日本 プロライフ ムーブメント

生命に特許はいらない!キャンペーンニュースレター(2015年6月)

GM食品の摂取により、私たち自身のDNAも変化することが、科学的に証明されている。

健康

世界保健機関(WHO)ーラウンドアップの原材料は“おそらく発癌性がある”

2015年3月 

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GM食品の摂取により、私たち自身のDNAも変化することが、科学的に証明されている。 

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遺伝子組み換え作物はなぜ、農民、食の主権、健康、そして生物多様性を脅かすのか

2014年8月 

GM作物は、以前から市販されてきた品種と比べて、ヘクタールあたりの生産量が少ない一方で、 有毒な農薬の使用量の大幅な増加を招いていることが、米国の公式な統計で示されている。また、GM作物は、 大規模栽培が行われているすべての国で、人々の健康および環境に深刻な悪影響を及ぼしている。GM作物の導入は、 世界の飢餓の減少には結びついていない。 

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GM稲で日本の花粉症問題は解決するのか

2015年1月 

東京慈恵医大の研究グループが、スギ花粉に対する過敏な免疫反応の抑制を目指し、遺伝子を組み換えた稲(米) を開発した。同研究グループは、通常は無害で反応しないはずの物質に対して、身体の免疫システムが反応し、 攻撃してしまう原因となる、花粉に含まれる物質を特定。この物質を少量ずつ段階的に摂取してゆくことで、 身体がこの物質を攻撃対象とみなさなくなり、やがて、より高濃度で曝露しても、アレルギー反応を起こさなくなる、 という考え方である。この手法は、アレルギー免疫療法(減感作療法)と呼ばれる。 過敏な免疫反応を抑制するこのプロセスには、通常、注射や経口薬(錠剤)が用いられるが、 多くの日本人が花粉症を発症していることから、また、米は日本人の主食であることから、ユーザー・フレンドリーな( 使用者にとって負担の少ない)投薬方法として、少量のアレルゲン(アレルギー原因物質)を含むよう稲(米) の遺伝子を組み換える、という方法が考案された。(編者記:ユーザー・フレンドリー?) 

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汚染

オーガニック種子生産流通協会(OSGATA)が、種子汚染をめぐりモンサントを訴えた裁判で一部勝訴し、 モンサントは今後、故意によらない汚染については農家を提訴できないことになった。

2014年4月 

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名古屋大学キャンパスでGM作物が見つかる

2015年5月 

研究目的で遺伝子を組み換えられた植物品種が、名古屋大学の敷地内で生育しているのが見つかった。 このような作物の拡散防止を定めた法律に違反している可能性がある。 

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GMマウスの管理の甘さを認め、iPS細胞研究所が謝罪

2014年3月 

幹細胞研究で世界的に知られる日本の研究所が、 実験器具を洗浄するエリアで生きた遺伝子組み換えマウスが見つかった複数の事例を含め、 実験室の管理体制がずさんであることを認めて謝罪した。 

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特許

欧州特許庁がブロッコリーとトマトの特許を認める

2015年3月 

欧州特許庁(EPO)の拡大審判部が、ブロッコリーとトマトについて、今後の審理における先例となる判断を下した。 EPOは、交配や選抜のプロセスは特許の対象にならないが、 これらのプロセスから生じる動植物は特許の対象になることを明確に示した。 従来の品種改良に由来する動植物の特許性をめぐり、先例となる、長く待たれた判断は、 このような非論理的なものとなった。 

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GMリンゴが承認される

2015年3月 

初のGMリンゴを承認したカナダ政府の判断を、「カナダ・バイオテクノロジー・アクション・ネットワーク(CBAN) 」が強く非難している。このリンゴは、切ったあとも茶色く変色しないよう遺伝子が組み換えられている。米国政府も、 GMリンゴの商品化を認める判断を下している。(米国食品医薬品局(FDA)はGE食品について、 独立した市販前安全性検査を一切実施していない。) 

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特許の切れたGM大豆

2014年12月 

米国のアーカンソー大学が、除草剤耐性GM大豆を、技術料不要、ライセンス契約不要で公開した。農家は無制限に、 収穫した種子を保存し、翌年も播いて栽培することができる。最初の遺伝子組み換え大豆品種「ラウンドアップ・レディ」 に対する特許が切れたため、このようなことが可能になった。 

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インドにおける農民の自殺

2014年4月 

凄まじい数字に達しているインドの農民の自殺(過去10年間に毎年1万人以上)を、 GM作物のせいにはできないとしても、「自殺の根底にある“技術のトレッドミル(終わりのない、 回転し続けるランニングマシン)”という重大な問題を、Bt(GM)種子が悪化させているように見える」のは確かだ、 と人類学者グレン・ストーンが指摘している。要するに、GM作物は必ずしも小規模農家の助けになっておらず、 借金を増やし、環境への負荷の如何を問わず耕作地の拡大を強い、 すでに貧しい農民や土地を持たない人々を往々にして苦しめる“近代的な”システムに縛り付けることによって、 彼らに害を及ぼしている既存の流れを、さまざまなかたちで、むしろ助長しているのである。[編者記:耕作地の拡大は、 森林伐採、野生動物の生息地の減少を意味する可能性もあり、その結果、野生動物が人間を襲い、 殺されることにもつながる。] 

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2,4-D(ヴァンダナ・シヴァ著)

2014年12月 

利益を我がものにし、厄災を社会に負わせる、というこのダブル・スタンダードは、 ボパール以降続く企業支配に歴然として見られるパターンである[編者記:企業は利益を自分たちのものにする一方、 自分が引き起こした損害の後始末や代償を社会ー私たち全員ーに負わせる。彼らは、利益に関しては資本主義だが、 損害や代償に関しては社会主義であり、すなわち、経済的偽善者である]。ダウ社はモンサントとともに、有害な、 安全検査のされていないGMOを、そうしたGMOの栽培になくてはならない、 同じく戦時中に起源を持つ化学物質とともに押し進めている。モンサントは、浸透性の除草剤グリホサート( ラウンドアップ)に耐性を持つ作物を、雑草対策の特効薬として売り出した。現在、米国の約6, 500万エーカーの耕作地が、こうした作物に耐性を持つようになった雑草に覆われている。2014年10月、 市民や科学者らの抗議にもかかわらず、米国環境保護庁(EPA)は、グリホサートと「2,4-D」( ベトナム戦争中および終戦後に、さまざまな健康被害を引き起こした原因物質として非難された、枯葉剤「オレンジ剤」 の原材料の一つ)の両方に耐性を持つ、ダウ社の遺伝子組み換えトウモロコシおよび大豆品種「Enlist Duo」に最終承認を与えた。[編者記:雑草が「2,4-D」に対して耐性を獲得したら、どうなるのだろうか。] 

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ブラジルを覆う“ターミネーター”の脅威

2015年5月 

ブラジルのカティア・アブレウ上院議員が、“自殺種子”とも呼ばれる、いわゆる「ターミネーター」種子ー生育不能な種子しかできない品種で、そのために、農家は毎年新しい種子を買わねばならないーを解禁する法案を、 ブラジル議会に提出した。科学者たちは、種子に組み込まれた「ターミネーター」 遺伝子が環境中に漏れ出して他の作物や野生植物群を壊し、「ターミネーター」 遺伝子を持つGM品種のみが残る状態になってしまう怖れがある、と危惧している。 

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戦略地政学的ツールとしての人口減少

2015年5月 

米国は、人口減少をも、世界の資源支配を目指す上で活用できる潜在的な地政学的ツールと考えている。 米国のアグリビジネスが支配を増す、(GMが)混入したフード・システム(食品生産流通システム)を通して、 これを達成するのは、たしかにこれ以上ない良い手だろう。たとえば“殺精子作用のあるトウモロコシ”はどうだろうか。 メキシコでは、バイオ医薬品としてのトウモロコシについて、懸念する声がある。「生態浸食、テクノロジー、 企業集中に関するアクション・グループ(ETC)」のシルヴィア・リベイロは数年前に、次のように述べているー「 他品種と容易に異種交配し、発見されないままでいることができ、 その土地の文化や農業のまさに核心に潜り込むことができるため、 生物兵器としての殺精子トウモロコシの潜在力はとてつもない。私たちは、先住民コミュニティに対して繰り返し、 不妊化キャンペーンが実施されるのを見てきた。この手法を追跡するのは、確かに相当難しい。」 

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GMO反対運動

トマトに関するモンサントの特許取り消し

2014年12月 

国際連合「No Patents on Seeds!」が2014年5月に行った異議申し立てを受けて、米国の企業、モンサントが取得していた特許「 EP1812575」が、欧州特許庁(EPO)によって取り消された。この特許は、 ボトリティスというカビ病に対して自然耐性を持つ、従来の交配手法で作られたトマト品種に対して取得されていた。 特許取得に使われたトマトは、もともとドイツにある国際的な遺伝子バンク経由で入手されたもので、 この植物が望ましい耐性を持っていることは、すでに知られていた。モンサントは、 このトマトの開発に遺伝子組み換え技術が使われたかのように見せかけ、“独創的な発明”に見せるために、 巧妙な言葉遣いによる特許を考案。「この特許はおおよそ・・・不正、特許法の悪用、バイオパイラシー(生物的海賊行為 )の組み合わせに基づいたものである」。「動植物を生産するための本質的に生物学的プロセス」と「植物品種」 は特許の対象から除外されているにもかかわらず、EPOは、従来の交配手法による作物品種について、 すでに百件以上の特許を承認している。 

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モンサント大豆の特許バイオパイラシーに異議

2014年12月 

米国の企業、モンサントが欧州で取得している特許に対して、国際連合「No Patents on Seeds!」が異議を申し立てた。同連合は、モンサントがバイオパイラシー(生物的海賊行為)を行っている、 と訴えている。特許「EP2134870」は、欧州特許庁(EPO)が2014年2月に承認したもので、 交配を進めるための、さまざまな気候帯に適応した大豆品種の選抜が対象になっている。モンサントは、この特許のために 、大豆の近縁種である250種類以上の“外来品種”のスクリーニングを実施。特に気候への適応性と、 成熟および収穫までに要する時間に関する遺伝的多様性に注目して、スクリーニングが行われた。対象の植物は、 アジアおよびオーストラリアの野生品種および栽培品種から集められたものである。 

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ダウ社&モンサントがGMO禁止法の停止を求めてマウイ郡を提訴

2014年12月 

米国ハワイ州マウイ郡は2014年11月、投票によって、GMOフリーの方針を決めた。これに対して、 ダウ社およびモンサントが即座に、GMOの栽培を禁じる法律の停止を求めてマウイ郡を提訴している。 

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反対運動

2015年1月 

メキシコは2014年も、遺伝子組み換え作物の侵入を回避した。市民社会と農民運動、そして「常設人民法廷」が、 トウモロコシの原産国の遺伝子の中心地で、企業を阻んだのである。 モンサントの遺伝子組み換え大豆はユカタン地域を脅かすものであり、栽培してはならない、と認める判決が下り、 マヤの農民と養蜂家がモンサントに打ち勝った。さらに、チリとグアテマラで植物新品種保護国際同盟(UPOV) の91年条約(「モンサント法」)が廃止となり、イタリアでも地方裁判所が国内での「MON810」 トウモロコシの栽培を禁じる判決を支持し、 コルドバとアルゼンチンではモンサントのグリホサート工場の操業停止を求める反対運動が続いており、 モンサントにとって追い打ちとなっている。 

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メキシコの「常設人民法廷」

2015年2月 

2011年10月から2014年11月にかけて、メキシコの市民グループが、「持続不可能な状態」 を7つの項目にまとめたーすなわち、暴力の一般化(何万人もの失踪者、抑圧、軍事化、収監、そして10万人もの暗殺 )、環境破壊、労働者の権利の不安定化と独立労働組合の抑圧、ジェンダーをめぐる暴力とヘイトクライム、追放/ 止まらぬ移民の流出、報道の自由の欠如とジャーナリストに対する暴力、そして、農民の生活、食の主権、集団での借地( 小作)に対する複合的攻撃、である。 

80年代以降推進されてきた、いわゆる構造改革および国際公共政策には、憲法改正や法規制改革とともに、 農村コミュニティを犠牲にして、法的・制度的保護の解体を招いた責任がある。メキシコの農業が、 少数の多国籍企業によって支配される工業化されたグローバル・フード・システム(食品生産流通システム) に従属している現状、そして、自身の食料を生産しても利益が得られない状態にまで追い込まれている農民階級の無力化は 、こうした政策や自由貿易協定(この状況を不可逆にするための“南京錠“として機能している)の直接的影響である。 

2013年11月、「トウモロコシ、食の主権、人々の自治権に対する暴力」に関する最終ヒアリングで、 次の宣言が行われたー現在、先住民および農村コミュニティの・・・自立した存続に反する、 犯罪的性質の戦争が行われている。自立して生活する手段を奪うことで、人々に移住を強い、援助プログラムに依存させ、 惨めな生活、困窮、そして死に追いやる・・・。メキシコ政府およびモンサント、シンジェンタ、ダウ、BASF、 カーギルなどの企業各社が強行に押し進める農工業モデルーもっとも極端な要素の一つとして、 遺伝子組み換え作物を含むーは、文化に対する攻撃を意味するのみならず、 小作農業および自立した食料生産を守ることを阻む法律を作り上げることによる、 自立した生活の存続に対する紛れもない戦争を意味している。 

自立した暮らしの存続に対する戦争は、有用な知識や発見の私物化につながり、さらに、 生命そのものの私物化にもつながる。知的財産、特許、育種業者の権利・・・は、 先祖から伝わる固有種子の所有や自由な交換を、犯罪として扱えるようにすることを明確に目的にして確立されている。 GM作物は、自立した食料生産に対する最大の武器である。メキシコ政府はこの14年間で、 さまざまな汚染戦略を採用している。 

「メキシコは、世界の食品安全保障の重要な柱である“遺伝子の宝庫”であり、そのため、 同国内における遺伝子組み換えトウモロコシの播種は禁止しなければならない。」「生態浸食、テクノロジー、 企業集中に関するアクション・グループ(ETC)」の代表パット・ムーニーは2010年に、次のように述べているー「トウモロコシ発祥の中心地での戦いに敗れれば、世界のあらゆる地域における農業多様性の中心的原点を失うことになる 。あなたたち[メキシコ]が敗れれば、我々は勝つことができない。」…国家と国家が追求する利益を、 土地を求める国内外のビジネスマンのそれと明確に区別するのは、ほぼ不可能である。 

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ブラジルのGEユーカリの木

2015年3月 

ブラジル・バイオセーフティ技術委員会(CTNBio)は、バイオテクノロジー企業「FuturaGene」 の要請を受けて、同国内でのGEユーカリの商用開発を合法化するか否かの判断を下す会議を、3月5日に予定していた。 米国政府は最近、政府または民間による監視を一切しない状態で、公共および環境に対するリスク評価もしないまま、 最初のGE樹木、テーダマツ(loblolly pine)を認可している。だが、CTNBioの会議が行われる建物を300人の農民が占拠し、会議は中止となった。 また、同日、1,000人の女性がブラジル各地でFuturaGeneの事業所を占拠。この反対運動では、 GEユーカリの苗木も破壊された。 

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“気候適応技術”

2015年5月 

いわゆる“気候に適応できる農業”の推進派によれば、これこそ、カオス状態にある気候変動のただなかで、 食料安全保障を確かなものにしたい政府にとって、必要な技術だというーそして、 巨額の企業資金とハイリスク研究を実施するノウハウを得るためであれば、競争の低下など、小さな代償に過ぎないという 。「緑の革命」の国際農業研究協議グループ(CGIAR)のような公的機関は、大部分において、 ストレス耐性植物品種の開発を目的とした既存の古い研究に、新しいラベルを貼り直しているに過ぎない。 民間セクターにとって“気候適応”は、非生物的ストレス耐性(乾燥耐性、高温耐性、耐塩性など) の遺伝形質に関する特許ラッシュを意味する。大企業が何十年ものあいだ除草剤耐性に重点的に取り組んできたことは、 その一方で、それよりもずっと重要な、ストレス耐性という形質に関する取り組みを軽視し、否定してきたこと、そして、 実際、植物の回復力を弱めてしまったことを意味する。気候に適応できる作物の研究開発へと流れが変わることによって、 現在GM種子に対して敷かれているような規制当局の監視の目を、逃れることができると企業が期待する、 さまざまな合成生物学的技術(極端に強化されたGM技術)を紛れ込ませることが可能になる。 

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「CRISPR-CAS9」

2015年1月 

その一方で、さまざまな企業が、“GMO(遺伝子組み換え生物)”から“GM(遺伝子組み換え)”を外そうと、 懸命に取り組んでいる。3年前、遺伝学の世界で「CRISPR-CAS9」について知る人は誰もいなかった。それが今 、バイオテクノロジー業界を席巻する注目の技術として、生命遺伝子工学に革命をもたらしている。“ バイオテクノロジーにおける世紀最大のブレイクスルー”と称される、ゲノムを複数箇所において高速で“編集” できるこの技術は、絶滅した恐竜の復活から疾病の根絶まで、あらゆることを可能にすると期待される。と同時に、 市場において、最初の“遺伝子を編集された”生物が“非GMO”として承認される中、 激しい特許訴訟の対象にもなっている。 

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GM種子に介入するよう、科学者らがローマ教皇フランシスコに要請

2014年8月 

主要農民組織の要請を受け、また、ローマ教皇フランシスコの許可を得て、科学者と農業専門家のグループが、 4月30日にバチカン宛てに送られた、GM種子の問題点について記した手紙と文書を公表した。アルゼンチン、ブラジル 、メキシコ、インド、カナダの8人の専門家によって署名されたこの手紙と添付文書は、 GM種子が世界の農民や食料安全保障に及ぼす悪影響について発言するよう、ローマ教皇に呼びかけている。 

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虚偽

GM企業から出資を受ける“独立の執筆者” 

2015年5月 

イギリスの農家や一般家庭にGM作物・食品を早急に導入するよう求める報告書をまとめた“独立した立場の”執筆者は、 全員、業界とつながりのある人物だった。 

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『Altered Genes, Twisted Truth(変えられた遺伝子、ねじ曲げられた真実)』(スティーヴン・ドルーカー著) 

2015年3月 

「ドルーカーの暴露記事は、GE食品推進派の犯行現場ーデータの偽装、取締官の買収、議会に対する嘘ー を見事に押さえている。ドルーカーは、歪曲や偽装が何年もかけて積み上げられてゆき、 虚偽や否定の上で危うくバランスを取るグローバル産業が形成されてきた実態を、徹底的に解明している。」 

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自由貿易協定

自由貿易協定(FTA)と経済連携協定(EPA)

2015年1 月 

1900年代後半以降、米国とヨーロッパは、自国の多国籍企業が市場で優位に立つためのツールとして、 二国間の自由貿易協定(FTA)を認めるよう、アフリカに圧力をかけてきた。その影響は種子業界にも及んでいる。 二国間自由貿易協定では、国際基準ーたとえば世界貿易機関(WTO)が定めるようなー を超えた基準が設定される傾向がある。大半のアフリカ諸国が参加しているWTO・TRIPS協定( 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)では、参加国は動植物に対する特許を認めなくてもよいことになっている。 だが、その一方で、植物品種に対して、なんらかの知的財産保護を設けることを、具体的な形式は規定せず、 参加国に義務付けている。 

TRIPS協定の条件では満足しない米国とヨーロッパは、もうー歩進んだ措置として、 アフリカ諸国とのあいだで二国間貿易協定ー調印政府にUPOV(植物新品種保護国際同盟)の条項の実施を義務付ける 、あるいは、さらに同盟への加入まで求めるーに調印している。種子に対する本格的な産業特許まで求めるFTAもある 。 

アフリカ諸国政府は、自国の種子貿易法の見直しと、植物品種保護(PVP)法の施行の支持を迫られている。まず、 輸入規制、植物検疫、品種公開制度、認証基準といった種子貿易関連法を地域レベルで調和させた上で、 PVP法の調和に歩を進める、という戦略である。そうすることにより、 取り扱う種子の種類が商業的に保護された品種のみに制限された、より大規模で統一された種子市場ができることになる。 収穫した種子を保存しておき、翌年にまた播くという、遙か昔からの農民の権利は奪われ、 伝統的な品種の種子の流通は厳しく禁じられる。 

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アフリカにおける「モンサント法」は、農民にGMOを強いるものになる

2015年1月 

ガーナ共和国の「育種業者法案」は、アフリカ新連合加盟諸国における種子法の改訂を促進する、 イギリスが支援する新連合の援助イニシアティブに、積極的に取り組む姿勢を示したものである。提案されている法案には 、農家が昔から行ってきた手法ー収穫した種子の保存、交換、交配ーを制限するルールが含まれる。 バイオテクノロジー業界の知的所有権を保護する新法の下では、なんであれ“特許の対象になっているもの” を栽培した農民は、植物が自然に受粉して交配した場合であっても、高額の罰金が課せられる。 [編者記:米国でオーガニック種子生産流通協会(OSGATA)がモンサントに一部勝訴したのに?(上記記事参照)] 

パキスタンの種子法案

2015年3月 

ラホールの教会で起きた自爆事件の動揺がいまだ続くパキスタンで、人々に注目されないまま、 政府が静かに種子法案を通過させた。この法律の下では、種子を保存、販売、交換した農民は、罰金や懲役刑を科される。 

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MEDICAL医療

「乳癌遺伝子」弁護士らが高等裁判所に控訴

2014年9月 

オーストラリアで癌対策を訴えるグループが、民間企業によるヒト遺伝子の管理を認めた、 物議を醸した判決を覆すことを目指して、高等裁判所に控訴する。(米国最高裁判所が6月に、分離された遺伝子は、 自然界で生じたものと同じであると結論し、これによって事実上、 同国内でヒト遺伝子に対して認められてきた数千件の特許が覆されている。)「2014年内か、 もしくは2015年初めには、裁判所が控訴することを認めるかどうか、わかるのではないかと思っている。」 

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医薬品特許は健康に悪いー不適切な販売の代償

2014年8月、2015年5月 

米国のシカゴ市とカリフォルニア州の二郡が起こした、鎮痛薬の販売促進に関する訴訟について、ニューヨーク・ タイムズ紙が報じた。実際には適切でないかもしれない、あるいは、必要でないかもしれない症例に対して、「 OxyContin」などの医薬品の使用を勧め、中毒や過剰摂取のリスクを故意に軽く扱ったとして、 企業を訴えた裁判である。 

訴えられている企業が自社の医薬品の販売を押し進めた理由として、 特許による市場独占がもたらす高額の利益が挙げられていることは、注目に値するだろう。 より良い新薬の研究開発に取り組むインセンティブを企業に与える、というのが、 新薬に対して特許を認める論拠となっている。市場の独占を一定期間認めることにより、 製薬会社は新薬開発に投じた資金を回収し、利益を得ることができる。もし、 これらの医薬品が自由市場で販売されていたならば、つまり、製薬会社が、 たとえば鉄鋼やパンを売る会社と同じ利幅で販売していたならば、 何千万ドルもの資金を投じて不適切な使用を勧めることは、自社の利益にならなかったはずである。だが、 特許による市場独占で、自由市場価格より数千パーセントも高い価格を設定することができたため、製薬会社は、 適切でないかもしれない症例にまで自社の医薬品の使わせることによって、相当な利益を得ることができたのである。( C型肝炎治療薬「Sovaldi」は、米国では、3ヵ月の治療期間で使用する薬が84,000ドルで販売されている。 インドでは、そのジェネリック版の薬が、1,000ドル以下で入手できる。)また、医薬品の効能が、 謳われている内容よりも低い可能性があることや、ときには有害でさえあることを示すデータを、 隠そうとするインセンティブも働く。 

死亡率や罹患率の上昇という点で見たコストについて、ある程度のイメージを掴むために、 製薬会社が自社医薬品の安全性または効能について不正確な情報を提供した結果、裁判に負けた、または和解に至った、 という有名な事例5件について、研究グループが関連コストを算出している。それによると、 これら5種類の医薬品の不適切な販売に関連した、死亡率や罹患率の上昇のコストは、 1994年から2008年の14年間で、3,820億ドルに上っている。これは、 医薬品業界がこの期間に研究開発に投じたと言っている数字と、おおよそ同額である。つまり、言い換えれば、 これらわずか5種類の医薬品の不正確な販売や情報公開が与えた被害は、その同じ期間に、 医薬品業界が行ったすべての研究の価値に相当する、ということになる。 

誤解のないように述べておくと、これらの5件の裁判で訴えられた内容は、いずれも、製薬会社が故意に情報を隠した、 あるいは、研究データを正確に伝えなかった、というものである。つまり、防ぎようのないミスの結果ではなく、 利益が動機となった意図的な行為だった、ということになる。 

ノーベル賞受賞者である経済学者ジョセフ・スティグリッツは、 効能が認められる医薬品に対する特許を政府がすべて買い取った上で、それらをジェネリックとして販売することを認める 「賞金システム」を提案している。そうすれば私たちは、政府を通して直接、 研究に融資する道を選択することができることになる。 

いま、このことが重要なのは、環太平洋戦略的経済連携(TPP)協定の大きな後押しによって、特許保護が強化され、 特許期間も延長される見通しだからである。そうした措置が進めば、製薬会社が研究データを隠したり、 正確に伝えなかったりすることで、さらに多くの患者が被害を受けることが予想される。加えて、 そうした不正行為を抑制する政府の能力が、さらに弱まる可能性もある。現在、自社医薬品の「承認適応症外使用」 に関する情報を提供する権利があると主張し、米国食品医薬品局(FDA)を提訴している製薬会社がある。この会社は、 これは表現の自由の問題だ、と主張している。 

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厚生労働省が、医薬品の副作用報告を怠ったノバルティス社に業務改善命令

2014年8月 

厚生労働省が木曜日、自社の白血病治療薬について重篤な副作用の報告を怠ったノバルティス・ファーマ株式会社に、 業務改善命令を出した。 

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貧困国がTRIPS経過措置の延長を要請

2015年2月 

バングラデシュが、世界貿易機関(WTO)に加盟する後発開発途上国(LDC)34カ国を代表し、TRIPS協定( 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)の第66条(1)に基づき、経過措置の延長の要請を提出したー これら諸国がLDCに分類されなくなるまで、医薬製品について、措置を延長するよう求めている。 2016年1月1日まで期限の延長を認めた当初の措置は、LDC諸国について、 これらの条項の下で権利を行使する義務を含め、TRIPS協定の第2部の第5節(特許)および第7節( 開示されていない情報の保護)の義務を免除している。 

2001年に「TRIPS協定と公衆衛生に関するドーハ宣言」を採択して以降、LDC諸国が、 低価格ジェネリック医薬品をーとりわけ、HIVの治療に必要な医薬品をーさしあたって確保するために、 頻繁に延期措置を用いてきた事実は、あまり知られていない。 

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南アフリカの特許に関する新政策

2015年2月 

南アフリカ共和国の特許に関する新政策の草案は、製薬会社の法外な利幅よりも、 人々の健康ニーズを優先的に保護する法律の必要性を、明確に示している。 

慎重な対応を求める研究者

2015年4月 

第一線で活躍する科学者たちが、“デザイナー・ベビー”の誕生へつながる可能性のある研究に、 ブレーキをかけようとしている。中国の研究所が強力なゲノム編集技術をヒト胚に用い始めているという噂を受けて、 2つの著名な生物学者および生命倫理学者のグループが、ヒト生殖細胞の組み換え禁止を呼びかけた。 

胚形成手法の虚偽表示

2014年9~11月 

いまや、ヒトの胎児に大規模に遺伝子組み換えを実施する手法が存在する。これらの手法は、広く、“ミトコンドリア移動 ”または“ミトコンドリア置換”と呼ばれる。こうした呼び名は、科学的に不正確であるのみならず、 そうした遺伝子操作に対する人々の抵抗感をやわらげて受け容れられやすくし、“遺伝子組み換えベビー”や“デザイナー ・ベビー”などといった、“遺伝子組み換え人間”の世界にもつながる可能性がある。 

一人の女性の卵子から分離した核を、別の女性の除核(核を取り除いた)卵子に挿入するのだが、この“三人親”手法には 、ミトコンドリア(燃料分子からエネルギーを抽出し、細胞機能で使えるようにする細胞小器官(オルガネルラ)) の移動は含まれない。この技術は、 重篤な疾患につながる可能性のあるミトコンドリア突然変異を回避するために推進されている。 

だが、これらの技術には、クローニングと共通するものに留まらない、数々の危険因子が含まれる。 ヒト生殖細胞系列の組み換えは、“成功”するにしても“失敗”するにしても、重大な影響を招く。もし、 私たちが未来の世代に継いでゆく形質の操作が成功すれば、既存の不平等を悪化させる可能性や、あるいは、 さらに新たなかたちの不平等ー遺伝子に“ひねり”が加えられた者が持つ、実際の、あるいは、 想定される優位性に基づく不平等ーを生む可能性すらある。そして私たちは、苛烈な遺伝子の競争に囚われ、 そのことが大規模な社会の混乱につながる可能性もある。それに、もし、そのような取り組みが失敗したら、 どうなるのだろうか。動物の生殖細胞系列の組み換えでは、ー般的に、数十または数百もの、 生存能力のない子孫が生まれる。もし、ヒト生殖細胞系列の組み換えが同様の結果を生むのならば、 そうして創り出される人々はどうなるのだろうか。 

イギリスは、次世代以降にまで継承されてゆく遺伝子(生殖細胞系列)組み換えを、限定的なかたちで認めるために、 法律を緩和しそうなところまできている可能性がある。 

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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)ーウィキリークス

2015年1月 

オーストラリアの以下の措置は、投資に関する章の「セクションB(投資家対国家の紛争解決条項)」に基づき、 紛争解決手続きの対象にすべきではないー医薬品給付制度、メディケア給付制度、薬品・医薬品行政局、 遺伝子工学規制局に係る措置。 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)ー全12カ国に向けた投資に関する章の作業文書(2015年1月20日付、 草案) 

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米国の司教らがTPPについて発言

2013年 

カトリックの司教らが知的所有権について具体的に言及している。 

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自由貿易協定

2015年5月 

米国バーモント州のGMO表示法も、バタリーケージを用いた養鶏による卵の生産を制限するカリフォルニア州の措置も、 農家と食べる人と食品政策審議会の政策決定者を全国規模で結びつけようとする大胆な取り組みもそうだが、 破壊されたフードシステム(食品生産流通システム)を再構築する新しい規則を作るために、 各地で人々が行動を起こしている。この問題について、はっきりしているのは、 貿易協定は変化を阻害する新たな障害を生む、ということである。透明性を欠くため、詳細を知ることは難しいが、 自由貿易協定は、私たちのフードシステム(食品生産流通システム)を、より安全にするために設けられているのではない 。それらの協定は、多国籍企業の取引を増やすために設けられている。そして、意図的に、 食品安全に関する新しい規則制定が煩雑になるような仕組みを設けている。アメリカ合衆国通商代表部(USTR)は、 2015年度の貿易障壁に関する報告書で、メキシコ、チリ、ペルー、そして日本の新しい食品表示法を、 不公正な貿易障壁として挙げている。ノーベル賞受賞者ジョセフ・スティグリッツは、次のようにコメントしているー「 問うべきは、いわゆる貿易協定というものに隠された条項を用いて、金持ち企業に、 私たちが21世紀をどう生きるのかを定義させていいのか、ということだ」。 

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企業秘密に関するEU指令が、発言の自由、健康、環境および労働者の移動を脅かす

2015年3月 

多部門にわたる市民社会連合が、消費者、ジャーナリスト、内部告発者、研究者、 そして労働者の保護の強化を呼びかけている。欧州委員会(EC)および理事会が性急に推し進める、 企業秘密に関する新たな欧州連合(EU)指令は、以下の内容を含むため、私たちはこれに強く反対する。 

●企業がほぼすべての情報を秘密として扱うことができてしまう、不合理なほど幅広い“企業秘密”の定義。 

●“企業秘密”を“違法に獲得、使用、あるいは公表”している企業に対する、広範にわたる法的な救済ー訴訟手続き全般にわたる、暫定措置や予防措置、損害賠償請求権および守秘権を含む。 そして、 

●EUの消費者、ジャーナリスト、内部告発者、研究者、そして労働者が、 公衆の利益になる重要なデータへ確実にアクセスできることを保証しない、不適切なセーフガード(保護措置)。 

EU法の下では、すべての食品、遺伝子組み換え生物、そして除草剤は、欧州食品安全機関(EFSA) によって評価される。EFSAは、製造業者自身が実施した研究に基づき、それらの製品に関するリスクを評価する。 これらの研究データへの完全なアクセスが実現しなければ、EFSAが行う評価の科学的精査は不可能である。従って、 このデータは、指令の対象から除外されねばならない。 

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書籍の紹介

私の中にはいまだに、企業がこのようなことをし、政府もそれに手を貸しているとは信じたくない部分がある。( 政治家や官僚は、自国民を欺くことで、何を得ているというのだろうか。天下り先か。GM企業の株か。)だが、 これは頑然たる事実であり、私はこれに反対しなければならない。 

みなさまには、ブレンダン・ロヴェット氏による2冊の小冊子を強く勧めたい。私たちがどのようにして、 このようなひどい状況に陥ったのか、そして、そこから脱け出すためになにが必要なのか、説明した本である。 2冊とも絶版になっているが、以下のサイトから無料で入手可能である。 

McCartin, Paul (マッカーティン・ポール )
2015年6月
Copyright ©2015.11.22許可を得て複製 

(日本語訳は難航しており、暫定的なものである。)