき実態の原因と対策は何か、あらためて考えてみたい。
Continue reading「胎児の状態を知る『新型出生前検査』の臨床研究と応用をめぐる議論が盛んだ。この検査は、 妊婦の血液から胎児の特定の染色体の状態を知ることができ、 これまでの検査よりも妊婦の身体的負担が少ないことと検査精度が高いことが特徴である」
Continue readingさる7月22日の朝日新聞の『耕論』欄に、「iPSから生殖細胞」と題して、「 あらゆる細胞や組織になりうるiPS細胞から、ヒトの生殖細胞(精子や卵子など)をつくる研究が始まっている」として 、3人の識者の意見を掲載していた。
Continue reading金融バブルの破綻によって生じた世界同時不況の中で、多くの貧民層がその被害を受けたが、 こうした困難の中で人の情けもまた顕著になったような気がする。 企業の社会倫理を主張して起こされる社会企業の話はもとより、民間に見られる善意や愛の行動は、 マスコミに現れるものとは比較にならぬほど豊かに行われているのではないか。 今回はこの善意や愛のルーツに思いを馳せたい。
Continue reading身体の医療は重要であるが、そこには様々な制約や限界がある。しかし、キリスト教信仰は「究極の健康」と「いのちの開花・充満」を約束する。
Continue reading再生医療のために身体的のあらゆる部分になる可能性を持つ万能細胞(幹細胞)の開発が待たれてきた。そんな中、昨年11月、京都大学の山中伸弥教授らの研究グループが、待たれながらも期待薄であった受精卵を使わないiPS細胞(人工多能性細胞)を作ることに成功したという発表は、朗報となって世界中に大きな反響を呼び起こした。その大きな反響の主たる原因は何であろうか。
Continue reading物資文明の豊かさを享受してきた日本人は、突如襲ってきた大震災によって人間のはかなさをあらためて思い知らされた。しかし同時に、人間のいのちをいとおしむ心もまた強く意識されたのではないか。そこで、いのちとは何か、その神秘を考えてみよう。
Continue reading「結婚しなくてもいい」70パーセント、「子ども要らない」最高42パーセント、「一人暮らし」全世帯の34. 4パーセント、「孤独を感じる」15歳29.8パーセント、09の年間自殺者三万人超。 これらは昨年の暮れあたりから新聞に出てきたフレーズの数々である。「人間共同体の危機」を感じさせる。 これにどう対処すればよいか。
Continue reading毎年、1月1日はカトリック教会が設定した「世界平和の日」である。教皇ベネディクト16世の2008年「世界平和の日」メッセージは、「人類という家族―平和の共同体」をテーマとして発せられたもので、平和であるべき世界の基本的な理念を表明した極めて重要な問題提起である。かなりの長文で濃密な内容なので、ここには問題提起の意義を指摘しておきたい。
Continue reading「カトリックの影響が強いドイツでは、法律で胚の作製や研究利用を厳しく規制しているが、(中略)わが国には、こうした大原則はない。科学技術の進歩を後追いする形での法や指針があるだけだ。この機会に、宗教や哲学、科学などの学問の垣根を越えた幅広い英知を結集し、国民の合意を得るべく公開の場で「人」の始まりや終りを論じてみてはどうだろう」。
Continue reading東日本大震災はあまりにも衝撃的であった。日本人がひたすら信じてきた「成長神話」も、それを支えてきた科学技術も、自然の猛威の前に無力を証明してしまった。この惨事を目のあたりにして、山積していた日本の課題が忘れ去られてしまった。
Continue reading大きな漁船が軽々と陸地に運ばれ、車や民家が木の葉のように押し流される光景をテレビで見て思わず息をのんだ。3月11日の東日本大震災である。震災によって引き起こされた福島第一原発の事故は放射能汚染の恐怖を拡散している。
Continue readingある日の昼のニュースで「過労死・過労自殺に関する電話相談」が行われていることが報じられていた。そういえば、先般の警察庁の発表によると、昨年の自殺者は全国で3万2千155人に達し、9年連続で3万人を越えているという。それに、生徒や学生の自殺も増え、統計を取り始めた78年以降で最も多くなったという。
Continue readingこうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)の運用が始まった。赤ちゃんポストについては反対論や慎重論もかなりあったが、賛成論が次第に大勢を占めるようになったという。今度の企ては、いのちの尊厳や、子育てに困難を背負う孤立した母親たち思い出させ、子どもたちの養育を引き受けたいという善意を呼び覚ましたから、まさに摂理的であったといえる。
Continue reading長崎市長銃殺事件や米国の大学における大量銃殺事件は衝撃的であった。しかし、このところ中近東その他における自爆テロやその報復をはじめ、内外における殺傷事件が報道されない日はないほど日常茶飯事となり、当事者を別にすれば、あまりにも当たり前のことで、もはや衝撃的ですらなくなった感がある。この深刻な事態は、単に銃規制で解決されるような生易しいものではなく、もっと根本的な対策が求められているように思う。
Continue readingいま、教育に関する議論が盛んである。学校崩壊や教育崩壊の言葉が飛び交い、教育のひずみやゆきづまりが心配されているのである。そこで今回は、教育再生の鍵であると思われる家庭の教育的役割とその危機について、日ごろ思うところを述べてみたい。
Continue readingさる2月、この欄で「オバマ大統領、妊娠中絶を容認」と題した記事を公開したが、これに対していくつかのご意見をいただいた。人工中絶を選択する女性に対する同情と同時に、厳しい倫理を押し付けて自分は何もしないとして教会を非難する言辞が中心であったように思う。人工妊娠中絶についてこれを容認する意見があることはわたしも十分承知しており、あえて反論するつもりはないが、もう少し教会の立場を説明しておきたいと思う。
Continue reading「オバマ大統領は23日、妊娠中絶を支援する団体への連邦予算の拠出制限を解除する大統領令に署名した。これに伴い、保守派が「中絶に使われている」と主張してブッシュ前政権時代に中止されていた国連人口基金への予算拠出も、再開する意向を表明した」(見出しを含め、朝日新聞ネットニュースから)。
Continue reading私たちは「いのち」や「平和」の尊さについて話し合うことがあります。世の中が何かと物騒でせわしなく、人の心を不安にさせることが多い現代において、「いのち」と「平和」について語られることが増えるばかりです。
Continue reading私たちは「ノルレボ錠0.75mg」の製造販売承認に反対します。理由は以下の通りです。
Continue reading