原発の万が一の事故に関して心配ごとを県知事へのメッセージで訴えてみましたが、最も心配なことには全く無回答でした 。 私だけの、思い込みだといいのですが、やはり気になりブログへも出してみることにしました。 多くの方に考えていただければと思います。 最も気がかりなことは 東京電力でも持て余している事故対応を、会社の規模が10分の1程度の四国電力がどのように対応できるのだろうとの心配です。 以下はその心配の項目です。
質問と回答をそのまま転記しました。
http://www.pref.ehime.jp/020kikakujoho/020kenseikoho/ 00006266050329/teigen2311.htm#t10
原発に関する心配事
福島原発の事故以来、各地の原発の動きを見ていて、もっと本質的なもので心配しなければならないのではと、心配事を羅列させていただきます。松山市民ですので伊方を基本に整理してみました。
1.四国電力で独自に事故対応が可能か
東京電力が福島原発での対応に大変な努力をしていますが、 企業規模が東京電力の10分の1にも満たないような四国電力が、 もしも原発事故を起こした場合あのような対応がとれるものでしょうか。
2.指令所の分散
原子力部門を松山へ持ってきていますが、いざ何かが起こった時には、松山だけで対応ができるのでしょうか。 高松と伊方と3か所の協議にならざるを得ないのではないかと想像します。非常時には、 いつでも対応できる勤務体制になっているのでしょうか。
3.避難者を収容できる施設が用意できるか
福島原発のように周辺に福島市、郡山市、さらには東京と都会が沢山ある所と比較して、四国の中で収容しきれるのか、 事故を前提とする計画が必要だと感じます。
4.大量に避難できるルートが確保できるか
伊方方面から陸路で、松山か高知方面への移動が基本でしょうがそれほど、大きなトラヒックをこなせるとは思えません。 松山は伊方から50Km以上離れているから安全かと言えば、伊方から西方にあり、 福島原発のように大半は海に逃げていくのではなく、 松山方面へ流れてくることを想定する必要があるのではないでしょうか。
5.四国の支援はどこからどのように得られるのか
福島は東京電力の設備と言うこともあり、政府が直接介入でき支援も指導も迅速に出来たのではないかと思いますが、 四国の場合、中央の指令は即座に強力な対応ができるのでしょうか。 経産省などの出先機関経由なんて事では大変な事になりそうです。東京からのメインの交通が飛行機しかないようでは、 大きな機材の搬入もままならず、どのような手順が考えられるか、 福島対策の過程を四国に置き換えると不安が少なくありません。
6.電力会社の個別訪問の意義
電力会社が原発周辺の家庭を1軒1軒回って、納得が得られるように説明に歩くと、2度も聞きましたが、 安全対策にどのような意義があるのでしょうか。
「原発は絶対安全ですよ」と何も分からない人を説得するだけでしょうか。非常時の広報方法だとか、避難方法、 放射線災害対応などを説明されているのでしょうか。無理やり運転することに持ち込みたいためにしているのでしょうか。
社員が多くの家庭を訪問する費用で 太陽光発電の設備や風力発電をより多く入れられる設備拡充をするなどの自然エネルギーの利用を推進する事は出来ないの でしょうか。
7.四国電力(株)は、いつも問題なしばかりの回答、逆に問題では
今までに様々な質問が四国電力(株)に寄せられていますが、四国電力(株) では問題なしとの回答ばかりのように感じます。 世の中、全く問題なしというのは神様か、 何もしていないかのどちらかではないかと感じます。
ほとんどの事象は様々な問題を見つけ、一つずつ解決しながら、事を進めるのが普通で、 どれだけ問題を見つけ対処したかが重要だと考えます。地震対策でもいつも問題なしとの回答が目につきますが、 想定耐震度が低すぎるのではないかと心配になります。耐震強度を上げますと何度か聞きましたが、 一度に福島以上の耐震強度に出来ないものでしょうか。
8.愛媛だけでも原発抜きの頑張りができないか
伊方原発も十分老体になっていますので、この際、四国全体と言えば難しいかもしれませんが、 愛媛だけでも原発抜きでエネルギーを賄うことに挑戦できないでしょうか。
愛媛県は年間の晴天数が多く、日射量も多く太陽光発電には好適の場所ではないでしょうか。 全ての建物にソーラーパネルを貼り付けるとか、その電気を貯める大容量蓄電池の設置、 分散した電源を効率的送配電する設備など、県の主導で地域の技術や人を積極的に活用し、 脱原発立県構想はいかがなものでしょう。
9.テレビで拝見する県の方針
原発再稼働に関して、県のアナウンスは、国の方針が出ないからと全てを国に預けようとして、 責任転嫁のように見えます。国の方針は確かに専門家集団が考えることですから立派でしょうが、 四国の事情を織り込んだ問題点をどんどん出しながら、より幅広い検討を行っている事を見せて欲しい気がします。
(回答)
今回、原発に関していろいろ御心配事がおありであるということは承知いたしました。一部の内容については、 事業者に関する内容ですので、当方で全てにお答えできるものではございませんが、防災に関して、避難者の収容施設、 大量に避難できるルートの確保、四国の支援についての御心配に関しましては、県としましても県民の安全・ 安心を確保するため、万が一、事故が発生した場合においても円滑な応急対策が実施できるよう、 関係市町や関係防災機関で構成する「原子力防災対策検討協議会」を設置し、 防災対策上の課題の洗い出しや対策の検討を行っているところです。
県としましては、国の指示事項はもちろんのこと、安全上重要機器等の耐震性向上など、 国の基準を上回る追加的な安全対策の実施を四国電力に求めてきたところであり、安全対策に終わりはないとの考え方から 、更に追加すべき対策があれば、四国電力に対応を求めていくこととしており、これらのことは、 その都度知事メッセージとして、県庁ホームページで御報告してきたところです。より一層の県民の安全・ 安心の確保に努めて参りますので、御理解いただきますようお願いいたします。
また、愛媛だけでも原発抜きの頑張りができないかとの御提言についてですが、 地球温暖化対策やエネルギー源の多様化等の観点から、再生可能エネルギー(新エネルギー、自然エネルギー) の導入促進は重要な課題であり、とりわけ、太陽光発電については、近年の発電技術の向上に加え、8月には、 再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度を創設する法案が成立したことなどから、 その導入機運が一層高まるものと考えております。
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原発の運転再開の許認可は県が大きな権限をお持ちではないかと思いますが、 電力会社の事情に踏み込めないで確かな判断ができるものでしょうか。 国と電力会社の意見をそのままに回答を出すくらいなら県の組織など無駄だと思ってしまいます。 いかがなものでしょう。???
Takechi Shinnzou (タケチ シンゾウ)
武智 伸三
スーパーレインボーラボラトリー(S.R.L)
原発を考える
出典原文
Copyright ©2012年1月23日掲載
2016.2.17許可を得て複製