「平和への道は命を尊び大切にする道」

Documents, Official (ドキュメント, 公文書)
2012年 平和旬間
日本カトリック司教協議会 会長談話
会長 池長 潤(大阪教区大司教)
出典 カトリック中央協議会
許可を得て複製

今年も「日本カトリック平和旬間」が巡ってきました。1981年2月、教皇ヨハネ・パウロ二世は広島平和記念公園で「 戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死そのものです」で始まる「平和アピール」 を発表されました。これは核兵器の廃止と核戦争の拒否、 そして平和に対する責任をになうべきであることを全世界の人に向けて訴えたアピールでした。 これに応えて日本のカトリック教会は、8月6日から15日までを「日本カトリック平和旬間」と定め、 平和に対する責任を思い、平和について学び、平和のために祈り、平和を求めて行動する特別な期間としたのです。

「平和アピール」の中で、教皇は、「この地上の生命を尊ぶ者は、政府や、経済・社会の指導者たちが下す各種の決定が、 自己の利益という狭い観点からではなく、『平和のために何が必要かを考慮してなされる』よう要請しなくてはなりません 。目標はつねに平和でなければなりません。…平和への道のみが、平等、正義、隣人愛を遠くの夢ではなく、 現実のものとする道なのです」と呼びかけています(5番)。

平和への道はあくまでも命を尊び大切にする道なのです。

昨年3月11日、東日本大震災に遭遇して、日本のカトリック教会はもちろんのこと、全世界が被災地に心を向け、 命を愛おしみ平和への道を歩む人々の大きなうねりが起こったのでした。現状を見ても、この先、 持続的な支援が必要ですが、このうねりが被災地の一日も早い復興へとつながるように願ってやみません。

日本の司教団は、昨年11月、「いますぐ原発の廃止を〜福島第1原発事故という悲劇的な災害を前にして〜」 というメッセージを発表しました。「なによりまず、わたしたち人間には神の被造物であるすべてのいのち、自然を守り、 子孫により安全で安心できる環境をわたす責任があります。利益や効率を優先する経済至上主義ではなく、尊いいのち、 美しい自然を守るために原発の廃止をいますぐ決断しなければなりません。」と訴えたのでした。

しかし福島第1原発については、その事故原因の究明もされず、廃炉の目途も立っていません。 また放射性廃棄物や核兵器の材料となりうるプルトニウムの問題、 それらの保管や処理の問題を後の世代に押し付けるなど問題が山積みしています。 このような中で政府が大飯原発の再稼働に踏み切ったことは誠に遺憾であります。

あらためてすべての原発の即時廃止を訴え、命を守り平和を追求する社会をつくるために尽力しましょう。 平和への道はあくまで命を尊び大切にする道なのですから。

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