生命倫理について(4)
今回は、堕胎について考えたいと思います。教会の考え方としては、堕胎は殺人と同じ重大なことであると言っています。では、具体的には、堕胎はどのような問題をはらんでいるのでしょうか?
Continue reading重要な問題について明確に考える
今回は、堕胎について考えたいと思います。教会の考え方としては、堕胎は殺人と同じ重大なことであると言っています。では、具体的には、堕胎はどのような問題をはらんでいるのでしょうか?
Continue reading今回は、体外授精を取り上げたいと思います。体外授精には、配偶者間と非配偶者間の二パターンがあります。教会では、どちらも正常な生殖行為によって行われるものではないので、否定されています。(ただし、配偶者間においては、不妊で悩んでいる夫婦に対して同情を示しています。)この二つに共通する問題は、まずは、現在の医療技術では、授精させるためには複数の卵子と精子が必要となり、運良く着床し、胎児が成長してくると、使用されなかった卵子と精子が残り、それらは処分されることになります。教会では、この行為は中絶するのと同じ行為であると指摘しています。また精子を採取する方法も問題だとも指摘しています。ただ倫理的には、配偶者間においては、上記で言ったように同情の余地があります。
Continue readingタレントの向井亜紀さんのことで、代理母がマスコミに取り上げられました。代理母は、カップルの精子と卵子を受精させ、その受精卵を自分たちとは関係のない別の女性の子宮を借りて、着床させ、子どもを産ませるというものです。いくつかの問題があると思いますので、整理しながら考えてみたいと思います。
Continue reading「赤ちゃんポスト」や「代理母」などといったことが今世の中を騒がせています。そこで、今回より生命倫理について考えてみたいと思います。
Continue reading日本各地の寺院を巡ってみると、あちらこちらの寺院に「水子供養」の文字が見受けられます。そして、多くの場合、水子地蔵と呼ばれるお地蔵さんを中心とした祠が作られ供養されていることが多いようです。水子というのは、ご存じのように流産や堕胎など不幸にしてお母さんの胎内にいるときに亡くなった胎児のことです。この水子供養をしている場所に行ってみると、無数のおもちゃやお菓子、また子どもの衣料品などが祭られているのが目につきます。また、水子供養のために訪れるのは、男性よりも女性の方が多いのではないかと思います。この状況は、一つのことを表しているのではないかと思います。それは、多くの人が自分の行った行為に対して、ものすごく後悔の念を持っているということです。
Continue reading緩和ケアとは死が間近に迫った人に提供される介護である。「苦痛緩和」には死に行く人の苦しみを軽減するという意味がある。そのやり方について、現在活発な議論が行われている「死に行く人」という言葉は、正しく解釈するならば、最大48時間以内に死亡すると合理的に予想できる人に当てはまる。ただし、「差し迫った」という単語の意味についても活発な議論が行われている。こうした議論に拍車をかけているのが、『生命の質』、ある種の生活に「生きる価値があるかどうか」、並びに「生きる価値がない」と思われる生命を維持することの「費用対効果」に対するさまざまな判断である。
Continue reading避妊: カトリック教会は、「生殖過程が既に始まっている、何より、直接的な意思に基づく中絶や説得されての中絶は、たとえ治療目的であったとしても、誕生を調節する合法的理由として絶対的に許されない。同様に許されないのは、永久的か一時的かに関わらず、男性か女性かに関わらず、直接的な避妊である。」(1) この教示では、コンドーム、避妊リング、精管切除術、卵管結紮術および経口避妊薬、緊急避妊薬、注射または皮膚パッチによる避妊薬の投与などの化学的避妊薬による避妊を禁じている。これらを禁じる理由は、神の意思によって行なわれ、人間の自発性によって断ち切ることができない夫婦の行為の結合的意味と生殖的意味との切り離せない関係が、避妊によって破壊されるからである。
Continue reading始めに エイズウイルスの伝染が特に著しい状況がいくつかあります。たとえば、エイズウイルスに感染している母親から生まれる子どものような罪のない者が、「母から子へ垂直感染」する場合がそうです。エイズウイルスは感染している母親から子どもへ次の3種類の経路で感染する可能性があります。
Continue reading日本プロライフ・ムーブメントのノボトニー神父様、大岡滋子さんに勧めていただき、昨年11月、Human Life Internationalのアジア・太平洋地区大会に参加する機会に恵まれました。
Continue readingアメリカで、ある先生が授業で語った話です。 「先生の親しい友達が、ある夜、突然たずねてきて、何も言わず泣き崩れた。彼はハンサムでスポーツマン、 いつも自信に満ちていた。なぜ泣いているのか、しばらく落ち着くのを待つしかありませんでした。彼は、 苦しそうに打ち明けはじめました。
Continue reading二十年程前の事、数人の婦人たちが「あの人赤ちゃんを産んで、御不浄(ごふじょう)に捨てちゃったんだって」 と話しながらお茶菓子を食べていたのを、私は今でも覚えている。特にここ数年、 折あるごとにその時の状況と産み落としたおばさんの顔が鮮明に浮かび上がってくるのだ。もちろん当時、 間引きが頻繁にあったのではない。しかしそれでもあの婦人たちは、 それが新聞に殺人事件として報道されるような事柄だとは、だれも意識していなかったのではないか、と思う。 私は彼女たちが間引きに何の罪も感じない時代に生きていたと言うのではない。 近世はもちろん近代にもあった間引きという現実を、あれは殺人行為だと捕えないような意識、 あるいは親の方に何か特別な事情があったと受けとる観念の名残を、今になって私は、 そんな記憶の内に見るような気がするのである。
Continue reading幼稚園付きの教会で働いていた時、園児の父母を対象に、宗教講座を受け持っていた。 平日の日中なのでお母さんばかりだったが、運動会や発表会などにはお父さん も来ていて、その子のお兄ちゃんやお姉ちゃん、小さな赤ちゃんも来ているので、家 族の暖かな姿が羨ましかった事を覚えている。その中の一人の女性は、ミッ ションスクール卒業で、それで子供をカトリックの幼稚園に入れていた。その彼女は ミッションスクール在学中も「公教要理」を受けていたし、教会でも勉強は続け ていたが、何故か洗礼を受けようとはしなかった。前の年の復活祭の時も受けません かと薦めたが、断って来た。それでもイエスの魅力には惹かれていて離れる事 ができず、ずっとここまで来てしまったとの事だった。
Continue reading四番目の末っ子の星子について、この子が平穏に暮らすためとあらば、 なりふり構っていられないと意気込んだりするのだが、 実情は星子という不思議な子に逆に鼓舞されているほうが多いようである。特に教育の問題についてはそうだ。
Continue readingトイレがダメになって取り替えた。立ち上がると水が流れる。至れり尽くせりである。そんなにしなくてもと思うものの、便利であり、快適である。そんなにしなくてもという思いの中に、とにかく水が流れて、そして詰まらなければよい、つまり、水が流れず詰まったらどうしようもない、生活が成り立たないという思いがドンとある。
Continue reading文学作品に描かれている悲劇の中で最も悲惨なもののひとつに、聖書に出てくるサウルの話がある。サウルは、例えていうなら、ディズニ-アニメ版「ハムレット」といったところか。本家「ハムレット」には、少なくとも主人公を陥れる正当な理由と言える悲劇が起こるのに対し、サウルは、もって生まれた資質からすれば、もっともっと明るい人生を送るに値したと思われる。
Continue readingユダヤ人の宗教物語りに素晴らしくもあり、衝撃的でもあるひとつの話しがあります。
Continue reading「長い孤独」という自叙伝の中で、ドロシー・デイはかつて人生においてどん底の状態にあった時に、いかに祈りを捧げていたかについて語っている。
Continue reading私は自殺に関する記事を毎年書きます。なぜなら、あまりにもたくさんの人々がこの方法により愛する人を失った痛みをかかえて生きなければならないからです。私達の親しい誰かが自殺の犠牲者になった時、たくさんの混乱(なぜ?)や罪(私達は何かをしたかもしれない?どうしてもっと早く気が付かなかったのだろう?)や誤解(これは絶望の究極の形)と共に私達は生きることになり、そして、もし、私達が信仰を持つ人なら、宗教的心配も同じように出てきます。(神はそのような人をどうやって扱うのでしょうか?彼あるいは彼女の永遠の運命はどうなるのでしょうか?)
Continue reading「神秘主義的な祈りの指針」という彼女の本の中で、ラス・ブロ-ズはテレ-ズ・リジックスについて興味深いコメントをしています。彼女の写真を見て、ブロ-ズは、集団の中にいてさえも、テレ-ズの顔には分離の素質、1人でいる素質があることを表わしていると指摘しているのです。彼女はとても社交的な人だけれども何かがいつも彼女を分離させています。何ものも全く消すことができないようなそれほどの孤独が彼女の中にあります。
Continue readingピエ-ル・テルハ-ド・シャ-デンは、批評家さえも認めている希望の男でした。実際に、彼の全体の視野は一般にあまりにも希望に満ちすぎたものだと批判されています。だから、希望と待降節を説明しようとする時、私はテルハ-ドの物語を紹介します。
Continue reading初期の本で、アニ-・ディラ-ドはどのようにして待つことの重要性を経験したか紹介しています。彼女は蝶がゆっくりと繭から出てくるのを見ていた時でした。その非常にゆっくりとした変態の過程はとてもおもしろいものでした。しかし、その時彼女はせっかちになりました。彼女はろうそくを取り出して、繭を熱しました。わずかに少しですが速度が増しました。効果がありました。その蝶は少し早く姿を現しました。しかし、その過程が不自然に急がせられたために、生まれた蝶の羽は正確に形成されず、飛ぶこともできませんでした。
Continue reading私の両親には、深い信仰心があった。二人とも祈りは毎日欠かさず、私達子ども達にもいっしょに祈らせた。両親が毎日していたお祈りは、「サルヴェ・レジナ」という古い有名な祈りで、マリア様に私達の取りなしを願い、聖母をたたえる祈りだった。このお祈りを知っている人は多いと思う。このお祈りの中に、人生における私達の有り様を「涙の谷で嘆き悲しむ」と表している部分がある。このような言い方は、健全だろうか?両親は、そんなことは考えもしなかった。ただ彼等には、この祈りには優れた意味があった。
Continue readingステファニー・クラークは、娘のズボンを探そうとしてクローゼットを開けた。毛布にくるまれた小さな新生児をそこに見つけた時の彼女の驚きを容易に想像できるだろう。「驚きのあまり悲鳴をあげました。」とのちに彼女は報道陣に語っている。「すぐに警察に電話をしました。『誰の子どもか』と聞かれて私は『まったくわかりません。』と答えるしかありませんでした。」
Continue reading中絶クリニックの待合室で、少しの間私と一緒に座ってみましょう。ここには、一般的に哲学者でも馬鹿者でもない女性たち、明らかにその両者がかなり重複したカテゴリーの女性たちがいることがわかるでしょう。この女性たちの中で、「人間であるということ」の意味についての不可解な議論に関わったことのある人はほとんどいません。愚かにも、中絶をすることは歯を抜いてもらうことと同じだという主張を信じる人はさらにいません。
Continue reading再び、人間の胚が大きな危険にさらされている。再び、意図的な胚の破壊を認める法的認可が要求されている。
Continue readingキリスト教の真髄は、イエス・キリストの死からの復活である。キリスト教では、キリストの復活を祝う教えが根づいている。なぜなら、キリストの復活は、キリストだけでなく、キリストを信ずる者全員の生命の勝利を意味するからである。キリストが墓から生き返るということは、我々も墓から生き返るということだ!
Continue reading大聖年である2000年に備えて聖霊に捧げられた1998年は、教会が回勅『フマネ・ヴィテ』発布30周年を祝った年でもありました。しかし、これら二つの出来事はカレンダー上のつながりよりもはるかに深く結ばれています。聖霊について私達が信じることは回勅『フマネ・ヴィテ』が伝える真理をより深く理解し、受容させます。
Continue reading中絶を、「決してなくならない問題」と呼ぶ人がいます。中絶に関する国内の論争は激しくなる一方で、全く沈静化の兆しがみえません。教会に来て、ちらしを一部受け取って小声で、「中絶の話を聞く場合にそなえてこれをもらいましょう。」とただ言う女性のように、そのことにもう耳をかそうとしない消極的な人もいます。また、中絶について寄せられた手紙に対して、いつ命が始まるのかについて考える気もしないと発言した政治家もいます。私達を不安にさせる情報から身を守る手段はたくさんあります。
Continue readingロー対ウェード判決から二十五年経過しました。そして今、生命を囲む環境は最悪です。あの時点以来、米国では三千七百万人の赤ちゃんが合法的中絶手術で抹殺されています。幼児殺害と安楽死は社会から容認されつつあるようです。一九七三年のあの判決はこのような人間の生命軽視のきっかけになったのでしょうか?社会のこの崩壊ぶりの原因はさらに遡って、避妊を多くの人が容認していることにあると考える人たちも多いのです。
Continue reading前掲で「北京オリンピック」関連の話をしましたが、 今回はやはり2008年の北京オリンピックの水泳競技に関係する話です。 久しぶりに北島選手など水泳陣が素晴らしい成績を残しました。その水泳選手を指導された脳神経外科医林成之博士の「 脳に悪い7つの習慣(幻冬舎)」の紹介です。(昨年の社内向け「冲中ブログより)
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