日本 プロライフ ムーブメント

もっとも大きい声の勝ち?

命の尊厳に関して議論したことがありますか。つまり、もっと明確に言いますと、「人工妊娠中絶」に関しての議論です。経験者はよくわかるとおり、中絶賛成派の方々はとても感情的になることが多く、効果的な議論にならないのです。それは何故でしょうか。その答えを理解することは大切なことです。 

まず、中絶賛成派の方々の多くは生命について、そして中絶についての正確な情報を持っていないことが一つの原因です。人間の生命の始まりが受精卵からであること、胎児が単なる細胞の固まりではなく、複雑な生物であり、痛み、感情、その他の刺激に反応すること、中絶がその複雑な生物を足からも腕からも引裂き、頭蓋骨を潰し、極めて残酷な殺し方を用いていることなどを知らないことが多いのです。 

二番目に、ほとんどの人々は中絶賛成と主張しながら、薄々と良心の奥底では胎児を殺すことが倫理的に弁明できないことを感じているので、内面的な葛藤を抱えながら生きているのです。ですからこの問題に関しての議論では、イライラしてしまうのです。 

三番目に、多くの女性は自分自身が中絶の経験をしているので、プロライフの立場の人々が自分のことを責めているように感じ、感情的になってしまうのです。無理もないでしょう。 

四番目に、中絶賛成派の多くの人々はポスト・モダーンの世界観を持っているため、自分がそう考えていればそれ論理的な根拠がなくても、自分にとって真理であると思い込んでいます。彼らが聖書を根拠とした絶対的倫理、客観的真理、そして論理的思考に直面すると、冷静に立ち向かえないので、パニックを起こしてしまいます。つまり、自分の世界観が揺らされていることに対しての反応です。 

以上の要因を理解すれば、より説得力を持ったアプローチがどのようなものなのかを工夫することができ、上手に対話ができるようになれます。目標は議論に勝つことではなく、相手を真理に導くことです。

Timothy Cole (テモテ・コール)
ファミリーフォーラムジャパン理事・教育担当
出典 ファミリー・フォーラム・ジャパン(FFJ)
Copyright ©2015年12月19日
2016.4.7.許可を得て複製