日本 プロライフ ムーブメント

昭和天皇とバチカン

文芸春秋誌に『昭和天皇』という福田和也の記事が連載されている。その三月特別号では、皇太子時代の昭和天皇がバチカンを訪問されたことが詳しく語られている。日本とバチカンの外交史を見るよい機会なので、そのあたりを少しまとめて見よう。 皇太子裕仁は、ヨーロッパ歴訪の最後に、1921年(大正10年)7月15日、まだ正式な国交関係のなかったバチカンを訪問し、「何の装飾もない白いガウンをまとった」(引用は、以下文春記事)時の教皇ベネディクト15世と会見した。実はこの訪問については、「訪欧団の中で激しい議論があった」という。当時、日本国内にはキリスト教に対する強いアレルギーがったからである。この雰囲気をくつがえして裕仁のバチカン訪問を実現したのは、供奉員(訪問団)の一人であった山本信次郎海軍大佐(のちに少将)の粘り強い説得があった。山本大佐は周知の通り、熱心なカトリック信者であって、岩下壮一神父が「軍服を着た修道士」と呼んだほどであった。

Continue reading

 「希望の時は、いま」   

◆平和を祈る 2024年も半年が過ぎ、うだるような暑さが続いております。 皆様、いかがお過ごしでしょうか。教皇フランシスコ様は、2025年を聖年の年と定め、今年、その準備の祈りの年とされました。テーマは希望の巡礼です。国内では、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」とされ、一年が過ぎましたが、感染者はいまなお増え続けています。世界では戦争、紛争、テロ等によって今もなお、多くの人々が命の危険と隣り合わせです。 その結果、日本と同じ人口の1億2000万の人が、居場所を追われ、難民として不自由な暮らしを余儀なくされているのです。それでも私たちは希望をもって、イエスのみ跡を慕いて歩き続けなければなりません。これらの不安と危険から一刻も早い解決の道が開かれますようにと祈り続けましょう。そして、私たちの心から愛が失われないうちに、特に女性や子供たちが平和で安心して暮らせる日々の生活が一日も早く訪れますように、ともに祈りましょう。 

Continue reading