人口過剰?

Kasun, Jacqueline R (カスン・ジャクキリン)
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英語原文より翻訳: www.lifeissues.net

それはいつもと同じような日だった。あなたの子どもがいつものように宿題を持って学校から帰ってくる。ただ今日の宿題は、世界の生態系の中で「人口過剰」がもたらしている問題を詳述することだった。

この宿題は、世界の人口「問題」を教える為のものだった。

あなたはどうするだろうか?子どもが教わってくる事を、そのままにしておくだろうか?確かにこの問題は、テレビや新聞で何年も前から言われ続けてきた。それとも何か反対意見を言うだろうか?あなたは、この問題が持つ別の本当の脅威から、自分や子どもを守らなければいけないのではないだろうか?「人口過剰」の問題はもう、これまでのような単なる会話のネタではない。それは政治の重大な問題であり、地域、国家、国際レベルで扱われている。私達の政府は現に、法律と国際協定によって、世界の人口増加率を減らそうとしている。

ティモシー・ワース特使のような政府のスポークスマンは、アメリカも同じく人口を減らすよう努力しなければならないと言っている。あなたが孫を持つことが出来るかどうかは、この政策が実行されるかどうか、もしくはどのように実行されるかにかかっている。すでに多くの国では、権力を使って不妊処置を受けさせたり、国民の一人である胎児を中絶させたりしている。これらの政府は、国連やアメリカ、又は「家族計画」連盟のように政府にバックアップされている民間団体から経済的援助を受けている。

家庭に子どもを増やさせない政策は沢山ある。父親を経済的に圧迫し、母親が専業主婦として子育てに専念しにくいようにする。具体的には、子どもが多い家庭には税金を課し、仕事を探す際に不利にし、住居費が高くなるよう土地の使用に規制や制限を設けるといった、家族を増やす意欲を失わせる規制である。このような政策を支持する人達は、その理由を、人口の増加を防ぐ為に必要だから、と率直に言うだけである。

米国政府や国連では、学校での性教育を推奨している。子ども達に、世界には人が多すぎる、人があふれている、と教えている。授業では、中絶、断種、避妊が、「過度の」人口増加を抑えるために必要だと教えている。

「人口過剰」についてのこれらの「社会的迷信」が間違っていると認識できれば、このような観念的脅威から自分や家族を守ることができるようになる。

迷信1:世界は超満員で、この小さい地球は人口増加により人間で溢れんばかりである。

実際人々は昔から人口密度の高い状態で暮らしてきた。お互いに物やサービスを交換するために、町や村にかたまって住んできた。しかし、人間がそういう経済的理由により大きな都市にかたまって暮らしていると同時に、飛行機で飛ぶとよく分かるように、地球は人が住んでいない場所がほとんどなのだ。ポール・エアリッヒ等の推定によると、地球の表面で人間が占めている面積は、ほんの1〜3%なのである。

1,250平方フィートに人間一人を割り当てると、世界中の人間はテキサス州に収まってしまう。自分で計算しても分かる。テキサス州は7,438,152,268,800平方フィートあり、それを世界人口の5,860,000,000人で割ると、一人当たり1269平方フィートとなる。その状態の人口密度といえば21,000で、サンフランシスコよりもちょっと高く、ブロンクスより低い程度だ。

もうひとつの事実は世界の人口は急激に減ってきている。国連の出した数字によると、世界人口の40%を占める79ヶ国において、出生率は人口減少を食い止めるに足りていない。アジアでは、出生率が1965年〜75年の2.4から1990年〜95年の1.5へと減っている。ラテンアメリカとカリブでは、1960年〜65年の2.75から1990年〜95年の1.70へと減っている。又ヨーロッパでは、1990年〜95年に0.16に落ち、これは実質上0である。又、一年間に世界人口が変化する率は、1965年〜70年の2%から1990年〜95年の1.5%以下に下がっている。

全世界で見ると、一般的な女性一人が生涯で産む子どもの数は(合計特殊出生率)、1950年〜55年の5人から1990年〜95年の3人以下に落ちている(現世代数を維持するだけの為にも必要な数は2.1人)。中でも先進国での合計特殊出生率は、同じ時期で2.77人から1.68人に下がった。発展途上国では、6人以上から3.3人に落ちている。メキシコでの1990年〜95年の合計特殊出生率は3.1人だった。スペインでは1.3人、イタリアでは1.2人である。

将来の世界人口の公的予測は、年々落ちている。1992年〜93年に世界銀行が予測した2050年の世界人口は、100億人を超えるだろうというものだった。ところが1996年の国連による予測では、90億人となっている。もしこの傾向が続くのであれば、次の予測はもっと低くなるであろう。

迷信2:人口過剰は、地球温暖化を招いている。

若者達を議論で熱くさせているのは、人口過剰によって環境や生物圏が破壊されている、と言われているからだ。この点についてまず考えないといけないのは、世界中で一番美しく、環境の質も高い場所は、1平方マイルに600人以上住んでいる西ドイツや、1平方マイルに1200人近く住んでいるオランダで、中国の330人に比べても、人口が密集している国に多いということだ。いくつかの迷信によって私達は、環境が破滅に追いやられているように信じ込まされている。例えばアル・ゴア副大統領や何人かの科学者は、人口増加によって地球の温暖化が進んでいると言っている。しかしこれに関して、科学界では多くの反対意見がある。1995年に79人の科学者達によって発行された「ライプツィッヒ宣言」には、「今日、温室効果による温暖化に関して一般的に一致した意見はない・・・」とある。又、地球の温度を測る衛星で調べても、その数値はNASAのサイトwww.nasa.comで見られるが、温暖化の兆候は観測されていない。更に、有名な気象学者であるヒュー・エルセサー氏、リチャード・S・リンゼン氏やロバート・C・ボーリング氏なども、地球温暖化の危険性について強く反論している。

迷信3:人口過剰はオゾン層を破壊する。

アメリカや他の国々はフロンガスの排出を抑えることに同意しているが、地球温暖化と同じく、いわゆる「オゾンホール」も、その原因や重要性について、激しい科学的論争の課題になっている。フロンガスが原因だと言われているが、それは何の根拠もない。大気研究の自然科学者であるS・フレッド・シンガー氏は、初期のオゾン層観測に参加した人であるが、オゾンパニックを「科学の悪用」と言っている。実際、フロンガス規制の主な目的は、フロンガスに代わる物質を開発し、それによる大きな利益を独り占めしようとしている化学会社を援助するため、と多くの人が思っている。

迷信4:人口過剰により、世界の森が消えている。

森林は、世界の環境、ひいては人間の幸せのために欠くことの出来ないものであるから、これは大切な問題である。詩篇作者も、レバノンのヒマラヤ杉を畏敬している。今日私たちは、樹木が二酸化炭素を吸入し、酸素を吐き出している事を知っている。つまり樹木は、温暖化への恐怖と大気汚染を食い止める、最初の砦なのである。国連食糧農業機関(FAO)の概算によると、現在世界の森林の面積は40億ヘクタールであり、地球の表面の30%を占める。この数字が1950年代の数字と変わっていない事を知る人は少ない。米国森林局によると、アメリカの広大な森林は全国土の1/3を占めている。それは、1600年代にヨーロッパからの移民者が植林した土地の2/3の広さに値する。この面積は1920年から減っていない。現在の森林の一年間の発育率は、1920年のそれの3倍になる。又国の森林の2/3は森林地と分類されており、年間少なくとも1エーカー当たり20立方フィートの工業用木材を産出できるのである。

もうひとつの事実は樹木は、伐採されるよりも33%早く育っている。樹木の発育がもっとも著しいのは個人所有の工業用森林で、最も発育が悪いのは老木の多い政府所有の国有林である。ウィルダネス保存システムは、1964年の900万エーカーから1993年には9600万エーカーに広がった。それなのに、ワイルドランド・プロジェクトの環境保護論者たちはそれでも満足ではないらしく、アメリカ全土の半分を恐ろしいクマやクズリやピューマの住む野生の森にし、人間は立ち入り禁止にしたいと思っているのである。「熱帯雨林の破壊」を唱える大きな論議もある。ある人が、世界では毎年ベルギー二つ分に値する面積の森林が伐採されていると抗議したが、実はベルギーは世界の熱帯雨林の面積内に500個入ってしまう事は知られていない。そしてその間、その他の樹木の99.6%は育ち続けているのである。このような熱帯雨林の最も大きなもののひとつはブラジルにあり、南アメリカの半分以上の森林を形成している。FAOとブラジル政府の統計によると、伐採は毎年森林面積の1%の2/10において行われており、1993年のブラジル全土における森林の面積は58%だった。この数字からは、破滅的な森の減少は全く見えてこない。もうひとつ誤解を生みやすい原因は、森林面積の減少を表すFAOの数字には、そのまま一本の木も切られる事なく公園になった場合も含まれている事である。そしてもしいくらかの森林伐採がブラジルで実際あったとしても、それは決して人口過剰が原因ではない。ブラジルの1平方マイルの人口密度は31.2で、世界平均(101)の半分以下なのである。

迷信5:大気汚染は人口過剰が原因であり、酸性雨や大気汚染による副産物は湖、川、森を破壊している。

実は、大気や水の汚染レベルが最も高いのは中央計画経済国の東欧や中国であり、これらの国の人口増加は少ないかマイナスである。ポーランドとロシアにおける伝説的大気汚染は、人口のとても少ない地域で発生している。米国では、大気汚染はかなり改善している。連邦政府の全国酸性降下物評価プログラムの最近のレポートでは、酸性雨による「アメリカにおける森や作物への被害の広まりはない」としている。

迷信6:多くの植物や動物の種類が、人間の増加のせいで減ってきている。

この主張を裏づける科学的根拠はどこを探してもない。デイビッド・ジャブロンスキの様に、種はいずれ減っていく、と考えている科学者でさえ、「現在いくつの種が存在しており、いくつが消え去っているのかまったく分からない」と言っている。シロナガスクジラやニシアメリカフクロウ、黒足フェレットのような種は、考えられていたより数多く存在する事が分かっている。沢山の種類が森に生息していて、地球における森林の面積も減少していないのであるから、多くの種が絶滅するという主張は疑わしいものである。

迷信7:人口過剰により、食料の供給が脅かされている。

国連食糧農業機関によると、世界の食料の供給は全世界の需要を上回っており、1990年に先進国では50%の供給過多、発展途上国では17%の供給過多だったという。1996年の世界食料サミットのために準備されたFAOの書類には、「地球規模で見て食料供給量は過去4年間で倍増している・・・1962年から1991年には、一人当たり一日に供給される量は15%以上上がっている・・・地球全体では需要に見合うよう食料供給するのに恐らく何の問題もないであろう」と書かれている。FAOは更に、1990年〜92年に一日の摂取量が2100カロリー以下だった人の数は、1969年〜71年の数に比べ、1/3以下であると報告している。現在、農業経営者たちは世界の耕地の半分も使っていない。土地を都会化し、多くの人口を収容する住居の建設用に農地を転換しても、そのために使われるのは世界の土地の2%以下にすぎず、「農業生産地の深刻な減少にはつながらない」と、1994年の農業科学・技術評議会に論文を書いたポール・ワゴナー氏は言っている。

迷信8:人口過剰は、貧困の第一の原因である。

実は、「人口過剰」が原因だとされる諸問題の本当の原因は、悪い経済政策なのだ。例えば、西側諸国のジャーナリストはエチオピアでの飢餓を「人口過剰」のせいにしているが、それはまったく正しくない。飢餓は、エチオピア政府が商人や農民から食料を没収し、武器を購入するために海外に売っているから起こるのである。このような悲劇は、人口の多さでなく、その国の左翼政権が招いている。実際、「人口過剰」が原因だとされる諸問題に悩まされているアフリカの人口密度はヨーロッパの1/5しかなく、サンディエゴ大学やハーバードのロジャー・レベレ氏の概算によれば、アフリカには、まだ利用されていないが、現世界人口の2倍をまかなえる潜在的能力があるという。1994年に国際通貨基金に論文を書いた経済学者たちは、アフリカの経済問題の原因は、政府の過度の支出、農民への高い税金、インフレ、商業規制、多すぎる政府所有権、個人の経済活動への多すぎる規制、だと言っている。人口過剰は言及されていない。

フィリピン政府は、人口増加を防ぐために海外からの助成に頼っているが、農民たちから人為的に安い値で農産物を買い取り、加工品を人為的に高い値で売りつける事で専売を保護し、国民に貧困を招いている。人口を減らすべきだと言う人達は、バングラディッシュの貧困を「人口過剰」のせいだとしている。しかし政府が、国の主な収入源の作物である黄麻の買い付けと加工を支配し、農民が自由市場で得られるべき労働に見合った利益より、ずっと少ししか得られないようにしているのである。貧困に苦しむ農民達は都会へ逃げていくが、政府が産業の40%を所有し、それ以外も物価統制や高い税金で規制されている。外国の援助に頼っている巨大で腐敗した官僚による裏ルールでコントロールしている。仕事は見つからず、貧困は蔓延する。それによって食料の流通が滞ったり効率が悪かったりする。この問題は、エチオピアと同じく、この国の国内政策の不備によって起きている。

中国の貧困も「人口過剰」が原因だとよく言われる。しかし人口密度が中国本土の5倍である台湾では、一人当たりの生産量が中国の5倍もある。韓国も、人口密度は中国の3.6倍であるが、一人当たりの生産量は16倍近くある。マレーシア政府は1984年に人口コントロールを止め、自由市場において目覚しい経済発展をいち早く成し遂げた。が、エクアドル、ウルグアイ、ブルガリアやいくつかの国々は、人口増加率は減少させたものの、経済の復興につながっていない、とカイロでの国際人口開発会議で訴えている。

迷信9:男と女というものは、世界中どこでも、避妊したがっている。

バングラッディッシュやアフリカ、フィリピンなどの国からの報告を見る限り、それは正しくない。実際発展途上国では、有り余るコンドームや避妊用ピルが倉庫に山積みになっていて、女性達は埋め込み式避妊薬や避妊リングを取り除いてくれ、と避妊施術者たちに懇願している。

アメリカの外国援助法は、アメリカの援助を受けている国に対して、人口を減少するよう要求している(それについては合衆国法典22、2152−1条;2151(b)条に書いてある)。「必要とされていない」避妊が普及しないからといって、海外からの援助を受けているインドやバングラディッシュなどの国々では、お金を払ったり、権力を使ったりして人々に避妊させている、という報告もある。海外から援助を受けている人口コントロールの組織はバングラディッシュであまりにも評判が悪く、この問題が原因で起きた暴動により、首相は1994年にカイロで行われた国際人口開発会議に行くことを阻止された。

ケニヤの小児科医、マーガレット・オゴラ医師は、1994年カイロでの国際人口開発会議で、「必要とされていない」避妊の必要性について反論した。彼女は、海外からの援助は、ケニヤの病院や診察所に避妊用ピルやコンドーム、避妊リングを豊富に与えてきたが、日常的な病気の為の一般的な薬は不足したままだ、と訴えた。世界における中絶と避妊の手段についての国連の調査では、多くの女性が「伝統的な」避妊方法(NFP)に親しんでいて、それを実行していることが分かった。

1981年、代表的なバングラディッシュの女性は、一生の内7人子どもを生んでいた。それ以来数字は3.4人まで落ち込んだ。1994年のバングラディッシュ報道記事によると、厚生長官が、人口コントロールプログラムには「強制、脅迫、給料未払い」などの問題があったことを認めている。きわめて低い出生率に危機感を抱いた韓国は、カイロでの国際会議で、「人口コントロールに対する予算を大幅に削減する」と発表した。少子化問題に直面したシンガポールは、「二人以上の子どもを待つ家庭に対し税金の割引をする」と発表した。「家族計画」連盟のように政府から援助を受けているアメリカの避妊計画団体は、「彼らのサービスによって公的扶助のコストが抑えられている」と主張している。実際は、公の調査によると、避妊にお金をかけている州では、結果として公的扶助にもお金がかかっている。また、未成年が中絶するのに親の同意書を義務付けている州では、若者の妊娠率も低いことが調査で分かっている。

迷信10:人口過剰は戦争と革命を巻き起こす。

地球上でもっとも戦争が起きているアフリカは、同時にもっとも人口密度の低い地域で、1平方マイルの人数は全世界と比べて半分である。不適切で不公平な海外からの援助に支えられている悪い政府こそが、より紛争の根源であるかもしれない。

人口を減らそうとする世界の動きは小さくも弱くもない。それは、国連各機関、政府、財団や非政府組織による強い同盟である。彼らは財源として何十億ドルをも自由に出来る。メンバーの中には避妊計画団体、シエラクラブや世界野生動物基金のような左翼過激派の環境保全団体、開発計画者、世界銀行のような国際金融機関、国際開発のためのU.S.機関のような外務機関、ワールドウォッチ研究所のような「研究」機関も含まれている。彼らの概念は、学校や大学の教育プログラムや教科書を、ますます支配しているのである。

しかし結局のところ、彼らのパワーは、アメリカのように無知の国民がいるからこそ存在する。神の創造された世界に住む何十億もの人々、又この先そうなるだろう何十億もの人々のためにも、「人口過剰」の真実を探し出すのは私たちの肩にかかっており、聞いてくれる人がいればいるだけ、いっしょに考えていかなければならないのである。

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