日本 プロライフ ムーブメント

「胎児」の幹細胞研究反対

「幹細胞」研究について、たくさんのことが言われたり書かれたりしています。不運にも、生物学上の誤りが多数公表され続けていて、その結果としてたくさんの人々にとってもっともらしい判断がされています。識別するための第一として、倫理的には人間の組織を実験することができるけれども、人間を実験すべきではないという事実があります。それゆえに、それが人間の組織である限り、どんな種類の幹細胞研究も続行するということは完全に倫理的ですが、しかし、その研究は幹細胞を得るために生きた人間胎児を殺すことが実際に必要なので、胎児の幹細胞研究をすることは完全に非倫理的なのです。 

これを理解するために、第一に私達は初期の発達生物学を再研究しなければなりません。人間のいのちは精子と卵子の結合により始まります。第一日目の間は、正確には「受精卵」と呼ばれます。しかしながら、この単一細胞の人間の身体は、分裂を繰り返して第一週の終わりの頃になると、この胎児は今度は数百個の細胞となり「胚盤胞」と呼ばれます。胎児の幹細胞を得るためには、研究員はこの胎児を切開しなければならず、それによってその胎児を殺し、幹細胞を抽出することになります。 

第一日目の後、同じ生きている人間の様々な発達上の段階により多数の名前が適用されます。受精卵または接合体(単一細胞)、胚盤胞(多細胞)、胚子(2ヶ月以内)、胎児(3ヶ月以後)、幼児、子ども、若者等々です。第一週の間、この小さな新しい人間は母親の管を自由に浮かび、旅をしながら分裂を繰り返します。約1週間頃、母親の子宮にそって栄養剤の中に胎児は収まります。そして約3日後、子宮壁の中へ根を送り、この新しい人間は母親の血流の中に化学ホルモンメッセ-ジを送り、このメッセ-ジにより母親の月経が止まります。4日後、胎児の心臓は動き始め、その3週間後には脳波が測定できる程になります。生物学上の事実として、第一日目から、子宮の内外において、胎児は連続的な途切れのない成長と発達をしています。この時以前は生きた人間ではなく、この時以後は人間であるというように線を引いたり、言ったりすることは不可能なことです。事実、第一細胞段階において、これは生きた人間で、そして老人になって死ぬ時まで相変わらず生きた人間なのです。それゆえに、4~5日、4~5週、4~5年生きている人間の胎児を殺すことは、実は生きている人間を殺していることなのです。 

第一の細胞段階では、今日のあなたが全てでした。あなたはすでに男性あるいは女性でした。あなたは生きていて死んではいませんでした。あなたは46人間染色体を持った確かに人間でした。(あなたは、にんじんでもうさぎでもありませんでした。)そして最も重要なのは、あなたは完全でした。その時から今日まで、食物と酸素を除いては、かつてあなたがそうだったような単一細胞に何も加えられていません。あなたの全てはありました。そして殺人と呼ばれる方法であなたの人生を終えました。 

ウォ-ルストリ-ト誌のコラムの中で、上院議員のマックは生物学上の誤りはほとんどどこでも見られると繰り返して言っていることに注意します。彼は「受精卵」から取り出した幹細胞を絶えず話します。その段階はたった1日だけ続きます。唯一の細胞である受精卵から幹細胞を取り出すことはできません。むしろ、彼が主張していることは、人間の胎児を殺していること、新しく生まれてきた人間の内側から幹細胞を取り出していることなのです。彼は「冷凍の受精卵」と胎児をはっきりと区別することを試みています。実際に唯一の違いは場所、大きさ、年齢、他方より少しだけ若いという発達の程度だけなのです。 

どうして妊娠中絶賛成派の上院議員ジェフォ-ド氏とチャフィ-氏が破壊的な胎児の幹細胞研究に特に目をかけるのかというのが理解できます。なぜなら、彼らは非常に妊娠中絶賛成派で、子宮の中の赤ちゃんを殺すために何度も援助をしていることを証明しています。私が理解できないのが、プロライフの上院議員オリン・ハッチ氏が冷凍された胎児は子宮の中の胎児とは同価値ではないと主張したことです。私は上院議員ハッチ氏を20年間よく知っています。彼はプロライフです。しかし、これに関しては、すっかり間違っています。明らかに、生物学上の欺瞞であると繰り返されている破壊的な幹細胞研究のために彼の確かな名声を貸すことは悲劇です。 

これらの小さな人間は「廃棄されて使われないから、それゆえに「利用されるべき」と言う事は誤った推論に基づく議論です。それなら、どうして法律上処刑される犯罪者の組織を使わないのでしょうか?殺されてしまうと言う理由でユダヤ人被験者を使ったナチ医者をどうして一般的に強く非難したのでしょうか?どうして私達は事故で亡くなった人の体の肉を食べないのでしょうか?それは私達が人間の身体を尊重しているからであり、文明化した人々にとって明らかに必要なのです。 

しかし、他に選択はありますか?確かにあります。去年、驚くべきよく宣伝された前進がありました。私達は、今、幹細胞は脂肪から得られるということを示した科学的デ-タがあります。臍帯血から幹細胞を得ることができます。神経系の組織、骨髄、筋肉、胎盤、肌細胞から幹細胞を得ることが出来ます。骨髄幹細胞は肝臓細胞に変化するという報告があります。肌細胞は心臓細胞に変化するという報告もあります。臍帯血は神経細胞を創る可能性があるという報告があります。 

ほとんど毎月、この分野において新しい進歩の報告を受けます。最新の報告の一つは、連邦議会議員ロン・ルイス(R-KY)からのもので、HHS秘書トミ-・トンプソンへの手紙の中にありました。ルイスはトンプソンに「タバコは、胎児の幹細胞研究の代わりに成人の幹細胞の土台をなす」ことを考えるようにしきりに促します。植物たんぱく質の統率力は、幹細胞研究を援助しました。幹細胞研究は成人幹細胞の自己再生の原因となるたんぱく質に遺伝子を見分けるものです。たばこの中で見つけられたある植物たんぱく質はそのような変化を刺激することが出来るという事実を彼は指摘します。それ以上かもしれません。これは最新の明らかにされた事実です。まだたくさんの自信のある新発見があります。 

成人の幹細胞が胎児の幹細胞より能率的により安全に機能を果たすかもしれないという可能性はあります。成人の幹細胞はだんだん類似性が見られ、他のタイプの細胞になる全く同じ能力も見られます。それらは、患者自身から取られ、そうして再び注入され、そうして胎児からの組織でも他人からの組織を使う時に本当の問題である免疫の拒絶という問題を除去します。幹細胞の使用の計り知れない力については質問の余地はありません。しかし、これは胎児の幹細胞に対して、排他的にならないことを益々示しています。事実、成人の幹細胞は拒絶の問題がないという理由でより優れていることを証明するからです。 

世論調査によると、たいていは質問の表現が答えを導きます。世論調査で「受精卵」について話す時、人間胎児の破壊については言及しない時、ある種の回答を得られます。対照的に、千人以上の成人による国際街頭研究による最近の世論調査では、もう少し客観的な言い表わし方でした。その質問は次のようなものでした。「幹細胞は人の組織や臓器の発達の基本的な細胞です。議会は人間の胎児から取った幹細胞を使う実験に対して連邦政府の基金を提供するかどうか考えています。生きている胎児はこれらの細胞を得るために生存1週間の時に破壊されることになります。あなたはそのような実験にあなたの税金を使うことに賛成ですか、反対ですか?」結果は賛成24%、反対70%、無回答6%でした。さらに、全ての幹細胞研究に賛成は18%、成人の幹細胞研究のみを賛成は67%でした。 

最後に、胎児の幹細胞は明確に病気を直すことが出来、他の倫理的な出所からの幹細胞はできないと言えますか?だれも言及できません。幹細胞の積極的な研究を是非追及しましょう。しかし、私達文明化された社会という橋はかけるべきではありません。私達は人間に貢献するために一人の生きた人間を故意に殺すべきではありません。幹細胞を使いますか?はい、しかし、それを手に入れるために人を殺してはいけません。 

John.C. Willke, M.D.
ウィルキー・ジョン
英語原文 lifeissues.net
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2002.9.5.許可を得て複製