NHKクローズアップ現代、ある少女の選択

Honda, Jirou (ホンダ・ジロウ)
Honda, Jirou (ホンダ・ジロウ) 心臓血管外科医・本田二郎
『温心、涼脳 Warm Heart、Cool Head』
2010年12月9日掲載
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許可を得て複製

NHKクローズアップ現代(12/8) 「ある少女の選択〜“延命”生と死のはざまで」

今回のクローズアップ現代は大変印象深く、心揺さぶられる内容であった。

田嶋華子さん(享年18)は、8歳で心臓移植。さらに15歳で人工呼吸器を装着し、声も失った。『これ以上の「延命治療」は受けたくない』と家族と葛藤を繰り返した華子さん。自宅療養を選び、「人工透析」を拒否して、9月、肺炎をこじらせて亡くなった。華子さんの闘病を1年にわたって記録。(NHKホームページより抜粋)

最初は、自分で管を使い痰を取り、人工呼吸器を取り付けている、「比較的元気な」華子さんが登場する。医療器具をコントロールし、ほぼ自立した日常生活を送っている。何の病か不明だが、長く生きられない事はわかっているらしい。

その華子さんが腎臓が悪くなり「透析」が必要な状態となる。おそらく病の性質から透析には延命効果があるものの、本質的な治療にはならない状況であることが示唆される。華子さんが「もうこれ以上の延命はいやだ」と透析治療を拒否する。

胸を打たれるのは、両親と本人、主治医も含めて話し合う場面である。華子さんには強固な意志があり、家族から引き離される「延命治療」は一切受けたくないと筆談で言う。でも当然お父さんは、少しでも長く生きていて欲しいので説得する。主治医は医師として治療継続の選択が本音だが、自分の主観を決して押し付けずに本人に決定を委ねようと話し合いに立ち会う。母親は泣きながらも、達観していて「本人の決めた事だから」と腹が据わっている。さすが母親は強いと思う場面であった。お父さんの苦渋の思いは、自分にひしひしと伝わってきた。

そして華子さんの揺るぎない選択からは、「自分の生」に対する「尊厳の念」を強く感じた。やがて華子さんは亡くなってしまう。。。

「命が大切だ」と漠然と謳い上げることの「無責任さ」が改めて問われていると思った。

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