私たちの中に潜む差別思想
相模原で知的障害者を19人も刺し殺すという大変いたましい事件が起きました。殺された人数の多さも衝撃的ですが、 事件の本質は何と言っても犯人の動機にあります。「障害者は死んでくれた方がいい」 このような歪んだ考え方が19人もの大量殺人につながったと思います。
Continue reading重要な問題について明確に考える
相模原で知的障害者を19人も刺し殺すという大変いたましい事件が起きました。殺された人数の多さも衝撃的ですが、 事件の本質は何と言っても犯人の動機にあります。「障害者は死んでくれた方がいい」 このような歪んだ考え方が19人もの大量殺人につながったと思います。
Continue reading今から12年前のことです。 僕の目の前に現れた女の子はおしゃまで利発で目のくりくりした可愛い子でした。今、考えてみると、 年齢は現在の僕の長女とほぼ同じではないでしょうか?顔まで何やら似ている気もします。
Continue reading一 般 原 則 キリスト教社会では、長い歴史を通して、人は、「結婚」した「一夫一婦」のカップルの「性的関係」 の結果生まれるのが当然で、他のケースは非倫理的なものとして捉えられて来ました。ところが、現在、 ある社会で認知されているものには、「結婚していない」女性から生まれたり、「一夫多妻」の環境の中で生まれたり、 人工的受胎(人工授精・体外受精等)に見られるように「性的関係なし」に生まれたりしているケースがあります。 これらのケースは、皆、非倫理的と断罪すべきことでしょうか。まず、この点に関して考えてみましょう。
Continue reading〈ねらい〉セックスに関しては理性どおりにいかないことがかなりあるということを認識させると共に、セックスの本当の意味と目的について理解を深めさせる
Continue readingまず、言葉の整理をしておきましょう。受精してから誕生するまでの人間は、「胎児」と呼ばれる以外に、 特にその初期には、「胎芽」または「胚芽」、および「接合体」または「接合子」と呼ばれることもあります。
Continue reading<ねらい>人間の尊厳性の「理由」について考えさせる。 <資 料>親の形見の例になりそうな、時計、財布等の小物。旧約聖書の「創世記」。
Continue reading大分前のことになりますが、神奈川県のとある病院で、中絶された胎児の遺体を一般のゴミとして処理していたという事件がありました。胎児の体を者としてではなく物として処したということなのでしょうか、ここには胎児への尊敬などなかったようです。こんな事件が起こる度にひどいと思います。しかし、問われるべきは処理前のいのちある胎児、母胎への配慮のなさなのかもしれないと思いました。
Continue readingあなたが浜辺に居ると想像して下さい。子ども達が親の監視の中で、水をぱちゃぱちゃと飛ばして遊んでいます。ティーンエイジャー達は日光浴をしています。何人かの若者はバレーボールをしています。
Continue readingヒトはいつからヒトなのか?この質問に対し、最新の科学に基づいてできる限り正確な答えを出したいと思う。現代の生物学では、祖先は物質的連鎖の連続によって子孫を残すことが明らかになっている。すなわち、男性の細胞(精子)によって女性の細胞(卵子)が受精することで、その種に新しい生命が誕生する。生命は非常に長い歴史を持っているが、各々の生命は、とても貴重な出来事、すなわち受精の瞬間から始まっている。
Continue readingローとウェイドの裁判では、ヒトがどの段階からヒトになるのかは実際のところ誰にもわからないため、その判断は個人に委ねるという判決が下された。この裁判以降、科学は目覚しい進歩を遂げている。本件では、1973年の時点と比較して、我々がヒトであることの始まりについていかに多くの知識を得たか説明したいと思う。
Continue reading(司会) 今日はローマから教皇庁家庭評議会局長のジャン・ラフィット司教様をお迎えしました。 本日の講演会のテーマは「子どもたちを私のもとに来させなさい。妨げてはならない」です。 司教様は、フランスのサントマリーで1952年にお生まれになり、現在58歳です。 1989年21年前に司祭に叙階され、2009年10月に教皇庁家庭評議会の局長に任命され、 12月12日に司教に叙階されました。カトリック信徒の団体である、エマヌエル共同体のメンバーでもおられます。
Continue readingイエスは、もし誰かが教会の教えさえも聞くことを拒否するなら、あなたが異教徒や収税役人を扱うごとくにその人を扱えと言われるとき、私たちに非常に厳しい警告を発せられているのです。言い換えれば、もし教会の教えを聞くことを拒否すれば、とても困ったことになるとイエスは私たちに言われたのです。ある特別な道徳的問題が一つあり、その問題に関しては、多くのカトリック教徒が教会の教えに即した考え方をしていない、又は行動をしていないことが調査によってわかっていますが、それは、実際かなり不幸なことなのです。
Continue readingこの地球の陸上、そして海中では刻一刻と新しい命がうまれ、はぐくまれている。 自然環境とその生きとし生ける命の大切さに関心が寄せられている今、 二つの生き物の雄が命の誕生にかかわる物語を皆さんと分かち合いたいと思います。
Continue readingいのちの始まりとその連続体の確立は、生物学者(発生学者)にとって理解が難しい事実ではない。残念ながら、これらの事実は、政治的な見解に都合がいいように再解釈、再定義されてきた。したがって、ヒト発生学は、社会法律的・政治的な声明として書き直される危険に面している。
Continue reading現代人が科学と技術の進歩に眩惑されるのも無理からぬことである。しかし、こういうときだからこそ、折に触れて現状を振り返り、科学技術の「進歩」が人類にとって後退を意味するものでないか自問することが必要である。
Continue reading二十世紀後半から遺伝子操作や細胞融合など、生命科学(ライフサイエンス)の発展に伴って、生命をどこまで人為的に操作すべきか.あるいは個人の生命の尊重などの問題が、従来の生命観では対処できなくなってきた。このような生命の倫理上の問題を扱う専門分野が、バイオエシックスである。これはギリシャ語のバイオス(bios=生命)とエシケ(ethike=倫理)からきた造語と、国際化新時代の外来語辞典で知った。
Continue reading門松80回目の正月を前にしてこの一文を綴っている。日本人の平均寿命を超える、 ずいぶんと長い人生をいただいたものである。戦前、戦中、戦後を経て今日まで、 めまぐるしく変わっていった時代に生きてきて、出遇った様々な人や出来事を感慨深く思い浮かべている。そして今年は、 どうしてか長い間忘れていた「年の始めの歌」を思い出した。
Continue reading先日、珍しい友人が突然訪ねてきてくれた。イエズス会の元管区長粟本昭夫神父である。80歳になる彼は、 東京からレンタカーでドライブしてきて、九州各地の殉教地や教会を巡礼しているのだという、老いても元気な神父である 。その夜は、隣に住んでいる同じくイエズス会員である「内観」の岡俊朗神父を交えて夕食を共にして語り合った。
Continue reading先日の定期診察で採血をしてくれた看護師は緑の衣服を着けていた。隣で採血していた看護師は真っ赤な服だった。 何か変な感じがして、思わず「もう白衣の天使ではないのですね。なんと呼んだらいいんでしょう?」とつぶやいたら、「 先日ある会合でカラフル天使と呼ばれました」という返事が返ってきた。「なるほど、そういえばそうですね」 と答えたものの、親しんできた看護婦さんから看護師さんに変わってまだ十分心の整理がつかないうちに、 白衣の天使がカラフル天使に変身する。長生きしているといろんなことに出会う。
Continue reading「エロスと甘え」とは奇妙な取り合わせだが、最近読んだ本の中でこの二つは「求める愛」という表現の中で一つにつながったのである。その本とは、一つは教皇ベネディクト16世の回勅『神は愛』(2005年・邦訳はカトリック中央協議会)であり、もう一つは土居健郎の『続「甘えの国」』(2001年、弘文堂)である。これは、独りでは生きられない人間本来の姿を理解するうえできわめて重要だと思うので、あえて話題にしたい。
Continue reading「日本の闇は深すぎるのでしょうか」という嘆きとも問いかけとも取れる言葉が先月のプログの書き込みにあった。 これを年の初めの話題にしたいと思う。
Continue reading熊本慈恵病院の「赤ちゃんポスト」の計画に大賛成である。赤ちゃん受難時代の朗報である。 厚生労働省はよくぞOKしたものである。
Continue reading先日、テレビのチャンネルを変えていたら、精子バンクを利用して子供を産んだアメリカの、あるシングルマザー( 未婚の母)のインタビュー番組が目に入った。まず驚いたのは、精子バンクという商売が繁盛していること。 さらに驚いたことに、そのシングルマザーは言ったのである。「精子バンクを使えば後腐れがない。 自分独りで自由に子育てができる」と。後腐れとは何たる暴言、独りで育てるとは何たるうぬぼれ。一言、 世に警告を発せざるを得ない気分になった次第。
Continue readingこのほど、今評判になっている本、『生かされて。』を一気に読んだ(イマキュレー・イリバギザ著、PHP、2006) 。十年余り前、アフリカのルアンダで吹き荒れた民族浄化の大量虐殺の時代、両親と兄弟二人を奪われた中で、 肉親への愛情と共に、これに反比例するかのように繰り返し沸き起こる憎しみと復讐の情念に打ち勝って、「ゆるし」 というキリスト教の恵みを文字通り身を持って体現した一人のカトリック信者の物語である。 彼女が神のゆるしに与って救われたということは、彼女が真にカトリック信者としての教養を身に着けていたと同時に、 本書の中で彼女自身が言うように、深く長い祈りの中で神の愛に触れたためだと思うのだが、このゆるしのゆえに、今、 本当に平和であり幸せであると彼女は断言している。
Continue reading安倍首相の「美しい国」という表現には正直驚いた。しかし、考えてみれば、なかなか面白い発想であり、 検討に値すると思う。これに対する教会の見方は何であるかとの質問もあるので、わたしの意見を述べてみたい。
Continue readingキリスト降誕の神秘的な夜、天使たちは羊飼いたちに告げて言った。「恐れることはない。わたしは、 すべての民に及ぶ大きな喜びの訪れをあなた方に告げる。きょう、ダビデの町に、あなた方のために、 救い主がお生まれになった。この方こそメシアである。あなた方は、うぶ着にくるまれて、 飼い葉桶に寝ている乳飲み子を見るであろう。これがしるしである」(ルカ2,10-12)。
Continue readingどのような形であれ、幸福を求める人間は「神を渇望する」存在であると言えよう。 真の幸福は神のうちにのみあるからである。問題は、神を求めていながら神を知らないことであり、 自分が求める幸福が神のうちにあることを知らないことである。
Continue reading少子高齢化が叫ばれて久しい。そして、高齢化対策ばかりでなく、少子化対策についても多くが語られ、 その対策も国や民間によって数々進められてきたが、いまだにその成果は上がってはいないようだ。
Continue reading「勤労を尊び、生産を祝い、国民互いに感謝し合う」国民の祝日・勤労感謝の日に思いを致し、また、最近の労働事情、 たとえば生活保護不正受給問題などを考えているうちに、「働きたくない者は、食べてはならない」 という聖パウロの言葉を思い出した。
Continue reading東北大震災や福島原発事故を契機に家族のきずなの重要性が改めて認識されることになったが、 その一方で相変わらず家庭の崩壊が進んでいる。わが国の将来を考えるとき、家庭の健全化のための努力は欠かせない。 では、家庭とは何か。
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