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パーシャル・バース・アボーション:より詳しい考察

 

この方法は通常、妊娠20週から使われ始め、少なくとも24週まで「一般的に」行なわれています。そして、この方法はずっと遅く、9ヶ月に入ってもしばしば行なわれてきました。ロサンゼルス・タイムズ紙が1995年、6月16日のニュース記事の中で、この中絶方法を正確かつ簡潔に説明しています。

1 パーシャル・バース・アボーションとは何でしょうか?

この方法は通常、妊娠20週から使われ始め、少なくとも24週まで「一般的に」行なわれています。そして、この方法はずっと遅く、9ヶ月に入ってもしばしば行なわれてきました。ロサンゼルス・タイムズ紙が1995年、6月16日のニュース記事の中で、この中絶方法を正確かつ簡潔に説明しています。 

この方法では医師が、子宮から産道を通って頭部以外がほとんど全て出てくるまで足から先に胎児を引っぱり出すことが必要です。次に、手術用の鋏の先端を胎児の後頭部に突き刺し、そこから吸引カテーテルを挿入し、脳を吸い出すのです。 

2 「妊娠後期」の中絶はあまり行なわれないのではないでしょうか?パーシャル・バース・アボーションが行なわれるのは妊娠のどの時期なのでしょうか?この時期の胎児は生まれてきても「生存可能」なのでしょうか?

パーシャル・バース・アボーションのほとんどが、妊娠中期の後半、つまり27週になるまでに行なわれているようですが、普通は20週以降に行なわれているようです。このパーシャル・バース・アボーションはほとんど、全く「社会的な」理由で行なわれているという、注目せざるを得ない証拠があります。 

少なくとも、パーシャル・バース・アボーションの専門医である故ジェームズ・マクマホン博士は、26週以降、臨月に入っても頻繁にこの方法で中絶を行ないました。1995年に彼は下院の憲法司法制度小委員会に、妊娠後期(妊娠26週目以降)に入っても、健康な(「障害のない」)胎児を中絶させたことを明確に示したグラフと説明書を提出しました。博士のグラフでは、一例をあげると、29週や30週で中絶された胎児の4分の1が、全くどこにも障害のない胎児だったことがわかります。 

3 どんな理由で妊娠後期の中絶が普通行なわれるのでしょうか?

妊娠後期の中絶がパーシャル・バース・アボーションの方法で行なわれる理由が、他の方法で行なわれる理由と比べて一般的に何らかの違いがあるという証拠はどこにもありません。そして、妊娠後期の中絶が、母体や胎児の病気に何ら関わりがないこともはっきりしています。その方法は全く「任意の」処置であり、完全に「社会的な」理由で行なわれているのです。 

1987年に、「アメリカ家族計画連盟」(PPFA)附属の「アラン・グットマッカー協会」が、中絶を斡旋している中絶医院を訪れた1,900人の女性にアンケートをしました。1,900人のうち「420人が妊娠16週あるいはそれ以上でした。」この420人に、もっと早い時期に中絶をしなかった理由を選択肢の中から選んでもらいました。「妊娠しているのを知らなかった、あるいは妊娠期間を誤って判断していた」が71%、「中絶の手配がなかなかできなかった」が48%、「相手の男性や両親に恐くて話せなかった」が33%であったのに対して、「妊娠後期に胎児に問題があると診断されたから」と答えた人は、わずか2%でした。この報告書で、420例の妊娠後期の中絶が母親の健康上の問題が理由で行なわれたものでなかったということがわかりました。[『女性たちはなぜ中絶するのか』家族計画展望、1988年7月号、8月号] 

1993年、アメリカ医学会の公的機関誌「アメリカ医学ニュース」が、1,000例以上のパーシャル・バース・アボーションを実施したマーティン・ハスケル博士に、この特殊な中絶方法に関して録音インタビューを行いました。その中で博土は、「率直に言って、20週から24週までの間で行なわれるほとんどの中絶は、任意のものなのです。私個人の場合、このパーシャル・バース・アボーションの恐らく20%が遺伝学的な理由からで、残りの80%は全く任意のものです。」と述べました。 

1995年の訴訟でハスケル博士は、「女性たちは様々な事情でパーシャル・バース・アボーションを受けに来ました。医学的な事情の人もいれば、あまりそうでない人もいました。」と証言しました。彼が例に出した医学的な事情の中には、広場恐怖症もありました。さらに、1995年11月17日、上院の司法委員会での証言で、ハスケル博土が中絶病院を開いているデイトン市の産婦人科医・ナンシー・ローマー博士は、彼女が担当した患者三人が妊娠4ヶ月半をはるかに越えて中絶を受けるためにハスケル博士のところへ行ったということ、そして三人とも「何ら医学的な病気はなく、正常な胎児であった」ということを証言しました。 

また、ハスケル博士が1993年に三人の赤ん坊を中絶する際にこの方法を使うのを見ていた正看護婦のブレンダ・プラット・シェイファーは、一人の男の子はダウン症でしたが、他の二人は全く正常で、母親も健康だったと証言しました。 

1995年6月、マクマホン博士は、彼が行なったこの「一連」の2,000余の中絶の詳細な内訳を国会に提出しました。彼はその内のわずか9%(175例)を、「母体の健康に問題があると認められる場合」と分類しましたが、その中で最も一般的なのは「うつ病」でした。 

4 パーシャル・バース・アボーションが、母親の身体的健康を保つ唯一の方法なのでしょうか?

アメリカ医学ニュースの8月19日版に掲載されたインタビューの中で、前軍医総監のC・エバレット・クープ氏は次のように述べています。「クリントン大統領は、妊娠後期の中絶に関して何が事実であり、何が虚構であるのかに関して、顧問医学者たちに間違った方向に導かれたのだと思います。なぜならご存知のようにパーシャル・バース・アボーションと言われ、胎児の頭が出てくる前に胎児を殺してしまう妊娠後期の中絶が、母親にとって医学的に必要なことだとは、どうしても思えないからなのです。それはきっと赤ん坊にとっても必要なものではないはずです。」 世界的に有名な小児外科医のクープ博士はアメリカ医学ニュースのリポーターに、「この討論で取り上げられた障害を持った子どもたちを治療したことがあるかどうか、例えば、身体の外側に臓器を持って生まれた子どもを手術したことがあるか」と質問されました。クープ博士は、「はい、確かにあります。何度もあります。予後は良好です。身体の外側に臓器を持って生まれてくる子どもたちには一般的に二通りあります。そのうちの一つは、臓器が身体の外に出ているけれども、嚢と呼ばれる袋の中にある、 臍帯ヘルニアで…私が手術した初めての子どもは、頭よりもずっと大きな 臍帯ヘルニアの女の子で、順調に成長を続け、後に私のところのICUの婦長になりました。」と答えました。 

さらに1996年夏に、「真実を求める内科医の臨時協力者会議」という機関(PHACT)が、クリントン大統領の主張に直接異議を唱える資料を配布し始めました。9月の初め現在、PHACTは230人以上の医師からなり、そのほとんどが、産科学、婦人科医学、胎児医学の分野の教授、専門医であると伝えられています。8月に出されたパンフレットの中で、PHACTの医師は、「議会や大衆、いや最も重要なことは女性たちが、パーシャル・バース・アボーションが母体の健康、あるいは将来の受精能力を守るものであるとは医学的には何も明らかにされていないということを知らなければならない。」と述べています。 

米国議会の、7月24日のブリーフィングにおいて、西ミシガン分娩・遺伝子診療センターの産婦人科分娩医であり、PHACTのメンバーであるカーティス・クック博士は次のように述べています。「パーシャル・バース・アボーションは、母体の生命や受精能力を守るためには全く必要なものではなく、実際には、母体の健康や幸福あるいは、将来の受精能力を脅かすかもしれません。私の患者の中には、一般開業医の所には一生に一度来るか来ないかの稀で珍しい症例を持った人がいます。そのような症例を持った人は皆、私たちの所に来るのです。私たちは毎日このような症例を診ているのです。…胎児に障害があったり、胎児が少し変わっているということは、母親の生命を守るために妊娠を終わらせるという理由にはならないのです。彼らが母体の生命を脅かすことは決してありませんし、…このような稀な例が実際に起きた場合でも、分娩を完了させるよりも先に胎児を死なせる必要はないのです。」 

Editorial (オピニオン)
プロ・ライフ
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