大企業が臓器の異常取り引きに資本提供

Lloyd-Roberts, Sue (ロイド・ロバーツ、スー)
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ヨーロッパの最も貧しい国で、移植される臓器に対して急増している需要を満たすための、一部イスラエルの保険会社の資金による人体の臓器の掠奪的な取り引きが頻発しています。

臓器売買は、中国とイラン以外の全ての国で禁止されています。しかし調査によって売買ルートはヨーロツパで最も貧しい国であるモルドバ共和国からスタートし、トルコを経由してイスラエルで終わることが明らかにされています。

この残酷な取り引きの犠牲者の一人であるセルゲイという名前の人が、モルドバ共和国の首都のキシニョフの斡旋人が、2年前に仕事を世話すると言葉巧みに彼をトルコヘ連れていき、腎臓を提供させたいきさつを説明してくれました。

その仕事が現実のものとならなかったとき斡旋人のナイナ・スコビオラは、セルゲイに家に帰るバス代を払うために血を売るように言いました。彼女は彼をイスタンブールの郊外の個人病院へと案内し、そのあと彼は腕に注射をされました。「意識が戻ったとき、身体全体がとても痛くて、起き上がることができませんでした。私の身体の中から何かがなくなっているという感じがしました。」と彼は言いました。

麻酔が切れたとき、斡旋人が部屋に入ってきて、「腎臓を一ついただいたわ。もうどうすることもできないわ。腎臓の代金として少しお金をあげるわ。いやなら自分でどうにかしなさい。」とだけ言ったと、セルゲイは言いました。セルゲイはお金をもらってモルドバに帰りました。「6ヶ月後、私にそのことを思い出させるものは、パスポートに押されたスタンプと私の身体の左側の痛みだけでした。」と彼は言いました。

イスタンブールのスコビオラとミンギールの村のもうひとりのナイナによって行なわれた不正な取り引きのことはモルドバの警察もよく知っていて、そのせいでその地域の若者には腎臓が一つしかないものが多数います。彼らの大部分が自発的に腎臓を売っています。「こんなことをして恥ずかしく思っています。私たちは祖国を辱めることになったのですが、ほかにその状況から抜け出す方法はないのです。」と自分の腎臓を進んで売った村人の一人であるウラジミールは話しました。

ルーマニアとウクライナに挟まれた国である、ソビエト崩壊後のモルドバの状況は、仕事も将来の見通しも全くない国なのです。もし若者が結婚をしたい、または家を買いたいと思えば、商業的価値のある財産は一つ、つまり自分の臓器しか残されていないのです。

モルドバ組織犯罪局のヴェレリュウ・ガリットは、「二人のナイナ」と呼ばれる女がその取り引きを握っていると言いました。一人がモルドバの村で男たちを確保します。それから彼女はトルコのスコビオラに電話をします。「スコビオラがゴーサインを出すと、ナイナが彼らを手術が行なわれるトルコ行きのバスに乗せるのです。医者はトルコ人で、臓器が移植される相手は主にイスラエル人なのです。」とガリット氏は言いました。

臓器を提供した人びとは全員、手術を行なった医者を覚えています。ユスフ・ソムネズは、イスタンブール大学病院で経験を積んだ腎臓外科医で、警察の手が伸びるたびに、個人病院を転々としています。1997年にトルコのテレビ局がドキュメンタリー番組で彼の活動を暴露した後、イスタンブール保健局は彼が公衆衛生部門で働くことを生涯禁止しました。先手を打つために、当局はイスタンブール市の個人病院が腎臓移植手術をする許可を認めることを拒否しています。しかしソムネズ医師は活動を続けているのです。

トルコ詐欺摘発部のアヤン・ミマログルーは、その医者は非常に抜け目のない人物だと言っています。「彼は、臓器の提供者に、自分たちが臓器を自発的に提供しているという内容の書類にサインさせているのです。」彼は、北には極貧の臓器提供者が無限にいる貧しいモルドバがあり、南東には豊かなイスラエルの腎臓病患者が待っている地理的に理想的なイスタンブールという都市にいます。看護婦がイスタンブールには35人のイスラエル人がソムネズ医師から新しい腎臓を移植されるのを待っていると言っているのを立ち聞きしたと一人の臓器提供者が言いました。

テルアビブのイスラエル臓器移植センターの所長であるジョナサン・ハレビー教授は、自分と同国人がこの売買ルートを作り出したことに戸惑っていると言いました。「墓へ行くときは完全な身体でなければならないというほとんどのイスラエル人の中に深くしみ込んだ信念」のために、イスラエルは臓器提供者の問題を抱えていると彼は言いました。

マイク・レヴィンスキーはソムネズ博士の手術を受けにイスタンブールヘ行った最初の人々の中の一人です。「私は、お金で腎臓を買って移植することがどこでも違法であることは知っていました。」と彼は言いました。彼は病院で隣の部屋にいたにもかかわらず、臓器提供者に会うことはありませんでした。だれの臓器が彼の体内にあるか、彼は興味があったでしょうか。答えはノーでした。

シックファンズとして知られているイスラエルの保険会社は、政府の資金援助を一部受けています。その結果公共の資金が海外での腎臓移植の資金援助をするために使われているのです。ハレビー教授はこのことを認めました。「私はそのことを否定することはできません。私はそのことを非難していますが、シックファンズは、『イスラエルで腎臓移植を受ける可能性は全くない。少なくとも、イスラエルの病院で移植を受けた場合に支払われる金額を私に払ってもらいたい。』と移植待ちの契約者に言われているのです。彼らは新しい腎臓を買うことに使われるお金をその契約者に支払っているのです。」と彼は言いました。

人体の臓器売買は依然として大部分の医療機関にとっては忌避されることですが、イギリスだけで5千人の患者が腎臓移植を待っている状況なので、その考えを議論する必要があるという医者もいます。

再び話はモルドバに戻りますが、臓器提供者たちは、自分たちが臓器を失ったことを仕方のないことだと思っているわけではありません。「私の腎臓を受け取ったイスラエル人に何を言えるでしょうか。彼らが詐欺でそれらを受け取ったにせよ、済んでしまったことは済んでしまったことです。その人には健康になってほしいと思いますが、その件は彼らの良心にまかせましょう。」とセルゲイは言いました。

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