バイオエシックス : 研究論文

いのちの始まりと連続体の確立

Kischer, C. Ward C. ウォード・キッシャー
いのちの始まりとその連続体の確立は、生物学者(発生学者)にとって理解が難しい事実ではない。残念ながら、これらの事実は、政治的な見解に都合がいいように再解釈、再定義されてきた。したがって、ヒト発生学は、社会法律的・政治的な声明として書き直される危険に面している。

クローン形成、幹細胞研究および歴史上の類似例

Kischer, C. Ward C. ウォード・キッシャー
幹細胞研究にヒト胚性細胞を使用すること、幹細胞を「治療的」クローン形成により入手するか、あるいは「余剰」胚から入手するかどうかについて、大衆の意見は必ずしも一致していない。これらのクローンおよび「余剰胚」は、初期胚と同等の価値を持っている。多くの科学者たちが、「治療的」クローン形成や「余剰」胚の使用を求めているが、彼らは、その結果生じ得る破滅的な事態を含めた一連の影響について、十分な配慮を欠いている。

メディアとヒト発生学

Kischer, C. Ward C. ウォード・キッシャー
重大な問題が存在することは明らかである。一部の無知なライターは、自分が実際に提示すること以上を知っているように思っているが、一般大衆は、ヒト発生学についてほとんど知らない。こうしたライターが少しでも努力して、基本的な情報を集めるなら、問題の多くは解決されるだろう。政治アナリスト、政治家、倫理学者を探しても、問題解決にはならない。

『生命の尊厳倫理』と良心にもとづく産婦人科医療に迫る国際バイオエッシクスの脅威

Irving, Dianne アーヴィング・ダイアンヌ
最も緊急に検討すべき事項でありながら、まだ検討の粋に達していない医学上のジレンマのひとつが、ヒト胚に関する正確かつ根本的な科学的知識への足がかりである。ヒト胚については実験にもとづく科学的知識がこう証明している「常態において、ヒトは、受精した瞬間、つまり女性の卵管に単個細胞胎芽、受精体として誕生したときがその始まりである」と。実際、受精が、ヒトの、ヒト胚の、ヒト器官の、個々人の、そして「胎児」の始まりなのである。この正しい科学的知識なしには、ことの善悪を見極めることも、中絶やその関連の医療・科学上の問題について倫理的に正しい判断を下すことはできない。

クローニング・危険な言葉遊び

Irving, Dianne アーヴィング・ダイアンヌ
国家の政策は、神話とか偏見に基づいた言葉の遊びでなく、正確な科学を反映するべきである。

ヒト胚性幹細胞研究--その公式見解の根拠は科学的詭弁であるか?

Irving, Dianne アーヴィング・ダイアンヌ
論争におけるNBAC(国家生命倫理委員会)や米国ホワイトハウスの公式見解の根拠となる考えは次のいずれかである:(1)受精やクローニングの幹細胞はまだヒトではない、および/あるいは、(2)ヒトではあるかもしれないが、まだ人間ではない。いずれにおいても、主となる論拠は生命の尊重と尊厳におよぶことになる。なぜならば、早期ヒト受精卵は、生物学的生育段階を経て生物学的生体の生育に応じ進化するものであるからである(前NIHヒト受精卵研究審査員団報告/NBACリポート)。

医学倫理

Irving, Dianne アーヴィング・ダイアンヌ
ダイアンヌ・アーヴィング博士が、21世紀の医学倫理のありかたについて選択の重要性を主張。安楽死、自殺幇助、試験管ベビー、クローニング、幹細胞研究、実験室で生み出すキメラをはじめとするの諸問題に人類はどう対処するべきか。

幹細胞研究:その光と影

Irving, Dianne アーヴィング・ダイアンヌ
科学は現在目もくらむようなスピードで進化している。クローニング、遺伝子治療、ミラクルドラッグ、風変わりな療法などなど。そのなかでももっとも衝撃的な出来事は1998年11月に起こっている。2人の研究者がそれぞれヒト受精卵および中絶胎児からの幹細胞摘出に成功したのである。この幹細胞を活用できると、熱烈な期待が湧きあがっている。その一方、無垢で無防備なヒトがその過程で破壊されるのではないかとの懸念の声も聞こえてくる。

法的、医学的、倫理的、社会的問題としてのクローニング

Irving, Dianne アーヴィング・ダイアンヌ
人間クローニングの直接産物は人間です。その反対の主張は科学的に間違っています。

初期妊娠因子

DuPlants, Lloyd デュプランティス・ロイド
血清中のEPAは、生存能力のある胎芽の存在を示すものであることが分かりました。女性の体内におけるEPAの出現は、妊娠につながる性交の1〜2日内に観察されています。それと対照的に、探知可能な程度のベーター・ヒト・コリオニック・ゴナドトロフィンは黄体化ホルモンのピーク後8日目の母体血清に検出されます。それでもほとんどの女性の場合、それが検出可能な量になるのは黄体化ホルモンのピーク後9〜10日です。EPAは妊娠期間の大体最後の週まで母体内にありますが、必ず分娩の前には血清から検出されなくなります。

人間のクローニングと権力の乱用

Garrett, Peter ガレット・ピーター
この簡潔な映画の説明は、二つの簡単な質問に答えようとするものです。その質問は、第一に、どのようにしてイギリスでいわゆる『治療目的の』クローニングが合法化されたのか、そして第二に、あとどのくらいでクローン人間が誕生するかということです。これらの質問に対する私たちの答えは、私たちの社会が『ザ・マトリックス』という映画の悪夢の世界とどの程度かけ離れているかということを示唆するものとなるでしょう。

クローン:その法的、医学的、倫理的、社会的問題

Keeler, William キーラー・ウィリアム
人のいのちの神聖さと尊厳は、カトリックの道徳的見解と社会教育のかなめ石です。社会は、人間のいのち、特に弱い立場や状況の人間のいのちをいかに尊重するか、で審判されるべきだと私達は思ってます。

先端医療の論じられ方

Komatsu, Yoshihiko コマツ・ヨシヒコ
まず、脳死・臓器移植についてです。御存知のように1968年8月8日に札幌医大で、和田寿郎氏率いるチームが、日本ではじめて心臓移植を行います。当初マスコミは大絶賛をしたのですが、移植後83日目にレシピエントとなった高校生が死亡してから評価は変わります。和田氏は殺人罪および過失致死罪で告発されますが、証拠不十分で不起訴処分になりました。しかし、きわめて黒に近い灰色というイメージがつきまとい、日本ではそれ以降、心臓移植や脳死・臓器移植一般について話すことすら憚られるような雰囲気が蔓延しました。ところが、1980年代初頭から空気が変わってきます。それまでは欧米でも技術的に脳死・臓器移植はうまくいかなかったのですが、1978年に比較的安全で効果的なシクロスポリンという免疫抑制剤が開発されたために、80年代初頭から、まずはアメリカ、そしてヨーロッパと、心臓移植や肝臓移植などの脳死・臓器移植が急増していきます。

ヒト胚性幹細胞の研究

Shea, John B. シー・ジョン
この25年間、体外受精(IVF)クリニックでのIVFといういわゆる「有性生殖」方法により生成されたヒト胚に関する実験が行われてきた。こうした実験の目的は IVF技術の進歩であると公言されてきた。2004年、体細胞の核移植クローニングという「無性生殖」方法によるヒトの受精が初めて成功した(1)。こうした実験が行われていることは、世界が死の文化に益々脅かされていることの証である。

教会の教示とヒトの生殖

Shea, John B. シー・ジョン
教皇パウロVI世は、避妊という行為が、男性が女性を尊重する気持ちを失わせ、女性を自己の享楽の単なる手段としか見なさなくなると予見したことで、その洞察力がいかに優れていたかを歴史的に証明した。中絶や性感染症の爆発的な増加は、化学的避妊薬の合法化とその利用が拡大した結果、不特定の相手との性交が増えたことの証明である。また、教皇は、道徳的危機を無視した当局が、婚姻している男女にとって不正な手段によって社会問題を解決しようとする危険があることも警告している。その証拠は、現在、国連が支援している世界的な避妊と中絶の推進、中国政府による一人っ子政策に表れている

臓器提供:困った真実

Shea, John B. シー・ジョン
臓器を入手する方法自体が道徳的に正しければ、臓器提供は道徳的に正しい行為と言える。これが通用する状況が説明されている。重要な問題は、「脳死」と宣告された場合、あるいは「心臓死」である場合に、その人が本当に死亡しているかどうかである。その答えは、科学的証拠に照らし、心臓死または脳死の基準が、患者が本当に死亡しているかを確実に示すことが立証されていないことにある。Mauro Cozzoliは、胚の地位に関する記述において、「我々が人間を扱っているかどうかの不確実性は、理論、原理または教義上の立場(dubium uris)において、抽象的な疑念ではない。したがって、それはヒトの生命、ヒトが今ここに存在することに関する事実(dubium facti)についての疑念なのである。」と記している。真の意味において、「確実性と同じ義務が生じるのである。