「傷つけた方と傷つけられた人どっちが悪い?」聞かれたらきっと多くの方は「傷つけた方だ」と言うと思います。でも日々カウンセリングをしていると、傷ついた人への風当たりは結構強いなあと思うんです。
機能不全の家庭で育った痛みをもつ人が自分の親について語ると
「親を悪く言うべきじゃない」「甘えてる」という言葉に再び傷つくことが多いからです。
親と言えば誰でも自分の親を思い浮かべるので、それは仕方のないことなのかもしれませんが…
不登校や引きこもり、摂食障害など子供に問題が起こる背後には、殆どのケースで夫婦の不和があります。
逆に言えば夫婦仲がいいなら子供に問題が起きても早い時期に解決します。
夫婦関係が悪くなると、多くの母親は子供を味方につけます。子供に夫の愚痴や悪口をいうんです。
そんな時子供が「パパのことは私に言わないで直接パパに言って」と言えればいいのですが、それを判断する力は子供にはまだありません。
だから母親の言葉をうのみにします。
そして「僕がママを守らないと!」「私がママを助けなくちゃ!」「お父さんてひどい人だ」と考えるようになるんです。
その結果、本当はパパもママも大好きな子供の心がは引き裂かれていきます。
「私しかママを助けられない!」「僕しかママを守れない!」そう信じる子供は懸命に母親の期待に沿おうとします。
喜ばせるために必死に勉強する子、家事をしたり、相談相手になる子。
でもいくら子供が頑張ったところで夫婦は仲良くならないし、お母さんも幸せにはなりません。
だから子供は挫折感を味わいます。
やってもやっても実を結ばなければ、やがてエネルギーが枯渇するのは当然ですよね。
もし子供が「夫婦の問題を私に話さないで自分たちで解決して!」と言えたとしたらどうでしょう。きっと母親は子供以外の大人に相談するに違いありません。
だから子供が判断できないのを知っていて「自分しかいない」と思わせるところに、母親の甘えとズルさが隠れているんです。勿論父親にも罪はありますよね。
だから大人になって気がついた時、腹が立つのは当然なんです。
もし自分がそんなふうに育った場合どうすればいいでしょう?
まず一つ目は自分がどんな風に子供時代を搾取されたのか理解する必要があります。
そして二つ目は子供らしく安心して過ごせなかったことを、十分に悲しむことです。悲しみの中には当然怒りも入っています。
きちんと悲しめば、怒りは徐々に和らいでいきます。そして十分悲しんだらそれを手放して、新しい人生を歩む決心をするんです。
「とにかく許しなさい!」という人もいますが、大好きな親を許せない苦しみに寄り添うことが助ける事なのじゃないでしょうか?
許せない苦しみはあなたをやさしくしてくれます。
悩みはあなたやあなたの家族が幸せになるための贈り物!
大丈夫!あなたにもできます!
Kanau Miho(カナウ ミホ)
叶 美保
心理カウンセラー/講演家
Copyright 2021年1月22日
2024年1月15日掲載許可取得