コミュニケーションの大切さ(1)

Shimazaki, Hiroki (シマザキ・ヒロキ)
嶋崎浩樹
2001年5月霊性センターニュース
出典 『LOGOS(みことば)』
許可を得て複製

現代社会のコミュニケーション

現代社会は、IT(情報技術)社会と呼ばれています。 数年前までにはほとんどなかったインターネットの発達と携帯電話の普及が急速に進んでいます。特に携帯電話は、 小学生の四分の一が持っていると言われているほど、老若男女が持ち歩いている機械です。また、 ただ通話するだけではなく、インターネットのホームページが検索できたり、eメール(電子メール)が利用できたりと、 携帯端末として発展を続けています。これらのものは、現代社会においては、 もはや欠かすことのできないものとなりつつあります。でも確かに便利ですが、そこに潜む落とし穴もあります。

まず、eメールですが、これは実質的には、ふつうの郵便と変わりません。ただ大きく異なるのは、 瞬時にして相手にメッセージが届くと言うことです。そして、一日のうち、何度も往復することができ、 互いのコミュニケーションをとることができます。言だけでは、行き違いや誤解があったりするものが、 文書で行き来するものですから、そういったことを防ぐことができます。 特に日付や数字などに関することは有意義でしょう。しかし、長所でありながら、一歩間違えると危険性も存在しています 。それは、eメールは、匿名性があると言うことです。本名を名乗らなくてもハンドルネーム(ニックネーム) で送ることができます。ですから、自分というものを隠してやりとりをすることができます。そのため、 自分の本当の気持ちをストレートに表現することもできる反面、 匿名性のために相手の人を傷つけてしまうと言うことも起こりえます。また、 メールの特徴として文書でやりとりする場合に比べ、堅苦しさがなく、話し言葉で自由にやりとりができます。

次に電話ですが、メールに比べて匿名性は低くなり、かつ相手の表情が見えてくるようになります。 顔の表情を見ることはできませんが、声の抑揚などの表情で相手の気持ちをある程度察することができます。また、時間差 (タイムラグ)がないために話したことに対してすぐに反応が返ってきます。ですから、 田舎の親御さんの元への連絡を取る場合など手紙よりも電話の方がより安心すると言った面もあるのではないでしょうか?

しかし、一番人と人としてコミュニケーションをとるのは、直接対面して話すことに勝るものはないでしょう。 相手の表情を直接見ることができ、こちらの言ったことで喜んだのかむっとしたのかなど、よくわかります。また、 必要であればメモをとったりメモを交換することによって、行き違いや誤解はかなりなくなります。ですから、 人とコミュニケーションをとるのは、直接対面することを基本に考える方がいいでしょう。その上で、 eメールや電話をうまく活用すれば、よりコミュニケーションは深まるでしょう。たとえば、 ちょっとした連絡や直接会ったり、電話ではなかなか言えない気持ちをメールで送ると言うことも一つの手でしょう。また 、時間やその他の制限によってなかなかあって話すことが難しい相手に対しては、 電話によるコミュニケーションをとることも必要となるでしょう。でもそれらは、あくまでも補助的手段であって、 直接会うことに勝る方法はありません。

現代の若者は、コミュニケーションが難しいと言われています。 eメールやチャットで匿名性のメッセージ交換はできるけれども直接会って話すことには抵抗があるようです。それは、 会って話すことによって、お互いの素性が徐々に明らかになり、時には傷つけあうこともあるからです。 そのようなことを恐れてのことでしょう。

しかし、コミュニケーションの最大の目的はお互いを分かり合うこと、受け入れあうことです。自分の気持ちを打ち明け、 また相手の気持ちや言っていることを受け止めることが必要なのです。そして、お互いが徐々に受け入れあうことによって 、最終的には、心を完全に許したオープンな関係へと発展していくのです。この関係の構築が、人間完成への大切な道です 。私たちは、神様に似せて造られました。ですから、私たちの究極的な目標は、 神様と同じような存在になると言うことです。そのためには、愛しかありません。愛というのは、お互いが受け入れあい、 相手のことを思いやり気遣うことです。この愛を育んでいくためには、やはり人と接することによってしかありません。 人と接していくわけですから、当然ぶつかり合うこともあるでしょう。でもそのときにこそ、 相手のことをもっとよく知るチャンスです。ぶつかった原因は何なのか?もし、行き違いや思い違い、誤解があったならば 、話し合って解決するだろうし、ある時には謝ると言った謙遜な姿勢も必要となります。 こういった一連の流れによって私たちは、完成された人間へと成長していくのです。

もう一度言いますが、この完成された人間に向かっていくためには、直接会って話すことです。電話やeメールでは、 途中で切ったりすることが可能です。でもそれでは成長しません。また、 行き違いや誤解が生じても修復が難しくもなります。そのためにもまずは直接会って話す。そして、その補助的手段として 、eメールや電話を用いていけば、よりコミュニケーションが深まっていくことでしょう。要は、 いかに便利な道具を使いこなしていくかです。便利な道具は両刃の剣です。この道具をどう扱っていくのか、 その手腕がこれからの私たちに問われているのではないでしょうか?

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