日本 プロライフ ムーブメント

誰も語らなかったいのちの真実

中絶については、これまでに膨大な数の記事やスピーチ、ミーム、コメントなどが世に出されてきました。その数はあまりにも多く、正確な数を知ることはほぼ不可能でしょう。にもかかわらず、中絶という行為が「殺人行為である」と公の場ではっきりと言う人を見つけるのは難しいのが現実です。

そうしたあいまいで真実をぼかした議論が渦巻く中、ひとりの鋭い論者が核心に迫る発言をしました。テレビドラマ『ガールズ』における中絶のシーンを取り上げ、彼はこう語ったのです。

【マット・】ウォルシュは自身のポッドキャストでこのシーンを取り上げ、「プロライフ運動は、中絶によって被害を受ける女性がいる一方で、自ら進んで意図的に赤ちゃんを殺す決断を下す女性もいるという現実を、往々にして見過ごしている」と述べました。

すべての女性を一様に「被害者」として扱うのではなく、生まれる前のいのちを意図的に奪った者——それが父親であれ母親であれ、あるいは中絶を行った第三者であれ——は「殺人を犯した」と明言すべきです。

プロライフ団体がこの単純な立場を否定するとき、それは「中絶は殺人である」との信念に矛盾するだけでなく、「母親自身が手を下す限り中絶は許される」という誤ったメッセージを広めることにもつながります。

しかし、妊娠中の母親が「自らの意思で赤ちゃんのいのちを絶つことを選び、場合によっては自分で費用を負担している」というごく簡単な事実を語ることさえ、今の政治的に歪められた空気の中では“言い過ぎ”とされてしまうのです。

けれど、大切なのはこの一点です。妊娠中の女性は、自分の体の中に「人間」を宿しています。この生物学的な事実を理解するのに、大学の学位も高度な知性も必要ありません。妊婦のお腹を見た幼い子どもでさえ、「赤ちゃんがいる」と自然に気づくでしょう。

にもかかわらず、世の中の政治的・社会的な空気に流されると、「赤ちゃん」という存在は見えなくなり、代わりに中絶を正当化するための空虚な言葉が使われるようになります。母親が赤ちゃんを殺しやすくなるように、あるいは最近では、自ら薬を飲んで実行しやすくなるように仕向けられているのです。こうした薬の一部は、今やインターネットで簡単に手に入ります。

こうした状況を「進歩」と呼ぶ人もいますが、私たちはそうは思いません。

生まれてくる前のいのちを奪う行為を「より簡単に、より手軽に」行えるようにする過程で、ある重大な真実が見失われています。それは――もしもそこにいのちが存在していなければ、薬を飲む必要も、手術を受ける必要も、自らの赤ちゃんの死を確実にしようとする必要もない、という厳然たる事実です。

この話が冷たく、思いやりに欠けているように聞こえるなら、どうか深呼吸してください。

私たちは、あらゆる年代の無実のいのちを守る者です。政治的な目的のために語っているわけではありません。

私たちは真実を知っています。そしてそれを分かち合い、注目を集め、広く発信することにためらいはありません。それは、決して「非人道的」だからではありません。むしろその逆です。私たちは、かつてポゴが言った「敵とは私たち自身だった」という考えを拒否しているだけなのです。敵とは、常に人を欺き、決して真実を明かさない存在です。それこそが、私たちが日々戦っているものです。(ヤコブの手紙4章1節参照)

真実は、あなたを、そして生まれる前のいのちを自由にします。
でもそのためには、まず「語ること」が必要です。

なぜなら――語られぬまま放置された真実は、これまでに数えきれないいのちを奪い、文字通り“死の荒野”を生み出してきたからです。

Brown, Judie (ブラウン・ジュディ)

アメリカン・ライフ・リーグ
Copyright © 2025.7.18
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翻訳者 大岡 滋子

翻訳日  2025年8月11日
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