思春期の中絶の有害な影響

Reardon , David (リアドン・デビッド)
エイミ−・R・ソビ−
英語原文より翻訳: The Post Abortion Review

こんにちアメリカで行なわれている中絶の約20%は、10代に行なわれています。(1) 10代の中絶は、薬物やアルコ−ルの乱用、(2) 自殺未遂や自殺願望、(3) や他の自己破壊的な行動を含むたくさんの身体的精神的問題と関係があります。

ある程度の年齢に達して中絶をした女性と比較して、10代で中絶をした女性は、中絶と関係のあるより深刻な精神的外傷を受けたという場合が極めて多いのです。(4) この調査結果は、中絶後のカウンセリングプログラムに参加する女性の中で、10代で中絶した女性の数がけたはずれて多いという事実によって裏付けされています。(5) たとえば、WEBAが行なった中絶経験のある女性の調査においては、40%以上もの女性が、中絶時には10代でした。(6)

精神的危険

大人になって中絶をした女性と比較して、10代で中絶をした女性は、

10代の女性が妊娠継続を決定する主な要因は、両親や子どもの父親や友達の考え方、若者自身の性格、周りの人々の中絶に関する文化的慣習的考え方であると研究は示しています。(12) 大人の女性と比較すると、10代の女性は両親や性的関係の相手からの圧力によって中絶をする傾向が多く、(13) そのことが、彼女たちが中絶後に有害な精神的影響を被る危険性を高めているのです。

10代の女性はまた、赤ん坊を中絶せずにおきたかったこと、中絶を受けるときのカウンセリングで間違った情報を与えられたという気持ちが強いこと、中絶の処置に不満であること、そして中絶後のストレスが強いことを回答する傾向がより多くみられます。(14)

彼女たちは、中絶の処置自体が苦痛で、罪悪感を感じさせ、憂うつで孤独感を与えるものだと考えています。(15) 研究者はまた、若年女性の間で、中絶中にひどい痛みを感じたという報告が多いのは、中絶前の不安感や恐怖感がより強いことと関係があることを発見しました。(16)

若年女性は、中絶に適応するのにより困難を感じます。ある研究で、10代の中絶女性は、大人の中絶女性よりも、中絶後にひどい悪夢を見たと報告する場合が多いことや、反社会的特徴や偏執症や麻薬の乱用や精神病的妄想を測定する尺度において高いスコアを取る傾向が高いことがわかりました。10代の中絶女性はまた、自分の問題を他人に投射したり、否定したり、「行動に表したり」することのような、大人の女性よりも未熟な対処方法を用いる傾向が強く見られましたが、そのような方法は慢性的なものになる可能性があると研究者は考えています。(17)

代替妊娠

もう一つの研究で、中絶後の健全な適応方法を採ることができている10代は4分の1未満であり、多くが妊娠と中絶を繰り返すサイクルの中でトラウマを再び経験し続けていることがわかりました。(18)ある研究では、普通中絶によって妊娠の喪失を経験した10代の約59%が15ヶ月以内に再び妊娠していることがわかりました。(19) 別の研究では、中絶した10代の18%が2年以内に再び妊娠していることがわかりました。(20)

妊娠を繰り返すことは、中絶問題が未解決であることと別の子どもで失われた妊娠の「代用」をさせたいという願望を「行動に表す」という若い女性特有の症状の一つなのです。不幸なことに「代わりの赤ん坊」は、1回目と同様または時にはそれ以上のプレッシャ−に直面することになり、しばしば中絶されてしまうのです。たとえば、ニュ−ヨ−ク市の行なった研究では、1度中絶をした10代は、今回が初めての妊娠の女性よりも、現在の妊娠を中絶する可能性が4倍高いということがわかりました。(21) ロサンゼルスで行なわれた10代の中絶に関する別の研究では、彼女たちの38%がすでにそれ以前に中絶を経験していて、18%が同じ年に2度の中絶を経験したことがわかりました。(22)

特に心的外傷の大きかった10代は、自分に対する罰の一つの形として、または妊娠を繰り返すことによってトラウマを解決しようとする無意識の試みによって中絶を選ぶことがあります。他のケ−スでは妊娠を続けたいと思っていても、両親や恋人から「みんなにとっての最良のもの」としての中絶を受けるようにとの圧力を感じることもあるでしょう。ある心の痛む例では、4回も母親に中絶を強制され、やっと5人目の子どもを産むと主張できるようになったと回答した10代もいます。(23)

身体的危険

中絶手術を受ける10代は、大人の女性と比較して中絶中に頚管裂傷になる可能性が2倍あります。(24) この危険度の増加は、10代では頚管が小さく、器具でそれを広げたりつかんだりするのがより困難であるという事実が原因だと考えられています。

10代はまたPID(骨盤腹膜症)や子宮内膜炎のような中絶後の感染の危険がより高いのですが、それは認知されていない性病が中絶中に子宮内に侵入したためか、子宮内に挿入された手術用器具に微生物が付着していたかのいずれかによって引き起こされることがあります。(25) 研究者は、10代は身体がまだ十分に発達しておらず、大人の子宮粘液にある感染から身体を守る働きをする微生物を作り出すことができていないので、感染症に罹りやすいと考えています。(26)

他の研究では、以前にPIDになった若い女性や出産までいたらなかった女性は、中絶後の感染症に罹りやすいことが示されています。(27) さらに10代は、大人よりも処方された抗生物質を服用したり、感染症のような医学的問題の治療のための食餌療法に従う傾向が少ないので、不妊症や子宮切除や子宮外妊娠や他の重大な合併症に対する危険性が高いのです。(28)

10代は、最初の妊娠を中絶する可能性が高いため、彼女たちはまた他の危険にも直面しています。(29) たとえば、1回目の妊娠を全うすれば乳癌になる可能性を減らすことができるのですが、1回目の妊娠を中絶すれば、乳癌になる可能性が30〜50%高くなることが研究によって示されています。(30) さらに、中絶をする10代は、若年での妊娠を全うすることがもたらす、乳癌の危険性を減らす保護効果を失うことになるのです。

妊娠後期の中絶の合併症

疾病管理センタ−は、妊娠13週目またはそれ以降での中絶は、全体ではわずか12%にしかすぎないのに対して、10代ではそれが30%になると報告しています。(31) 10代の間で遅い時期での中絶の割合が高いのは、彼女たちが逃れることのできない中絶を仕方なく受けていることの一つの表れなのです。

遅い時期での中絶を受ける女性は、まさに次のような理由で中絶を受けることをしばしば遅らせているのです。

  1. 中絶の決定について複雑な気持ちである、またはあまり満足していない。
  2. 中絶に対する宗教的、道徳的反対がある。
  3. 12週までに中絶をする女性よりも、胎児により好感を持っている。(32)

中絶に対する迷いの気持ちが多いことが、1週間が過ぎるごとに胎児を生かしておくことへの支持が具体化されるのではと期待しながら、女性が長期間にわたって他人からの中絶するようにとの忠告やプレッシャ−に抵抗する可能性を増大させていくのです。

この点に関して、世論調査は絶えず大人の女性より10代のほうが、中絶に反対の立場を多く取っていることを示してきましたが、そのことは10代の間で後期の中絶の割合が多いことを説明するのに役立つでしょう。疑いもなく、もうひとつの要因は、恥ずかしさからか、望まない中絶を強要されるのをさけるためか、彼女たちが妊娠していることを隠す傾向が高いということです。結局、多くの10代は、自分の両親やボ−イフレンドがただひとつの選択肢、つまり中絶しか支持しないことを前もって知っているのです。しかし妊娠していることを隠しても、中絶へのプレッシャ−から本当に自分を守ることはできないのです。中絶は妊娠中の9ヶ月の間いつでも合法的に行なうことができるので、妊娠がわかったときには、すでに親やその他の人々が少女に中絶を迫るには遅すぎるということはないのです。

後期の中絶と、中絶を遅れさせることや妊娠を隠すことや中絶しなければいけないというプレッシャ−を感じることのような迷いと関連のある全ての要因は、中絶後により深刻な情緒的精神的問題を引き起こすことになります。(33) 第2期や第3期に中絶をする10代はまた、子宮内膜炎(34)、子宮内癒着、PID、頚部不全、流産、子宮外妊娠、子宮破裂、そして死をも含む身体的な合併症の危険が増加します。(35)

さらに第2期でしばしば用いられる、D&X法(子宮内容除去術の一つ)による中絶は、その後の妊娠における未熟児の出産と関連があり、(36) それは脳性麻痺を含めた様々な健康や発達の問題を赤ん坊にもたらす可能性があります。(37)

結論

中絶権擁護のアラン・グットマッカ−研究所は、10代の中絶の約40%は親の関与なく行なわれていると見積もっています。(38) その結果、これらの子どもたちの親は、子どもたちが経験するかもしれない身体的精神的合併症について事前に何も警告を受けていないのです。中絶が、うつ状態や怒りや薬物乱用のような理解できない情緒的反応をその後に引き起こした場合、親は怒りを表したり混乱したりし、少女とその親の問題を悪化させることになります。

このように中絶を親に隠していることの代償は非常に高いのです。メリ−ランドの16才のエリカ・リチャ−ドソンとニュ−ヨ−クの13才のド−ン・ラバネルは、親に言わずに中絶を受けた後に合併症で死亡しました。(39) 精神病歴のあったセントルイスの14才のサンドラ・カイザ−は、サンドラの母親にだまって彼女の義姉が中絶に連れていった3週間後に自殺しました。(40)

悲しいことに、中絶支持派の人々はこのような悲劇を防ぐことに役立つ法律と闘い続けてきました。つい最近中絶支持派の団体は、州の親への告知を義務付けた法律を回避してそのような法律のない他の州へ10代を中絶のために連れていくことを連邦法違反にしようとする法律を可決しようとする国会での試みに強硬に反対しました。この法律は全ての10代の中絶を防止することはできませんが、少なくとも親と娘の権利は守ることができるでしょう。

このように論文を少し再検討しただけでもわかるように、多くの研究が、大人の女性と比べて、若い女性、特に10代は、中絶後に身体的精神的合併症に罹る危険性が非常に高いことを示しています。しかしこの情報は普通、一般大衆によって知られておらず、ましてや娘に中絶するように強制する親には知られていないのです。

このようなケ−スの多くにおいて、親は娘の将来を守る手助けをしているのだと本当に信じているのです。親は自分たちが、永久に娘の人生に悪影響を残す身体的精神的トラウマに娘をさらしているということに気付いていないのです。中絶を行なうクリニックも、中絶の危険性を秘密にしておくことで既得権を維持しているがために、10代やその親や、また司法の追求を免れるために、親の立場に立つ裁判官に、危険の全貌を話さないのです。

中絶は、身体的精神的合併症に罹る危険性がより大きな若年の女性にとって、危険に満ちたものです。このような危険性を、10代やその親やさらには裁判官にまで隠している中絶クリニックの詐欺的な行為は、犯罪以外の何物でもないのです。

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