「生命を大切にすること」について


吉永 ユリ
聖母カテキスタ会
カトリックファミリーセンター


季刊誌「愛」
〒859-0193
長崎県比高来郡小長井町
聖母の騎士修道女会内
愛社
電話 0957-34-3432
FAX 同上



「生命を大切にすること」について−その(1)

二十一世紀の始まりである大聖年、紀元二千年を迎えました。(西暦)紀元は、世界中でお祝いされるイエス様の誕生に由来しています。このイエス様の母マリア様について、昨年「愛誌」に「マリアさまはいつも私たちと共に−グァダルーべの聖母−」と題して掲載されました。その後、表題のテーマで原稿を依頼された私は、神様のお導きを感じました。

イエス様の母、人類の母でいらっしゃるマリア様の最大の願いは、全ての人の「生命」が大切にされ、愛され、幸せに生きてほしいということだと思います。なぜなら現代ほど「生命」が粗末にされている時代はないからです。

実は昨年の十二月十二日に、熊本のカトリック教会で「熊本カトリックいのちを大切にする会」が発足し、東京で「排卵促進剤によって受積した必要外の受精卵は除外してよい」と決定する集いがもたれることになっていました。

善と悪、いのちの文化と死の文化との戦いを地でいく現実を見て、私たちの心は痛みました。「熊本カトリックいのちを大切にする会」の発起人の方々は、自分たちがしようとしていることは、神様のご意志とご計画によるものとの思いをいよいよ強くされました。

グァダルーペのマリア様の最後のご出現の日、十二月十二日に教会はマリア様のご出現を祝います。昨年はこの日が日曜日に当たっていて、会を発足するのに好都合でした。発会式の話を頼まれた私は「グァダルーペのマリアさま」について学ぶチャンスも頂き、霊名にいただいているマリア様について理解を深めることはお恵みでもありました。折よく、「グァダルーペ宣教会」日本管区長のメキシコ人の神父様が来福されました。グァダルーペの聖母について研究論文も書かれた方で、いろいろ深いお話を聴くことができました。グァダルーペのマリアさまの大きなご絵を送って下さり、発会式にカトリック・ファミリーセンターの所長ショーン・マリア・ライル神父様をとおして贈呈され、皆大喜びでした。また聖コロンバン会の一人の神父様が祖国アイルランドの妹さんとグループの方から「日本の生命尊重グループのために役立ててほしい」と預かって来られた多額の献金もありました。

グァダルーペのマリアさまは一般に先住民族インディオの女性と見なされ、胸に締めておられる紐は妊婦が用いるもの、お年は十四歳ぐらいということです。待降節のこの時期のマリア様のお腹には胎児のイエス様がいらっしゃり、神のみ子である胎児をそれはそれは大切に守っておられた母マリア様でありました。それで、熊本の発起人の方々はためらうことなく、グァダルーペのマリアさまを「熊本カトリックいのちを大切にする会」の保護の聖人としていただかれました。

なお、「グァダルーペのマリアさま」はカトリック教会の正式な「いのちの保護者」でいらっしゃいます。昨年ヴァチカンの「家庭評議会」は世界生命尊重会議をグァダルーペで開きました。

二十世紀は高度の科学の発達によって、物の豊かさが、便利さや快適な生活に拍車をかけ、欲望に歯止めの効かない人間を育てました。その蔭には搾取や戦争、暴動などの被害に泣く貧しい国や人々があり、貧富の差が激しくなりました。

神にも人にも祝福されて生まれてくるはずの「尊い生命」でさえ、都合によっては、母によって殺されるという中絶が増加し、悲しく恐ろしい時代が到来しました。六十兆分の一の確率で両親から生を受けてこの世に生まれて来る「生命」。受精の瞬間からその人の一生分に当たる三十億のデーターが書き込まれている遺伝子によって刻々成長していく神秘な生命。全能、限りない愛でいらっしゃる神のみ業としか言いようのないその尊い、かけがえのない生命は、「産めよ、増えよ、地を満たし、地を従えよ」と祝福されて結婚する者に授けられ、委ねられます。夫婦にとってこのことは、神から深く信頼され、愛されて委譲された特権であり、義務でもあるわけです。そしてこの大切な家庭を支え、助け、見守るために、多くの人々が関わって行きます。

この基本的な真理(神からの道、ご計画、期待_)に立って生きるところに、人間としての尊厳や価値、生き甲斐があります。そして神の祝福の実を結んで、かけがえのない人生を全うするのです。

新しい世紀を迎えた私たちは、神から与えられた「尊い生命」の原点に立って、過ぎた二十世紀を謙虚に振り返り、神の御心に沿って生きられるように在りたいと思います。こんな私たちにイエス様のお声が響きます。「神を愛し、隣人を自分のように愛してほしい」と。

次号からは、ご一緒に神のみ声を聴きながら、体験も踏まえて私たちの歩むべき道を具体的に見つめてみたいと思います。

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「生命を大切にすること」について−その(2)

誕生

私たちは、この世で生きるための必要な能力を身につけるために、母の胎内で九カ月余お世話になって生まれて来ます。どんな人も例外無しに。子宮とは、全能の愛深いお方が用意してくださった、この世で生涯を生きるための準備をする、聖なる大切な所です。日本語で子宮、子の宮とは良くいったものです。

何年か前、長崎で命と性の研修会がもたれた時の、島本大司教さまのメッセージに「人間の命は神聖であって、触れてはならない尊厳なのです。人間の命は、その懐胎の最初の瞬間から自然死に至るまで、責任をもって尊重され、大切にされなければなりません。特に胎児について、この事が言われます。胎児は弱く無防備の命です。だから神は、胎児の最も安全な場として母の胎内をお選びになられたのです。ところが、あにはからんや母親の胎内が胎児にとって最も危険な場となっています。母親の胎内が危険な場になった時、胎児はどこに身を隠せばよいのでしょうか。胎児には母の胎内以外に身を置く場所はありません。命の聖域である母の胎内を死の墓場とする権利は母親にも父親にも、医師、看護婦にも、だれにもありません。堕胎が重大な罪悪であるのは、神が最も安全な命の場として胎児に与えた母の胎内を、神の計画と期待に反して、死の場所とするからです」。とありました。

堕胎罪とされた胎児殺しが、今は優生保護法とか、女性へ産む権利、産まない権利とかで、望まれない命は、生きる権利が与えられず、助けを求めることも叫ぶことも出来ずに、全くの無抵抗のまま、闇雲に葬り去られていきます。マザーテレサも「母がわが子を殺すなら、どうして人々が殺し合うのを防げるでしょうか、小さな命を守ることから世界平和は来ます。」と言われました。これは神の願い、期待でもあるのです。

すてきな詩

大勢の方がご存じと思いますが、「天国の特別なことも」の詩です。
会議が開かれました。
地球からはるか遠くで
「また次の赤ちゃん誕生の時間ですよ。」
天においでになる神さまに向かって、天使たちは言いました。
「この子は特別の赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。
この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。
もしかして 一人前になれないかもしれません。
だから この子は下界で出会う人々に
とくに気をつけてもらわなければならないのです。
もしかして この子の思うことは
なかなか わかってもらえないかもしれません。
何をやってもうまくいかないかもしれません。
ですから私たちは この子がどこに生まれるか
注意深く選ばなければならないのです。
この子の生涯が しあわせなものになるように
どうぞ神さま
この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。
神さまのために特別な任務を引き受けてくれるような両親を。
その二人は すぐには気づかないかもしれません。
彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。
けれども 天から授けられたこの子によって
ますます強い信仰と豊かな愛を
いただくようになることでしょう。
やがて二人は 自分たちに与えられた特別の
神の思し召しをさとるようになるでしょう。
神からおくられたこの子を育てることによって。
柔和でおだやかなこのとうといさずかりものこそ
天から授かった特別な子どもなのです」

この詩に出会って間もなく、新聞の声欄に、目がとまりました。「切なくつらい新生児の医療」という、ある医師が書かれた記事でした。不妊治療の後にやっと授かった赤ちゃんは重い障害をもっていて、この障害は手術によっても正常な形と機能に戻すことは不可能で、直ぐ必要になる手術と、将来にわたって継続していく治療について説明されました。父親は、思いもかけなかったわが子の姿に、動転し、泣き崩れていましたが、治療への同意は得られませんでした。心優しい親は「自分ならばとうてい耐えきれないほどの子どもの障害であり、幸せになるとはとても思えない」とのこと。膀胱と肛門に重い障害があって、自分では排泄が出来ず、日ごとに膨らんでいくおなかをかかえた子を見続けながら、手術に同意しない親を嘆く思いはないが、生きるために残された時間はもうあとわずかしかない、今の心優しさから次の一歩を踏み出して手術に同意して欲しい。これほどの肉体的な重荷をもってきたのだから、この子は強い心を授かって生まれていることを信じて、と。医師としての切ない思いを吐露されたものでした。

その後、もう一つの記事が載りました。長い間待って、やっと授かり、難産の末に生まれてきたわが子に対面した父親は、驚きました。重い障害を持つ、見るに忍びない程の姿だったからです。まだ意識不明の妻に、どう知らせるべきかに悩んだ末、やっとの思いで、その側に連れていきました。しばらく沈黙していた妻は、はっきりとした声で応えました。「私たちが、長い間、赤ちゃんを待たなければならなかった意味が、よくわかりました。神さまは、この子を迎えるために、心の準備をさせていてくださったのですね。大切に育てましょうよ」と。

「天国の特別な子ども」の詩と、前回の医師の思いを満たしてくれる、この記事に、私も深く心を打たれ、幸せでいっぱいになり、その両親と赤ちゃんのために、感謝のお祈りを捧げました。そしてお願いしました。 「神さまの豊かな祝福と見守りがありますように」と。

ともに

一人ひとりの誕生は、なによりも、神に望まれ祝福されたものです。人は神に似せて創られ、男と女に創られて、祝福され、産めよ増えよ地に満ちて地を従わせよ。との使命をいただきました。そして、「見よ。それは極めて良かった。と、神の喜びと満足を聖書は描写しています。

私たちの一生は、互いに愛し合うこと(助け合い、赦し合い、信じ合い、補い合って__)によって、どのような苦しみも乗り越えて、生まれてきたことに感謝出来る者になること。そして、その後に続く、死後の永遠の幸福の世界に迎え入れられる者であることを信じ、感謝しながら、人間らしく生きて、かけがえのない人生を、共に全うしていきたい。そんな思いに満たされていました。

「神の計らい限りなく、生涯私はその中に生きる。
あなたの業を、私たちのうえに、あなたの輝きを子孫に現わしてください。
私たちの神、主がその恵みを注がれ、
私たちの手の業が実り豊かなものとなるように」(典礼聖歌52・5節)祈ります。

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「生命を大切にすること」について−その(3)

国際生命尊重会議

九年前の一九九一年の四月二十五日から二十七日までの三日間、東京で国際生命尊重会議が行われました。この会議は生命尊重の実践活動を推進する国際組織(事務局はローマ)が世界各国に呼びかけて行われるようになったものです。科学や医療技術が急速な進歩を遂げ、人間の生命操作が可能になり「人間の生命とは何か」という根本的命題に立ち向かう必要があったからです。

第一回はノルウェーのオスロで開催され、「見失われていく生命の原点」がテーマでした。それは、失われた「生命の畏敬」の復活を願うものでした。世界各国から代表として集まった参加者全員は、会議の重要さを知り、これからも発展的に世界会議を開いていくことで意見が一致しました。そして、ヨーロッパに続き第二回目は、アジアの日本と決定されたのでした。

日本での開会の初頭、生命尊重運動に携わる代表者の現状のレポートがありました。

外国からは14人、日本からは@明るい家庭を築く会A赤ちゃんの生命を救う会B日本マザーテレサ共労者会Cプロライフ.ムーブメントD愛のファミリー協会E生命尊重の日実行委員会F小さないのちを守る会の七人でした。生命尊重を推進し、実際に行動している多くのグループがあることに感動しました。

大会参加は自費によるので、外国からの参加は、時間的にも経済的にも大変な犠牲が伴います。

東京大会での討議事項は、オスロの大会で採決出来なかった「胎児の人権宣言」についてでした。生命の原点について「受精の瞬間から」と「受胎の時から」に分かれて一致しなかったからです。

医療関係者や科学者、倫理関係、生命尊重実践グループなど、知性と人間性豊かな方々の、愛と責任ある見解には、多くのことを学び、いろいろな方に出会えて恵み多い大会となりました。言葉は大切です。受精と受胎とでは大変な違いがあることに気づかされました。受精したときが命の始まりなのです。

熱のこもった討議の結果によって、最終日の三日目には「胎児の人権宣言」が高らかに宣言されました。

人間、一人ひとりが、受精の瞬間から自然死にいたるまで、生来の尊厳と固有の価値を有するので、今日我々は公に以下の六カ条の宣言に同意する。という前文に続いて、以下の六カ条はこれらの精神と実践の方法を具体的にうたったものでした。

第一回のオスロ国際会議での決定をふまえ、東京大会の最終日の四月二十七日を「世界生命の日」とすることを確認しました。

菊田昇先生のこと

第一回の国際生命尊重会議では、マザーテレサに世界生命賞が授与されました。第二回の東京大会では菊田昇先生でした。産婦人科医の菊田先生のことはご存じの方が多いと思いますが、胎児を中絶から守るため、日本のおくれた親子(養子)法とたたかい、婚外子の赤ちゃん斡旋を続けたため、仲間の医師会から告発され、最高裁まで争って敗れましたが、特別養子法の産みの親となり、世界でも讃えられました。救われた多くの赤ちゃんは外国で養子として、愛深い家庭で幸せに育っています。

先生は大会運営のため一千万円を寄付され、癌と戦いながら同志の方々と大会準備をされました。大会には、奥様と看護婦同伴とい病苦を忍んでの参加でした。そしてその四カ月後に他界されました。

もっとも弱い、無防備な「大切ないのち」を守るために、ご自分のいのちを賭けて闘われた先生は、殉教者のような愛と苦難に満ちた崇高な道を駆け抜けて行かれました。大会会場に響いた、先生を讃えるナレーターの美しい声に、多くの人が涙しました。今でも生前のお姿が彷佛とします。

結び

七十二歳のご婦人が「神をも畏れぬ科学文明が怖い」と題して、精子バンクや、それを利用する女性の存在を嘆いておられました。自分の親が何者か、自分は何者か、受精する前から閉ざすことを前提にシステム化されて生まれてきた人間は、自分をどうあやしたり、なだめたりしてゆけばよいのか、と。

楽園での、へびの誘惑は「それを食べると目が開かれて神のように善悪を知るようになる」ということでした。「なんでも出来る」と、神の分野である神秘ないのちの誕生にまで踏み込もうとする科学万能の時代。人工受精やクローン技術によって自然界の営みまでも奪おうとする人間のエゴや奢りは、楽園の悪魔の姿を変えた誘惑のように思えます。自然破壊や人間の諸悪の現象が失楽園を物語っているようです。

次回は人間の原点である「いのち」の尊厳に立った、愛ある生活の道を、神の恵みとご計画に沿って見てみたいと思います。

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「生命を大切にすること」について−その(4)

ビリングスご夫妻のこと

「ビリングス・メソッド」をご存じでしょうか。このビリングスご夫妻が開発なさった排卵法のことをWHO(世界保健機構)でこのように名づけました。ご夫妻はオーストラリアの方でお二人とも医学博士でいらっしゃいます。初来日は一九八九年、十一年前でした。NHKでは翌日の九月二十六日朝のニュースで五分程、エベリン夫人とのインタビューの形で紹介しました。

十五分程してNHKからカトリックファミリーセンターに電話があり、「ひっきりなしの問い合わせにパニック状態です。ニュースでこのような反響があることに驚いています。東京の方に問い合わせましたら、お宅が招待されたそうで、わたしどもではこの問い合わせにお答えすることができませんのでそちらで受け取っていただけませんでしょうか」とのことでした。一時間後にと時間を決めて、東京と福岡で受け取ったのですが、昼食の間もひっきりなしの問い合わせが延々と続いて、嬉しい悲鳴をあげました。しかも問い合わせの三分の一は男性でした。

ご夫妻は二十六日からの十五日間、北海道から鹿児島に至る中心箇所で十五回のセミナーや講演会を精力的に行ってくださいました。この様子は朝日、読売、毎日新聞、またそれぞれの地方新聞でも家庭欄で大きく取り扱いました。これらの新聞報道による質問や資料の注文は「新聞で見ましたが」ということで一年半以上も続き報道の影響力にも驚いたことでした。

ご夫妻は、大切な未来を担う幸せないのちの誕生と、そのいのちの誕生と育てにあずか与る夫婦の、深い愛と尊厳に満ちた関わりのために、ひたすらビリングス・メソッドの普及に全力を注いでおられます。今年八十二歳のご夫妻は、一年の大半を講演会やセミナー、センター設立のために世界申を旅しておられます。

この道一筋に四十年間、百ケ国以上を廻ってビリングス・メソッドの指導やセンターの設立に努めてこられたご夫妻ですが、この間八人の子供さんと一人の養子も引き受けて育てられました。いのちの大切さ、いとおしさのためにです。

このような生き方に加えて、おしどりのような仲睦ましさと謙虚さ、人を大切に尊敬されるお優しさは多くの人を惹きつけます。来日の折りお会いした方たちの偽らざる印象と感想です。

ビリングズご夫妻が残されたもの

このことがあってから、カトリックファミリーセンターでは、このビリングス・メソッドの普及に力を入れてきました。強い確信と使命感をもって!

ビリングス・メソッドを知った人の感想(中・高・大学生から若者・カップル・若夫婦から老夫婦)は、*初めて聞いて驚いた。*ビリングス排卵法を知って良かった。*友人、知人にもぜひ知らせたい。*もっと多くの人が聞けるようにして欲しい。*女性としての誇りと責任感がもてるようになった。*自分の人生観・価値観が変わった、女性は素晴らしい。*生まれて来たことを両親に心から感謝したい。*自分の性を大切にし母親予備軍としての今を励みたい。・・・

結婚準備セミナーに参加されたカップルの中には産婦人科の医師の方もおられますが、初めて知った、ということで資料を色々求めて帰られました。公立の看護大学や助産院の先生からの資料の注文もいただきます。

ビリングズ・メソッドとは?

自然な家族計画の方法です。世に言う「人工的避妊法」の一つではありません。NHKのニュースを思い出しますと、わずか五分足らずの間に、アナウンサーは避妊法と言う言葉を数回使われましたが、エベレン夫人は、「わたしたちはこの方法を避妊法とは言いません。妊娠も自然の営みもなんら妨げられることのない健康的な方法だからです。人工的な方法による副作用や不幸は現に現われています。受胎可能な期間を人工的に取り去るからです。自然な家族計画は荻野先生によって、日本から始まりました。今わたしたちはお返しにきた気持ちです。」ニコニコと美しい笑顔で語られたお姿が目に浮かぴます。

「ビリングス・メソッド」とは、女性が生理の後のおりものを観察することによって排卵の時期(受胎可能期間)を知る方法です。この観察を通して女性は自分の体の中に備わっている受胎可能な神秘な力に驚き、女性性こ目覚め、やがては母親になることへの使命・責任感を培っていきます。結婚したら、この観察によって、いつ赤ちゃんを迎えるか夫と相談しながら「出産計画」をたてます。ビリングズご夫妻もおっしゃるように、夫婦が一緒に自由な選択をすることが可能になり、夫と妻の尊厳を大切にするものです。こうして、夫婦相互の愛を強め、また、二人の愛と受胎への忠実な一致において生命を得、受け入れられた子どもたちへの愛をも強めることになります。

次号では、この「ビリングス・メソッド」を詳しく見てみたいと思います。



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