日本 プロライフ ムーブメント

幹細胞研究

「幹細胞」という言葉は、元々組織学者によって作られた言葉である。この言葉は、かなり以前から組織学の文書に登場し、「再生」または「修繕」細胞として紹介されてきた。事実上、人体のすべての組織に幹細胞は存在する。幹細胞の存在目的は、亡失した細胞あるいは損傷を受けた組織を瘢痕組織などの組織や細胞で代用することである。幹細胞は部分的に分化しているが、末端分化には至っていない。これらの細胞の特徴は、分裂が必要なときに自己再生する能力を持つことである。幹細胞が分裂して誕生した娘細胞のひとつは特定の細胞に分化するが、もうひとつの娘細胞は幹細胞のままの残り、新たな分裂を起こす。組織によっては、幹細胞を容易に特定することができるが、その特定が非常に困難な組織もある[キッシャーら、1982年。肥厚性瘢痕とケロイド:その起源の検証と新しいコンセプト。走査型電子顕微鏡、iv:1699~1713;キッシャーら、1989年。肥厚性瘢痕およびケロイドの細胞株によるフィブロネクチン生成量の増加。結合組織研究、23:279~288;キッシャー、C.W.およびJ.ピンダー。1990年。ヒト皮膚・瘢痕繊維芽細胞によるフィブロネクチン(FN)生成量に対する血小板由来成長因子(PDGF)の影響。細胞検査、3:231~238。] 

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幹細胞研究:その光と影

科学は現在目もくらむようなスピードで進化している。クローニング、遺伝子治療、ミラクルドラッグ、風変わりな療法などなど。そのなかでももっとも衝撃的な出来事は1998年11月に起こっている。2人の研究者がそれぞれヒト受精卵および中絶胎児からの幹細胞摘出に成功したのである。この幹細胞を活用できると、熱烈な期待が湧きあがっている。その一方、無垢で無防備なヒトがその過程で破壊されるのではないかとの懸念の声も聞こえてくる。

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