フランシスコ教皇が日本と日本の教会に期待する2番目の課題は、正義と平和に関して主導的な役割を担うことです。
1981年、ヨハネ・パウロ二世教皇が広島平和記念公園で発言した有名な言葉があります。「戦争は死です」。「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことです」。この短い言葉は強烈な印象を日本人に与え、教科書にも取り上げられています。
38年ぶりの教皇来日となった、フランシスコ教皇は2019年11月24日、長崎の爆心地公園で次のような言葉を残しました。
「軍備拡張は、貴重な資源の無駄使いです。……核兵器から解放された平和な世界。それは、あらゆる場所で、数えきれないほどの人が熱望していることです。この理想を実現するには、すべての人の参加が必要です。……核兵器の脅威に対しては、一致団結して応じなくてはなりません。それは、現今の世界を覆う不信の風潮を打ち破る相互信頼によって築く、困難ながらも堅固な構造に支えられているものです。1963年に聖ヨハネ23世教皇は、回勅『地上の平和』(Pacem in Terris)で核兵器の禁止を世界に訴えていますが、加えてこう断言しています。『軍備の均衡が平和の条件であるという理解を、真の平和は相互の信頼の上にしか構築できないという原則に置き換える必要があります。……核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信をもって、政治をつかさどる指導者の皆さんにお願いします。・・・・・』」
更に、同日11月24日の広島平和記念公園での「平和のための集い」で、次のように強調なさいました。
「確信をもって、改めて申しあげます。戦争のために原子力を使用することは、現代においては、これまで以上に犯罪とされます。人類とその尊厳に反するだけでなく、わたしたちの共通の家の未来におけるあらゆる可能性に反する犯罪です。原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています。‥‥‥実際、より正義にかなう安全な社会を築きたいと真に望むならば、武器を手放さなければなりません。・・・・・思い出し、共に歩み、守る。この三つは倫理的命令です。……」
上記のフランシスコ教皇の呼びかけに応えて、日本司教団は核兵器禁止条約への署名および批准を要請して、司教団会長の名前で次のような声明を出しました。
『核兵器から解放された平和な世界』を実現するために、カトリック教会も『核兵器禁止条約を含め、核軍縮と各不拡散に関する主要な国際的な法的手段』を支持します。被爆者をはじめ国内外の無数の人びとは、唯一の戦争被爆国である日本が核兵器廃絶に関して国際社会をリードすることを期待しています。それに応えるためにも、『核兵器禁止条約』への署名および批准に対してご英断を下されるよう要請いたします。
2019(令和元)年12月12日 カトリック長崎教区大司教 高見三明
唯一の被爆国である日本が核兵器禁止条約に署名、批准をしていない状況は悲しく切ないものがあります。この8月、司教団の声明が大きなうねり、運動となっていくことができるように一人ひとり努めてまいりたいものです。
Matsuo Mitsugi(マツオ ミツギ)
松尾 貢
主任司祭
Copyright ©2021年08月15日
2025年12月28日掲載許可取得