日本 プロライフ ムーブメント

「 四つ葉のクローバー 」

 皆さんこんにちは。昨日は午後に周の検診があり、小児科らしい暖かい男の先生が「(ダウン症の)病気とは言えないくらい、元気だねぇ・・・」という言葉に、僕と嫁さんは歓びを感じ、周が生まれた直後に入っていた病棟の看護婦さんも来てくれて「大きくなったわね」と笑顔でだっこしてくれて、周のまわりに集まる人との間は、いつも暖かい雰囲気になる恵みを感じます。受診後は嫁さんに車で駅まで送ってもらい、僕がリスペクトする友達のアーティスト・菜穂さんがヴォーカルのTajaというユニットのライブで、暖かい音楽の夜を過ごしました。

 そして今日は、松尾芭蕉ゆかりの地である清澄白河の隅田川沿いにある「そら庵」という場所で、同人誌ROKUROの合評会の司会を行い、とても暖かい語らいの場となり、昔、松尾芭蕉さんが歌会(句会)を開いた時の気持がわかるような気がする、よいひと時でした。さて、今日は「幸福」がテーマの詩を載せます。 

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四つ葉のクローバー 
                服部 剛 

誰もが四つ葉のクローバーを、探している 

三つ葉のクローバーとは呼ばないが 
四つ葉のクローバーという名は、しっくりする 

三つ葉のクローバーは(ふつう)だが 
四つ葉のクローバーは奇形だという 

自分の姿を見出せず 
(ふつう)という薄っすらとした闇に塗れて 
足掻いている人々がいる 

ほんとうは誰もが、探している 

ふいに足元から風に囁く 
四つ葉のクローバーのような 
奇形という名の幸福が 
輝きを増す、あの瞬間を 

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 周が生まれた直後、先生から渡された紙に「耳に奇形有り」と書かれており、親になった僕と嫁さんとしては、やはり気になる言葉でした。生後3ヶ月を過ぎた周の耳は、見た感じ、違和感がなくなって来ているようですが、その後の検査で、染色体が人より1本多いと知り「奇形」という言葉について心の何処かで考えるようになりました。

 この詩の4連目に書いたように、体は健康に生まれても、心は足掻いている人は世の中にたくさんいる時代だと思います。そんな事をいろいろと考えていましたがある時、誰かから「四つ葉のクローバーは、奇形です」という話を聞いて(誰もが求める幸福の象徴である四つ葉のクローバーは、奇形なんだ・・・)と思った時、その話を後で嫁さんに伝えると、周の事で密かに葛藤を感じていた嫁さんの心もすとんと、何かが腑に落ちたようです。 

 今では日々親子3人で楽しく過ごしていますが、周に障害が出ても出なくても世界にたった一人の周が、自分らしく輝く日が来る事を僕と嫁さんは信じて、日々愛情をそそごう・・・と思っています。 

Go Hattori(ハットリ ゴウ)
服部 剛 
日本の詩人。
出典 「ポエトリー・シアター」
Copyright©2011.11.27.
2022.5.18.複製許可取得