本物の性と愛の選択を一若い世代へのメッセージ

Sakai Takako (サカイ タカコ)
2005
酒井 孝子
長崎純心大学短期大学部非常勤講師
許可を得て複製

現代は性について、本当の愛についての誤った情報(映画・テレビ・雑誌・インターネットなど…)が爆弾のように降っています。そのため人間が本来もっていた良心の声・清さを失わせ、多くの若者は何が本物なのか判別出来ないほど、この世の誘惑に惑わされていると思います。

神様は自分の行動は自分で判断し選択する自由をお与えになられました。(シラの書15章14節)この自由というのは、決して好き勝手なことをしたり、自分がやりたいことを望むことを言っているのではないと思います。与えられたこの自由を自分自身のためにつかうか?あるいは人のために、本当に愛するために用いるのか?一人一人の忍耐とか努力が必要です。一番短かことで、この自由を男性と女性の関係に当てて見たいのです。

心理学者のフェーデマルケッテイという方はこのように言っています。「まず、本当の愛の関係であるためには自由がなければならないのです。基本的にふたつのことが考えられます。

まず第一は兄弟的関係。つまり男女という違いの中で共に社会に貢献するという生き方です。これは信頼をもって実りをもたらす関係です。

第2は結婚・家庭における男女の間にある特別な関係です。結婚によって結ばれた男女の愛は肉体的な面において表現されるものです。このような愛は摘み取った切り花のような愛ではありません。次第次第に根をおろして枝を広げて子どもたちにまで広がっていく樹のようになっていかなければなりません。愛は肉体的に実りをもたらすものです。ここに男女の関係において本当の自由が得られるのです」と。

更に、「愛の表現としての性は自由に永遠にお互いを選び、生まれてくる子どもたちの責任を共に担うという基盤があって始めて可能です。そのような基盤がなければ性は単なる遊びにすぎない。次第次第に人間として堕落したものになるであろう」と述べています。

つまり男女の愛の特別な関係は家庭という基盤があって始めて自由と言えるのです。そうでない関係は不自由となり、自らを惨めな状況へと導くものです。

ここで、私たちは考えたいのですが、フリーセックスがよいのでしょうか、それとも結婚生活において互いの愛の表現としての性を選ぶのでしょか?どちらが本当の幸福に導くのでしょうか。本当に結婚前の性の関係は愛の助けになるのでしょうか?

幸せなしっかりとした結婚へのプロセスは、男女が人格的にも成長していくことが大切だと思います。ふたりを引き寄せるのは感情でしょうが、感情だけでは十分な愛ではありません。これが愛かもしれないという誤った判断をして安易に特別な関係に陥ることは大きな間違いです。婚約期間、肉体的関係を結婚まで待つようにしなければなりません。

[愛するってどういうこと?](福音社発行)の中にこのような記事が目に止まりました。学生20歳の投書です。

『私はいままで.結婚まで関係をもたない。と決めていた。しかし、つきあっていた彼から「関係をもたずには交際できない」と言われ許してしまった。その後も何回も求められた。ある友人に相談したら、「女性が諦めるしかない」「彼の気持ちを受け入れるのが当然」つまり皆が「交際=関係」と考えている。しかし、肉体関係によってしかお互い愛し合っていないなら、二人の関係はとてもうすっぺらなもので、その愛はほんものでないと思う。もっと真剣に性について考え直す必要がある』

多くの若者は婚前交渉によって望まない妊娠、そして、かけがえのない貴いいのちを闇に葬る悲しい中絶へと走り、一生、心と体に大きな後悔を残しています。外国にいる私の友人は「日本人はノーが言えない。異性から求められると、きちんと自分の意思を相手に伝えないまま、妥協してしまう傾向がある。自分を大切にする生き方は相手をも罪や悪から守って上げることではないか」と指摘しています。自分の意思をはっきり伝え、ノーをいう必要があるのです。性は、かけがえのない私という人格なのです。つりSexは私のすべてを与えるものです。愛があればいいではないかという風潮がありますが、彼が本当に求めているのはあなたの人格ではない。単なる「快楽」を求めているのです。つまり「愛」ではないのです。

ほんものの愛は待つ愛です。相手の気持ちを受け入れ、相手を傷つけない愛です。本当の愛についての正しい価値観を持つことが大切です。そのためには、淫らな性の描写を特にテレビ・映画・ポルノ雑誌・インターネットなどから切り捨てるというはっきりとした態度が必要です。

更に、性の悲劇は広がっています。おそろしい性行為感染症の拡大です。

医学的にはHIV感染もその結果に起こるエイズもその他の多くの性病も正確に解明しています。にも関わらずコンドームや避妊薬ピルや避妊具を奨励して「セーフセックス」という嘘の宣伝によってますますエイズや性病は広がっているのです。ですから、結婚前の性を大切にし、結婚してから夫婦の忠実を生きることこそ、今何より問われていることです。一瞬の誤った選択は自分自身の人格を損ない、更に健康も害され、自らのアイデンティティを失うという結果になりかねません。

そこで、自分自身の清さを保つために、今から自分には出来るという確心を持つことです。そしてやり直すこと、このふたつの決心が大切です。自分はできないと思わないことです。つまりこの世の流れに逆らう生き方、チャレンジするという決意です。

本当の性と愛は、イエス様がこの地上にもたらして下さいました。聖書の中でも[人は神に似せてつくられた](創世記1章27節)とあります。それは愛するために愛されるために私たちのいのちはつくられたからです。つまり、いのちの与え主である方は私たちひとりひとりの遺伝子のなかに、兄弟を愛するというDNAを組み込んで下さいました。ですから愛することは誰にでも出来ます。その愛は自分の利益とか自己満足のためではない相手を大切にする愛です。

愛について、ユネスコ平和教育賞を受賞したキアラ・ルービック女史はこのように言っています。愛には特徴があります。「美しい本当の愛は“いつもすべてのひとを愛します。“相手の中にイエス様をみる。相手を自分のように愛する。相手と自分をひとつにする。例えば結婚式に呼ばれて行って、そこで、むっとした顔をしてはいけないでしょう。共に喜ぶ必要があるのです。又、病気の人を見舞う時、自分には微笑みたくなるようなことがあってもその時は相手と苦しみを共にすることでしょう。そうでない愛は口先だけで愛する愛で、相手のことなど考えていません。又うつくしくない愛は利己的であり、個人主義に終ります。美しい愛は相互愛を生み出します」と。

つまり、どのような状況や環境に置かれても、いつもやり直しながら、今という瞬間の中で、ほんものの性と愛を選択して生きることが大切です。

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