赤ちゃんポストに大賛成

Itonaga, Shinnichi (イトナガ・シンイチ )
糸永真一司教のカトリック時評
2007年2月24日掲載
許可を得て複製

熊本慈恵病院の「赤ちゃんポスト」の計画に大賛成である。赤ちゃん受難時代の朗報である。 厚生労働省はよくぞOKしたものである。

賛成の第一の理由は、赤ちゃんポストに自分の子どもを差し出す親は、もともと親たる資格がない人であろう。 まともな親は自分の子どもを捨てることなど絶対ありえない。だから、 赤ちゃんポストに捨てられる子はむしろ幸せであろう。ポストを利用する人の中には子育ての能力も意欲もありながら、 何かの事情でそれができなくて子供を預ける人があったとしても、あとでわが子を返してもらえるそうだから問題はない。

賛成の第二の理由は、人工妊娠中絶の暴挙を抑制できるからである。 熊本慈恵病院は妊娠中絶手術をしていない病院だと新聞は報じている。だから、赤ちゃんポストを企画した一つの理由は、 中絶をなくしたいからではないかと推測する。見上げた考えである。赤ちゃんポストが開設されたら、 わが子を中絶したい親たちに中絶を断念して子供を産み、ポストに差し出して欲しい。 人工妊娠中絶は年間100万件とも言われるから、心の傷に悩む女性たちも少なくないはずだ。 そうした不幸な女性を増やさないためにも、赤ちゃんポストが中絶予備軍の救済に一役買うとすれば、 こんなに嬉しいことはない。

賛成のもう一つの理由は、 赤ちゃんポストの開設によって小さないのちへの正しい思いや対策を推進する機会になればと思うからである。 何よりも病院の企画に賛成して里親を志す人々が増加することを期待したい。 特に未婚の母を考えている人々がその計画をやめて養子なり里子を受け入れて不幸な子どものためにがんばって欲しいと思う。また、この企画が多くの人々に小さないのちへの敬意と愛が広まる機会になればとも願う。 今の日本はあまりにもいのちの尊厳がないがしろにされている。

わたしはカトリックの施設が他の人々に先駆けてこのような企画を立ち上げたことに大きな喜びを感じる。 マザーテレサの前例もあるから、小さないのちの救済のために献身する施設や個人の続出することを願って止まない。 そしてカトリック信者たちに要望したい。あなたも里親に志願して欲しい。そして、立派なカトリック信者を育てて欲しい 。それは何よりも本人たちの幸せであり、同時に、日本という国の福音化のために寄与するに違いない。 まともなカトリック信者を増やすことが福音宣教の基本課題である。この場合も「数は力」なのである。 ちゃんとした信者が増えれば、日本は変わっていく。

熊本慈恵病院の勇気ある企画が成功することを陰ながら祈っている。

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