日本 プロライフ ムーブメント

「日本における経口避妊薬ピルについて」

日本で経口避妊薬ピルが発売され2009年9月で10年を迎えました。しかし、1649歳の女性人口における普及率は3%にすぎません。そのため製薬会社の援助のもとピルをすすめる副読本「ラブ&ボディBOOK」を公立中学で配布したり、推進派の各団体がマスコミを利用して普及キャンペーンを新たに展開しています。 

ピルの実態についてもう一度考えて見ましょう。 

ピルの成分は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤又は黄体ホルモンのみで出来ています。しかし、これは天然のものとは異なる合成化合物で、口から飲んでも分解されにくく下水の中にも流れていきます。厚労・環境両省の調査において、大都会の水道水の中にも利根川や淀川の水の中にも何十種類の医薬品が検出され、生態系への影響が心配されると報告しています。つまり微量であっても生態系に大きな影響を及ぼすピルなど性ホルモン剤のことを懸念しているのです。ピル推進派のキャンペーンでは都合の悪いことは一切出さないので注意が必要です。通常のピル服用者の妊娠率は決して1%以下ではなく5%以上です。また作用においても排卵抑制だけではなく、10%前後に起る突破排卵によって受精した受精卵が、子宮内膜で発育するのを妨害して流してしまう、極早期化学的中絶作用があることを明らかにしようとはしません。 

ピルによる副作用については、服用期間に関係なく発症する血栓症による死者は、英国で10年間に104人にのぼるとの発表がありましたが、死亡例は最近でも続いています。2006年3月22日タバコも吸わず健康であった31歳のアイルランド人のジュリーヘネシーさんが居間の床に倒れて死亡しました。病理学のピーターゾンタグ医師は「唯一の重大な原因は経口避妊薬ピルでした」と検死法廷の前で証言しました。ジュリーさんの父母は「私たちの娘の死の主な原因はピルでした。ほかの家族にこのようなことを味わわせたくありません。」と述べています。 

ピルによる発がん作用については、2002年12月11日に米国立環境衛生研究所が長期間にわたる研究と科学的な調査をもとにして、ピルの成分エストロゲンを含む17の物質を発がん物質として新たに加えました。理由は経口避妊薬ピルの使用と子宮がんや乳がんの間に関係があることがハッキリと分かったためとしています。ピル服用者では、非服用者では非常に少ない30代での乳がんが、明らかに増えています。ピル服用をやめた女性がその後子どもを望んでも、妊娠率は26%低下すると言われています。 

ピルはそれ自体にも大きな問題がありますが、社会的にも多大な影響をおよぼしています。ピル拡販のため結婚年齢以下の若者に(中学生にまで)使用させる環境をあらゆる手段を用いて作ろうとしています。ピルを使わせるためには中高生の性体験をあたり前という風潮を作り出そうとしているのです。小学4年生にセーフセックス性教育の名のもとに性行為そのものをリアルに教えているのです。何兆円にもなる市場規模のポルノDVDやコミック・アダルトサイトともピルは持ちつ持たれつの関係にあると言ってよいと思います。さらに現在子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスのワクチンを、1114歳の少女に接種するように厚労省で計画がすすめられています。このウイルスを防ぐ最も確実な方法はフリーセックスをしないことであるにもかかわらず、そのことを教育の場で教えようとする動きは全くありません。お金にならないからです。このままワクチン接種が制度化されれば、中高生がセックスをすることを、ついに政府が公認することとなり、ピル拡販にとっては強い追い風になります。このワクチンは3回の接種で34万円です。ピルの販売増加と合わせ製薬会社の利益はさらに莫大なものになります。その利益の一部が政府、官公庁、医療・教育関係者、マスコミ関係に流れて行くのです。 

性感染症は他にもエイズ、性器ヘルペス、クラミジア(それによる付属器炎含む)、梅毒、肝炎などその後の人生を悲惨なものにしてしまう恐れのあるものが多数あります。これらの予防としては、たとえ完璧にコンドームを用いても、ただ感染の確率を減らすだけの効果しかないのです。結婚する特定の相手が決まるまでセックスを待つことのみが、全ての性感染症から守られる最も確実な方法なのです。これを取り入れた教育によってもそれが証明されているのです。この結婚まで待つことを教える教育無しに、ヒトパピローマウイルスワクチン接種のみが制度化されれば、さらにフリーセックスが増え、かえって性感染症が蔓延することになります。それによる不妊症も増えるため、将来結婚して子どもを生みたくても生めなくなる女性がさらに増えることになります。少子化はさらに深刻な段階に進み、近い将来日本民族は確実に滅びることになるでしょう。人口推計学から見てこれ程確実なことはないのです。 

ピルは女性の体を傷つけ、時に死に追いやるだけではなく、若者の体も心も汚し、早期の性体験によってもたらされるウツ状態から自殺を導き、家庭を破壊し、環境ホルモンとして次世代のいのちまでむしばみ、ついには民族を滅亡にまで導く死の文化の中心に位置する悪の源泉と言えるのではないでしょうか。

Hirata, Kunio (ヒラタ・クニオ) 
医学博士 平田國夫 
Copyright © 2009年12月15日 
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