人類は一つの家族
毎年、1月1日はカトリック教会が設定した「世界平和の日」である。教皇ベネディクト16世の2008年「世界平和の日」メッセージは、「人類という家族―平和の共同体」をテーマとして発せられたもので、平和であるべき世界の基本的な理念を表明した極めて重要な問題提起である。かなりの長文で濃密な内容なので、ここには問題提起の意義を指摘しておきたい。
Continue reading重要な問題について明確に考える
毎年、1月1日はカトリック教会が設定した「世界平和の日」である。教皇ベネディクト16世の2008年「世界平和の日」メッセージは、「人類という家族―平和の共同体」をテーマとして発せられたもので、平和であるべき世界の基本的な理念を表明した極めて重要な問題提起である。かなりの長文で濃密な内容なので、ここには問題提起の意義を指摘しておきたい。
Continue reading東日本大震災はあまりにも衝撃的であった。日本人がひたすら信じてきた「成長神話」も、それを支えてきた科学技術も、自然の猛威の前に無力を証明してしまった。この惨事を目のあたりにして、山積していた日本の課題が忘れ去られてしまった。
Continue readingこうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)の運用が始まった。赤ちゃんポストについては反対論や慎重論もかなりあったが、賛成論が次第に大勢を占めるようになったという。今度の企ては、いのちの尊厳や、子育てに困難を背負う孤立した母親たち思い出させ、子どもたちの養育を引き受けたいという善意を呼び覚ましたから、まさに摂理的であったといえる。
Continue readingいま、教育に関する議論が盛んである。学校崩壊や教育崩壊の言葉が飛び交い、教育のひずみやゆきづまりが心配されているのである。そこで今回は、教育再生の鍵であると思われる家庭の教育的役割とその危機について、日ごろ思うところを述べてみたい。
Continue readingさる2月、この欄で「オバマ大統領、妊娠中絶を容認」と題した記事を公開したが、これに対していくつかのご意見をいただいた。人工中絶を選択する女性に対する同情と同時に、厳しい倫理を押し付けて自分は何もしないとして教会を非難する言辞が中心であったように思う。人工妊娠中絶についてこれを容認する意見があることはわたしも十分承知しており、あえて反論するつもりはないが、もう少し教会の立場を説明しておきたいと思う。
Continue reading私たちは「いのち」や「平和」の尊さについて話し合うことがあります。世の中が何かと物騒でせわしなく、人の心を不安にさせることが多い現代において、「いのち」と「平和」について語られることが増えるばかりです。
Continue reading中絶をやめさせるには、胎児が人間であるということを、どうしても納得させる必要があります。他のこと、たとえば「かわいそう」とか「その後ずっと罪悪感になやまされますよ」など、いろいろ言ったところで、それは実行後に生じるものであって、実行前のものにはどうも説得力がないと、いつも感じています。そこで誰かそういうことを力強く証明してくれないものかと、いつもまっているのですが、なかなか実現しません。
Continue reading家族になるとはどういう事でしょう?家族の一員としての責任を持つ事でしょうか?
Continue reading東井義雄先生の著書『喜びの種をまこう』の中に次のような子供たちの作文が掲載されていました。
Continue readingワシントンD.C.のMarch for Lifeに触発されて、2014年から毎年7月に東京でマーチフォーライフをおこなってきました。全米でabortionが合法とされた日に連邦裁判所を目指して歩くD.C.のマーチを真似て、日本で中絶が合法とされた日に国会議事堂を目指して歩くことにしました。日本で中絶が合法化されたのは1948年7月13日です。7月13日とはどういう日でしょうか。カトリック信者ならお分かりかもしれませんが、ファティマで聖母が子どもたちに地獄を見せたのが1917年の7月13日でした。その30年後の1948年7月13日は、日本の地獄の始まりです。優生保護法という法律の成立ととともに、産まれる前の赤ちゃんの大量殺戮が始まりました。第二次世界大戦が終わった後の「団塊の世代」と呼ばれる日本のBaby Boomerはわずか3年しか続きませんでした。すぐさまKilling Baby Boomerに取って代われたからです。その法律は、優生思想のもとに人口削減計画をすすめる目的で導入されました。
Continue reading自称、「お産を語るオッサン」である。「お産を語るオッサンの会」を主宰する者である。 お産をとおして劇的に人生が変わった自身の半生と反省を赤裸裸に語る。話はそれだけだが、けっこう人気イベントである 。自分が経営する吉祥寺の飲食店(タイヒバン)で常連客を相手にするだけでなく、あちこちからお呼びもかかる。 名古屋や福岡に出向いたこともある。助産院の先生や針灸師さんなど、 自然出産に携わる人たちに関心をもたれることが多い。また、ときに女子大で生命倫理の講師を依頼されることがあるが、 最近は授業の中身がそっくりお産を語るオッサンの会になる。
Continue reading「今年の7月22日、私は東京の渋谷修道院に会議に参加するために来ておりました。その日の夜、 マルチン病院のシスターから電話があり、母が夕方7時半に亡くなったとの知らせでありました。 すぐに坂出に引き返したかったのですが、翌日は仙台の教会で聖ドミニコ会創立800周年を記念する行事があり、 そこで聖ドミニコについて講演することになっていたのです。母のもとに駆けつけることは出来ませんでした。 シスターにはドライアイスとマルチン病院の聖堂の冷房で対応をお願いし、 気持ちも落ち着かないまま翌日北仙台教会で御ミサを捧げ、午後講演を済ませた後すぐに仙台空港に駆けつけました。夜、 母のベッドに戻ったのは10時過ぎでした。
Continue reading私の診療室に小林里子さん(仮名)22歳が来るようになったのは、一年半前のことでした。高校生の頃からダイエットを試みることが幾度もあり、一時的に成功してもリバウンドでもとに戻ってしまいがっかりしてイライラが続き、今度は過食と嘔吐を繰り返す日々が続くといったありさまでした。体重が一定しないのと感情の波が激しいことの間にはかなりの関連性があるのです。抗うつ剤、安定剤、睡眠剤を服用しながら規則的な食事を摂る生活をしようと励んだ結果、精神的にも落ち着きを回復し、恋人もできて結婚したのです。新しい生活が始まり、希望をもって生活してゆきました。
Continue reading高齢者の不在問題が急速に表面化している。恐ろしい話である。 いったいその高齢者たちはどこへ消えてしまったのだろうか?特に実子など、 一親等の身内がいることが明らかにもかかわらず、生死の確認もできないというのは尋常ではない。
Continue readingつい先ほど、「マドンナ・ヴェルデ」というNHKドラマを30分ほど見た。連続ドラマで、どうやら代理出産に関する重いテーマのドラマらしい。断片的な鑑賞で、一応ホームページであらすじを確認した。
Continue readingNHKクローズアップ現代(12/8) 「ある少女の選択~“延命”生と死のはざまで」 今回のクローズアップ現代は大変印象深く、心揺さぶられる内容であった。
Continue reading皆様も、嬰児や乳幼児の遺棄事件、家庭内での虐待事件、虐待の末に死亡させてしまう事件などに、 心を痛めて居られることと思います。嬰児殺しの実行犯の90%は実母です。事件の数が多く、新聞も全国版では無く、 その地域の地方版にしか掲載されなくなっています。
Continue reading1 内部被曝問題研究会の誕生 被曝後66年、原爆放射線の被害、特に内部被曝問題が医学、医療関係者の間で公式に論議されたことがあったのか、 どうか、あったとすれば、その結果、どのような結論になっているのか、寡聞にして筆者は聞いていない。
Continue reading(定義によれば、文明社会は弱者を権力で押さえつけたり殺したりしないとしている。それを行う社会は、自らを文明社会と称する権利を失うのである。)—マーク・ピックアップ
Continue reading赤ちゃんが何を考えているだろうかとか、赤ちゃんの心に何が起きているのだろうかとか考えたことがありますか。私は赤ちゃんに本当に戸惑った時がありました。私は赤ちゃんにどう話しかけ、赤ちゃんとどう関係を持ち、さらにはどう理解したらいいかわかりませんでした。どうしてお母さんが赤ちゃんが求めているものや、どこが痛いのかや、赤ちゃんの喜ばし方がわかるのか私はよく不思議に思いました。というのはお母さんは普通の言葉で赤ちゃんと意志疎通はできないからでした。
Continue reading序論 現在、新しい千年期の最初の復活祭のシーズンを迎えています。私たちは復活祭の重要性と、神がその子であるイエス・キリストの生と死と復活を通じて私たちのためにしてくださった全てのことを今もなお考え続けているのです。私たちは、素晴らしいことが私たちを待ち構えていることを知っています。60億の人々が生き、教育や科学やテクノロジーが発達した現在、21世紀が、宗教経験が増す時代になるか、大いに危険に満ちた時代になるか、そのどちらかであろうと信じることは当然のことだと思います。
Continue reading両親が最も愛するのは? 自分達の子どもだろう。子ども達が最も愛するのは? 自分の両親だろう。しかし我らが主は、キリストよりも自分の子どもや両親を愛する者は、神にふさわしくないと説く。キリストは「私より汝の配偶者を愛するなら、私にはふさわしくない」と語ったとも伝えられる。この言葉の真意は? 自分のために最も尽くしてくれる相手を最も愛するべきだと、キリストは私達に理解してほしかったのだろう。我々はなぜ両親を愛するのか?生活を共にし、毎日、場合によっては毎時間、心と体、全方面から私達を慈しみ、無数の愛情をもって世話してくれ、その愛に終わりがないからである。
Continue readingジョーゼフ・スターリンはかつて、死が全てを解決すると言いました。死は、きたならしさやあいまいさ、優柔不断や疑惑、苦しみや苦痛を終わらせます。しかしそれは繁栄をもたらす人間のすべての素晴らしい面も一緒に終わらせてしまうのです。
Continue reading人はさまざまな約束をしながら生きている。明日の約束もあれば、死ぬまでにきっと、という誓いのようなものもある。 キリスト教圏には神との契約という考え方があるが、これだって約束の一種に違いない。
Continue reading毎年、猪苗代町が主催する「母から子への手紙」コンテストの審査に関わっている。これはアメリカ留学中だった野口英世に宛てて書かれた母シカさんの手紙に因み、母が子を想う切々たる慈愛の気持ちを現代日本で掘り起こしたい、という主旨の募集なのだろうと思う。
Continue readingこの夏、二人の青年がお寺に別々に訪ねてきた。一人は滋賀県から、もう一人は埼玉県からだ。 なぜ二人を一緒に語るのかというと、二人とも自転車でやってきたのが新鮮だったからだ。
Continue readingデザインベビーという言葉が使われるようになって久しい。アメリカではノーベル賞受賞者の精子を高く買い、美人でグラマラスな女性の卵と受精させる、というのもあながち冗談ではないらしい。
Continue reading最近の新聞の死亡記事は、満年齢で書かれることが多い。うちの寺では死亡年齢を「数え年」で書くため、 ちょっとした混乱が起こることもある。まぁ混乱といったって、生き返るほどのことはないが……。
Continue reading日本人は何度も春を祝う。 お正月には「頌春」とか「寿春」と書き、もう春を祝っている。また節分は本来一年に四回あり、立春、立夏、立秋、 立冬の前日をすべて「節分」と呼ぶのに、特に立春の前日だけを行事として祝う。
Continue reading最近、どうも屋根裏にネズミがいるようだ。本堂の屋根裏にはハクビシンがいるからそちらには行かないのだろうが、 庫裏ではときどきネズミが何かを転がして遊んだりする。
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