◆共に歩む
教皇フランシスコ様は、今年秋に世界代表司教会議(シノドス)の第16回通常総会を開催することを決定されました。テーマは「ともに歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」です。皆さん、このシノドスという言葉から、何を思い起こしますか。教会は、この言葉から「より深い交わり、十全なる参加、そして世界におけるわたしたちの宣教」を訴えているのです。この壮大なテーマを実現していくために、今、バチカンは全世界の教会の皆さんと共に新しい歩みを始めようとしているのです。わたしたち丹後教会は、いかに受け止めるべきでしょうか。
◆シノダリティとは?
そもそも「シノドス」は、教会が古代の昔から使ってきた言葉であり、その意味は<神の民が共に歩む道>のことです。それと同時に「道であり、真理であり、いのちである」(ヨハネ 14・6)イエスご自身に従うことです。私たちキリスト者は、みな主イエスと共に歩む道を見出すよう求められています。従って、シノダリティとは、神の福音をのべ伝え、聖霊の力のうちに、主イエスと共に歩むことです。わたしたち一人ひとりは、神から呼び集められた者です。ですから、この信仰の旅を続けながら、共に教会に集い、神の民として福音を生き、他者に向かって神のみことばをのべ伝えるのです。
◆他者との交わり
このように、シノダリティは神の民全体が聖霊の導きのままに、神のみことばに耳を傾け、福音の歩みを進めていくことですが、このことを可能にするには、まず神の民は、<他者との深い交わり>に入っていく必要があります。つまり、福音は、すでに私たちの間に生み出され実りました。それで終わりではなく、その実が、他者との交わりの中にも花咲くことです。福音を知らない人々の間に、私たちが交わり、関わっていくことで、みことばの花を咲かせるのです。こうして、一人でもみ言葉を知らない人々が教会の交わりに参加し、福音の実りを増し加えるためなのです。
◆参加から宣教へ
今回のシノドスのテーマは<交わり、参加、そして宣教>です。これは、教会の本質的使命が宣教にあることを指しています。この神の御業である宣教を果たすため、わたしたちキリスト者がいかに他者と交わるか。また、いかに積極的に世界と関わるかが問われています。もし、私たちが貧しい者を助け、これと連帯し、そのための協力を惜しまないと望むなら、教会は宣教の使命を全うすることになるでしょう。だから、まず交わるべきは貧しい者たちです。彼らと関わり、交わって、共に参加して行動を起こすことが新たな福音化へとつながるのです。このことを決して蔑ろにしてはなりません。
◆シノドスの祈り
このシノダリティの実現のために、私たちは祈っています。祈りのうちにも、神のみことばに耳を傾け、現代世界をよく分析、そして識別して、何が足りないのか、また何を必要としているのか。しっかりと見定め、他者と親密に対話し、互いに理解し合うことです。正しい判断と識別の力をもってすれば、神のみ旨を実現していくことができるでしょう。こうして、必ず私たちは一致して真理と正義の道を迷わず進むことになるでしょう。貧しい人々と共に歩むために、福音の道を見出し、聖霊の導きのままに、一歩でも前に踏み出すことができますように、祈りましょう。
Kashirajima,Hikaru(カシラジマ ヒカル)
頭島 光
カトリック西舞鶴教会
出典 司祭コラム 丹後教会巻頭言記事 2023年
Copyright ©2023年8月20日
2025年8月28日掲載許可取得